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養鱒業の歴史 幻の酢を紹介 富士山の湧水が育んだ食品 富士宮で研究会

 静岡県によるガストロノミーツーリズム研究会が26日、富士宮市の富士山本宮浅間大社で開かれた。県富士山世界遺産センターの研究者が、富士山の湧水の恵みが育んだ食品を解説した。

富士山の湧水の恩恵を受けた食品を紹介する登壇者=富士宮市の富士山本宮浅間大社
富士山の湧水の恩恵を受けた食品を紹介する登壇者=富士宮市の富士山本宮浅間大社

 井上卓哉准教授(民俗学)は豊富な水源を生かした富士宮市の養鱒業の歴史をたどった。国策でニジマスのふ化場や養殖場の整備が進んだ昭和初期、県内初の民間養鱒場が市内で創業した。湧水は年間通して水温や水質が保たれる特徴があり、井上准教授は計画的な生産を可能にしていると解説した。
 大高康正教授(歴史学)は幻の名産品と題して「善徳寺酢」を紹介した。富士市今泉にかつて存在した東泉院で醸し、徳川将軍家に献上していたが、18世紀ごろに廃れた可能性を示した。
 同研究会は2023年度に県内各地で全6回実施する。今回は5回目。観光業や食品製造業の関係者が講演を聞き、富士山の湧水で仕込んだ日本酒やマス料理を味わった。
 (富士宮支局・国本啓志郎)

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