この人の記事一覧
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静岡人インタビュー「この人」 内部通報窓口サービスの新会社を設立 和田康佑さん(静岡市葵区)
しずおかフィナンシャルグループ(FG)の社内ベンチャー制度に基づき、企業向け内部通報窓口サービスの新会社「リレイズ」を立ち上げた。人工知能(AI)を活用し、不祥事やハラスメントなどの相談を匿名で受け付ける。42歳。 ―どんなサービスか。 「自動会話プログラムのチャットボットで不祥事などの情報を入力してもらう。写真などの証拠も添付でき、内容はオペレーターが要約した上で契約企業の管理部門に伝える。匿名、実名は本人が選択し、原則として企業側と接触しない形でやりとりを進める。ハラスメントのほか、設備導入の要望など職場改善への提案も受け付ける」 ―サービスの企画意図は。 「きっかけは身近で起き
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静岡人インタビュー「この人」 掛川市危機管理監に就いた元航空自衛隊1等空佐 岩岡政治さん(掛川市)
危機管理部長を兼務する。元戦闘機パイロットで、航空自衛隊松島基地(宮城県)所属のブルーインパルス(第4航空団第11飛行隊)を指揮する飛行群司令も務めた。掛川市にとって、危機管理監に外部人材を起用する人事は初。富士宮市出身。防衛大卒。57歳。 ―掛川市の災害特性は。 「見据えている災害は大きく分けて南海トラフ地震と土砂災害の二つ。市は災害関連死ゼロを目指している。災害対策本部運営の流れや停電時のバックアップ、自主防災会の仕組み、訓練の状況など既存の態勢の総点検に着手した。1年で課題を全て洗い出すつもりだ。対応に時間が必要な課題もあるが、できる部分はすぐに改善していきたい」 ―職員に求める
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静岡人インタビュー「この人」 新商品の開発に携わる高校生 山田彩乃)さん(伊東市)
地域活性化に向けた取り組みを進める伊豆伊東高「総合探究部フロンティア班」(前身は伊東商高フロンティア部)のリーダー。地域の諸課題を念頭に、伊東市の製菓業者をはじめとした事業者の協力でゼリーやせんべいなど多数の食品の販売を実現した。活動を通じ、「大好き」だという伊東のさらなる発展を願う。同校3年。18歳。 ―これまでの商品開発を振り返って。 「実践的な学びができ、人のために役立つことができると考えて当時の部に入った。昨春は伊豆伊東高第1弾のレトルトのハヤシライスソースを商品化した。続くニューサマーオレンジのゼリーはかつて、先輩がかんきつ類の廃棄率が高いことに着目して生み出したラングドシャと
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静岡人インタビュー「この人」 保育士の手厚い人員配置を訴える 黒田貴子さん(静岡市駿河区)
静岡県内の保育士らでつくる「子どもたちにもう1人保育士を」県実行委員会の主要メンバーとして、保育士1人が受け持つ子どもの数「配置基準」の改善など労働環境の向上を訴えている。静岡市内の認可保育園で2歳児クラスを担当している。51歳。 ―活動を始めたきっかけは。 「先行していた『子どもたちにもう1人保育士を』全国実行委員会の活動を受け、地元でもPRをしようと県実行委を立ち上げた。6月中旬に初めて街頭広報をJR静岡駅北口地下広場で行った。『頑張って』『署名はないの?』と通行人から温かな声をもらった」 ―配置基準の改善はなぜ必要なのか。 「子どもの発達に見合った丁寧な保育をするため。国は本年
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静岡人インタビュー「この人」 ヤマハ野球部のダイヤモンドサポーターに就いた 加藤実佐妃さん(浜松市中央区)
19日開幕の第95回都市対抗野球大会(東京ドーム)に出場する野球部の選手やスタッフを支えるためベンチ入りする。愛知県春日井市出身。28歳。 ―選ばれた経緯は。 「入社当初からダイヤモンドサポーターをやってみたいという気持ちがあった。上司にもその気持ちを言い続けていた。決まったときはすごくうれしかったが、今は責任を感じている」 ―やりたいと思った理由は。 「出身地の春日井市には(社会人野球チーム)王子があり、都市対抗の時期は町が一致団結する雰囲気がとても好きだった。野球は2歳年下の弟がやっていて、実家近くにある春日井市民球場などに家族でよく応援に行っていた」 ―ヤマハを志望した理由と
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静岡人インタビュー「この人」 「御殿場ヒメボタルの会」の代表を務める 勝亦裕さん(御殿場市)
昨年6月から「御殿場ヒメボタルの会」の代表を務め、二岡神社(御殿場市)で貴重なヒメボタルの生息環境を守る。ホタルのシーズン中は毎日のように現場を訪れ、安全管理やトラブル防止に尽力した。全国から集まる多くのカメラマンが平等に楽しめるようにルールを設けたり、観察者に場所案内をしたりした。御殿場市出身。58歳。 -活動内容を。 「会の仲間と年に数回ほど森林に入り、適切に生息地が保たれるように草刈りを実施。来場者の安全を確保するため散策路にロープを張った。シーズン中の夜間はメンバーが常駐して案内役などを務め、虫よけスプレーや懐中電灯を貸し出し、安全管理も徹底した」 -具体的なルールは。 「以
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静岡人インタビュー「この人」 カロテノイドと心血管疾患との関係を可視化した眼科医 尾花明さん(浜松市中央区)
野菜や果物に含まれる抗酸化栄養素「カロテノイド」が多く測定される人ほど動脈硬化性心血管疾患発症リスクが下がるという研究結果を科学誌に発表した。カロテノイド量を、装置を使って数値で示した。聖隷浜松病院アイセンター長。日本眼科学会眼科専門医。同認定指導医。大阪市城東区出身。66歳。 ―研究の主な内容は。 「国立健康・栄養研究所や常葉大健康プロデュース学部、聖隷健康診断センターと共同で、同センターの人間ドック受診者1130人を調査した。調査には指先に光を当てることで皮膚のカロテノイド量を測るベジメータという装置を使った。ベジメータの測定値が高い人ほど、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管疾患発症リスク
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静岡人インタビュー「この人」 「オール富士」のほうじ茶シロップを開発した 野口幸次さん(富士市)
創業90年を迎える富士市の老舗レストラン「名花堂」の調理人。市が推進するブランド「富士のほうじ茶」に着目し、ほうじ茶シロップ「焙茶香幸(ほうじちゃこうこう)」を開発した。48歳。 -開発のきっかけを。 「日頃はオムハヤシやビーフカレーを出している洋食店。ほうじ茶との縁はなかったが、市の取り組みを知って味の特性などを調べてみようと思った。いろいろ考えた結果、シロップならデザートなど店のメニューにも使える。甘さは水あめや蜂蜜、黒糖などを試して、ほうじ茶の味がストレートに出せる砂糖をベースにした」 -商品化はどのように。 「富士のほうじ茶なら『オール富士』で作りたい。原料となる茶葉の提供や
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静岡人インタビュー「この人」 「浜松注染そめ」を継承する 二橋教正さん(浜松市中央区)
浜松で盛んな染色技法「注染そめ」を用いた反物を製作する「二橋染工場」の3代目社長。小学生向けの染色体験教室や浴衣PRイベントで魅力発信にも取り組む。62歳。浜松市出身。 -どうして職人に。 「100年ほど前に祖父が工場を創業し、いずれは自分も家を継ぐものだとして育った。大学卒業後に浜松へ戻り、22歳の頃から工場で働き始めた。職人仕事なので、なかなか丁寧には教えてもらえず苦労したが、仕事を見て少しずつ技術を学び取っていった」 -注染そめの魅力は。 「じょうろ様の道具で染料を注ぎ模様を描く注染は綿へのダメージが少なく、糸のストレッチが効いた肌触りの良い生地に仕上がる。手染めならではの色の
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静岡人インタビュー「この人」 山あいで出張喫茶を営む 生田智日皇(いくたともひこ)さん(浜松市中央区)
浜松市中央区の市街地で16年前から喫茶店「珈琲専心 粋庵」を営む傍ら、山間地のにぎわいづくりを目指し、昨年から天竜区佐久間町浦川地区で本格的なコーヒーを提供する月1回の出張喫茶を始めた。浦川郵便局の敷地内で、入れたての一杯を販売する。今年は浦川小でコーヒー教室を開くなど、地域で新たな交流も作り出している。同市中央区出身。67歳。 -浦川で出張喫茶を始めたきっかけは。 「浦川郵便局長が店の常連客だった縁で出張喫茶を立ち上げた。平日開催でも1日に20~30人が来てくれ、リピーターができてうれしく思う。郵便局内ではオリジナルのドリップバッグも常設販売している。浦川は遠いが、普段の営業とは違うや
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静岡人インタビュー「この人」 静岡市議会議長に就任した 大村一雄さん(静岡市清水区)
2009年から静岡市議を務め現在4期目。市議会で総務委員長やまちづくり拠点調査特別委員長を歴任した。自民党市議団所属。議員になる前は京都市、旧清水市、静岡市に計37年勤務し、清水区長も務めた。清水区連合体育会長として社会体育の普及にも努める。75歳。 ―就任の抱負は。 「議長選では46票中42票を入れてもらい、身が引き締まる思い。市職員時代に障害児福祉行政に関わった経験から政治は市民のため、弱い人のためにあるという思いが自分の原点。いま一度、原点に立ち返り、職責を果たしたい」 ―市議会の役割は。 「市長が提出した予算案や条例案の可否を決定し、議決に対して議会全体がしっかりと責任を持つ
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静岡人インタビュー「この人」 地域活性化を目的に写真コンテストを企画した 根岸寿江さん(静岡市清水区)
祖父の代から静岡市清水区三保で営んできた実家の電気店「あいむ三保」が創業70周年を迎えたのを機に、地域を盛り上げようと「しずおか“お母さん”自慢フォトコンテスト」を企画した。県内全域から約200点が集まり、表彰式や展示会も開いた。44歳。 -コンテストの企画意図は。 「高齢化が進み、町の元気がなくなる中、地域活性化や地元愛を育むことにつながる取り組みをしたいと考えた。10年ほど前から店のフォトサークルを運営していることもあり、『静岡の魅力、自慢』を写真で伝え合えるイベントをやってみたいと企画した」 -どんなコンテストか。 「町の元気を支える存在である&ldqu
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静岡人インタビュー「この人」 浜松・天竜区春野町の魅力発信に挑む 田代起也(たしろたつや)さん(浜松市天竜区)
浜松市天竜区二俣町で古い民家の倉庫を改修し、コーヒーや五平餅を販売する店舗を開いた。市内中山間地に位置する同区春野町の魅力を広める活動に取り組む。沼津市出身。34歳。 -現在までの経緯は。 「静岡市の部品メーカーで8年間働き、ものづくりへの考えを深めた。焙煎(ばいせん)してひいたコーヒーをおいしく飲むための技術を磨いたり、古民家を再生して住みやすくしたりする作業はものづくりに通じる部分がある。浜松市が主催するリノベーションスクールで遊休不動産再生のプランを練り、地域活性化を担う浜松山里いきいき応援隊に応募。家族と共に2022年、春野町に購入した古民家に移住した」 -店舗開業の狙いは。
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静岡人インタビュー「この人」 海の生き物の魅力を発信する水中カメラマン 堀口和重さん(西伊豆町)
長年撮りためた深海魚や海の珍しい生き物の写真を紹介する書籍2冊を6月に発売した。ダイビングショップでガイドをしながら撮影技術を磨き、2018年にカメラマンとして独立。沼津市大瀬崎など国内外の海で生き物を撮影している。東京都出身。38歳。 ―なぜ写真家になったのか。 「ダイビングが趣味の父の影響で子どもの頃からシュノーケルや釣りに親しんできた。高校生の時に海に関わる仕事に就こうと考えた。専門学校卒業後にダイビングガイドを始め、休日の日中はほとんど海中にいるほど写真にのめり込んだ。独立してからは、雑誌やテレビ番組などに写真や動画を提供するようになった」 ―大瀬崎と深海魚の魅力は。 「大瀬
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静岡人インタビュー「この人」 県高校文化連盟の会長に就いた 山田正訓さん(藤枝市)
4月の理事会で選任され、分校を含め172校の文化部員約9万2000人の活動を支える。3月に閉校した金谷高(島田市)の校長を務め、4月から清水南高・同中等部(静岡市清水区)校長。専門は音楽(声楽)。57歳。 -抱負を。 「歴史ある組織の18代目会長として、責任を感じている。新型コロナウイルス禍を経て、大会などは元通りになっているが、生徒の表現はどうか。特に文化芸術分野は室内での活動が主であり、制約の中でみずみずしい感性を耕せなかった影響はあるかもしれない。多くの力を借りて、子どもたちが活動に青春をかけられるような機会を増やしたい」 -課題は。 「生徒数が減っている上、生徒や保護者の価値
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静岡人インタビュー「この人」 「まちなかワインテラス」を企画した 後藤みゆきさん(豊橋市)
浜松市中心部の新川モールを会場に、屋外でワインを楽しむイベントを開催する。静岡、愛知両県を中心に、屋外イベントで販売ブースを構えるなど「歩く酒屋」としてワインの魅力発信に力を注いでいる。浜松市中央区出身。33歳。 ―イベントの概要は。 「2022年9月に始まり、今年4月に4回目を実施した。実家の酒屋『エスポアごとう』で扱うワインを販売するほか、ピザやパテなど飲み物に合う食事を出すブースもある。軽めの味わいのワインを多く揃え、今春は爽やかなロゼを中心に用意した。1日あたり300人ほどの来場があるなど、運営が軌道に乗り一安心している」 ―きっかけは。 「新川モールが整備される話を聞いて思
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静岡人インタビュー「この人」 J3沼津で通訳とコーチを務める 高井蘭童さん(長泉町)
2023年から、サッカーJ3アスルクラロ沼津で通訳兼コーチを務める。過去に鹿島アントラーズなどさまざまなクラブで通訳を務めた経験を生かし、ブラジル人選手の生活面までサポート。チームの活躍を下支えする。50歳。ブラジル出身。 -来日の経緯は。 「両親はともに日本人で、ブラジルで知り合い結婚した。同国で生まれ育ち、1989年に家族の都合で来日した。3カ月ほどでブラジルに帰ると思っていたが、延期が続いた。日本の高校には進まず、工場でパートとして働き始めた。働きながら、徐々に日本語も理解できるようになっていった」 -サッカー界に足を踏み入れたきっかけは。 「94年にブラジル人チームが来日した
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静岡人インタビュー「この人」 静岡市消防団長に就いた 松永清治さん(静岡市葵区)
静岡市内の消防団員2000人超を束ねる市消防団長に就いた。トップの交代は7年ぶり。1986年の入団から地元の分団を15年、地区本部を23年経験し、39年目。市消防局との橋渡し役となり、団員一人一人が活躍しやすい環境づくりを見据える。土木業を営む。64歳。 -どんな思いで続けてきた。 「副分団長になった頃、地域で顔も広がり、地域のこと、消防のことを真剣に考えるようになった。指導指揮する立場になり、みんなと同じ思いで活動することにやりがいを感じた。社会貢献とまで言わなくても、地域とつながることは自分の成長になる。私自身、先輩に恵まれて楽しく続けてこられた」 -印象深い出動は。 「分団を離れ
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静岡人インタビュー「この人」 発光するライフジャケットの開発に取り組む 北川奈美江さん(浜松市中央区)
