テーマ : お酒・ビール

コラム窓辺 ヒトの意思決定の儚さよ【杉原行洋/ハヤテグループ代表】

 いま、皆さんは上司と新年会の席につきました。1杯目から焼酎をやりたいところ、上司から順に「とりあえずビール」「ビール」「ビール」と自分の番がきました。さて、「私は焼酎で。メニューはありますか?」と流れを止める肝の据わった方はおられますか? 「私もビールで」と流される方がほとんどではないでしょうか。

杉原行洋氏
杉原行洋氏

 これを同調圧力といいます。例えばこのようなチカラで自身の選択は簡単に変えられてしまいます。
 もう一つ。前回は「かんじんなものは目に見えないんだよ」という星の王子様の一言で締めくくりました。今回は「見ようとしなければ見えない」というお話です。
 突然ですが即答ください。「この中で最も大きいのはどれでしょうか? ①幼稚園②小学生③大学生」。
 答えは①ですよね。でも、とっさに②または③に目が行きませんでしたか? 注意力を含め、人間の脳のリソースは限界があるため、それを節約して使おうとする癖があります。
 このように簡単にヒトの判断はゆがみうるのです。これら事例は笑い飛ばせますが、似たようなことが会社、病院、公的機関等で日常的に起きているとしたらどうでしょうか?
 皆がバイアスや癖を意識した上で意思決定ができれば、個人も組織もより健全な方向に向かうのではないかという思いから、私は大学で教鞭をとり、脳科学のさわりをお話させてもらっています。
 そんな私は下戸で、お酒が飲めません。お後がよろしいようで。
(杉原行洋=すぎはらゆきひろ/ハヤテグループ代表)

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