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歴史資源、観光にどう生かす 地域おこし担う人材育成に注力 静岡県東部地域局

 地元ゆかりの大河ドラマ放映を契機に、歴史・文化資源を活用して地域振興を図る県東部地域局の観光地域づくり事業が、最終年度の3年目に入った。過去2年間は地域資源の情報発信を続けてきたが、本年度は資源活用を担う人材育成に注力する。地域を挙げて資源を生かす動きの定着、持続を目指す。

歴史・文化資源の活用方法を考える観光関係者対象のワークショップ=沼津市
歴史・文化資源の活用方法を考える観光関係者対象のワークショップ=沼津市


 伊豆市修善寺に伝わる和紙「修善寺紙」のランプ作り体験と修善寺紙の乗車券付き鉄道乗車体験をセットに-。6~7月に開いた観光関係者向けのワークショップ。観光施設従業員や行政職員が観光マーケティングの専門家の助言を受けて、資源の活用法を発案した。具体化は参加者に委ねられるが、同局は「知識や人脈を生かしてほしい。できることがあれば支援する」と期待を込める。
 観光地域づくり事業は、県東部・伊豆地域が舞台の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」放映決定を受けてスタートした。見どころを紹介するガイドマップやプロモーションビデオをつくり、スタンプラリーを企画。誘客や周遊促進に一定の効果を上げた。ただ、今年の大河ドラマ「どうする家康」の主人公徳川家康との関わりは県中西部に比べて薄く、盛り上がりは下火に。周知した資源を十分活用しきれていないのが課題だ。
 源頼朝が挙兵した三嶋大社(三島市)、幕末に日米交渉の舞台になった了仙寺(下田市)。国内有数の観光地である県東部・伊豆には、武家社会の幕開けから終焉(しゅうえん)までの全時代の資源が存在する。同局は「武士の時代の歴史をまるごと楽しめる地域は他にない。ストーリー仕立てで発信や誘客ができる」と可能性を見いだす。
 学生や経営者らを対象に商品プラン開発セミナーを9月まで開催中。12月には一般住民対象のシンポジウムを開き、専門家が大河ドラマに絡めて資源の価値を広く伝える計画だ。資源を受け継ぐ人、口コミやSNSで発信する人も増やす。
 (東部総局・矢嶋宏行)

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