テーマ : お酒・ビール

耕作放棄地「再生のビール」 ショウガ味、廃棄物処理会社が製造 自社の強み生かす

 廃棄物処理業の丸徳商事(静岡市清水区、松崎徹志社長)が、耕作放棄地を使って栽培した新ショウガとホップを原料にした「ジンジャービール」を完成させた。作物の栽培には食品の残りかすなどから自社製造した有機肥料を使用。地域貢献やSDGs(持続可能な開発目標)につながる取り組みとして発信し、廃棄物処理業のイメージアップを図る。

「ジンジャービール」を手に、取り組みについて語る松崎徹志社長(右)=1月中旬、静岡市清水区の丸徳商事宍原事業所
「ジンジャービール」を手に、取り組みについて語る松崎徹志社長(右)=1月中旬、静岡市清水区の丸徳商事宍原事業所

 汚泥や食品かすを発酵処理した有機肥料「かんとりースーパー静岡」を8年前から製造する同社。事業所のある同区宍原の周辺では近年、茶畑の耕作放棄地が増えていたことから、肥料を活用して畑を再生するプロジェクトに着手した。複数の作物をテストし、栽培しやすい新ショウガからスタート。その後ビールの原料とすることを視野に、ホップの栽培にも取り組んだ。
 第1弾として製造したビールは330ミリリットル瓶で860本。富士宮市のクラフトビール醸造所「フジヤマハンターズビール」が協力した。非売品で、社内外で配るなどして同社の取り組みを伝えるツールとして活用する。
 新ショウガは「しょうがの金太郎」と名付けてブランド化し、紅しょうがやシロップの原料として地元企業による利用も進む。昨年の収穫作業には、丸徳商事の若手社員や内定者も参加した。松崎社長は「自分たちの仕事がSDGsに貢献する仕事と実感してもらいたかった。採用活動の中でも取り組みを知ってもらい、仕事の魅力を伝えたい」と力を込めた。

いい茶0

お酒・ビールの記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