2022年10月末に長男裕介さん(享年20)を海難事故で亡くした経験から、特殊なライフジャケットの開発に取り組む。水に漬かると発光する試作品を製作し、特許を出願した。46歳。 -裕介さんはどんな子だったか。 「負けず嫌いでやると決めたことは絶対に通す性格だった。遊漁船業の開業を目標にしていて、車の免許を取るのと同時に1級船舶免許を取得し、シラス漁船で経験を積んでいた。釣りが本当に大好きで、事故の日もシラス漁から帰ってきた後、夕方から一人で釣りに出かけたと聞いている」 -なぜ発光する仕様にしたか。 「捜索のしやすさを第一に考えた。息子は事故から5日目に消波ブロックの中で見つかったが、消
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静岡人インタビュー「この人」 裾野市出身のソフトボールJDリーグ選手 川口茉菜さん(松山市)
裾野西中、加藤学園高、中京大を経て2021年に実業団の伊予銀行ヴェールズ(松山市)に入団した。女子ソフトボール国内最高峰のJDリーグに参戦する同チームで、1年目から主力選手として活躍する。25歳。 ―ソフトボールを始めたきっかけは。 「野球をやっていた父と兄の影響で小学3年の時、地元の野球チームに入った。ソフトボールは中学の部活動で始めた。野球より投手と打者の距離、塁間が短く、展開の早いスピード感が魅力。中学生の時、静岡県選抜のメンバーになり、より高いレベルを目指すようになった」 ―一番うれしかった思い出は。 「コロナ禍もあった中で、大学時代に日本一になれたこと。最も印象に残っている
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静岡人インタビュー「この人」 藤枝市で立体作品の滞在制作活動に取り組んだ美術家 大矢りかさん(伊東市)
5月13日から6月23日まで、藤枝市中山間地の市之瀬地区を拠点にアーティスト・イン・レジデンス(滞在制作活動)に取り組んだ。制作の様子を公開しながら、木枝を使って組み立て、舟をかたどった全長約20メートルの立体作品を完成させた。東京都出身。66歳。 -藤枝の中山間地の印象は。 「土地柄も人柄も風通しが良い。住民は活動の様子を見ながら受け入れてくれて、本当にありがたかった。その場所の歴史や住む人が歩んできた人生などリアルな話を教えてもらい、作品に対しても興味を持ってくれた」 -市之瀬地区での滞在制作はどのような時間だったか。 「毎日、午前4時に起床して同6時ごろには制作現場に到着し、午
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静岡人インタビュー「この人」 ライダー誘客に力を入れる 田中善通(たなかよしみち)さん(御前崎市)
御前崎市観光協会の未来部会で委員長を務め、バイク愛好家を誘客して地域活性化を図るプロジェクト「#オマエザキライダー」を主導する。地域資源を生かした商品開発やSNS活用で新たな観光戦略を打ち出す。千葉県出身。43歳。 -プロジェクトの狙いは。 「もともと御前崎市はバイク愛好家の人気スポット。誘客と市内周遊の促進を戦略的に展開すれば、観光振興の柱になり得ると考えた。委員の間ではマリンスポーツやペット愛好家を狙った誘客案もあったが、バイクであれば鉄道や高速道路がない同市の地域課題が克服できる」 -どのように誘客するのか。 「ツーリング客に対し、撮影した写真に『#オマエザキライダー』のハッシ
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静岡人インタビュー「この人」 三島アートプロジェクト実行委員会代表 山森達也さん(三島市)
三島市街地の空き店舗に現代アートを展示する「三島満願芸術祭」を昨年初めて開催した。今年は運営に参画する権利の証しとなる「トークン」発行による資金調達に挑戦している。39歳。 ―芸術祭関連のトークン発行は珍しい。なぜ始めたか。 「資金調達が目的。芸術祭の多くは公金が入り、完全自主財源はほぼない。続けたくても、補助金の打ち切りで終わってしまう問題が何十年も言われている。しかし、誰も解決策を見いだせていない。アートが専門外だからこそ、そこに踏み込める。今は事例がなく、知られていないだけ。将来はほとんどが発行するだろう」 ―資金以外のメリットは。 「トークン所有者のコミュニティーが、ファン拡
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静岡人インタビュー「この人」 清水海上保安部長に就いた 小川一夫さん(静岡市清水区)
4月15日付で着任した。清水への赴任は初めてで、前任は総務部政務課政策評価広報室海上保安報道官。主に警備畑を歩んできた。北海道函館市出身。48歳。 ―清水の印象は。 「海から清水に近づく時に、三保松原と富士山が見えると感動する。風光明媚(めいび)。町が港を包み込むように広がっていて活気があり、力強く経済が回っているというイメージ。民間で海上交通の自主ルールを作るなど、地域で大切に守ってきた港町だと感じる」 ―管内の印象や課題は。 「貨物船やクルーズ船の航行が多く、港が混雑している上、マリンレジャーも盛ん。車の世界では考えられないほどの、大きさに差があるものが一緒にいる状態。プレジャー
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静岡人インタビュー「この人」 82歳で1級小型自動車整備士に合格した 新倉良次さん(浜松市中央区)
スズキの元社員。会社勤務時代から県自動車整備振興会の技術講習所委嘱講師を務め、後進の育成に当たる。1級への挑戦は2級自動車整備士資格の取得以来、約60年ぶり。群馬県出身。82歳。 ―なぜ1級に挑戦したか。 「知り合いから整備士の受験指導を頼まれたのがきっかけになった。1級を目指す彼に理解してもらうため、道具を使って工夫しながら、夕方から深夜まで、時には朝方まで一緒に勉強した。参考書がボロボロになるまで勉強する彼の姿を見て、負けていられないと思うようになった」 ―合格した感想は。 「私が合格したのはおまけのようなもの。彼が合格できたことがうれしかった。勉強を通じて気付きがあり、講師とし
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静岡人インタビュー「この人」 同人雑誌「雑木林」の編集・発行に取り組む 麻生良久さん(伊東市)
「雑木林」は2010年に伊東市の伊豆高原地域で誕生し、全国各地に同人や愛読者の輪を広げている。同地域中心の11人の書き手で始まって以来、春秋の年2回刊行を続け、故人を含めた同人は70人以上に。自身は社会運動家・政治家だった祖父の麻生久氏にまつわる物語を紡ぐ。東京都出身。77歳。 ―創刊の経緯は。 「当時、今年3月に逝去した地元の画家・谷川晃一さん(享年86)に提案し、『表紙とカットを描く』と応じてくれて始まった。創刊時はホチキス留めの28ページの薄い冊子。エッセーや小説、詩、短歌などさまざまなジャンルで各自の自由な表現を受け入れ、近刊は140ページほどに増えた。最近は約40人が参加する」
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静岡人インタビュー「この人」 静岡市歴史博物館の2代目館長に就任した 大石学さん(東京都)
東京学芸大名誉教授、時代考証学会会長などの経験を生かし、大河ドラマ終了後の館運営のかじ取りを担う。東京都出身。70歳。 ―静岡の歴史の魅力は。 「大御所となった徳川家康は、今の静岡市である駿府に隠居し、日本の未来を構想した。駿府は日本の近世以降を決定づけた場所。最後の将軍の徳川慶喜が大政奉還後に謹慎した地でもある。250年以上の平和が続いた江戸時代の始まりと終わりの地とも言える」 ―歴史を専攻した理由は。 「東京学芸大1年の時、故竹内誠先生(江戸東京博物館名誉館長)の講義を受けたのがきっかけ。出来事や人物への光の当て方が時代により変わり、評価も転換する。その政治的、社会的背景に目を向
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静岡人インタビュー「この人」 サーフィンの世界ジュニア選手権大会に出場した 森舞果さん(袋井市)
中米エルサルバドルで5月に開催されたサーフィンの世界ジュニア選手権大会に、ガールズクラスU―16(16歳以下)ランキング1位の日本代表として出場した。8歳のころから本格的にサーフィンを始めて各大会で優秀な成績を修め、期待の若手として注目されている。15歳。 -サーフィンを始めたきっかけは。 「家族の影響が大きい。現在兄はプロ、父はトップアマとして活躍中で、母はサーフィン店を経営するなど、幼いころから身近な競技だった。気がついたときには始めていた」 -世界大会の総括を。 「出場できると思っていなかったので、国内の選手権で優勝して代表に決まったときは驚いた。初めての世界の舞台。挑戦者とし
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静岡人インタビュー「この人」 伝承250年を迎える「大坂の湯立神楽」の保存会長 杉山喜美さん(御殿場市)
御殿場市大坂の大坂浅間神社で奉納される国指定重要無形民俗文化財「大坂の湯立神楽」を先頭に立って守り継ぐ。今年は7月27日に予定し、伝承250年の節目として神事も執り行う。66歳。 -湯立神楽の由来は。 「起こりは江戸時代中期の安永3年(1774年)ごろ。御厨地方で広まった疫病の退散のために広まり、旧大坂村に伝わったとされる。大坂の湯立神楽は雌神楽とされ、両膝を合わせ、腰を低くして舞うのが特徴。獅子が湯立を行うのは珍しく、同じく御殿場の『沼田の湯立神楽』を含め全国で4例のみ」 -保存会の活動は。 「保存会は1992年に発足し、現在会員は約25人。本番の1カ月ほど前から練習を始め、当日は
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静岡人インタビュー「この人」 兼職兼業制度で中学生の軟式野球チームを指導する 江藤亮太さん(沼津市)
中学の部活動を地域クラブが担う「部活動地域移行」に伴い、沼津市の教職員で初めて兼職兼業制度を利用。静浦小中一貫校の教諭で、元教員が受け皿として立ち上げた軟式野球クラブ「沼津フェニックス」のヘッドコーチを務める。33歳。 ―なぜ兼職兼業を。 「長年、野球に携わってきて、先生を目指した理由の一つも野球の指導がしたかったから。しかし、勤務校には野球部がない。市教委から打診もあり、指導する環境を確保できるならとプラスに捉え、昨夏から制度を利用した。外部への指導に他の教員がどう思うか不安もあったが、市教委の支援や管理職の理解もあり、継続できている」 ―制度の利点は。 「先生はやりがいにつながり
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静岡人インタビュー「この人」 ヤマハ野球部マネジャーに就いた 村木文哉さん(浜松市中央区)
静岡高時代は甲子園に3度出場。2015年春と夏は主戦としてチームをけん引した。筑波大を経て21年、社会人野球のヤマハへ。昨季限りで現役を退いた。25歳。 ―現役引退を決めた理由は。 「社会人になってからは結果を出せなかった。自分より年上の人がまだ現役を続けているが、社会人野球は実力の世界。社業に就く決断をした。ヤマハは小学校の頃から憧れていたチームで都市対抗も見に行ったし当時の監督に指導も受けていた。社会人最後の年(23年)にその都市対抗でチームは準優勝。いい景色を見られた」 ―マネジャー転身の経緯は。 「今年就任した申原(直樹)監督からお声かけいただいた。マネジャーは選手時代から重
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静岡人インタビュー「この人」 静岡県漁業協同組合青壮年部連合会の会長 小林大介さん(沼津市)
2022年から県漁業協同組合青壮年部連合会の会長を務め、現在2期目。沼津市の内浦漁業協同組合所属で真正丸の船長。全国漁青連の理事も務め、全国各地の漁師と情報交換しながら、若者が海の現場で働きやすい環境を考え、将来の海洋資源の確保に向けて活動している。同市出身。42歳。 -海の変化は。 「昔と比べて、魚がとれなくなっているという事実に向き合わなければならない。海が暖かくなり、本来いるはずの魚がいなくなるというのは、別の魚が入ってくるチャンスでもある。今のまま何もしなければ魚はいなくなる」 -漁師の現状は。 「自分が子どもの頃に比べて漁師の数は半分ほどに減少している。漁業の現場から若者が
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静岡人インタビュー「この人」 警察庁から職務質問部門の広域技能指導官に指定された 地村美貴さん(富士市)
専門的な技能や知識を持ち、全国の警察職員に助言、指導する広域技能指導官。1994年の制度開始以来、県警の警察官が指定されるのは4人目で、職務質問部門では初。同部門で指定を受ける女性は全国でも1人だけ。地域課職務質問技能指導係を経て、現在は機動警ら課自動車警ら隊に勤務する警部補。子育てが落ち着き、ここ数年はジムにも積極的に通い自己研さんを積む。富士市出身。48歳。 ―指定された感想は。 「重責で身が引き締まる思い。県警本部長指定の技能指導官は2019年から担ってきたが、夫を含めた家族、先輩や同僚の支えで頑張ることができた。女性の活躍の場がどの分野でも増える中、若手の育成に加え、職質しやすい
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静岡人インタビュー「この人」 湖西市教育長に就任した 松山淳さん(湖西市)
湖西市立白須賀小校長、静西教育事務所長、市立鷲津中校長などを歴任し、4月から現職。浜松市中央区雄踏町出身。59歳。 ―市の教育課題は。 「本市に限らず、コロナ禍を経て新たな学校へアップデートする時期を迎えている。ICT活用や教員の働き方改革など、持続可能性がテーマになっていく。各学校がこれまで大事にしてきたことを基に、地域の教育資源を発掘したり特色を生かしたりできるよう、市教委として支えていきたい」 ―昨年、2019年度に市立中で発生したいじめの重大事態を巡り、第三者調査委員会が学校や市教委の不適切な対応を指摘する調査報告書をまとめた。問題点をどう認識しているか。 「いじめ防止対策推
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静岡人インタビュー「この人」 沼津市歌を新たに編曲した 川口三郎さん(沼津市)
2023年の沼津市制100周年記念事業の一環として、童謡「めだかの学校」などで知られる中田喜直(1923~2000年)が作曲した沼津市歌を新たに編曲した。新たなメロディーは毎日正午、同報無線のチャイムとして市内で流れている。トランペット教室を主宰するとともに、清水町の沼津商高吹奏楽部などで音楽監督を務める。52歳。 -編曲の経緯は。 「以前、沼津市歌の演奏用譜面づくりに携わったことがあり、市から『市民が親しみを持てる現代に合った編曲を』と依頼された。吹奏楽や管弦楽、ピアノ伴奏など6パターンを編曲し、新たに音源を録音した。貴重な機会に関わり、名前を残していただけることに感謝している」 -
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静岡人インタビュー「この人」 避難生活を模した防災キャンプを企画した 松田寿久さん(富士宮市)
高校の非常勤講師として勤めながら、4月に富士宮市大岩3区の区長に就任。防災活動に力を入れる。5月上旬の大型連休を活用し、電気と水道を使用禁止とした1泊2日のキャンプを開催した。日用品を防災グッズに転用する実験にも熱心で、結果を地域住民に広めている。70歳。 -防災に対する考えは。 「南海トラフ巨大地震など、大災害はいつ起こってもおかしくない。過疎化や少子高齢化で地方の実態は刻々と変化するが、社会システムの更新には何年もかかる。身の回りの備えを整えることは自治会の役割だと考える。発災時、行政の世話に依存せず、最低限の生活は自分たちで確保できる強い区にしたい」 -区の強さとは。 「住民同
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静岡人インタビュー「この人」 子どもの貧困対策や食育支援に取り組む 森本純子さん(磐田市)
子どもの貧困対策や食育支援に取り組むボランティア団体「あいうえお+プロジェクト」の代表として、子ども食堂「腹ぺこ食堂」(磐田市)を運営する。ひとり親世帯などに月2回、弁当を配布。地域住民と交流しながら食に関心を持ってもらおうと、地域の食材を使った食育イベントも開く。高校生と小学生の息子2人を育てる。45歳。 -子ども食堂を始めようと思った経緯は。 「小児科で看護師をやっていた10年以上前から、子どもたちのために『何かやりたい』という思いが漠然とあった。自分が子育てをする中で野菜を食べたことがない子やネグレクト(育児放棄)などを身近で聞き、目の当たりにした経験もきっかけの一つ。子育てが落ち
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静岡人インタビュー「この人」 熱海ビーチクリーン実行委員長を務める 豊嶋康志さん(熱海市)
