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静岡人インタビュー「この人」 インクルーシブ自転車の普及に取り組む 高田二郎さん(伊豆市)

 形や仕組みがユニークな「おもしろ自転車」を製造販売するオートクラフト・IZUの専務。同社が開発し、年齢や障害の有無などにかかわらず誰でも乗れる「インクルーシブ自転車」のPRに奔走する。38歳。

高田二郎さん
高田二郎さん

 ―開発した車両は。
 「車椅子のまま荷台に乗れるペリカンサイクルやボートのオールのようにこぐオールサイクルをはじめ4種類。おもしろ自転車として開発した車両も含めて10車種がインクルーシブ自転車と言える。安全性と面白さを重視する。一部車両はベルトや足を入れる輪を付けた。左右のハンドルが独立し、どちらかを回せば何かしら動く車両は重い障害のある人でも使える」
 ―開発の経緯は。
 「障害のある方も楽しめる自転車を10年以上前から作り、展示会に出展していた。子どもや親子向けに作っていたおもしろ自転車が高齢者や障害のある人に喜ばれていると知り、必要とする多くの人に届けたいと昨年夏に本格的に開発を始めた」
 ―現状と今後は。
 「現在は体験会を開き、参加者の意見を聞いてハンドルの持ちやすさや動かしやすさなどを向上させている。専用のパンフレットを今後製作する。誰でも参加できるインクルーシブスポーツの道具として自治体などにアピールする。公園を運営する組織や福祉施設にも広めたい」
 ―普及への期待は。
 「風を切って走る気持ち良さ、仲間と一緒に自転車に乗る楽しさを多くの人に感じてほしい。障害のある人は自分の力で仲間を運ぶ喜びを感じられ、高齢者は乗ると童心に返り明るくなると聞いた。作った自転車が多世代の人の居場所をつくり、コミュニケーションを深めることに役立つとうれしい」
 (東部総局・矢嶋宏行)

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