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5区支部長に細野氏 議論へ 一部の自民県議推す 古参、反発根強く

 4月の統一地方選と衆参5補欠選挙を終え、静岡県内の自民党関係者の間では5月の大型連休を前後して、“空席”の衆院静岡5区支部長ポストを巡る動きが活発化しそうだ。2021年11月に自民入りした細野豪志衆院議員(静岡5区)を推し、5月末の党県連大会で支部長就任を求める声が県議の一部から上がる一方、旧民主党時代から細野氏と戦ってきた地元支部の古参党員らの反発は根強い。統一地方選前半戦の県議選では細野氏との距離を巡って自民系同士が争った選挙区があり、5区支部長問題は支部分裂や党員の離党を招く恐れもある。

県議選で自民公認候補の出陣式に駆け付けた細野豪志衆院議員(中央)=3月末、三島市内
県議選で自民公認候補の出陣式に駆け付けた細野豪志衆院議員(中央)=3月末、三島市内

 「自民党入り、県連入りに道筋をつけていただいた恩がある。何があっても一緒に歩む」。4月初旬の県議選。焼津市の自民公認候補の隣に声を張り上げる細野氏の姿があった。
 細野氏は「静岡県衆議院支部」の支部長の肩書を持つ。県議選では函南町や焼津市、磐田市など各地の激戦区で党公認候補の応援に奔走した。函南町では、町支部と支援した自民公認新人が、前回19年県議選まで細野氏が支援した野党系現職を破り、議席を奪還。党県連幹部は「統一地方選で最も貢献した国会議員」と評し、県連大会での支部長就任の算段を模索する。
 静岡5区は、党支部長だった吉川赳衆院議員(比例東海)が週刊誌報道を受けて離党。党県連の城内実会長(衆院静岡7区)が5区支部長を兼務する。細野氏は入党後初の国政選挙となった22年7月の参院静岡選挙区で自民公認候補の支援に入り、陣営幹部から「当選の功労者」とされた。
 統一地方選でも、知名度と集票力を背景に地方議員と距離を縮め、多くの自民系候補が細野氏との協力姿勢を打ち出した。
 ただ、細野氏の5区支部長就任には、函南町支部など賛同する組織がある一方で、態度を鮮明にしない市町支部もある。県議選の御殿場市・小山町選挙区では、21年衆院選で細野氏を支援した支部の若手が新人を立てたが、細野氏と対峙(たいじ)する古参党員が支える現職に敗れ、支部の亀裂が決定的になった。三島市でも22年12月の市長選を巡り、支部が推した新人が、細野氏と近い現職との対決に敗れ、三島市支部長が辞任するなど混乱が続く。
 統一地方選後半戦の市議選で、多くの自民系候補が細野氏と連携した富士市。同市富士支部の幹部は「候補者は自らの当選のために細野氏に傾くが、党員はそう簡単に納得できない」と議員の動きを冷ややかに見つめ、支部長就任を強行されれば「多数の離党者が出る」と警告する。板挟みに苦しむ地方議員の一人は「段階的に党員のわだかまりを解消する努力が必要」と軟着陸を探る。
 後半戦と同日に行われた衆参5補選は自民の4勝1敗となり、早期解散の観測もある。解散・総選挙になった場合、野党系候補者の県内空白区は静岡5区をはじめ複数あり、各党の動きも注視される。

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