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静岡市の人口減問題 若年女性流出と出生率の低さ顕著 調査中間報告

 静岡市は26日、人口減少問題に関する調査の中間報告会を市役所静岡庁舎で開いた。同市で人口減少が進む主な要因として出生数の低さに着目した上で、若年女性人口の流出や、結婚している女性の出生率の低さが全国の政令市の中でも顕著だとし、今後、居住環境や労働環境との関係性を分析するとした。調査に協力している静岡大の上藤一郎教授(統計分析)は「問題を放置すれば、2035年に(政令市の要件である)人口50万人を下回る可能性が極めて高い」と対策の必要性を強調した。

静岡市の出生数変化の要因分解分析
静岡市の出生数変化の要因分解分析
静岡市の出生数に関する主なデータ
静岡市の出生数に関する主なデータ
静岡市の出生数変化の要因分解分析
静岡市の出生数に関する主なデータ


 市内の女性人口は2000年以降減少が続き、総人口に占める15~49歳の女性の割合は20年に18・4%で政令市と東京23区の21都市中20位だった。15~49歳の女性のうち結婚している人の割合を示す「有配偶率」が48・5%で9位だった一方、結婚している女性に子どもがいる割合を示す「有配偶出生率」は68・8%で16位と低かった。
 女性は20年に1万794人が転出し、転出先は23・7%が県内他市町、23・0%が東京圏だった。県内市町では浜松、焼津、藤枝、富士市が多かった。
 中間報告では、近隣市町に転出が進む背景には、静岡市の地価や家賃が高いなど住環境に関する問題があるとみて調べるほか、若年層の結婚意識や結婚しても子どもを持たない理由について、アンケートなどを通じて分析を続けるとした。
 上藤教授は特に合計特殊出生率、人口減少とも割合が大きい清水区での対策の必要性を強調した。
 同市は政令市の中で人口が最下位であることを踏まえ、抜本的な対策に取り組むため23年9月に庁内にプロジェクトチームを設置し、外部有識者が参加する「市政変革研究会」の協力を得て統計データを調査、分析していた。
 (政治部・尾原崇也)

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