テーマ : 富士市

「防災上重要な道路」沿い 非耐震建築物316棟 静岡県報告

 静岡県と県内の沿岸21市町が防災施策の情報共有を図る県津波防災地域づくり推進連絡会がこのほど、県庁で開かれ、県は「防災上重要な道路」沿いに耐震性がない建築物が県内に316棟あると報告した。所有者には耐震化の努力義務があり、県は耐震化を提案する専門家の派遣や補助制度を通じて耐震改修を促している。
 県は、災害時の緊急輸送ルートのうち、県・市町災害対策本部や災害拠点病院など65拠点につながる道路と、中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)事故時の避難経路の計約690キロを防災上重要な道路としている。
 国は、1981年5月以前の旧耐震基準で建てられた建物のうち、倒壊した場合に重要道路をふさぐ恐れがある建物に耐震診断を義務づけている。県建築安全推進課によると、県内の対象建物は401棟(2023年1月時点)で、耐震診断の結果は県ホームページで公表している。担当者は「倒壊すると緊急輸送ルートの閉塞(へいそく)だけでなく、津波避難も困難になる」と強調した。
 大規模災害に備え、地域の再建手順をあらかじめ決めておく「事前都市復興計画」に関する報告もあった。県都市計画課によると、現時点で策定済みは富士市のみで、浜松市と下田市が策定中という。担当者は「発災後2カ月以内に『被災市街地復興推進地域』を都市計画決定する必要がある。災害が起きてから検討している時間はほぼない」と述べ、国と県の補助制度を活用して市町の計画策定を後押ししたいとした。
 連絡会では、伊豆市土肥地区で整備中の松原公園津波避難複合施設と、湖西市津波防災地域づくり推進計画について両市の担当者が説明した。

いい茶0

富士市の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