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「理事追加」項目削除 富士市の給与条例 退職者登用、理由不明瞭 

 富士市議会総務市民委員会は18日、市職員の給与に関する条例の改正案を14日に続いて審査した。市の重要課題の解決に向けて部長職などの退職者を登用する理事職について、条例改正案で示された追加項目を削除する修正案を可決した。
 委員が提出した動議は「理事を設置する理由が不明瞭で必要性を理解できない」として、部長職に次ぐ給与で理事を置くことに反対した。市側の説明によると、理事は部単独で解決が難しい案件を扱い、他部や関係機関との調整に当たるポスト。専門性のある外部の人材や、市の施策に通じた部長職の経験者を想定していた。
 14日の審査では「天下り先になる」「ポストがやみくもに増えるのでは」などと疑義が相次いだ。市側は対応として理事設置規則案を作るなどの考えを示していた。
記者の目 課題解決へ決意必要  富士市が部をまたぐ重要課題に対応するため部長職経験者を理事として登用するとした条例改正案は、市議会の反対で関連部分が削除された。市側は理事の必要性を繰り返し説明しただけに、課題解決に当たる決意と姿勢をより一層示していくことが必要だ。
 重要課題とは中央病院の老朽化に伴う新病院建設や人事管理など。いずれも関連部局が連携した上で集中して取り組むべき特命事項で、強い権限を持って柔軟に動くポストが期待されることには一定の理解が示された。ただ社会情勢が大きく変わる状況にあって、今後も特命が乱発されることなどへの懸念は解消されなかった。
 理事の意義を訴える説明には「現体制を担う役職のやる気をそぐのでは」と危惧する声も聞かれ、新体制がスタートする時期に危うい空気も感じた。難しい案件を背負う各部門は限られた人材が最大限に力を発揮し、対応を確実に前進させてほしい。
 (富士支局・宮城徹)

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