静岡県内外のボランティアダイバーや企業団体の賛同を得て、熱海市の熱海港周辺で大規模なビーチクリーン活動を定期開催している。ダイビングサービス熱海(熱海市和田浜南町)の代表。埼玉県ふじみ野市出身。52歳。 ―ビーチクリーンの内容は。 「陸上と海底のごみを収集する活動で、ことし5月に32回目を実施した。当初はダイバーと小学生ら30人ほどが熱海サンビーチの海岸清掃から開始し、途中から『タンクを背負って一歩先へ』と海底清掃が加わった。今では200人以上が参加する大きな規模になり、大変うれしい」 ―ごみの現状は。 「昔はテレビや自転車の不法投棄、瓶や缶のごみが多かったが、近年はマナー向上やリサ
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静岡人インタビュー「この人」 日本オストミー協会県支部長として全国大会の準備を進める 増井均さん(藤枝市)
ストーマと呼ばれる人工ぼうこうや人工肛門を腹部に造設したオストメイトでつくる日本オストミー協会の県支部長として会員獲得や課題発信に努めながら、県内では26年ぶりとなる6月の全国大会に向けて準備を進める。75歳。 ―大会はどのような内容か。 「国内の各支部長や会員、家族が集まって、認知度向上など日々の課題をめぐり意見交換する。当事者は県内だけで約6200人いるが、会員は約100人だけ。全国も似た状況だ。県支部長として活動していて、やはり当事者間の情報交換の場や、社会に声を上げる組織の必要性を感じている」 ―会員からは温浴施設やプールの利用拒否などの相談が寄せられている。 「私たちはスト
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静岡人インタビュー「この人」 NFLでチアリーダーを3年間務めた 猿田彩さん(浜松市浜名区)
狭き門とされる米プロフットボールNFLチーム「シンシナティ・ベンガルズ」のチアリーダー試験に2021年に合格。1年単位の契約の中、23年まで3年間在籍し、王座決定戦スーパーボウルにも参加した。一時帰国を経て次は米プロバスケットボールNBAチームの入団試験に挑む。26歳。 ―3年間の経験の感想を。 「チームのディレクターにひかれ、チアリーダー像がマッチしたベンガルズに入団することができた。2年目は振り付けも担当し、フィールドで映え、チームを力づける動きを意識した。仲間は一人一人がハードワーカーで高め合っている関係性。悩みつつ、楽しみつつ、やりきった3年だった」 ―チアを目指したきっかけは
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静岡人インタビュー「この人」 オンラインで女性の起業支援を行う 滝川万佑花さん(伊豆市)
マーケティングやSNSを活用した情報発信、集客方法などを学び、2017年からオンラインで女性の起業支援を進める。これまでの受講生は支援を受けるなどして、美容サロンの開業や本の出版につなげた。7歳の息子の子育てにも取り組む。伊豆の国市長岡出身。35歳。 ―女性の起業支援を始めたきっかけは。 「結婚後、仕事を探していた時、選択肢が少ないと感じていた。就職後に働き方を見直したいと思い、女性でも起業できると知って取り組み始めた。オンラインであれば自身の働き方を変えつつ、地方在住や子育て中の女性の働き方の選択肢も増やせると考えた」 ―県内の起業の現状は。 「若手社長や女性社長の割合は他県と比べ
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静岡人インタビュー「この人」 静岡市美術館の2代目館長 高市純行さん(静岡市葵区)
4月1日付で就任。毎日新聞社事業部で美術展事業に携わりながら学芸員資格や経営学修士を取得。2021年から同館副館長を務めていた。58歳。大阪市出身。 ―美術館の特色は。 「事業マンとして100を超える美術館、博物館を見てきたが、静岡市美術館は人口100万人以上の大都市にある美術館のような規模と質の企画を実現している。初期費用を抑えて運営費を確保する開館時のコンセプト、東京と名古屋という企画展の開催頻度が高い大都市から近く展示物の輸送費が安く済むという地理的要因などが功を奏している」 ―新館長としての目標は。 「静岡にいながら古今の美術、世界の名画に出合えるという田中豊稲前館長の路線を
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静岡人インタビュー「この人」 新ブランド「C+(シー・プラス)」を立ち上げたドリアン洋菓子店代表 川上貴久さん(浜松市浜名区)
浜松地域の素材を生かした和洋菓子の製造と卸販売を手がける。4月にベトナム産カカオ関連商品の輸入販売会社「OCA(オカ) JAPAN」(浜松市中央区)と連携し、同カカオを活用した食品などのブランド「C+(シー・プラス)」を立ち上げた。61歳。 ―立ち上げの経緯は。 「3年ほど前から、商品開発、販売で協力してきた間柄。認知度が低いベトナム産カカオの普及に加え、課題を抱える小規模企業がタッグを組むことで、弱みをプラスに変えていこうと創設した。県外小売店との取引が多いドリアン側は地元での販路拡大を、オカ側はチョコレートなどの加工品をバレンタイン時期以外の通年での販売強化をそれぞれ目指している」
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静岡人インタビュー「この人」 「ゆるゆる遠州ガイドライド」で参加者を案内する 松浦君裕さん(掛川市)
掛川市発着の複数のコースで自転車のグループ旅を楽しむ、春の恒例イベント。2012年に始まり、コロナ禍を除いて開催を続けている。当初から案内役のガイドサイクリストを務め、参加者と一緒に走って中東遠地域の魅力を紹介する。同市出身。58歳。 ―ガイドを始めたのは。 「自転車に乗り始めたのは20年ほど前で、早朝サイクリングの会に誘われたのがきっかけ。趣味で楽しんでいたところ、ガイドライドの開始時に声をかけられた。地元の社会人大学でパンク修理などを基礎から学び直し、案内ができるようになった」 ―中東遠地域でのサイクリングにはどんな魅力があるか。 「自分が生まれ育った地。いわゆる景勝地や有名観光
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静岡人インタビュー「この人」 ダウン症のある人たちを支援する 田中幸子さん(静岡市葵区)
1977年に静岡市で創立した「静岡ダウン症児の将来を考える会」の会長。同会は2023年11月に同市ボランティア等善行功労を受賞。「世界ダウン症の日」の3月21日に合わせて同市役所静岡庁舎で初めて写真展を開催した。富士市出身。68歳。 -写真展の感想は。 「関係者だけでなく、普段はダウン症のある人と関わることのない多くの人たちが、子どもたちの無邪気な笑顔や仕事に取り組む真剣なまなざしを見てくれた。一般の人たちと何ら変わらない日常であることを知ってもらう、よいきっかけになったと感じている」 -普段の活動内容は。 「会員は現在280人。ダウン症のある子どもたちにとって過ごしやすい世の中にな
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静岡人インタビュー「この人」 浜松市に会員制の卓球場をオープンした 東弘祥さん(豊橋市)
愛知県の信用金庫を退職して今年2月、浜松市中央区に会員制の卓球場「パキラ浜松西山店」をオープンした。浜松商業高卓球部OB。団体でインターハイの出場経験がある。湖西市出身。30歳。 ―オープンのきっかけは。 「指導者が活躍できる場を作りたいと思った。全国大会出場の経験がありながら、その実力や経験を伝える場が少ないと現役の時から感じていた。ユーチューブやフリーランスで活躍する指導者が徐々に増え、稼ぐ手段も多様化している。指導場所があればコーチの収入源になり、利用者も目標達成に向けた有意義な練習が可能になると考えた」 ―卓球場の特徴は。 「卓球台は2面。完全予約制の個室空間で周囲を気にする
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静岡人インタビュー「この人」 水泳の年齢別日本新記録を樹立した 尾藤柴野さん(沼津市)
3月に浜松市で開かれた大会で短水路女子50メートル平泳ぎの55~59歳区分で37秒02をマーク。従来の日本記録を0秒12更新した。沼津市の東部スイミングスクール所属。国民体育大会や世界マスターズ水泳選手権の出場歴を持つ。55歳。 ―新記録樹立の感想を。 「うれしいが、36秒台を出して記録を更新したい気持ちが強い。直前で水着が破れていると気づき、動揺したままスタートした。それがなければ36秒台に届いたかもしれない。前半は大きく波に乗るように泳ぎ、後半はピッチを上げ、残り12.5メートルはラストスパートをかけた。プールに行きたい日は在宅勤務にしている。認めてくれる会社に感謝している」 ―新
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静岡人インタビュー「この人」 J2藤枝MYFCのU-15監督に就任 石川竜也さん(藤枝市)
サッカーの年代別日本代表で活躍したDF。藤枝東高時代は全国選手権ベスト4で筑波大を経てJリーグ入りし、鹿島、山形などJ1で161試合、J2で223試合出場の実績を持つ。現役引退後は山形でトップチームコーチやジュニアユース監督などを経験し、今季から故郷に戻った。44歳。 -藤枝を選んだ理由は。 「いずれ帰ってこようと思っていた。少しでも地元に貢献したい。山形では1年間、トップチームコーチを務め、2年目から育成普及部門に移った。どちらも面白さを感じ自分の特性を探っているが、今は藤枝で若い世代の選手を育てることに全力を注ぎたい」 -選手育成の魅力と難しさは。 「成長期の選手は一つの声かけで
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静岡人インタビュー「この人」 御殿場市初の女性副市長に就任 良知淳子さん(御殿場市)
1991年4月に静岡県に入った。33年間勤務し、広報や観光、農芸振興、くらし交通安全など多分野で実績を残した。御殿場市議会3月定例会で同市初の女性副市長に選任された。牧之原市出身。53歳。 -御殿場市の印象は。 「大きく見える富士山に感動している。公共交通機関を使わない首都圏の人にとって、御殿場はまさに静岡の玄関口。国内外から多くの観光客が訪れ、お米がおいしいイメージを持っていた。農産物やみくりやそばなどの食、富士山を望むすばらしいロケーションの温泉など魅力が多く、積極的にPRしたい」 -初の女性副市長として意識していることはあるか。 「自分の就任は、市が男女共同参画社会の実現に力を
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静岡人インタビュー「この人」 土石流対応に臨む熱海市副市長 吉徳光男さん(熱海市)
財務省関東財務局理財部次長、東京都八王子市行財政改革部長、住宅金融支援機構財務企画部長などを経て、4月2日付で熱海市副市長に就任した。熱海市伊豆山で発生した大規模土石流の復興推進本部筆頭副本部長を務める。鹿児島県鹿屋市出身。60歳。 ―熱海の印象は。 「熱海駅に降りた時、若者を中心とした観光客の多さに驚いた。海あり山ありで景色がいい温泉観光地。観光経済の振興は外せないが、住んでいる熱海市民が暮らしやすい街にするのが大事。まずは現場を見て学びたい」 ―土石流の復旧復興対応は。 「被災地の逢初(あいぞめ)川流域を歩いた。国の砂防ダムが完成し、県と市の河川道路整備も少しずつ進んでいる印象。
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静岡人インタビュー「この人」 静岡市の少年院「駿府学園」の園長に就任した 西谷洋さん(静岡市葵区)
1993年に法務教官として採用。駿府学園次長を経て、兵庫県の加古川学園次長、津市の津少年鑑別所長を歴任し、4月から現職。石川県かほく市出身。59歳。 -駿府学園の特徴は。 「地域との接点もあり、明るく開放的な処遇環境。少年が手入れをしている施設外の茶畑で、家族や地域住民、同園職員と一緒に茶摘み会を行う静岡ならではの恒例行事もある。短期間で改善する可能性が高いとされる少年を受け入れており、成長を見守る喜びがある。少年の更生を最後まで支えるため、就学支援や就労支援にも力を注いでいる」 -法務教官になったきっかけは。 「学生時代、教員を志して教育学を学んでいた際、法務教官の募集を目にした。
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静岡人インタビュー「この人」 菊川市産業支援センターEnGAWAコミュニティーマネジャー 藤江由加里さん(菊川市)
菊川市が3月にオープンした産業支援センターに常駐し、起業や事業承継を目的に来場する事業者をマッチングする役割を担う。新たなビジネス機会の創出に向けて発信力を強化する構え。休日は体験型美容ワークショップを運営する。香川県高松市出身。46歳。 -エンガワの利用状況は。 「作業スペースの利用者と相談者、ともに徐々に増えてきた。引き続き起業へのPRや、交流サイト(SNS)での発信に力をいれていく。駅前の拠点として有効に活用してもらいたい」 -なぜコミュニティーマネジャーに応募したのか。 「自分の経験を生かして、やる気のある人たちの背中を押す仕事がしたいと思ったから。市内の企業に長年勤める中で
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静岡人インタビュー「この人」 健康マージャンの全国大会で優勝した 長浜健治さん(沼津市)
3月に都内で開かれた第17期健康麻将(マージャン)名人戦(日本健康麻将協会主催)で優勝した。4試合の合計で順位を決める方式で4戦ともトップに。普段は沼津市のカルチャーセンター「アルカンシェル」で腕を磨く。63歳。 ―優勝の感想は。 「アルカンシェルの存在を広く示すことができてうれしい。健康麻将の認知度が高まり、新しい仲間が入ってくれると期待している。歴代の優勝者は経済評論家の勝間和代さんら立派なメンバー。気恥ずかしさもある。いつも教室に快く送り出してくれる妻、子どもたちやその家族からお祝いのスイーツや祝福の言葉をもらった。みんな喜んでくれて良かった」 ―勝因は。 「4試合全てでトップ
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静岡人インタビュー「この人」 米寿を迎えても人力車を引き続ける 五條満さん(静岡市駿河区)
静岡市葵区の駿府城公園で観光客向けの人力車を引き続け、今年2月の誕生日には米寿を迎えた。趣味と「観光発展の一助になれば」というボランティア精神が高じて、7月には27年目に突入する。同市駿河区出身。88歳。 ―活動を始めたきっかけは。 「新聞記者だった50歳のころ、妻と訪ねた観光地で見たのが契機。1998年7月に、駿府俥夫(しゃふ)の会を仲間と作った。趣味と健康管理が最初の目的だったが、今は市の観光発展に役立ちたいという気持ちで続けている」 ―どのような活動か。 「3月中旬から6月下旬までと9月中旬から11月下旬までの期間に、活動開始時と同じ大人700円、子ども300円で10分程度乗車
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静岡人インタビュー「この人」 全日本年賀状大賞コンクールで文部科学大臣賞を受賞した 鈴木玲奈さん(浜松市中央区)
日本郵便が主催するコンクールで、版画部門の高校生の部に集まった935点の中から選ばれた。浜松大平台高(浜松市中央区)美術工芸部の2年生。普段はイラストを描くことが多く、コンクールでの入賞は初めてという。生徒会にも所属し、広報を務めている。16歳。 ―入賞の感想は。 「突然のことで驚きが大きかった。顧問の先生から伝えられた時は思わず声が出た。最初は現実感がなかったけれど、部室に張り出された入賞者一覧を見て実感がわいた。家族も同じような反応で『すごいじゃん』と褒めてもらえたことがうれしかった」 ―作品の特徴は。 「カラフルなだるまが入っているガチャガチャの木版画を制作した。受け取った人に
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静岡人インタビュー「この人」 32歳の裾野市副市長 堀越崇志さん(裾野市)
2015年にキャリア官僚として国土交通省に入省。不動産・建設経済局建設市場整備課長補佐などを経て、1日付で就任した。県内の副市長では、同僚の及川涼介氏(29)に次いで2番目に若い。 ―国交省に入った理由と、担当した業務内容は。 「日本のどこに住む人も自分の地域に愛着を持ってもらいたいとの思いを抱き、地域課題に対する政策を作れる魅力に引かれて入省した。まちづくり関係の法令業務、外国人旅行者の増加方策や建設業の労働環境改善政策の企画立案、自治体や民間企業のまちづくり活動支援などに従事した」 ―裾野市の副市長招請に応じた理由は。 「地方公共団体や民間団体が主体的に活動する行政分野の業務に多
