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テーマ : 森町

静岡人インタビュー「この人」 地射手役を30年連続で務めた 藤田陽一さん(森町)

 森町の小国神社で行われる伝統の神事御弓始祭(おゆみはじめさい)で、氏子の弓引き代表として弓を射る「地射手(ぢいて)」を30年連続で務めた。高校から弓道を始め、現在は県弓道連盟森支部の支部長。60歳。

藤田陽一さん
藤田陽一さん

 -節目を迎えた感想は。
 「まずは長い間、健康に務められたことに感謝している。初めは先輩方についていくことに精いっぱいで、これほど長く続けられるとは思ってもみなかった。今は地射手役の中でも最年長になった。リーダーとしての責任を持ち、伝統の神事を途絶えさせてはいけないとの思いで役目を担っている」
 -30回目の神事をどのような思いで臨んだか。
 「これまでと同じように平常心でいることを心がけたが、当日、拝殿での祈とうを終えて射場に入った時にはさすがに気持ちが高ぶった。皆さんの平穏無事を祈りながら弓を引き、2本とも的に当てることができた。ただ、作法でうまくできなかった部分もあった。長く続けても反省することは多い」
 -地射手を務めるようになったきっかけは。
 「高校時代から指導を受けていた師匠に『やってみないか』と誘われたこと。初めは作法を覚えることが大変で、装束での動きづらさに戸惑ったことを覚えている。緊張してしまって本番は悔しい思いをした。当時の『次こそは』という気持ちがあったからこそ、これまで続けてこられたと思う」
 -今後の目標は。
 「年長者としてこれまで教わってきたことを若手に伝えていきたい。何十年、何百年と継承していってほしい。個人としては伝承の作法にもっと近づけたいという思いがある。体が持つ限りは役目を果たしたい」

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