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テーマ : 森町

リンゴ飴専門店、Z世代中心に話題 静岡県内でも人気広がる

 縁日の定番お菓子の一つとして長く愛されてきた「リンゴ飴(あめ)」が近年、新たに脚光を浴びている。こだわりの食材を使い、カラフルな見た目や多様なフレーバーを展開する専門店のリンゴ飴だ。これまでは主に東京都内で相次いで出店されていたが、静岡県内でも取り扱う店舗が増えている。流行に敏感な「Z世代」と呼ばれる若者を中心に、SNSで映えるおしゃれな“進化系”スイーツの人気が高まりそうだ。

色とりどりのリンゴ飴=静岡市葵区の「りんご飴専門店 富士林檎」
色とりどりのリンゴ飴=静岡市葵区の「りんご飴専門店 富士林檎」


 静岡市葵区の中心街にある木箱型のトレーラーハウス。リンゴのロゴが描かれた真っ赤な丸い看板が掲げられているのは、11日にオープンした「りんご飴専門店 富士林檎」だ。ガラスの引き戸を開けると、まるで洋菓子店のような木目調のショーケース内にカラフルで愛らしいフォルムの商品が並べられている。販売するのは通常のプレーンのほか、静岡抹茶やヨーグルトなど計6種。責任者の幸野勇佑さん(27)は「新商品もどんどん展開していく予定。いろいろ試してお気に入りのフレーバーを見つけてほしい」と話した。
  photo01 木箱型のトレーラーハウスに開業した「りんご飴専門店 富士林檎」   photo01 ショーケースに並ぶリンゴ飴。まるで洋菓子店のよう
 専門店と縁日の屋台の違いについて、幸野さんは「コーティングされている飴が薄いこと」「一口サイズにカットすること」「種類豊富な味付けがあること」を挙げる。食べやすさとバリエーションの豊富さが、進化したリンゴ飴の魅力だという。
 特にこだわっているのはリンゴの味だ。プロに目利きしてもらい、その時期で一番美味しい果実を仕入れる。フードロス削減の観点から、形の不格好さや品質に問題のない傷、割れは気にしない。「味の良いリンゴは、おいしいリンゴ飴になりますから」と幸野さん。そのようなリンゴを使い、子ども向けに格安で販売するイベントを計画するなど、社会問題の解決にも意欲的だ。
  photo01 コーティングされている飴が薄いので、自宅でのカットも簡単   photo01 食べ歩きに最適なカップでの提供も可能です   photo01 くるくると回しながら静岡抹茶をふりかけます   photo01 傷のある果実も飴のコーティングで立派な商品になります
 幸野さんによると、リンゴ飴の流行は今から10年ほど前、東京都内に専門店がオープンしたことから始まったという。2020年にSBSテレビで放送したドラマ「恋はつづくよどこまでも」で、ヒロインがリンゴ飴を食べるシーンが登場し、一気に知名度が上昇。以降はSNS上で写真や動画を目にする機会が頻繁になった。
 ただ、都内を中心にリンゴ飴が流行しているにもかかわらず、静岡市内には専門店がなかったため、関東や伊豆で多様な事業を展開する「カスケードシックス」(東京都、滝真也社長)が出店を計画。全世代が親しみやすいようにと、店名にはカタカナを使わなかった。滝社長は「長く根付くお店となって、地域創生につながれば」と語る。
  photo01 わかりやすいロゴと親しみやすい店名
 県内には既に、こだわりのリンゴ飴を扱って人気を集める店舗もある。熱海市の「Jewel Candy(ジュエルキャンディ)」は2021年7月にオープン。店長の中井正人さん(36)は「当初は伊豆山の土石流の影響で海開きが中止となり、売れ行きが伸び悩んだが、最近は観光客や地元住民が多く訪れるようになっている」と話す。
 森町の小国ことまち横丁内の「ことまちわらび餅」では22年3月から、リンゴ飴の販売を始めた。支配人の佐藤拓さん(35)によると、今年5月には累計販売数が6万個を突破。1日に最大900個の売り上げを記録したこともある。「わらび餅屋だが、リンゴ飴を買い求めるお客様のほうがはるかに多い」と新感覚スイーツの人気ぶりを語る。

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