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静岡人インタビュー「この人」 静岡地検次席検事に就任した 小長光健史さん (静岡市葵区)
2000年に検事任官。東京地検を皮切りに神戸、岡山地検や最高検などで勤務した。東京地検刑事部副部長を経て1日付で着任。県内での勤務は初めて。福岡市出身。52歳。 ―抱負を。 「風通しの良い職場環境をつくっていきたい。職員と話をする中で、例えば『もう少し効率化できるのでは』という案件も出てくるだろう。一つ一つ対応していくことで、職員の意識も変わると思う。関係機関については警察だけでなく、裁判所や弁護士会とも相互理解が重要。コミュニケーションを大事にしていきたい」 ―静岡の印象は。 「過去に静岡に勤務した同僚からは本当に仕事がやりやすく、温暖で穏やかなところだと聞いている。おいしい食べ物
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静岡人インタビュー「この人」 バレーボール女子V2リーグの最優秀新人賞を受賞 早川京美さん(浜松市中央区)
岡崎学園高、筑波大を経て2023―24シーズンからバレーボールVリーグ女子2部のブレス浜松に入団。ポジションはアウトサイドヒッターで、攻守の総合力の高さが武器。好物はギョーザで、よく食べに出かけるという。愛知県安城市出身。23歳。 ―最優秀新人賞の感想は。 「狙っていた賞なので率直にうれしい。中学、高校の恩師や友人からもお祝いの連絡が来た。チームメートやスタッフ、ファンら周囲の皆さんに感謝したい。攻守両方でチームに貢献することを意識しているので、それをコート上で表現できた結果だと思う」 ―Vリーグ1年目を終えての手応えは。 「試合に出る喜びを感じながらプレーしている。序盤になかなか勝
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静岡人インタビュー「この人」 SPAC作品に携わる劇作家 石神夏希さん(静岡市葵区)
地域やまちを舞台にした演劇を多く手がける。静岡市の「まちは劇場」事業に加え、2022年から県舞台芸術センター(SPAC)の作品に携わる。27日からの「ふじのくに⇄せかい演劇祭」では、観客が舞台芸術公園周辺を巡って鑑賞する「かちかち山の台所」を披露する。東京都生まれ、43歳。 ―演劇との関わりは。 「小学生の時に演劇を見て、10代で友人と作った劇団を続けている。劇場に足を運ばない人と出会いたいという気持ちが高まり、まちに滞在してリサーチを重ね、そこで暮らす人と作品をつくるスタイルに軸足を移した。人々の思いやエネルギーが土地の価値を高めると実感し、演劇がその循環に好影響をもたらす可能性も感じ
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静岡人インタビュー「この人」 5教科を教えないプロジェクト型学習教室「あむラボ」を運営する 小森史靖さん(静岡市葵区)
小中学生向けのプロジェクト型学習教室「あむラボ」(静岡市駿河区)の代表。2022年10月から始め、法人化を目指し準備している。不登校の児童などが通うフリースクールや、本県発のアイドルグループ「フィッシュボウル」の運営にも関わる。静岡大を休学中。23歳。 -どのような学習教室か。 「子ども一人一人に学生メンターが伴走し、好きなことに夢中になれる環境や社会とつながる体験を提供する。これまでに9人の小中学生が通い、映像制作や作曲、釣り、菓子販売などそれぞれが興味ある企画を数カ月かけて仕上げてきた」 -教室を開設した目的は。 「フリースクールに通う子や親と話す中で、学校の5教科や運動で評価さ
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静岡人インタビュー「この人」 故郷の石川県七尾市を支援する 堀田孟さん(浜松市中央区)
能登半島地震の被害を受けた故郷の石川県七尾市を支援するため、浜松の仲間と1月に「のとななお浜松生活支援隊」を結成し、月に1~2回、現地へ物資を届けている。高校卒業後に地元を離れ、浜松市で働きながらリサイクルなどのボランティア活動を30年以上続けてきた。77歳。 ―結成の経緯は。 「地震が発生してすぐ地元にいる弟に連絡し、周囲の人の無事を確認したが、被害の大きさから復興まで長期化すると直感した。東日本大震災などの災害でも支援活動に取り組んできたので、経験を生かし、行政の手が届かないような人を支えようと考えた。友人で不動産業を営む村松幸彦さんが副隊長として協力してくれて、5人ほどのグループで
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静岡人インタビュー「この人」 ジビエ産業振興で地域活性化に挑む 高林麻里さん(浜松市天竜区)
浜松市天竜区春野町杉で2022年から、野生鳥獣肉(ジビエ)加工施設「ジビエ工房ジミート」を営む。異業種との連携を盛んにし、産業の裾野拡大や地域活性化に挑む。44歳。 -ジビエに関心を持ったきっかけは。 「地域の食材を扱う料理店をめぐる団体の活動で、ジビエの魅力を知った。耕作放棄地の増加などを要因にシカの生息圏は広がっており、農家に及ぼす食害の深刻さを痛感した。担い手の高齢化などで閉鎖を余儀なくされた工場を再開させ、食肉の需要を広げることで森林環境保全に貢献できればと考えた」 -活動に賛同してくれる事業者が増えた。 「地域で活動する猟師の理解を得て、シカの個体の提供を受けている。販売面
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静岡人インタビュー「この人」 マジックを通じた認知症予防に取り組む マギー塁さん(掛川市)
島田市を中心に県中部で活動を続ける。トランプやハンカチなど身近な道具を用い、指先を使った脳の活性化や成功しても失敗しても笑顔になれるなどの認知症予防効果を紹介する。マジシャンのマギー司郎さんの弟子。認知症サポーターや島田市の介護予防体操「しまトレ」を普及する「しまトレーナー」も務める。静岡市出身。39歳。 ―活動のきっかけは。 「一昨年の12月、藤枝市の認知症カフェでマジックを披露したところ、認知症の夫がいる女性が『久しぶりに外に出て笑うことができた』と涙ながらに声をかけてくれたこと。今までこれほど感謝されたことはなく、無名の芸人でも社会の役に立つことができると思い、認知症について学び始
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静岡人インタビュー「この人」 「リオ・ブランコ国家勲章」を獲得した外国人学校の理事長兼校長 松本雅美さん(浜松市中央区)
ブラジル政府が外交分野などの功労者に贈る「リオ・ブランコ国家勲章」を受けた外国人学校ムンド・デ・アレグリア(浜松市中央区)の理事長兼校長。大学でスペイン語を学び、民間企業での勤務経験後、2003年に同校を開校した。20年以上にわたり、ペルーやブラジルなど南米系の子どもたちの教育に力を入れてきた。三重県出身。 -受賞の感想は。 「学校の取り組みが認められてうれしい。苦労も多かったが、たくさんの人が手を差し伸べてくれたおかげ。信念を持って続ければ思いは伝わる。約20年、子どもたちに成長させてもらい、感謝している」 -学校を開校した理由は。 「子どもを持つペルー人の親たちから、『浜松に母国
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静岡人インタビュー「この人」 メルカリを活用した粗大ごみ販売を企画した三島市職員 山添豊さん(三島市)
人口10万人以上の県内自治体で1人あたりのごみ排出量が4番目に多い課題を解決しようと、県内初となるメルカリでの粗大ごみ販売を考えた。全戸配布した災害廃棄物の適正処理を啓発するハンドブックの作成も企画した廃棄物対策課のアイデアマン。32歳。 ―ごみの販売を考えた理由は。 「三島市は最終処分場容量が逼迫(ひっぱく)し、県外処理に年間約8000万円をかけている。粗大ごみを砕く機械も消耗が激しく、修繕にお金がかかる。アンティークが元々好きで、ごみの中に価値を感じる物があった。税金で処分するより、多くの人に使ってもらえる方が良い。メルカリのプラットフォームは巨大で、幅広い層に見てもらえることも良か
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静岡人インタビュー「この人」 深夜営業を始めた書店店主 江本典隆さん(沼津市)
昨年9月、沼津市下本町で書店「リバーブックス」を金土日限定で開店した。3月からは平日営業も始め、月に数日間、深夜2時までの深夜営業も開始。45歳。 -書店の特徴は。 「空きビル活用を目指す市の事業開発スクールへの参加がきっかけ。店から狩野川が見えることと、僕の名字にちなんで店名をつけた。看板のデザインは漫画『とんかつDJアゲ太郎』の作者小山ゆうじろうさんに依頼。沼津クラフトのビールも提供している」 -主要な客層は。 「20~30代女性が中心。SNSで調べた県外からの来客も多く、2月の連休では沼津港から歩いて来た福岡、広島、長野、横浜からの観光客がいた。近隣のホテルの宿泊者や、バスから
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静岡人インタビュー「この人」 有害鳥獣の捕獲に取り組むNPO法人理事長 岡本浩明さん(浜松市中央区)
浜松市浜名区の三ケ日地区を拠点に、農作物への食害が問題となっているイノシシをはじめとした有害鳥獣への対策に取り組むNPO法人「ルーツジャパン」を2015年に創設した。マニュアル作成などを請け負うフリーランスのライターとしても働く。森町出身。50歳。 -どのような団体か。 「行政から依頼を受け、シカやイノシシなどの有害鳥獣、ヌートリアやタイワンリス(クリハラリス)といった特定外来生物を捕獲している。獣害対策を目的に三ケ日地区の農家でつくる有害鳥獣駆除対策協議会と連携し、くくりわなの講習会も開催している」 -きっかけは。 「元々山遊びが好きだった。父親が森町で猟をしていた影響で、私も21
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静岡人インタビュー「この人」 全商1級9冠を達成した 土屋乃琉さん(三島市)
沼津商高(清水町)情報ビジネス科3年生で、同校会計実務部に所属。入学から2年生までに、全国商業高校協会主催の全9種目の検定試験で1級に合格した。3年間でも「9冠」達成は困難で、同校で2年生のうちに達成したのは初めてという。17歳。 -特に難しかった科目は。 「英語、商業経済、財務諸表分析、珠算、電卓、ビジネス文書実務、簿記、情報処理のビジネス情報部門とプログラミング部門の九つがある。珠算は特に難しい上に、高校に入るまでそろばんに触れたことがなかった。家で過去の問題を解き、部活で出場した大会の合間も縫って毎日勉強した。英語はひたすら単語を覚えた」 -9冠を目指したきっかけは。 「入学し
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静岡人インタビュー「この人」 医学と陸上の両立を講演した 内山咲良さん(東京都)
東大医学部在学時に日本学生陸上競技対校選手権大会(日本インカレ)の三段跳びで優勝。研修医として藤枝市立総合病院で働き、4月から東京北医療センター産婦人科で専攻医として勤務する。県立大で1月に講演し、文武両道の秘けつを学生に伝えた。神奈川県出身。26歳。 -どんな大学時代だったか。 「入学直後は学部と大学で別々にある陸上部に両方所属し、多数の授業を受けながら塾講師のバイトもしていた。しかし忙しさから生活がうまく回らなくなり、心を壊してしまった。そこからは目標を『医者になる』と『日本インカレ出場』の二つに絞って努力した。今は手広く挑戦したことも、自分を見つめ直すために必要なプロセスだったと思
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静岡人インタビュー「この人」 法テラス下田の新任弁護士 大島稔也さん(下田市)
大学卒業後、民間企業で勤務した後に2019年に弁護士登録。東京の法律事務所での養成期間と法テラス沼津を経て、今年着任した。弁護士が不足する賀茂地域における公的法律相談窓口の役割を担う。沼津市出身。35歳。 -弁護士を志した経緯は。 「大学は法学部で、児童や高齢者虐待問題も学んだ。その後勤めた企業で労働問題や、仕事関係の知人の住居トラブルに触れ、こうした人々に直接的に力になりたいと弁護士を目指した」 -沼津では主にどのような問題に取り組んだか。 「法テラスには弁護士が足りていない地域で住民が法的サービスを身近に受けてもらう狙いがあるが、都市型の法テラスも各地に点在し、債務整理に関する案
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静岡人インタビュー「この人」 自然を生かした事業やICT活用で地域活性化に取り組む 土本直矢さん(横浜市)
西伊豆町と東京都を行き来しながら、西伊豆で情報通信技術(ICT)を活用した鳥獣害対策などに取り組むほか、町内の豊かな自然を生かした事業を展開している。東京の大学を卒業し、電子機器メーカーに就職。退職後、都内で情報処理システム開発などに関わる企業も経営している。同町田子出身。43歳。 ―なぜ地元で仕事を。 「小学生の頃、友達と海で釣りをしてから登校していた。田子の海は透明度が高くダイビングの名所でもある。自然を楽しめる環境がある地元に思い入れがあった。培った技術や経験を生かし、地域活性化に取り組みたいと考えた。地域の魅力を伝えるSUPやカヤックのツアーも提供している」 ―田舎におけるIC
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静岡人インタビュー「この人」 子どもの居場所づくりを目指す「かわねきりんの会」代表 板谷知加さん(川根本町)
川根本町で子どもが自分らしく過ごせる居場所を作ろうと昨年10月、町民らと「かわねきりんの会」を結成した。子どもの主体性を尊重する意識を地域全体に根付かせるため、約10人のメンバーと、子どもに関する映画の上映会や勉強会を実施する。滋賀県出身。34歳。 -結成の経緯は。 「川崎市子ども夢パークを題材にしたドキュメンタリー映画『ゆめパのじかん』を多くの人に知ってもらいたいと思ったことがきっかけ。夢パークは「川崎市子どもの権利に関する条例」の理念を基に整備された何をしてもいい自由な遊び場で、映画にはありのままの自分を解放して楽しむ子どもたちの様子が描かれている。不安を抱える子どもが多くいる今の社
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静岡人インタビュー「この人」 水窪で飲食店を立ち上げた 中山泰宏さん(浜松市天竜区)
浜松市天竜区水窪町の飲食店「みさくぼっち」を3月から運営している。しばらく閉店状態だった店舗を借り受ける形で、9日に営業を始めた。当分は週末のランチタイムのみ営業する。地域の人口減少が進む中、地元住民や行楽客が集まるにぎわいの空間づくりを目指す。水窪町出身で、普段は土木業に従事する。63歳。 -開店の反響は。 「多くの方に『食事できるところが久々にできてうれしい』と喜んでいただいている。開店から閉店の時間まで常にお客さんが入ってくれた。地元以外の人も来ている。水窪は最近ご飯を食べられる店が少なくなっていたので、少しでも地域の役に立てたらと思う」 -営業を始めたきっかけは。 「昔から飲
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静岡人インタビュー「この人」 残ガスを生かし、災害対策コインランドリーを展開する 白砂伸之さん(長泉町)
災害発生時に洗濯乾燥機をはじめ、電気、ガスなどのライフラインを地域住民に無料開放する「災害対策コインランドリー」を長泉町内に展開する。LPガス容器をくず化する際に生じる残ガスの活用のため、クロワッサン専門店も運営。ガス容器の再検査事業を行う大静高圧(同町)社長。47歳。 ―なぜ災害対策用なのか。 「災害用のコインランドリーに注目したのは、災害時、被災者の洗濯需要が高いと感じたから。2011年の東日本大震災を機に検討を始めた。LPガスは災害時エネルギー供給の『最後のとりで』と言われており、コインランドリーとかけ合わせられないかと思った」 ―具体的な機能は。 「コインランドリー名は『Fu
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静岡人インタビュー「この人」 協会けんぽ静岡支部長として加入者100万人の健康づくりを進める 安田剛さん(静岡市葵区)
