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テーマ : 森町

被災地方鉄道 乗って応援 大鉄、熊本ツアー企画 名物広報「守りたい風景」案内

応援ツアーへの思いを語る山本豊福さん=6月上旬、大井川鉄道新金谷駅
応援ツアーへの思いを語る山本豊福さん=6月上旬、大井川鉄道新金谷駅

 昨秋の台風15号で被害を受け、大井川本線の家山―千頭間で運休している大井川鉄道(本社・島田市)が被災から丸1年を迎える9月、同じく自然災害の影響で不通区間が残る熊本県の地方鉄道などを訪ねる応援ツアーを計画している。企画の中心を担い、全行程に同行する大鉄の名物広報、山本豊福さん(58)は「被災した鉄道の復旧には『乗車』という行動が重要。乗って応援してほしい」と強調する。 photo02 大井川鉄道の蒸気機関車(SL)「かわね路号」
 静岡空港からフジドリームエアラインズ(FDA)が熊本便を運航していて、くま川鉄道(人吉市)の永江友二社長が山本さんと親交があったことがきっかけ。今回訪問する同鉄道、南阿蘇鉄道(高森町)、JR肥薩線はいずれも2020年7月の豪雨や熊本地震で被災している。くま川鉄道では永江社長自ら被災地を案内し、復旧状況などを語る。永江社長は「(大鉄も)被災しているにもかかわらず、応援ツアーの計画は心強い。熊本や鹿児島と静岡を結ぶ空路もあり、相互交流を深めたい」と話す。
 9月22~24日の2泊3日のツアーでは東京方面からも参加しやすいよう集合場所を静岡駅に設定し、出発や解散時間にも余裕を持たせた。熊本へのフライト前には大鉄の代名詞である蒸気機関車(SL)「かわね路号」に乗車する。南阿蘇鉄道のトロッコ列車にも乗り、JR肥薩線では築100年以上のレトロな木造駅舎の嘉例川駅を訪れる。
 山本さんは「われわれの地元にはせっかく空港もあるし、遠くにも仲間がいることも実感している。さまざまな輪を広げ、鉄道が走る風景を守りたい」と言葉に力を込める。
 (島田支局・寺田将人)

南阿蘇鉄道 photo02
 阿蘇の山々を眺めながら、観光客を乗せてのんびり走るトロッコ列車で有名。2016年の熊本地震で甚大な被害を受けたが、7月15日に全線の運転を再開する予定。

くま川鉄道 photo02
 利用者の8割が学生で熊本県人吉・球磨地域の足として不可欠な路線。2020年7月の豪雨で全車両が浸水、橋梁(きょうりょう)も流失した。25年度中の全線復旧を目指している。写真は同鉄道の列車「田園シンフォニー」。

JR肥薩線 photo02
 熊本県八代市の八代駅と鹿児島県霧島市の隼人駅を結ぶJR九州の路線。2020年7月の豪雨で被災し、一部区間で運休が続いている。写真は築100年以上の嘉例川駅舎。

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