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テーマ : 森町

年代に合った提案を 静岡県茶業青年団/太田貴久団長【キーパーソン】

 静岡県内若手茶商でつくる静岡県茶業青年団の本年度団長として、9月の全国茶審査技術競技大会(闘茶会)で団員を率いた。5段以上の段位を持つ競技会上位入賞者が2年以上の研修を経て得られる資格「日本茶鑑定士」を新たに取得。消費の現状や展望を聞いた。

太田貴久さん
太田貴久さん

 ―若者の「お茶離れ」をはじめ、茶業界の現状をどう受け止めているか。
 「業界は変わらず後退が続く。近年は燃料費の高騰や物価高による家計の圧迫が響き、嗜好(しこう)品といえる茶は人々の生活の中から削られ、消費はますます減少している。一方、こうした現状を何とかして打開しようと、県内の若手茶商の姿勢は良い方向へ変わってきている。親から継いで終わりではなく、自ら茶の未来のために試行錯誤する若手が増えてきた。全国闘茶会でも真剣に茶と向き合う姿が見られた」
 ―茶業青年団、闘茶会の意義とは何か。
 「新型コロナ禍が明けたといえる本年度は、先輩や仲間とのつながりを大切にしようと青年団の中で話し合いを重ねた。業界が落ち込む今、若手が一丸となって静岡茶の魅力を前面に押し出さなければならない。その意識や、茶の情報を共有できることに大きな意味がある。闘茶会に出場し、上位に入ることで責任感が芽生えるのも、若手の成長には大切だと思う」
 ―業界の発展に求められることは。
 「若い世代にいきなりリーフ茶の普及を図るのは難しい。ただ、年齢を重ね、家庭で落ち着ける時間が取れるようになった時に飲みたいと思ってもらえるよう、親しみを感じてもらうことが重要。次世代のファン獲得に向けたアプローチをリーフ茶だけにこだわらず、変化するニーズに適応した多角的な視野で、それぞれの年代に合った商品の提案が必要になる」
 (袋井支局・北井寛人)

 おおた・たかひさ 祖父の代から続く森町の製茶問屋・小売りの太田茶店に2006年から勤務。17年に社長を継いだ。23年3月から現職。42歳。

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