平和への思い新た 富士/裾野/長泉/小山/清水町で追悼式
終戦から77年となった15日、県東部の各地で戦没者を追悼する催しが開かれた。ロシアによるウクライナ侵攻が続き、台湾情勢が緊迫化する中、参列者はあらためて不戦を誓い、平和への思いを新たにした。
■富士市
富士市のロゼシアターで営まれた戦没者追悼式は小長井義正市長ら約140人が出席。犠牲者3697人の霊を慰めた。遺族会の本多光雄副会長(85)は戦争で家族を失う悔しさをにじませ「戦争の愚かさ、平和の尊さをかみしめ、次の世代に語り継ぐ責務をみ霊の前で誓いたい」と慰霊の花をささげた。
(富士支局・宮城徹)
■裾野市
裾野市は新型コロナウイルスの感染防止対策で参列者を約40人に限定し、市民文化センターで追悼式を開いた。黙とうをささげた後、村田悠市長は「無益な戦争を繰り返さないよう切に願う」と式辞を述べた。
遺族代表らが献花し、市遺族会の横山昌孝会長(74)は「会員は高齢化して人数も減っている。コロナ終息後は中止している中学生の広島県派遣を再開し、戦争の悲惨さを次世代に引き継いでほしい」とあいさつした。
(東部総局・杉山諭)
■長泉町
長泉町は戦没者追悼式を同町のコミュニティながいずみで開いた。新型コロナウイルス感染症の影響で3年ぶりに開催した。
池田修町長や町遺族会会員ら約20人が出席し、黙とうや献花をささげた。池田町長は「海外でも戦争が行われている。改めて恒久平和を祈る」とあいさつした。
遺族会の米山正史会長は(72)は「開催に感謝している。戦争を知らない世代に惨禍を伝えていきたい」と話した。
(東部総局・小西龍也)
■小山町
小山町忠霊奉賛会は、同町の忠霊塔で終戦平和祈願慰霊供養式を開いた。町遺族会役員や町幹部ら約30人が出席し、平和をつなぐ決意を新たにした。
日清戦争以降の戦没者690柱が眠る忠霊塔の前で焼香した。正午のサイレンに合わせて約30秒間黙とうした。
(御殿場支局・矢嶋宏行)
■清水町
清水町は町福祉センターで「戦没者を追悼し平和を祈念する式典」を行った。遺族や町関係者など36人が戦没者の冥福を祈り、献花台に花を手向けた。
関義弘町長は「尊い犠牲を忘れることができない。愛する郷土をより住みやすい町にして子どもたちに引き継いでいく」と平和を誓った。町遺族会の秋元信吾会長(75)は「絶対に戦争をしてはいけない。日本は平和な国家でありたい」と願った。
(東部総局・山本萌絵佳)