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年齢、障害 気にせず走って爽快感 “誰でも自転車”続々 オートクラフト・IZU(伊豆)が開発

 自転車を製造販売するオートクラフト・IZU(伊豆市)が、年齢や経験、障害の有無などにかかわらず誰でも乗れる「インクルーシブ自転車」を開発し、普及に乗り出す。主力の「おもしろ自転車」が障害者や高齢者に受け入れられたのがきっかけ。高田二郎専務(38)は「風を切って走る爽快感、親しい人と一緒に乗るうれしさを多くの人に感じてほしい」と意欲を示す。

インクルーシブ自転車を紹介する高田専務(中央)ら=伊豆市
インクルーシブ自転車を紹介する高田専務(中央)ら=伊豆市


 高田克伸社長(78)を中心に、車椅子のまま荷台に乗れる「ペリカンサイクル」や、左右のハンドルを回すと動く自転車などを開発した。元々誰でも乗れる仕様だった「おもしろ自転車」を含め、10車種ほどをインクルーシブ自転車と位置付ける。足元に輪っかを付け、力が弱い人でもこげるようにした車両も。今年初めに商標登録を申請した。
 形や仕組みが特徴的な「おもしろ自転車」を約40年前から製造する。主に子どもや親子向けだが、転倒の恐れがなく、一部車種はハンドル操作ができなくても乗れるため、障害者や高齢者に喜ばれているという。特別支援学校からの注文も増え、「もっと多くの人に届けたい」(高田専務)と昨夏に開発を本格化した。
 各地で開く体験会の参加者や医療関係者の意見を聞き機能性を高めている。専用のパンフレットを今後製作し、インクルーシブスポーツの実施に前向きな自治体や福祉施設などに売り込む計画だ。高齢者が自転車に乗ると童心に返り明るくなると聞いた高田専務は、世代間交流の機会創出や居場所づくりにも役立つと期待する。
 (東部総局・矢嶋宏行)

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