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テーマ : 森町

「二輪」活況 コロナ禍で続く 静岡県内業界、一層の拡大期待

 新型コロナウイルス下で、「密」を回避した移動やリモート生活による趣味の時間が注目され、二輪購入や免許取得の需要が続いている。かつてバイクに乗っていた人が、長年のブランクを経て再び乗り始めた「リターンライダー」や女性、若者など需要の裾野は広がりつつあり、二輪関連業界は市場のさらなる活性化に期待を寄せる。

受講希望が継続的に続く二輪の教習現場。女性の受講者も目立つ=6月下旬、浜松市東区の遠鉄自動車学校浜松校
受講希望が継続的に続く二輪の教習現場。女性の受講者も目立つ=6月下旬、浜松市東区の遠鉄自動車学校浜松校
二輪の国内出荷台数の推移
二輪の国内出荷台数の推移
受講希望が継続的に続く二輪の教習現場。女性の受講者も目立つ=6月下旬、浜松市東区の遠鉄自動車学校浜松校
二輪の国内出荷台数の推移

 6月下旬、浜松市東区の遠鉄自動車学校浜松校。「旅行で遠出をしなくなった。二輪免許を取ったら、風を感じながら海沿いを走りたい」。浜松市北区の女性会社員(20)が教習に励んでいた。
 遠鉄自校が運営する系列3校の2021年度の二輪入校生は、19年度比52・5%増の1565人と大きく伸びた。女性割合は6・7ポイント上昇し3割弱に。オンライン授業やリモートワーク普及の影響からか、四輪も含めて繁忙期と閑散期との差が縮まっている。営業部後藤公利さん(47)は「収益力が高まり、教員採用に力を入れるなど働き方に投資できるようになった」と語る。
 県内の複数の二輪販売店によると、購入希望の増加と半導体不足などの影響が重なり、新車の納車は半年待ちの状況。人気モデルは1年待ちのケースもある。二輪パーツメーカーのデイトナ(森町)も基礎的な商材となる21年のグローブの売り上げが19年比で67・4%増、ヘルメットが同34・1%増と高い伸びを示す。
 県オートバイ事業協同組合の川嶋登志久理事長(55)は「移動手段から趣味の商材として見直された。その上で安全性充実やスマートフォンとつながる機能など、付加価値の高いバイクが注目されている」と分析する。
 「一過性でなく、安全に長く乗り続けてほしい」と話すのはヤマハ発動機(磐田市)担当者。初心者やリターン層向けに基本技術を指導する「大人のバイクレッスン」は首都圏の一部会場で倍率10倍以上の抽選になるなど希望者が多い。安全面へのライダーの不安払拭(ふっしょく)や仲間づくりを後押しする。
 (浜松総局・山本雅子)

 <メモ> 県指定自動車教習所協会(加盟42校)によると、2021年の二輪コース卒業者は前年比1124人増の1万24人で、過去10年間で最高だった。日本自動車工業会によると、21年度の二輪車(排気量51cc以上)の国内出荷台数は前年度比約4万台増の25万6991台。同会調査部会・二輪車分科会の調査では、二輪ユーザーは前回19年度調査に比べ30代以下の構成比が32%と3ポイント上昇した。

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