全国健康保険協会(協会けんぽ)本部で保健部長などを歴任し、中小企業で働く人とその家族の健康づくりを推進してきた。静岡県内の6万8000事業所の従業員やその家族ら約100万人が加入する静岡支部の支部長に昨年10月、着任した。愛知県北名古屋市出身。60歳。 ―静岡県の印象は。 「一緒に引っ越してきた妻がずっと住み続けたいと言うぐらい、過ごしやすくて気に入っている。東西に長い県で、東、中、西部で地域性がだいぶ異なる。健康面でも、例えば喫煙率は東部が高く、西部が低い。高血圧は東部、糖尿病は西部が多い。各地域の特徴に合わせて生活習慣の改善を働きかけたい。私自身、散歩好きで、1日1万歩を目標に歩いて
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静岡人インタビュー「この人」 地域移行する中学部活動の指導者育成に取り組むNPO理事長 松野裕貴さん(磐田市)
磐田市内の若手企業経営者らとともに2022年12月にNPO法人ミライサポートプロジェクトいわたを設立。今年2月に地域部活動指導者を育成する講習会を初めて企画した。通信インフラ工事「ユニオントレード」の社長。48歳。 -講習会を開いた目的は。 「中学部活動の地域移行でまず課題になっているのは指導者不足。地域の中で意欲のある人材を掘り起こし、解決の一助になればと企画した。経営者や元教員、PTA経験者ら会員のネットワークを生かし、元プロスポーツ選手やトレーナーも仲間に加わってくれた。講習会は今後も開催していく」 -どんな内容か。 「ベテランにも未経験者にも、今の時代に合った指導法をまず理解
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静岡人インタビュー「この人」 第71回姫様道中で姫様を務める 名倉由香さん(浜松市浜名区)
浜松市浜名区細江町で30日に開かれる春の風物詩の主役。2月に行われた配役選考会で、県内外から応募した15人の中から選ばれた。道中行列への参加は2回目。同町出身。23歳。 -応募したきっかけは。 「細江で生まれて細江で育ち、ほぼ毎年見てきた行事。腰元や奴(やっこ)として参加した経験のある両親に勧められたこともあり、いつか出たいと感じていた。昨年参加して存続が危ういという事情を知り、歴史を途切れさせたくないとの思いからことしも応募した」 -姫様道中の思い出は。 「小学生の頃までは家族と、中高生では友達と一緒に、行列を見たり露店を回ったりしてお祭り気分を味わった。姫様と写真を撮ってもらった
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静岡人インタビュー「この人」 県警拳銃射撃競技大会個人で優勝した 松本美羽さん(藤枝市)
2月に藤枝市の県警察学校で開かれた県警拳銃射撃競技大会の個人第1部で優勝した。3種目と筆記科目を合わせ、計160点満点で146点を獲得した。藤枝署地域課本町交番勤務。磐田市出身。24歳。 -優勝の感想は。 「出場させてもらったことに感謝している。勤務している本町ブロックの人数が多くない中、積極的に練習に参加させてもらった。1月中旬から本格的に訓練を始めて、ランニングや体幹トレーニングを毎日継続し、常に大会本番をイメージして練習に取り組んだ。応援してくれた方々に結果で返すことができてうれしかった」 -警察官を目指した理由は。 「高校卒業後はスポーツ分野の大学に進学し、当初はトレーナーな
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静岡人インタビュー「この人」 自由にしたためる「遊字」の講座を展開する 宮本康典さん(浜松市中央区)
両親が創業した生活雑貨店「四季彩堂」の常務取締役を務めながら、自由な発想で温かみのある文字を表現する「遊字(ゆうじ)」の教室を浜松市中央区の本店や愛知県豊橋市の支店で主宰する。2月には浜松市内の小学校で、卒業を控え、手書きのメッセージを家族に贈るという6年生を対象に講座を開き、好評だった。38歳。 ―遊字の特徴は。 「遊び文字などとも呼ばれる。文字の一部を太くしたりメッセージだったら1文字だけ大きくしたりと強弱を付ける。文字をあえて崩すことで柔らかい雰囲気が出る。店のポップや客へののしに独自に書いていたら人気が出て、10年ほど前に常連客らに請われて講座を開くようになった」 ―どんな人た
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静岡人インタビュー「この人」 静岡SSUボニータの新主将に就任した 塩沢優さん(磐田市)
サッカー女子なでしこリーグ1部で2年目を迎えたチームを先頭に立って引っ張る。今季で在籍7年目。薬局で働きながら練習に励む。ポジションはセンターバック。常葉大橘中・高出。静岡市駿河区出身。28歳。 ―主将に就任した心境は。 「主将を務めるのはこのチームで初めて。自分は周りを気にしすぎてしまう性格。特に今までとは変わりなくやっていきたい。副主将の日野李保は中学、高校の1学年後輩。私のことをよく分かっているので助けてくれると思う。このコンビは初めて」 ―1部1年目は12チーム中11位に終わった。今季は本田美登里監督が復帰した。 「2部との差を痛感した。その中でも自分たちが通用するところもあ
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静岡人インタビュー「この人」 焼津内港のテレワーク拠点施設 運営責任者を務める 木島希望(きじまのぞみ)さん(静岡市駿河区)
焼津市の焼津内港のテレワーク拠点施設「焼津PORTERS」を運営する「スマートホテルソリューションズ」(東京都)の社長室長として、施設を統括する。自社開発のホテル管理システムを施設で運営するほか、地域の課題解決に取り組む。愛知県小牧市出身。40歳。 ―施設の状況は。 「昨年5月にプレオープンし、コワーキングスペースやフードコートの利用が可能になった。2024年度は宿泊やサウナなど新しい機能が加わる。利用可能になる7部屋はそれぞれ大学や専門学校に通う若者らがデザインを手がける。既成概念にとらわれない斬新な発想を期待している」 ―施設の運営として心がけていることは。 「若者や企業、行政と
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静岡人インタビュー「この人」 全国優秀警察職員表彰を受賞した 相沢大輔さん(掛川市)
1984年4月拝命。主に捜査1課など刑事畑を歩み、殺人や強盗、傷害をはじめとする困難かつ重要な事件を解決に導く功績が評価された。現在、磐田署刑事課強行犯上席係長を務め、卓越した捜査技術を生かして若手の育成にも尽力する。愛知県岡崎市出身。警部補。58歳。 -受賞の感想は。 「これまで携わってくれた上司や先輩、同僚の指導助言のおかげで受賞することができた。約40年の警察人生を支え、理解してくれた家族にも感謝している。苦楽をともにした捜査1課のOBからもたくさんの連絡を頂き、改めて賞の重みを感じた」 ―印象に残っている事件は。 「捜査1課係長時代の2007年から4年間、県西部で殺人関連の捜
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静岡人インタビュー「この人」 規格外のミカンを利用して果汁100%のミカンスパークリングドリンクを開発 今田隼輔さん(沼津市)
昨年5月に沼津市地域おこし協力隊員に就任した。市場に流通されない規格外のミカンを使用して果汁100%のミカンスパークリングドリンクを開発し、今月1日から発売を始めた。愛知県出身。26歳。 -沼津に来た理由は。 「西浦から見える富士山など、沼津の景色や町が好きで、昔から訪れていて愛着もあった。大学を卒業後は就職して愛知県に戻ったが、神奈川県に住んでいた妻との合流場所でもあり、よく来ていた」 -商品開発の経緯は。 「畑に捨てられているミカンを見てもったいないと思ったのがきっかけ。単なるみかんジュースでは勝負できない。前職(自動車関連の製造業)のノウハウを生かして、どうすれば売れるか付加価
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静岡人インタビュー「この人」 静岡市二十歳の記念式典実行委員長を務めた 尾平樹優さん(静岡市清水区)
1月3日に静岡市駿河区のグランシップで開かれた同市二十歳の記念式典の実行委員長を務めた。静岡市立高卒、常葉大教育学部2年。20歳。 ―式典を振り返って。 「式典に備え、晴れ着を着るために早起きするなどしたたくさんの人の特別な一日に関わることができてよかった。3千人が参加する規模のイベントを自分たちが主体で準備するというのは、大学生活ではなかなかできない経験。半年間試行錯誤しながら準備してきて、今後の自信にもなった。友人からもねぎらってもらい、やってよかったと思える反応を多くもらった」 ―実行委員長就任の経緯は。 「去年の式典でも実行委員として活動した。一つ年上に当たる実行委員長の背中
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静岡人インタビュー「この人」 高校生による給食コンテストで最優秀賞に輝いた 村松杏咲さん(浜松市中央区)
地場産品を使った小学生向け給食の献立を考える静岡県西部農林事務所主催のコンテストで最高賞に選ばれた。「浜松の食材でワクワク探検隊給食」と題し、地元素材をふんだんに使用したスタミナ炒めや野菜みそ汁、ごまあえなどのメニューを開発した。浜松大平台高を3月に卒業した。17歳。 ―使った食材は。 「浜松は豚肉の産地だと知っていたので、豚肉を中心に考えた。チンゲンサイやニンジン、大根など地元産の多くの野菜も取り入れた。開発過程で、浜松にどんな食材があるのか自分自身も学ぶことができた。小学生も、この献立を見てわくわくしながら地元食材を知ってもらえたらうれしい」 ―献立のポイントは。 「栄養バランス
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静岡人インタビュー「この人」 オランダの国際映画祭最優秀作に出演した俳優 永井なおきさん(沼津市)
世界三大映画祭(カンヌ、ベルリン、ベネチア)に次ぐ規模のロッテルダム国際映画祭で最優秀作品賞(タイガーアワード)を受賞した「莉(れい)の対」(田中稔彦監督)に出演した。俳優やモデルの芸能活動の傍ら、静岡県内の専門学校でコミュニケーションなどの講師を務める。大阪市出身。55歳。 -受賞の喜びを。 「俳優出身の監督がコロナ禍をきっかけに仲間を一人一人集めながら作った作品。若いスタッフが苦難を乗り越え、成功する過程を一緒に分かち合えた。映画祭期間中は2週間現地に滞在し、『絶対賞を取る』とみんなで励まし合った。実際に授賞式で作品名が呼ばれた時は、自然と涙がこぼれてきた」 -作品の見どころは。
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静岡人インタビュー「この人」 新生児の拡大検査導入に尽力した静岡希少疾患ネットワーク代表 渡辺健一郎さん(静岡市葵区)
新生児に病気がないかチェックする際、公費負担の検査で対象外になっている7疾患を調べる「拡大検査」の県内導入に尽力した。県立こども病院の副院長。昨年11月に浜松医科大や聖隷浜松病院と「静岡希少疾患ネットワーク」を設立し、拡大検査の普及や早期治療の体制整備を進めている。59歳。 ―設立の経緯は。 「3機関でチームとなり、検査で陽性になった新生児を県内全域でカバーしようと発足した。拡大検査を周知するほか、分娩(ぶんべん)ができる産婦人科などの医療機関に働きかけもしている」 ―拡大検査の意義は。 「7疾患はいずれも効果的な治療法があり、治療の開始時期が救命や病状改善に直結する。そのうちの一つ
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静岡人インタビュー「この人」 民間子育て支援施設「OHANA PARK」の館長 柴田陽加さん(湖西市)
昨年6月、湖西市新居町の新居関所前に位置する歯科天陽堂柴田医院の改装に合わせ、医院1階にカフェや子どもの遊び場を備えた親子の居場所「オハナ・パーク」を開業した。自身も3児の子育て中。35歳。 ―施設をつくった経緯は。 「都内から移住した際、親子の遊び場の選択肢が少ないと感じて自分が欲しい施設を考えた。子どもの満足はもちろん、親も楽しめる場所が欲しかった。公共施設は飲食できない場所も多いため、ママがリフレッシュできる環境を重視してカフェやランチもできる居場所にした」 ―開設後の手応えは。 「初めはママ友同士の利用が多かったが、親子1組での利用やリピーターも増えてきた。特に産後ママの会や
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静岡人インタビュー「この人」 熱海初「犬同伴OK」のコワーキングスペースを開設した 二見幸司さん(熱海市)
熱海市中心街の渚町で経営しているペット用ホテル・トリミングサロン店「ワンコ」に併設する形で、コワーキングスペース「ワン・ツー」を新たに開設した。熱海でテレワークやワーケーションを希望する国内外の「犬好き」の需要に応え、ペットと飼い主に優しい観光地熱海をPRする。ふた鶴合同会社の代表。59歳。 ―開設のきっかけは。 「コロナ禍を経て、リモートで働く新たなスタイルが定着した。海が見える場所で犬と一緒に仕事ができる場所があったら面白いなと思った。ペットと一緒に楽しく、安心して過ごせる熱海滞在をサポートする」 ―施設の概要は。 「宿泊施設や飲食店が立ち並ぶ熱海の中心部に立地し、目の前に熱海サ
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静岡人インタビュー「この人」 静岡県警警務部長に就任 日吉知洋さん(静岡市葵区)
1991年に警察庁に入り、主に警備部門を歩んできた。栃木県警警務部長、皇宮警察警備部長、埼玉県警警備部長などを歴任。伊東市出身で、本県警での勤務を「何となく安心する」と親しみやすい笑顔で語る。休日の史跡巡りが趣味。実家への帰省も心がけている。58歳。 ―着任して思うことは。 「高校まで伊豆半島で、30年以上を警察庁や全国警察勤務で過ごしてきたが、故郷で仕事ができることは非常に幸せ。人間も自然の生き物で、自分が育った地域に戻ると安心するのは不思議。富士山や駿河湾など大自然がもたらす豊かな恵みを受けているからか、自然災害への県民の防災意識が高いと感じた」 ―災害対応の主な経歴は。 「伊東
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静岡人インタビュー「この人」 地域の芸術文化を育てる 栗田敏恵さん(御前崎市)
御前崎市門屋のギャラリーカフェ「ひと休処(どころ)つくし」を運営する。月替わりで地域の画家や写真家らと開催している展示会が人気を集める。定期的に音楽コンサートを開催するなど、市民が芸術文化に触れる機会を提供する。64歳。 ―運営を始めた経緯は。 「母が20年前に創業し、約7年前に引き継いだ。母が大切にしてきた地域文化を盛り上げたいという思いを大事にしている。市内にはギャラリーが少なく、個展を開催できる場所が限られる。展示スペースは決して広くないが、趣味や独学で始めた作品でも作者が日頃の成果を披露し、市民がゆっくり鑑賞できる空間を目指している」 ―なぜ、美術や音楽が大切だと考えるのか。
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静岡人インタビュー「この人」 チアリーディングチーム「パワフルキッズ」の中学生チームのコーチ 相原葵さん(伊豆の国市)
大仁小(伊豆の国市)2年の時、父健二さん(53)が同市を拠点に活動するチアリーディングチーム「パワフルキッズ」を立ち上げ、監督になったことをきっかけにチアを始め、大仁中卒業まで所属した。箕面自由学園高(大阪府)、帝京大(東京都)でも活動を続け、現在はパワフルキッズの中学生チームのコーチなどを務める。25歳。 ―競技の魅力は。 「ほかのチームと応援し合えるところ。会場で演技中に一緒に声を出すかけ合いがあり、聞こえてくる応援を力にしてパフォーマンスする。演技が決まったり、新しい技ができたりした時の達成感が楽しい」 ―指導で考えていることは。 「子どもたちが一日一日の練習をやりきって、次に
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静岡人インタビュー「この人」 日本学生野球協会の優秀選手に選ばれた 吉松礼翔さん(滋賀県)
浜松開誠館高野球部の主将として2023年夏の甲子園に出場した。東海大熊本星翔(熊本)との初戦で3安打、北海(南北海道)との2回戦では中越え二塁打と犠飛を放つなど活躍。遊撃の守備でも堅実なプレーを見せた。関西六大学リーグの龍谷大に進み、さらなる飛躍を誓う。18歳。 -表彰を受けて。 「自分がこのような賞をもらえるとは思っていなかったので素直にうれしい。自分だけの力ではなく、学校関係者やチームメートの支えがあったから。全ての人に感謝したい」 -3年間を振り返って。 「開誠館は個人のレベルが高く、自分もうまくならなければという気持ちでいられた。周りから刺激をもらい成長できた。下級生の時は先
