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江川酒「今年は辛口」 伊豆の国・英龍公広める会 会員ら上槽作業見守る

 幕末の伊豆韮山代官、江川太郎左衛門英龍の業績を全国に発信している「江川英龍公を広める会」が、江川家に伝わる日本酒「江川酒」の復元に取り組んでいる。江川家の田んぼで会員らが育てた米を使い、万大醸造(伊豆市)に依頼して酒造りを進める。会員らは2月、同社を訪れ仕込み作業の状況を確認した。

上槽作業を見守る「江川英龍公を広める会」の会員ら=伊豆市の万大醸造
上槽作業を見守る「江川英龍公を広める会」の会員ら=伊豆市の万大醸造

 江川酒は徳川家康も好んだとされ、江戸中期まで醸造されていたが、幕府の財政改革に伴い作ることができなくなり、一度は途絶えた。ただ、製法書が見つかったことから2021年、同会が復元に挑んだ。
 最初の年は酒米「誉富士」、2年目からは会員が育てた一般米「アイチノカオリ」を使う。2月上旬に3段仕込みの最後の工程を終え、下旬には搾り作業の「上槽(じょうそう)」を行った。今年は辛口の酒に仕上がり、作業を見守った会員を喜ばせた。
 杜氏(とうじ)の伊奈静夫さんは「自然相手の酒造りなので、毎年味が変わってくる。うまく出来たのではないか」と自信をのぞかせた。石渡浩二会長は「今年も無事に搾ることができて良かった。多くの人に味わってほしい」と喜んだ。
 4合瓶500本ほどが出来上がる見込み。復元プロジェクトに出資した会員に返礼品として渡す。
 (大仁支局・小西龍也)

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