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“純御殿場”ウイスキー始動 キリン系工場 地元大麦使用「世界へ」

 キリングループ国内唯一のウイスキー工場、キリンディスティラリー富士御殿場蒸溜所(御殿場市)は、御殿場産大麦を使ったウイスキーの製造を始めた。原料調達から瓶詰めまで現地で行う〝純御殿場産〟ウイスキー。押田明成社長は「日本のイメージに合うおいしい商品にして世界に売り出したい」と意欲を示す。大麦の長期購入契約調印式と樽(たる)詰め式をこのほど開いた。

御殿場産大麦を使ったウイスキーの樽詰め式=御殿場市のキリンディスティラリー富士御殿場蒸溜所
御殿場産大麦を使ったウイスキーの樽詰め式=御殿場市のキリンディスティラリー富士御殿場蒸溜所

 同市の高根地区水田転作管理組合員が米の裏作で生産したミカモゴールデン(美醸黄金)を使う。今季は6トンを富士山の伏流水で仕込んだ。14樽(約2500リットル)を少なくとも5年間熟成させる。まずは他の原酒とブレンドして使い、将来的には単独で販売する考え。
 工場操業開始50周年に合わせた挑戦との位置付け。押田社長は「事業を続けられたことに感謝し、地域貢献しようというのが出発点。お米の裏作の大麦活用が広がれば農家の利益になり御殿場を発信する上でも意義がある」と説明した。
 操業開始当初から目指してきた「雑味がなく清らかな味わいとフルーティーで華やかな香り」に「非常に近しい原酒になる」(洋酒生産部)と見込んでいる。式典に出席した勝又正美市長は「特産品として国内外に広がり、御殿場の魅力をアピールできる商品に成長すれば」と期待を込めた。
 (東部総局・矢嶋宏行)

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