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大自在(2月22日)「松本零士」

 消防隊員の肩に乗って離れようとしないネコ。不安そうな表情で隊員の顔に近づく。トルコ・シリア大地震で129時間後に助け出された小さな命。SNSの動画が胸を打った。名付けられた「エンカズ」はトルコ語でがれきの意味。
 トルコは、自治体に避妊手術やワクチン管理を義務付けるなど野良猫、野良犬に優しい国とされる。イスタンブールに暮らす野良猫7匹の生きざまを描いた2016年のドキュメンタリー映画「猫が教えてくれたこと」では、船乗りがこんなせりふを残した。「猫は人に愛を教えるために神様から与えられるものだ」
 ネコを愛したといえば、13日に85歳で亡くなった漫画家の松本零士さんだ。幼少の頃から20匹以上のネコと暮らしたという。「親であり兄弟であり子供。いつの時代もネコは家族」と雑誌「BRUTUS」(マガジンハウス)の21年4月15日号に答えていた。
 「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」など松本作品にはネコがよく登場する。モデルは愛猫「ミーくん」。4代目までいて、すべてトラ柄。
 松本さんが20代の頃、迷い込んで来た野良猫が初代。2代目は天井裏で野良猫が産んだ子ネコ。3代目は丸々太って8キロに。ツイッターで松本さんの日常をつぶやいていたのが4代目である。
 4代目は生まれつき腎臓が悪く、獣医師から「1歳まで生きられない」と言われた。それでも8歳まで頑張った。21年6月以降のつぶやきは、天国からの声だった。「別れの時が忘れられない」と語った松本さん。愛する4匹の元へ、旅立った。

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