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「半島地震」対策どうする 伊豆市長選スタート 有権者も注目 「安全な観光地化」に期待

 14日に告示された伊豆市長選は、元日に起きた能登半島地震から初めての県内半島部での首長選となる。能登半島地震では道路の寸断で救助や物資供給が困難となる「半島地震」の課題が顕在化した。有権者は改めて市の災害対策のあり方に注目している。

伊豆市長選の立候補者の演説に耳を傾ける有権者=14日、伊豆市内
伊豆市長選の立候補者の演説に耳を傾ける有権者=14日、伊豆市内
建設中の津波避難タワー「テラッセオレンジトイ」の前で、市と協働した災害対策について語る「土肥ノベーション」の関富範社長(左)と土肥温泉旅館協同組合の野毛貴登理事長=4月、伊豆市内
建設中の津波避難タワー「テラッセオレンジトイ」の前で、市と協働した災害対策について語る「土肥ノベーション」の関富範社長(左)と土肥温泉旅館協同組合の野毛貴登理事長=4月、伊豆市内
伊豆市長選の立候補者の演説に耳を傾ける有権者=14日、伊豆市内
建設中の津波避難タワー「テラッセオレンジトイ」の前で、市と協働した災害対策について語る「土肥ノベーション」の関富範社長(左)と土肥温泉旅館協同組合の野毛貴登理事長=4月、伊豆市内

 「被災後の人命対応を今まで以上に考える必要がある」。同市土肥の松原公園内で建設が進む津波避難タワー「テラッセオレンジトイ」。指定管理者「土肥ノベーション」の関富範社長(58)=同市八木沢=は、7月開所を控えた建物を見上げ、防災への決意を強くする。
 市は修善寺地区に建設中の防災機能を備えた「日向公園」(仮称)と並行し、二大防災拠点として整備を急ぐ。同タワーは平時は観光客を収容する。関社長は「これで土肥の観光客の災害リスク低減につながる。市内各地で、住民、観光客それぞれが、さらに避難しやすいハード、ソフト整備が進めば」と期待する。
 市危機管理課によると、市内では大地震発生時、山間部、海沿いなど複数の集落で孤立化の恐れがあるという。国道136号の寸断が想定される同市小下田地区に、市は昨年、災害時に広域避難施設として利用される「小下田ふるさとセンター」を設置した。
 市の避難所にも指定されている同地区の最福寺の広沢智純住職(72)は能登半島地震を受け、「伊豆半島と構造が似ていると聞いて、さらに防災対策を考えるようになった」。孤立集落解消に向けて復旧が早かった台湾東部沖地震を挙げ、「山間部も含め、災害時により円滑に避難所で生活できるような段取りと物資があれば」と指摘する。
 コロナ禍を越えて、土肥地区を含め、市内の旅行需要は本格復調してきた。土肥温泉旅館協同組合の野毛貴登理事長(54)は「防災に強いまちづくりは、観光地の必須要件。観光客の生命と財産も守るため、今まで以上に市と協働で対応を強化したい」と市長選後を見据える。
 (大仁支局・小西龍也)

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