アユ釣り、遊漁事業を今季中止 森町・太田川漁協 濁水と豪雨影響
森町の太田川漁業協同組合は13日までに、太田川と上流部の吉川、三倉川における今年のアユ釣りをはじめとする全ての遊漁事業の中止を決めた。濁水の長期化や昨年、今年と相次いだ豪雨災害の影響などから判断した。同組合によると、解禁取りやめの対応は初という。
理事会で台風15号の被害を受けた昨年9月以降、アユ釣りに適した濁度に戻っていないこと、濁りにより十分に稚アユを放流できていないことなどを理由に山本俊康組合長が提案、全会一致で可決した。これを受けて組合員に中止の通知を送付し、遊漁券の購入者には払い戻しの対応を取る。
太田川は静岡県内有数のアユ釣りの名所として知られ、ピーク時には県内外から4千人以上の愛好者が訪れた。ただ、2009年に太田川ダムが供用開始されて以来、川の濁りが長引くようになり、天然遡上(そじょう)のアユの数が減少。遊漁者数も低迷が続いている。加えて今月の台風2号の接近に伴う豪雨により流域に被害が多数確認され、安全確保が困難という。
同組合は県と町に対して太田川の濁水対策と災害復旧などを要望することを決定。20日に町役場で提出する。山本組合長は「釣りを禁止するものではないが、今の河川の状況ではお金をいただいて来てもらうのは心苦しい。ダムの濁水については県に1年間でしっかりと対策を立ててもらい、町と連携して復旧工事を進めてほしい」と求めた。