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伊豆の国市、有機農業に本腰 米・野菜栽培研修 新ブランド創出に期待

 伊豆の国市は本年度、有機農業普及に本腰を入れている。畑と水田それぞれ千平方メートルの実証農地で現地研修を始め、市内の耕作者を対象に専門家が栽培技術や知識を教えている。市は将来的に、環境への配慮や安全・健康志向をアピールする新たな伊豆の国ブランドの創出を狙っている。

化学肥料を使わない米作りを学ぶ農家ら=伊豆の国市
化学肥料を使わない米作りを学ぶ農家ら=伊豆の国市


 国が「みどりの食料システム戦略」を打ち出すなど有機農業振興に関する施策を強化する中、同市も昨年度から普及促進に取り組み始めた。昨年度は市民に有機農業への理解を深めてもらうため、消費者を含め市民一般向けに講習会を開いた。本年度は対象を生産者に限定し、実際に有機農業に取り組む人を増やすことを目指す。市内の公益財団法人「農業・環境・健康研究所」の職員が講師を務め、化学肥料と化学農薬、遺伝子組み換え技術を使用しない有機農業を指導する。
 研修は稲作と野菜作りの2コース。稲作コースは除草、時期に合った病害虫対策、収量調査などを学ぶ。野菜作りコースは畑にサツマイモやニンジン、大根を植えて管理する。参加した60代女性は「農家も高齢化している。有機農業が若手の就農のきっかけにもなれば」と期待を示す。
 市は本年度、実証農地で収穫した米を学校給食で使うことを検討している。今後、生産物の市内循環の仕組みづくりも検討する。市の担当者は「安心安全でおいしい米や野菜が身近に手に入ることは、市内の消費者にとっても喜ばしいことだと思う」と話す。
 (大仁支局・小西龍也)

 「農業人口増加も」 農林水産省担当者
 農林水産省によると、日本の有機農業普及率は先進国の中でも低い。「みどりの食料システム戦略」では2050年までに有機農業取り組み面積を耕地面積全体の25%を目標としているが、0.6%にとどまっているという。担当者は「若年層に教えることができれば農業人口増加もあり得る」と伊豆の国市の取り組みに期待を寄せる。

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