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防音室に船舶技術を応用 赤阪鉄工所参入 主力以外で収益力向上

 赤阪鉄工所は研究施設などで利用できる業務用防音室を製造・販売する事業に参入した。静音性が求められる船室の開発で培った技術を応用する。主力事業以外の分野で収益力を高め、持続的成長を目指す。

船室の開発で培った技術を生かし、製造・販売を始めた業務用防音室=焼津市の赤阪鉄工所豊田工場
船室の開発で培った技術を生かし、製造・販売を始めた業務用防音室=焼津市の赤阪鉄工所豊田工場

 業務用防音室は船舶用床材や、内部にグラスウールを詰めたスチール壁面などで構成。走行中の地下鉄車内に相当する約100デシベルの騒音を、静かなオフィス環境と同等の65デシベル程度に抑える。県が2018年に建造した沿岸・沖合漁業指導調査船「駿河丸」で、船室内の居住環境を向上する防音設備を手がけた際に培った技術を生かしている。
 狭い空間でも簡単に組み立てや解体が可能。0・5畳(約0・9平方メートル)から3・2畳(約5・8平方メートル)まで7タイプを受注生産し、他のサイズも要望に応じる。2畳タイプの標準価格は300万円(組み立て・空調取り付け費込み)。
 これまでに大学の化学実験施設向けなどで4台を販売した。工場内に設置する会議室や、聴力検査など医療向けなどの用途も想定し、毎月1台以上の販売を見据える。
 船舶用エンジンが主力の同社は、一度の受注で大きな売り上げがある半面、納品までに時間を要するため、業績の浮き沈みが激しくなりがちなのが経営の重要課題だった。事業企画室の担当者は「多様な分野で業務用防音室の需要を掘り起こしたい」と話す。
 

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