テーマ : 富士市

特支卒業後も学びの場を 4月、静岡に「福祉型大学校」複数開校

 静岡市内に2024年4月、特別支援学校高等部を卒業した障害のある人などが社会で必要なスキルを身につける「福祉型大学校」が複数開校する。特別支援学校卒業生の主な進路は就職だが、コミュニケーションが円滑に進まずに、職場でトラブルが生じたり早期に離職したりしてしまうケースも少なくない。進路の選択肢を増やすとともに、適応力を養うことが狙い。

「カレッジまどか」開校準備を進める国分聡子学長(右)らスタッフ=昨年12月下旬、静岡市葵区の同準備室
「カレッジまどか」開校準備を進める国分聡子学長(右)らスタッフ=昨年12月下旬、静岡市葵区の同準備室
「明光学館大学」のキャンパスの一部となる部屋を紹介する寺田亮一会長=昨年12月下旬、静岡市葵区のレキシア鷹匠
「明光学館大学」のキャンパスの一部となる部屋を紹介する寺田亮一会長=昨年12月下旬、静岡市葵区のレキシア鷹匠
「カレッジまどか」開校準備を進める国分聡子学長(右)らスタッフ=昨年12月下旬、静岡市葵区の同準備室
「明光学館大学」のキャンパスの一部となる部屋を紹介する寺田亮一会長=昨年12月下旬、静岡市葵区のレキシア鷹匠

 障害ある人、進路に選択肢 対人スキルや認知機能養う
 同市駿河区馬渕には、教育や福祉分野の勤務経験が豊富なスタッフ4人が中心となり「カレッジまどか」を開く。毎週月曜から金曜と一部土曜に、認知機能や社会性を養うトレーニング、性の健康や安全を学ぶ性教育のほか、家政学、エクササイズ、心理学などの授業を1日数コマ行う。定員は各学年20人。
 特別支援学校の教諭を長く務めた国分聡子学長は「学生自身が試行錯誤しながら、不測の事態や失敗を乗り越える経験を重ね、自己肯定感を高める場となれば」と意気込む。
 同市葵区鷹匠の複合型福祉施設「レキシア鷹匠」には社会福祉法人の明光会が運営する「明光学館大学」が開校する。社会福祉事業の経験豊かな支援員が日課をサポートする。毎週月曜から金曜、自ら課題を見つける地域貢献活動「鷹匠タイム」をはじめ、学校とは異なる学びの場とする予定。定員は各学年10人。
 同法人の寺田亮一会長は「人生100年時代。就職を急ぎ過ぎず、ボランティアや地域活動などで人との交流や社会体験する場があっても良いのではないか」と開校への思いを語る。
 このほか同市清水区でも、精華学園高清水校の運営者が近く福祉型大学校を開校予定。障害のある人の学びの場へのニーズは近年高まっていて県内には、20年開校の「ゆたかカレッジ沼津キャンパス」(沼津市)や「Salita Fuji」(富士市)などもある。
 (教育文化部・鈴木美晴)

 <メモ>福祉型大学校は「大学校」という名称だが、学校教育法で定める学校ではなく、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの一つ。利用料金は同法の規定により決まる。記事で取り上げた2校の問い合わせ先は次の通り。
 ◇カレッジまどか準備室<電070(5649)1491>
 ◇明光学館大学準備室<電054(270)7110>

いい茶0

富士市の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