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静岡人インタビュー「この人」 石に猫の絵を描く作家 渥美典久さん(浜松市天竜区)
浜松市天竜区春野町で「晴れるや工房」を営む。妻の愛子さんと、アクリル絵の具を使って丸みを帯びた石に本物そっくりな猫や、笑った表情の猫などの作品を制作する。73歳。 ―工房を始める前は。 「両親が経営していた会社を辞め、民宿を開業しようと52歳の時に西伊場町(同市中央区)から春野町に移住した。家族は大反対だったが、妻は騒音を気にせずに木を切ったり、絵を描いたりできる環境をすぐに気に入った。ただ、民宿経営はうまくいかなかった。借り入れ資金の返済に苦労していた時、地元の産業展に妻の作品を出したところ、石に描いた作品が売れた」 ―なぜ、猫を描いたのか。 「長男が小学生の時に捨て猫を拾ってきて
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静岡人インタビュー「この人」 アスルクラロ沼津に新加入した 向井ひな太さん(沼津市)
札幌大から1月にサッカーJ3のアスルクラロ沼津に加わった。ポジションはMF。東日本大震災を受け、御殿場市に拠点を移した「JFAアカデミー福島」に中学、高校と所属していた。162センチ、65キロ。浜松市出身。22歳。 -競技を始めたきっかけは。 「サッカーをしていた父親に勧められて、小学1年から地元の少年団に入った。小さい頃からプロ選手になることは夢だったが、本気で目指そうと思ったのは大学生になってから。かつてコンサドーレ札幌などでプレーしていた大学時代の河端和哉監督の影響が大きい」 -チームの雰囲気は。 「モチベーションが高く、雰囲気はいい。加入前はボールを大事にするイメージだった。
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静岡人インタビュー「この人」 サッカーJリーグ清水エスパルスジュニアユース三島の指導者に就任した 池田昇平さん(静岡市清水区)
清水市(現・静岡市清水区)出身で、清水エスパルスの下部組織を経て2000年にトップチームに昇格。身体能力に優れたDFとして5季プレーした。その後は五つのクラブを渡り歩き、12年に現役を引退。ジェフユナイテッド市原・千葉のジュニアユースの監督などを歴任し、指導者として今季20年ぶりに古巣に復帰した。ジュニアユース三島では中学1年生の育成を担当するU-13(13歳以下)監督を務める。42歳。 -再びエスパルスの一員となって。 「清水にはアカデミー(育成組織)の中学時代から所属していたので、いつか戻りたいという気持ちはずっとあった。ジェフでも選手たちの成長を見られることに喜びを感じながら充実し
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静岡人インタビュー「この人」 全国高校生読書体験記コンクールで入賞した 佐野夢果さん(掛川市)
身体に障害がある作家市川沙央さんの芥川賞受賞作「ハンチバック」を読み、受けた衝撃を体験記にまとめた。自身も難病で幼少期からの車いす利用者。勉学に励む傍ら、県内外で講演やイベントを展開し、誰もが暮らしやすい社会の実現を目指している。掛川東高2年。17歳。 ―入賞をどう受け止めたか。 「驚いた。自身の内在的な負の感情を隠すことなく原稿用紙にぶつけた作文だった。本当に学校に提出していいのかという思いもあった。コンクールで多くの人に読んでもらえたことがうれしく、価値を感じる」 ―「ハンチバック」を題材に選んだきっかけは。 「市川沙央さんの芥川賞受賞のニュースに衝撃を受けた。すぐに本を手に入れ
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静岡人インタビュー「この人」 定期演奏会が100回に達した富士交響吹奏楽団の団長 平田浩一さん(伊豆の国市)
楽団は1972年、富士市民吹奏楽団として結成。50周年記念の第100回定演は、ロゼシアターに千人超の聴衆を迎えた。ホルンを担当し、5年前から現職。62歳。 ―節目の定演を終えて。 「吹奏楽オリジナルの曲に加え、オーケストラの管弦楽を吹奏楽用にアレンジした楽曲でプログラムを組んだ。富士にちなむ作品も交え、大勢の来場者と共に祝うことができた。社会が新型コロナ禍から再開する時期と重なっただけに感慨もひとしお。これからも楽しみにしているとの感想が聞かれ、皆の励みになった」 ―どのような楽団か。 「現在の団員は高校生から70代まで45人ほど。創立当初から指揮者を務める石川喬雄さんらの指導の下、
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静岡人インタビュー「この人」 盆栽カフェをオープンした園芸店代表 深沢和典さん(静岡市清水区)
昨年9月、静岡市駿河区に盆栽カフェ「唐花」をオープンさせた「深沢種苗園芸」の代表。盆栽を知らない世代に見てほしいと、雑貨店などでの販売会やワークショップ開催にも力を入れている。苔(こけ)を寄せ植えする「苔テラリウム」の普及も図る。清水区出身、42歳。 ―カフェ開店の狙いは。 「園芸店を祖父から引き継いで以降、盆栽を扱うようになったが、高価で素人では手が出しにくいものというイメージが想像以上に強い。実物を見て理屈抜きに気に入ってもらえたら。ここ数年、特に若い人の関心が高いので、気軽に立ち寄ることができる場を作りたかった」 ―手に取ってもらう工夫は。 「清水区に窯元のある清梅焼(きようめ
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静岡人インタビュー「この人」 浜松市出身のレーシングライダー 渥美心さん(大阪市在住)
4歳からバイクを始めて約25年。耐久レースをメインに国内外で活動する。今季は昨年9月から所属するチーム「ヨシムラSERT[サート] Motul[モチュール]」で参戦する。浜名区出身。28歳。 ―レーサーとしての経緯は。 「バイクの仕事に携わる父親からポケットバイクを贈られたのがきっかけ。15歳で全日本選手権に出場し始め、大人になるにつれプロレーサーの道を決意した。2019年には鈴鹿8時間耐久ロードレース(SSTクラス)で優勝し、海外レースでも結果を残した。22年はフランス拠点のチームに移り、異文化の中でのレース参戦は貴重な経験になった。鈴鹿8耐には22、23年は、エスパルスドリームレーシ
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静岡人インタビュー「この人」 戸田観光協会事務局長 佐藤寿美さん(沼津市)
観光交流客の増加と水産物の消費拡大を狙い、2020年から沼津市南部の戸田漁港でプレジャーボートやヨットの係留を受け入れている。約25年間金融業に従事し、10年前に生まれ育った戸田に戻った。旅館勤務を経て20年から現職。58歳。 ―仕組みは。 「14年の定期船廃止で役割を失っていた浮桟橋を活用し、戸田地区での宿泊か飲食を条件に一時係留を認める。係留料金は徴収せず地域での消費行動を促して波及効果を生み出す。海に関連する資源を生かして地域活性や水産物の消費拡大につなげる水産庁の海業(うみぎょう)のモデル地区に選ばれた」 ―きっかけは。 「旅館勤務時代、ヨットを係留できないことが理由で50人
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静岡人インタビュー「この人」 100周年事業を行った静中・静高サッカー部OB会会長 光木亘さん(藤枝市)
1920年に静岡県内の旧制中学で初のサッカー部(当時フットボール部)として誕生した静中・静高サッカー部のOB会会長として、100周年記念事業の取りまとめ役を担った。高校時代のポジションはサイドバック。66歳。 -記念事業の内容は。 「創部100年は本来2020年だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で予定していた式典などが延期を余儀なくされた。4年越しの今年、ようやく式典を開催できてほっとしている。現役チームにはユニホームを贈呈し、昨年のインターハイ予選から着用してもらっている。OBの滝弘之元中京大サッカー部監督の講演会も予定している」 -部の歴史を感じる部分は。 「1950年に
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静岡人インタビュー「この人」 はままつスマイルベーカリープロジェクトに参加する 杉本光希さん(静岡市清水区)
杏林堂薬局(浜松市中央区)のインストアベーカリー事業部管理栄養士。聖隷福祉事業団保健事業部(同)と進めるプロジェクトの第1弾として総菜パン「根菜と味噌(みそ)の挟み焼き」を開発した。2月末まで杏林堂薬局市内6店で販売中。パンを楽しんでもらいながら市民の健康増進を図る。28歳。 ―プロジェクトの概要は。 「浜松市の官民連携組織『浜松ウエルネス推進協議会』に参加する杏林堂薬局と聖隷福祉事業団保健事業部で立ち上げた。市民が抱えるさまざまな健康課題に対し、両者の管理栄養士がタッグを組んで課題解決に向けたパンの開発を行う」 ―開発した第1弾の商品は。 「市の第3次食育推進計画で目指す姿の一つに
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静岡人インタビュー「この人」 社会人サッカー「岳南Fモスペリオ」のコーチに就任した 平岡康裕さん(静岡市駿河区)
サッカーJリーグ清水エスパルスやベガルタ仙台でディフェンダーとしてプレーした。愛媛FCで昨季に引退を表明し1月、富士、富士宮両市が拠点で社会人東海1部リーグ所属の「岳南Fモスペリオ」のコーチに就任した。将来的にJリーグ入りを目指すクラブの底上げと意識改革を任される。富士宮市出身。37歳。 ―就任の経緯は。 「同学年でプロでも対戦した赤星貴文ゼネラルマネジャーから誘いを受けた。世話になったクラブに恩返しをしようかと考えていたところだったが、地元のクラブが強くなってより大きな舞台に駆け上がる将来像に面白さを感じた」 ―どんな指導者を目指すか。 「19年間のプロ生活で培った経験が伝えられる
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静岡人インタビュー「この人」 自動車関係功労者国土交通大臣表彰を受けた 飯塚俊治さん(焼津市)
1987年静岡鉄道(静岡市葵区)入社。大型2種免許を取得後、92年にバス運転士として勤務を開始し、路線バスと貸し切りバスを担当。しずてつジャストライン(同区)を経て、2006年に貸し切り観光バスの静鉄ジョイステップバス(焼津市)に移った。長年の無事故無違反や勤務態度が評価された。55歳。 -受賞の感想を。 「これまでも県バス協会長表彰や中部運輸局功労者等局長表彰を受けてきたが、今回は運転士にとって最高峰の表彰。目標にしていたので、とてもうれしい。過去に受賞した先輩の多くが60歳以上で、これほど早く頂けるとは思っていなかったので驚いた」 -業務で心がけていることは。 「心の安定が安全運
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静岡人インタビュー「この人」 18歳で「ふぐ処理者試験」に合格した 竹内彩季さん(湖西市)
本格的に資格取得を目指したのは昨年4月。アルバイト先の飲食店「弁天島山本亭」(浜松市中央区)や、実家が営む「割烹紅葉」(湖西市)で実技練習に励み、10月の誕生日の約3週間前に吉報が届いた。今春に名古屋市の調理専門学校を卒業し、京都市の懐石料理店に就職する。19歳。 ―資格を取得しようと思ったきっかけは。 「弁天島山本亭でアルバイトをしていた(当時)20歳の男性2人が2年前に合格した。静岡の最年少合格者と騒がれていたので(受験資格を持った)18歳の私が受かれば勝てると思った。フグの調理は難しそうだったが、頑張ればやれると信じてやった」 ―難しかった科目は。 「学科試験と同じ日に行う鑑別
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静岡人インタビュー「この人」 伊豆下田白浜蒸留所を開いた 白井健太さん(下田市)
下田市に移住し、リキュール製造に取り組む。リキュールの蒸留所は静岡県内でも珍しい。名物づくりとともに、酒造りを通じて原料となる1次産業の活性化を目指す。大分県佐伯市出身。32歳。 ―オープンの経緯は。 「都内でも知られた存在のバーテンダー伊藤広光さん(26)と知り合って意気投合した。国内のバーではカクテル用のリキュールは輸入品に頼っていて、国内産や自由な酒造りのために小規模の蒸留所を開く機運がバーテンダーの間で高まっている。伊藤さんの同級生沢田匡史さんを交えてぜひやろうとなった」 ―なぜ下田に開業したのか。 「蒸留所はかつて民宿だった一軒家。所有者の高橋伸介さん(55)が伊藤さんの客
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静岡人インタビュー「この人」 大井川流域や南アルプスのジオサイトガイドを作成した 諸橋良さん(静岡市駿河区)
日本列島の誕生に関わる地形・地質遺産の宝庫である大井川に沿う赤石山地と南アルプスの成り立ちや魅力を解説する「ジオサイトガイド」を作成した。ガイドは静岡県ホームページで公開している。静岡県生活環境課職員。新潟県三条市出身。48歳。 ―作成のきっかけは。 「もともとは南アルプスの世界自然遺産登録を目指す動きがあり、2010年ごろに学術的な調査報告書をまとめていたが、一般の人には分かりにくかった。多くの人にその価値を知ってもらい、どこにどんな地質遺産があるか分かるよう地図や写真をふんだんに取り入れた」 ―公開後の反響は。 「関係機関などから好評をいただいている。学校教育に活用したいとの声も
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静岡人インタビュー「この人」 袋井青年会議所(JC)理事長に就任した 西谷直樹さん(袋井市)
2019年に入会。22年専務理事、23年副理事長を歴任し、24年1月から理事長に就いた。任期は1年間。本業は産業廃棄物処理やごみ収集運搬の西谷商店(袋井市田町)社長。39歳。 ―入会のきっかけは。 「都内の大学を卒業してから12年間続けた前職の銀行員を19年に辞め、当時は35歳。中学から大学まで地元の袋井を離れていたので、地域とのつながりを強くしたいという思いがずっとあった。父がJCのOBで、活動には昔から興味があり、同世代で活躍する人たちと協力して地元を盛り上げたいと考え、入会を決めた」 ―印象に残っている活動は。 「新型コロナの影響で3年ぶりに開催した小学生を対象にしたすもう大会
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静岡人インタビュー「この人」 女性初の県社会保険労務士会長 高妻理愛さん(三島市)
昨年5月、静岡県内の社会保険労務士1090人が登録する組織のトップに立った。女性としては初めて。労働を取り巻く環境や価値観が変化する中、社労士の資質向上に資する組織としてあるべき姿を模索する。57歳。 ―女性初の会長として意気込みを。 「『女性だからどうこう』という意識は特にない。ただ、前任から『女性の登用を意識しないと後輩は育たない』と言われた。役員は会員よりも女性の割合が少ない。せめて同じにしないといけない。男性の育休取得が進むなど社会は変化している。役員に女性が普通にいる状態をつくらないといけない」 ―取り組みたいことは。 「県会ができて56年目。設立当時と世の中は変わった。会
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静岡人インタビュー「この人」 高校生有志団体「US(アス)」の代表 川畠慎之介さん(静岡市駿河区)
静岡県内の地元企業や団体がSDGsにちなんだ活動を発表する静岡SDGs万博を企画し、25日に静岡市葵区の中心部で開く。同じ高校の生徒6人と開催準備を進めている。若者の事業を支援する「若者チャレンジファンド」の選考会で、高校生の団体として初めて採択された。駿河総合高3年。18歳。 -団体の具体的な活動は。 「ワークショップとして廃棄野菜を使ったスタンプでのエコバッグ作りを親子向けに展開するなどSDGsがテーマの活動を続けている。認知症カフェを開催したり、2022年の台風15号では発生数日後に地元企業に協力を得て支援物資をスーパーで配布したりもしてきた」 -大事にしていることは。 「『と
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静岡人インタビュー「この人」 イルカ研究で「高校生探究・情報コンテスト」奨励賞を受けたクラスの責任者 加藤由依佳さん(浜松市中央区)
