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「ハーモニカ」と「走り幅跳び」でアジア1位 異色のアスリート小林さん(富士市)指導者出会い成長

 元小学校教諭の小林正人さん(66)=富士市=が昨年11月、フィリピンで開かれたアジアマスターズ陸上選手権大会M65(65~69歳)クラスの走り幅跳びで優勝した。小林さんはハーモニカのアジア大会シニア部門で2連覇も達成。100メートル元実業団選手の指導者と出会い、異色のアスリートは演奏に加え陸上でも世界で戦えるレベルに成長した。

優勝した小林さん(右)と指導する川端さん=富士市の富士総合運動公園陸上競技場
優勝した小林さん(右)と指導する川端さん=富士市の富士総合運動公園陸上競技場


 10歳から陸上競技を始めた小林さん。大学生まで継続したが、社会人になるタイミングで一度引退。30代前半に復帰してからは、けがで引退と復帰を繰り返した。
 2年前に復帰してから、競技場で練習していた時、他の人のパーソナル指導をしていた川端公人さん(31)に「自分も教えてほしい」と声をかけた。川端さんは小林さんの走り方のフォーム改善に注力。足の接地位置を変えたことで重心移動が楽になり、加速がスムーズになったという。
 小林さんは同大会で4メートル68センチの好記録をマーク。昨年の全日本マスターズの同クラス優勝記録も上回った。「初めて陸上で取ったアジア1位。すごくうれしかった。スピードに乗って踏み切ることができた」と喜ぶ。川端さんは「練習を見るたびに動きが変わるのが分かった。報告を受けたときは自分のことのように喜んだ」と振り返った。
 次の目標はハーモニカの3連覇と100メートルでのアジア大会優勝の「2冠」だ。「いくつになっても目標は持っていい。新しく学ぶことも大切だと改めて感じた」と前向きだ。
 (東部総局・天羽桜子)

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