テーマ : 伊豆市

暑さ吹き飛ぶ川遊び人気 静岡県内のスポットを訪ねました【しずおかアウトドアファン】

静岡 河川敷に設けた池に入って遊ぶ子どもたち
静岡 河川敷に設けた池に入って遊ぶ子どもたち

 いよいよ夏本番。猛暑が続く中、「涼」を体感できる水辺は連日、多くの人たちでにぎわっている。近年は、身近な場所で自然に親しむことができる川遊びが人気だ。親子連れが気軽に楽しめるように整備された、静岡県内の遊び場を訪ねた。

 「冷た~い」。河川敷の池に入った子どもたちの声が響く。安倍川の河口から16キロ上流の左岸。静岡市葵区牛妻で夏場に開かれる「うしづま水辺の楽校[がっこう]」には連日、大勢が詰めかける。安倍川の伏流水をためた池の水温は20度ほどで、この時季の水遊びに最適だ。 photo02 水路で魚の姿を追う親子連れ=7月中旬、静岡市葵区のうしづま水辺の楽校  河川敷には、石積み護岸で水をせき止めた池が三つあり、それぞれ深さが異なる。水深50センチほどの場所では浮輪を浮かべて楽しむ親子も。幼い子どもの水遊び用に浅いプールも別にある。下流側は水路で、子どもたちが魚を捕まえていた。
 2008年に国土交通省が整備し、地元住民ボランティアでつくる「うしづま水辺の楽校[がっこう]世話人会」が中心になって翌年から夏場に開設してきた。開校日の運営だけでなく、清掃や周囲の草刈りなど年間を通じて継続的に維持管理に当たる。
 新型コロナウイルス禍で休止し、今年は4年ぶりの開校だ。葵区の大間勢司さん(69)は小学1年の孫、遙陽君(6)を連れて来た。「ここに来るのを楽しみに、昨日から泊まりに来ていたほど。家族で遊べるのがいい」と話した。
 暑さの中の水辺のレジャー。世話人会は、来場者の低体温症と熱中症の両方に気を配る。45分に1回、本部から放送で呼びかけ、水から上がって休憩してもらう。荻野春美会長(75)は「危険がないか、メンバーが監視している。ルールを守って楽しんでもらいたい」と話す。
 27日まで。7、21日は休校。午前10時~午後3時半。入場無料。 photo02 はままつフルーツパーク時之栖そばの都田川で水遊びを楽しむ来園者=浜松市北区  浜松市北区都田町の「はままつフルーツパーク時之栖」は、施設の敷地に沿って流れる都田川に夏季限定の水遊びエリアを設けている。川岸に近く、水深が浅い部分にネットを設置してあるため、親子連れに人気のスポットだ。
 午前10時の開場と同時に多くの来園者が訪れ、浮輪を使って泳いだり、水をかけ合ったりしてひとときを過ごした。母親と来場した同区の小学1年生・内山結都君と藤原陸君は「水が冷たくて気持ちよかった」「水鉄砲ができて楽しい」と笑顔を見せた。
 川遊びは泳ぎに加え、生き物との触れ合いなども楽しめ、海水浴のように潮で肌がべとつかない。岸辺の木立で涼みやすい点なども親子連れが選びやすいポイントになっている。
 同エリアは原則、9月3日までの土、日曜と祝日に開設する(8月5~20日は連日)。同パーク入園料が必要。 photo02 水辺で生き物を捕まえるなどして楽しむ親子連れ=7月中旬、伊豆市湯ケ島の水恋鳥広場  伊豆市湯ケ島の国道414号沿いにある「水恋鳥[みずこいどり]広場」は、本谷川の自然の流れの中で水遊びができる。川幅は広い部分で約15メートル。流れは緩やかだ。岸に近い場所に入った子どもたちは、たもを手に魚やカニを追いかけた。
 人気なのはニジマスのつかみ取り。捕まえたマスをその場でさばいてもらい、炭焼きにして味わえる。予約制でバーベキューも可能だ。岸辺には着替え用のテントも設置してある。
 管理運営に当たる市観光協会天城支部によると、観光客などのリピーターが多く、今夏は延べ6千人の来場を見込む。3歳の長女を連れて東京都町田市から訪れた教員森宗優明さん(30)は「伊豆には海水浴など自然を求めて来る。ここは初めてで、普段はない体験」と話した。
 27日まで連日営業する。午前10時~午後3時。入場料は大人500円、3歳~小学生200円。
 (生活報道部・山本淳樹、草茅出)

遊ぶ川の特性知って 安全に
 全国で水難事故が相次いでいる。川遊びを楽しむ時、注意すべきことは何か。水の事故に詳しい水難学会会長の木村隆彦・明治国際医療大教授に聞いた。

 「水位が膝下なら安全」とは言い切れない。川底は平らではなく、初めは浅い所で遊んでいても、一歩進んだ時に深みにはまることもある。どこが深くて危険なのか、川の特徴や特性を知った上で遊ばないと、事故につながる。子どもだけではなく、保護者の世代も川について知らないことが多く、注意が必要だ。
 救命胴衣もあくまで救助を待つための道具で、正しい着用法や使い方を理解しなければいけない。万一、流されたり深みにはまったりしたら「浮いて待つ」ことが基本になる。コロナ下で学校の着衣泳の授業が不十分なことも考えられ、大人が対処法を教えてほしい。

いい茶0

伊豆市の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