クラスでイルカに関する研究を進め、静岡大情報学部が主催する「高校生探究・情報コンテスト」で奨励賞を獲得した。研究の一環で制作した体長約2メートルのバンドウイルカのオブジェは浜名湖体験学習館「ウォット」(浜松市中央区)に展示されている。責任者を務めた西遠女子学園高1年生。16歳。 -なぜイルカの研究を始めたのか。 「きっかけは学園祭の企画。クラスごとに研究し、発表する機会があり、テーマを探す中で県東部や他県でイルカ漁があり、イルカが食べられていることを知って興味を持った。日本の水族館には当たり前にイルカがいるが、海外では肯定的に捉えられていないことに驚き、この問題を研究したいと思った」
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静岡人インタビュー「この人」 高校生ビジネスプランで高評価を受けた 平松美紅さん(伊東市)
過去最多の505校、計5014件の応募があった本年度の高校生ビジネスプラン・グランプリ。伊豆伊東高から参加したグループの一つのリーダーとして最終審査会に臨み、全国3位相当の賞に輝いた。自身の経験に基づき、大人に代わって日常的に家事や家族の世話をするヤングケアラーの課題解決に向けたプランを提案した。同校3年。18歳。 ―プラン考案の背景は。 「中学生のころから年齢の離れた幼い妹2人の面倒をみる中、食事の世話が大変だと感じていた。準備から片付けまで時間がかかり、自分の自由な時間がとれなくなってしまう。県のアンケートを調べると、同じ悩みを抱えている人が多いことが分かり、子ども食堂の毎日版を実践
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静岡人インタビュー「この人」 ミス・ユニバース世界大会に出場した 宮崎莉緒さん(東京都)
2023年11月、中米エルサルバドルで開催されたミス・ユニバース世界大会に日本代表として出場した。持ち前の笑顔で日本の文化を世界にアピールした。現役大学生として、都内の大学では幼児教育を学ぶ。牧之原市出身。21歳。 ―大会に応募した経緯は。 「幼少期からチアリーディングを続けていたが、指導する側としての機会も増えてきた。常に集団の中での行動だったが、表現者として自分一人で何ができるのかを知りたかった」 ―大会の総括を。 「日本代表として大会に臨むことは大きな重圧だった。世界大会で結果を残すことが目標だったので悔しい気持ちはあるが、各国の出場者と行った2週間の共同生活を通じて視野が大き
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静岡人インタビュー「この人」 ミセスジャパンページェントでグランプリに輝いた 宮崎洋子さん(浜松市中央区)
都内で昨年10月に開かれた女性のスキルや魅力などを評価するコンテスト「ミセスジャパンページェント」でグランプリを獲得し、今年開催予定の世界大会に出場する。日本茶インストラクターの顔も持ち、浜松市内でカフェを経営。49歳。 ―どのようなコンテストか。 「人材育成を目的に2016年に始まった大会で、25歳以上の日本国籍を持つ女性に参加資格がある。書類審査と面接を通過すると、全国5カ所で選考会が開かれる。審査はウオーキングとスピーチが主。スピーチ対策として、目指したい女性像を深掘りする面談のトレーニングがある」 ―応募のきっかけは。 「経営するカフェに別のコンテストの関係者が来店し、『興味
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静岡人インタビュー「この人」 松崎野球スポーツ少年団を初の静岡県大会制覇に導く 山田太一さん(松崎町)
1977年に発足した伝統ある少年野球のチームで指揮を執る。松崎町を拠点に活動し、松崎、西伊豆、下田の各市町の小学生をコーチ2人と指導。昨年11月に4年生以下が参加する県大会で優勝するなど好成績を収めている。町職員。44歳。 ―監督になった経緯は。 「息子の少年団加入を機に関わるようになり、2017年に監督になった。子どもの頃から野球好きで、社会人までプレーした。野球のために下宿していた高校時代、集団生活を通じてコミュニケーションや自ら行動する大切さを学んだ。野球で得たことを教えたいと思った」 ―指導方針は。 「チームのために先を予測して動き、少ないチャンスをものにできる人になってほし
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静岡人インタビュー「この人」 静岡古城研究会会長 望月保宏さん(三島市)
静岡県内に残る城や砦(とりで)跡の構造や歴史的役割を研究する1972年発足の団体「静岡古城研究会」を束ねる。新型コロナ禍の影響により本来より1年遅れ、本年度に50周年記念事業を展開した。県立沼津工高校長。静岡市清水区出身。60歳。 ―どのような会か。 「戦に備えた防御施設を有した城や屋敷跡を研究している。鎌倉から戦国時代のものが多い。城館があったとされる場所に月に数回ほど出向いて遺構を調べるほか、一般向けに古城見学会や山城セミナーを毎年開いている。地主の依頼があれば、古城の遺構を守るために草刈りにも取り組む。現在の会員は20~90代の約80人。最近は若い人や女性の入会もある」 ―50年
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静岡人インタビュー「この人」 「ジャパン・ケーキショー東京」で最高賞に輝いた 小河路理那さん(浜松市中央区)
2023年10月末に都内で開催された国内最大級の洋菓子コンテストのシュガークラフト工芸菓子部門で、最高賞となる連合会長賞を受賞した。「不思議の国のアリス」の世界観をイメージした独創的な造形が高く評価された。浜松調理菓子専門学校(浜松市中央区)で実習助手として勤務する。26歳。 ―制作過程は。 「夏ごろから2カ月ほどかけてアイデアを形にしていった。ウエディングケーキをイメージした応募作品が多い中、本や時計、ウサギなどを複雑に組み合わせた新しいケーキを目指した。かわいらしさを意識し、ウサギの顔のふくらみや毛並みなどを細かい作業で仕上げた」 ―受賞の感想は。 「あえて珍しい形にしたので、ど
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静岡人インタビュー「この人」 障害者の就労支援を兼ねて宅配事業を始めた 町塚俊介さん(三島市)
障害者の就労支援を兼ねて2023年11月、静岡県内で最も高齢者率が高い西伊豆町で栄養バランスのとれる弁当や総菜の宅配事業を始めた。食を通して障害者と主な宅配先の高齢者との交流を創出し、新たな福祉の形の提案を目指す。31歳。 ―なぜ西伊豆町で就労支援を始めたのか。 「町内は高齢化率が高い上、障害者の就労支援をする事業所が少ない。高齢者は1人暮らしや運転免許証の返納などから社会的孤立状態になりやすく、障害者は他の市町の事業所へ通ったり、家族ごと別の市町へ移住したりする現状があった。宅配事業は高齢者の食の困りごとを解決し、障害者が地域に住みながら活躍できると考えた」 ―就労支援に目を向けたき
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静岡人インタビュー「この人」 かごしま国体で柔道成年男子の全国4位に貢献 米山竜生さん(静岡市清水区)
昨年10月に鹿児島県で開催された国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」柔道成年男子の5人制団体戦に県代表として出場。自身は4戦負けなしの成績で、チームの全国4位に貢献した。昨年は全日本選手権にも初めて出場。清水署地域課所属で清水駅前交番に勤務する。東海大静岡翔洋高、東海大卒。富士市出身の23歳。3段。 ―国体の感想。 「厳しい東海予選を経て本大会に出場した。準々決勝で戦った東京は過半数が全日本の強化選手。当たって砕けろ精神でぶつかった。自分の強みである釣り手の強さと足技を生かして1点を挙げ、チームの勝利につなげることができた」 ―大会前に注力したことは。 「相手の研究に力を入れた。高
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静岡人インタビュー「この人」 障害者の就労支援に向けた新商品開発プロジェクトの発起人 松下公彦さん(磐田市)
磐田市岩井でいわた茶を生産する茶農家「お茶のかねまつ」の園主で、障害者の就労支援に向けた新商品開発プロジェクトの発起人。市内の農家や障害者就労支援事業所、ラグビーリーグワン1部・静岡ブルーレヴズなどとスクラムを組み、地元産茶葉とイチゴを使ったティーバッグ「いちご玉露」を開発。昨年12月にヤマハスタジアムで行われたブルーレヴズのホーム開幕戦でお披露目販売した。44歳。 ―プロジェクトの趣旨は。 「茶畑の管理を手伝う障害者への賃金向上が目的。オリジナル商品を開発・販売し、売り上げの一部を給与に還元することで、待遇改善につながると考えた。私たち農家は良い商品を作ることはできても、営業や販売は苦
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静岡人インタビュー「この人」 裾野市に移住した元陸上選手 萩原歩美さん(裾野市)
裾野市初の地域おこし協力隊員として、1月4日に委嘱を受けた。元陸上長距離選手。常葉菊川高を卒業後、実業団のユニクロや豊田自動織機の選手として活躍し、2014年のアジア大会では女子1万メートルで銅メダルを獲得した。22年に第一線を退き、東京の一般企業に勤務していた。31歳。 ―協力隊員の公募に申し込んだ理由は。 「裾野市は中学生時代の合宿や、引退後に陸上のイベントで訪れたことがあった。スポーツツーリズム事業の協力隊員を募集していると知り、選手時代の経験を生かして挑戦してみようと思った。120%の力を発揮し、スポーツを通じて裾野市を盛り上げたい」 ―どのような活動を。 「企業(実業団)や
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静岡人インタビュー「この人」 高校生主体のイベントで企画運営を担う 青嶋さくらさん(静岡市駿河区)
静岡県内の高校生が21日にホテルグランヒルズ静岡(静岡市駿河区)で開くイベント「静岡探究コレクション」の実行委員として、昨年10月から準備を進めてきた。上級生として積極的に企画運営を推進する。静岡商高3年。17歳。 ―どんなイベントか。 「探究学習の成果を発表したり、ダンスや合唱、各校の制服を披露する『制服ランウェイ』をしたりと、約10の企画を予定している。県内の18校から集まった約40人の実行委員は、学校や学年の枠を超えて協力してきた。当日は高校生千人を集めるのが目標で、SNSを使ってPRしている。訪れた人も企画側もわくわくするイベントにしたい」 ―なぜ実行委員になろうと思ったのか。
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静岡人インタビュー「この人」 イタリアのスポーツバイク「パニガーレ」のイベントを開いた 菅沼学史さん(袋井市)
2023年12月、イタリアのオートバイメーカー、ドゥカティ社のスポーツバイク「パニガーレ」のオーナーが集う交流イベント「パニガーレMTG2023」を菊川市本所の菊川文化会館アエルで開催した。同実行委員会の代表。33歳。 -どんなイベントか。 「全国からパニガーレのオーナーが集い交流する。オーナーはX(旧ツイッター)でコミュニティーを作る場合が多く、オフ会のような雰囲気。互いのカスタムを見るなどして自由に過ごす。地元飲食店を中心に約40店のブース出店も行った」 -反響は。 「約500人、132台のパニガーレが集結し、Xではイベント名がトレンドワードになった。市からは、オーナーが市内に宿
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静岡人インタビュー「この人」 江戸時代の巡礼道をスケッチで記録する美術家 さとうなつみさん(御殿場市)
大中寺(沼津市)の下山光順副住職と文筆家平田博満さん(函南町)と、駿河と伊豆をまたぐ江戸時代の巡礼道「駿河伊豆両国横道三十三観音霊場」を歩き、絵と文章で記録するアートプロジェクト「YOKODO33」に取り組んでいる。31歳。 -プロジェクトの概要は。 「光順さんの先達で、2021年から3年かけて札所33カ所を歩いている。すでに18番まで巡礼し、三島市から沼津市に至る札所1から11番の絵を12月に寺で展示した。四国のお遍路とは違い、横道に関する記録はほとんど残っていない。巡礼中の出来事や感じたことについて、絵のキャプションや刊行物の文章を平田さんが担当している」 -どのように描いたのか。
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静岡人インタビュー「この人」 静岡中央署地域安全協議会長を務める 勝山達巳さん(静岡市葵区)
静岡市葵区内で活動する地域安全推進員約350人の取りまとめを担う。本年度会長に就任し、90歳以上の同推進員の功績をたたえる「永年表彰」の制度を新たに設けた。本業は工務店経営。70歳。 -永年表彰制度を創設した目的は。 「長年地域の安全のために尽力してくれている大先輩がいるということを広く知ってもらいたかった。本年度表彰を受けた男性2人は『これからもっと頑張るよ』と喜んでくれた。高齢になっても社会貢献活動に参加することが本人のやりがいになり、地域に出ることで健康増進につながっている」 -管内の様子は。 「これまでの街頭パトロールの積み重ねで、昔に比べたらコンビニなど店舗前でたむろする若
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静岡人インタビュー「この人」 生成AIで舘山寺温泉観光協会の情報発信支援に取り組む 伊藤咲耶さん(浜松市中央区)
静岡大情報学部の4年生で杉山岳弘教授の研究室に所属。静大と県立大の共同研究グループが手がける生成AI(人工知能)の技術を活用し、SNSの知識がなくても手軽に投稿できる仕組みづくりを進める。長野市出身。22歳。 ―観光協会の支援を始めた理由は。 「著しく発展している生成AIを観光分野に役立てたいと研究の一環として舘山寺温泉観光協会を訪ねたところ、SNSを利用した情報発信に課題があることが分かった。担当者が定期的に観光情報を書いていたブログを活用できそうと考えた」 ―支援内容は。 「ブログの記事を基にX(旧ツイッター)、インスタグラム、フェイスブックに投稿する内容を一斉にAIで生成するウ
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静岡人インタビュー「この人」 アクリル板をアート作品に転用する取り組みを進める 山田敏江さん(伊豆の国市)
使わなくなったアクリル製パーティションを、昨年から子どもたち向けのアート作品に転用する取り組みを始めた。伊豆の国市古奈のすし割烹(かっぽう)「だるま」の女将(おかみ)。同市古奈出身。62歳。 ―作品の特徴は。 「娘でイラストレーターのやまだゆきえが描いたかわいらしい動物たちの絵が中心。ゆきえの絵本から抜粋した作品と子ども向けのオリジナル作品をフィルムに加工してアクリル板に貼り付けた。簡単に拭けてアルコール消毒もできる。子どもたちが乗ったり汚したりしても問題ないので思う存分楽しめる」 ―これまでの経緯は。 「県東部の保育園やリハビリ施設への貸し出しを皮切りに、昨年11、12月には伊豆市
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静岡人インタビュー「この人」 県看護協会の会長を務める 松本志保子さん(島田市)
静岡県看護協会で看護職の交流促進や、意見を集約して会長に提言する協会内組織の委員長などを歴任し、新会長に就任した。65歳。 ―抱負を。 「県民の皆さんの健康を守りたい。そのために、看護職の明るい未来を築きたい。介護度が重くなっても住み慣れた地域で、長く暮らせるよう支援する地域包括ケアシステムは看護職同士の連携で成り立ってきた重要基盤。活躍を後押しすることこそ、県民の幸福に直結する」 ―地域連携のビジョンは。 「地域に看護師の顔が見える関係を築きたい。現在も住民向けに、在宅医療の一翼を担う特定看護師を取り上げるフォーラムを開催し、役割を伝えている。新型コロナウイルス禍を通じて、多くの人
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静岡人インタビュー「この人」 「県畜産共進会」肉牛の部で最優秀賞に輝いた 岩瀬早人さん(袋井市)
12月開催の「静岡県畜産共進会」肉牛の部(交雑種部門)で2年連続の最優秀賞に輝いた岩瀬牧場(袋井市湊)で、若手生産者として父と共に「遠州袋井牛」を育てる。本年度は遠州袋井牛普及推進協議会の副会長も務め、遠州袋井牛の知名度向上、販路拡大にも尽力する。30歳。 ―受賞の喜びとその要因は。 「牛の世話は毎日なので、大変なこともあった。その苦労が評価されたことはうれしい。肉の状態は解体しないと分からない部分も多く、いい肉になるかは不確定な要素も多いが、今回は和牛の美津金幸(みつかねゆき)という血統を仕入れられたことがよかったと思う。理想とされる体形に育っているかを見極めて出品することも重要」
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静岡人インタビュー「この人」 美と健康を追求する世界大会に出場する 杉谷美砂さん(沼津市)
医学的根拠に基づき、美と健康を目指すコンテスト「グローバルユニティジャパン2023」で入賞し、2025年にシンガポールで開催予定の世界大会「ミセスアジアパシフィック」の出場権を獲得した。沼津市で保健師として仕事をしながら、美と健康を追求している。53歳。 -応募したきっかけは。 「何かに挑戦しようと思ったのが全ての始まり。自分はどこまで磨いたら、どのくらいきれいになれるのか知りたかった。美と健康に対して本気で真剣に取り組んで、評価を受けてみようと思った」 -何かエピソードは。 「大会直前に現地で衣装が破れてしまったこと。仲間に衣装を着たまま縫い直してもらった。ここに至るまで多くの人の
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静岡人インタビュー「この人」 関東警察拳銃射撃競技大会で優勝した 片山果奈さん(静岡市駿河区)
警視庁や関東管区警察局管轄区域の県警などから、代表選手15人が出場した女性制服警察官用拳銃の部で頂点に立った。3分以内に標的を撃つ「遅撃ち」や中腰で的を狙う「腰撃ち」など5種目400点満点で385点を獲得した。島田署地域課金谷交番勤務。26歳。 ―優勝の感想は。 「上司や同僚の理解があったからこそ達成できた。特別訓練選手として、結果を出すことができて素直にうれしい。訓練環境を与えてくれた周囲に恩返しすることができた。拳銃技術や今回の経験を犯罪の抑止につなげたい」 ―訓練で工夫したことは。 「夜間は交番勤務をしながら、日中は藤枝市の県警察学校に通って練習に励んだ。時間管理も大切にし、大
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静岡人インタビュー「この人」 磐田市竜洋昆虫自然観察公園の館長 北野伸雄さん(磐田市)
市民や来館者から「こんちゅうクン」の愛称で親しまれ、クワガタムシの付いためがねがトレードマーク。2020年に館長に就任し、昆虫の魅力を独自の視点で発信している。ジュビロ磐田のクラブアンバサダーも務める。浜松市南区出身。38歳。 -なぜ昆虫好きに。 「小学校6年生のころ、昆虫に詳しい理科の先生に出会った。虫の育て方や種類を教えてもらい、生態の多様さに興味を持った。虫は身近に存在することが魅力だと感じていて、子どもたちにとって自然と触れ合う最初の一歩になる生き物だと思う」 -どのような施設か。 「多いときには約100種の昆虫、クモ、ムカデなどの生態展示を行っている。昆虫を専門に取り扱う施
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静岡人インタビュー「この人」 高校生主体で障害者について学ぶ講演会を主催した 長田桃佳さん(富士市)
イベントなどを主体的に企画運営する高校生を補助する県教育委員会の「ドリームプロジェクト」事業を活用して、脳性まひの畠山亮夏さん(24)と母織恵さん(44)を大阪市から招いて講演会を開催した。富士宮東高福祉科2年生。17歳。 -主催に至った経緯は。 「1年生の12月、畠山さん親子の出前授業を受けた。亮夏さんは生活全般に介助が必要でも、講演活動や動画配信などいろんなことに挑戦している。障害を理由に諦めない心の強さが勉強になった。授業はクラス27人しか受けていなくて、他の学年にも聞いてほしかった。先生からドリームプロジェクトを知り、やりたいと即答した」 -初めての企画運営で苦労もあったのでは
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静岡人インタビュー「この人」 第103回全国高校ラグビー大会に出場する静岡聖光学院高主将 藤田武蔵さん(藤枝市)
静岡県大会決勝で東海大翔洋高に19-12で競り勝ち、2年ぶり8度目の優勝を果たした。ポジションはフランカーで、選手を束ねるチームの精神的支柱。1年時にも花園に出場し、経験をチームに還元する。27日の秋田工高との初戦に向け、最終調整に入った。慶大3年の兄大和さんは静岡高野球部出身で、2018年の選抜大会(甲子園)に出場した。17歳。 -チームの特徴は。 「守備に力を入れていたこれまでと違い、今年はアタックのチーム。テンポの速い攻撃で相手を置き去りにするのが特徴。東海総体後に少しずつ守備の連係にも着手し、強豪相手でも大きく前進されないように努めている」 -自身は昨年大けがをした。 「去年
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静岡人インタビュー「この人」 創立20年を迎えた椎ノ木谷保全の会会長 倉田恵次さん(浜松市中区)
浜松市中区富塚町の「椎ノ木谷」の保全活動に共感し、12年前に参加を始めた。副会長6年を経て2020年に会長就任。会が今年で創設20周年を迎え、仲間と記念誌を兼ねた「浜松の里地里山自然観察図鑑」を製作し、市内全小中学校などに配った。地域で少林寺拳法の指導も続けている。同市出身。72歳。 ―椎ノ木谷の魅力は。 「勤務先を定年退職後、散歩中に足を踏み入れ、湧水の川が朝日で輝く景色に心を引かれた。自分が子どもだった昭和30年代の原風景が残る、中区ではとても貴重な場所。かつて開発の計画もあったが、住民の運動で原状を守ったと知り、自分も地域貢献になればと入会した。この地域は県内唯一の特別緑地保全地区
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静岡人インタビュー「この人」 小学校に期間限定のアトリエを構えた画家 本田照男さん(沼津市)
11月、沼津市の第四小の空き教室に期間限定のアトリエを構え、児童と創作活動した。その際の作品が並ぶ展示会「てるちゃんのアート展」を同市のモンミュゼ沼津で23日まで開いている。独特な色彩で幾何学模様を中心に描く画風が特徴。西伊豆町出身。77歳。 ―どのような作品展か。 「モンミュゼ沼津を指定管理するNPOが企画した『ぬまづスクールミュージアム』の一環。これまでの作品や期間中に創作した作品を展示している。在校中に私が講師となった授業で児童にフェルトペンで丸、三角、四角だけで描いてもらった絵や、6年生がテーマを考え、私の作品を選んで並べたコーナーも設けた」 ―児童との交流で感じたことは。
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静岡人インタビュー「この人」 連合静岡の事務局長に就任した 今泉竜さん(浜松市中区)
10月の連合静岡定期大会で事務局長に選出された。ヤマハマリン(現ヤマハ発動機)労働組合副委員長、ヤマハ発動機労働組合副中央執行委員長などを歴任。浜松市天竜区二俣町出身。47歳。 -抱負を。 「県内企業のうち、8割以上の企業は労働組合を持たない。一つの会社に長年いると、その組織の論理で考えが凝り固まってしまいがちだが、組合の活動で多様な価値観に触れることができた。経験を生かし、組合に入っていない人も含め、働く仲間を守るために汗をかきたい」 -連合静岡の課題は。 「現在約20万の組合員が加盟しているが、昔と比べて組織率が低下している。力を発揮するためには組織を大きくする必要がある。今の政
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静岡人インタビュー「この人」 地元高齢者らの移動支援に取り組む磐田市南御厨地域づくり協議会の会長 村松直司さん(磐田市)
買い物や通院の交通手段を持たない高齢者らを無償送迎するサービスの企画・準備を主導した。9月に外出支援車両「もろこ号」の運行開始にこぎ着け、自らもボランティアで運転手を務めている。68歳。 ―独自のサービスに乗り出した理由は。 「2020年10月に地域を通っていた路線バスが撤退した。高齢化率が高く、高齢者だけの世帯も多い地域なので、特に自動車の運転免許を持たない交通弱者が困った。市長からは『地域が知恵を出し、汗を流すなら支援は惜しまない』と言われた。住民アンケートも実施し、出たアイデアの一つが住民ボランティアによる移動支援サービスだった」 ―どのように運行しているのか。 「事前予約制で
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静岡人インタビュー「この人」 県内で初めて公共図書館司書として絵本専門士の資格を取得した 秋田桂輔さん(三島市)
2019年から清水町立図書館で司書として務め、今年5月、絵本に関する高度な知識を持つ絵本専門士の資格を取得した。地域の子どもたちが読書に親しむきっかけをつくろうと、絵本の知識や人脈を生かしながら、イベント企画などに力を入れている。函南町出身。38歳。 -絵本専門士の資格を取得した理由は。 「調べることや読書が好きで、ずっと図書館で働きたいと思っていた。絵本作家の宮西達也さんが清水町出身で、イベントに招くこともある。この町ならではの図書館として、絵本に詳しくありたいと考えて、資格取得を決めた」 -図書館ではどのような企画を考えてきたか。 「絵本専門士の資格を取得する中でできた人脈を生か
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静岡人インタビュー「この人」 伊豆狩野川ガイドサイクリングの実行委員長を務める 長谷川英一さん(伊豆市)
伊豆の国市を発着点にガイドが伊豆、沼津両市を含めた周辺地域の食や歴史を案内するサイクリングイベントを10、11月に全3回開催。県内外の愛好者に魅力を紹介した。狩野川流域の活性化や住民の交流を目指して活動するNPO法人狩野川倶楽部の代表理事も務める。59歳。 ―ガイド付きサイクリングの魅力は。 「2000年に長距離を走るイベントとして狩野川100キロサイクリングが始まったが、参加者が途中でコースを外れてしまうといった課題があった。実施方法を見直し、ガイドが案内する形式を取り入れたことで安全管理が行き届き、地域の観光資源を掘り下げて紹介できるようになった。参加者の満足度向上にもつながっている
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静岡人インタビュー「この人」 「松ケ岡」の保全に10年間取り組む 小沢吉造さん(掛川市)
明治天皇の行在所(あんざいしょ=宿泊所)としても使われた掛川市指定文化財「松ケ岡(旧山崎家住宅)」で清掃とPR活動を続ける住民グループ「松ケ岡を愛する会」の代表。所有者が処分の意向を示した2012年、市に屋敷を買い取るよう仲間と共に声を上げた。同市肴町で美術商を営む。66歳。 ―活動に関わった経緯は。 「市が取得する際、市民も協力すると約束した。もともと手入れが行き届いていた屋敷で、汚してはいけないという思いが強かった。よそから大がかりにボランティアを募る方法も考えたが、松ケ岡と地域を離れさせるわけにはいかない。清掃は地元住民を中心にやっていく」 ―松ケ岡の魅力は。 「屋敷構えや紅葉
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静岡人インタビュー「この人」 大相撲の伊勢ケ浜部屋に入門する 鈴木塁智さん(沼津市)
全国有数の強豪校である飛龍高(沼津市)の相撲部で活躍。個人や団体メンバーとして、全国大会に出場した。同校3年。高校の先輩である熱海富士関や翠富士関らを追って伊勢ケ浜部屋に入り、角界の道に進む。185センチ、130キロ。浜松市西区出身。18歳。 ―入門を決めた理由は。 「迷った時もあったが、親から『おまえには相撲しかない』と言われ、自分でもその通りだと思った。熱海富士関や翠富士関、聖富士さんら先輩力士の活躍を見て、実際に名古屋場所で伊勢ケ浜部屋の稽古も訪れ、入門を決めた」 ―どのような取り口を身上とするか。 「自分のスタイルは右四つ相撲。右手をさせば強みになるので、まわしを取って前に出
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静岡人インタビュー「この人」 藤枝市で花と緑を活用したまちづくりに取り組む 井上久美子さん(東京都)
インターネット関連会社DMM.com(東京)に勤務する。4月に国の地域活性化起業人制度で藤枝市に派遣された。毎月2週間ほど、花と緑と公園を活用したまちづくりや、定住人口の拡大に向けた施策提案に取り組む。今秋は朝ラーメンとガチャガチャを活用したまちおこしプロジェクトを実現した。茨城県出身。41歳。 -プロジェクトを提案した理由と手応えは。 「話題の街ガチャというユニークなコンテンツを使って藤枝の魅力を発信したかった。朝ラーメンは市固有の文化で特徴的。藤枝大祭りで販売したら子どもたちが喜んでくれて、話題の一つになった。ラーメン店も快く受け入れてくれて感謝している」 -藤枝の印象と魅力は。
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静岡人インタビュー「この人」 中山間地域でスマートフォン普及に取り組む 笹本純一さん(浜松市南区)
中山間地域の浜松市天竜区水窪町を拠点にスマートフォンの普及事業を進めている。高齢者を中心に、スマホの便利な使い方を提案する。デジタルで山あいの暮らしを快適にする取り組みが評価され、市民の幸福度向上に貢献した人に贈られる浜松市の「はままつWell―Beingアワード2023」のデザイン賞を本年度受賞した。37歳。 ―事業のきっかけは。 「スマホのビデオ通話機能を生かした買い物支援の試験事業をニュースで知り、その現場である水窪に興味を持った。買い物支援をするNPO法人の担当者に連絡を取り、実際に訪れてみたらとてもいい町だった。自然豊かで住んでいる人の人柄もよかった」 ―事業の手応えは。
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静岡人インタビュー「この人」 電話応対コンクール全国大会で優秀賞に輝いた 望月優花さん(富士宮市)
全国の約6300人が出場した日本電信電話ユーザ協会主催のコンクールで、57人が頂点を競った全国大会に出場。優秀賞は、優勝、準優勝に次ぐ18人に贈られた。建設システム(富士市)勤務。39歳。 ―コンクールを振り返って。 「入社当時、電話応対する専門部署に配属され、研修の一環で挑戦が始まった。その後も毎年エントリーして、県大会で入賞することはあった。全国大会まで進んだのは初めて。トップバッターだったので緊張したが、これまでの積み重ねが結果になったようでうれしい」 ―どのような準備を。 「コンクールはさまざまな状況での応対を3分間で実践する形で行われる。今年は食事の宅配サービスを提供する会
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静岡人インタビュー「この人」 ハンドメードで登山用バッグを製作する 植田徹さん(川根本町)
登山用バッグ(ザック)を製作する工房「ブルーパー・バックパックス」(川根本町水川)の店長を務める。客一人一人と対話を深め、それぞれの目的に見合ったザックをハンドメードで手がける。34歳。 -自分でザックを作るようになったきっかけは。 「大学生のころ、初めて南アルプスに登ったことがきっかけで登山に熱中し始めた。大学卒業後、地元の藤枝市で小学校教諭をしていたころも、休みがあれば南アルプスに足を運んだ。少ない休みでなるべく多くの山を回るため、ザックの軽量化をしたかった。しかし、高性能なザックは高価で手が届かない。そこで、自分で作ってみようと思った。ミシンをほとんど触ったことがなかったので最初は
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静岡人インタビュー「この人」 「工作ガレージ」でものづくりの楽しさを伝える 松岡和彦さん(浜松市西区)
楽器メーカー「ローランド」を退職後に起業。2月に浜松市中区葵西に工作キット販売と作業スペースレンタルの「STEP たのしい工作ガレージ」をオープンし、子どもたちにものづくりの面白さを伝える。61歳。 ―開設の理由は。 「定年退職を迎え、新商品の企画開発に携わった経験を何か生かせないかと思い立った。幼少期、組み立てたおもちゃが動き出す瞬間に感じた驚きや興奮が自身の原体験。自動車や楽器などものづくりの地を担う子どもたちが創造力を養い、手で形作る楽しさを体感してほしい」 ―運営状況は。 「利用者は小学生とその保護者が多い。店内には太陽電池で走るミニソーラーカーや燃料電池の仕組みがわかるミニ
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静岡人インタビュー「この人」 関東ブロック商工会議所青年部連合会会長を務める 杉沢克久さん(三島市)
1都8県88商工会議所青年部(YEG)が所属する連合会のトップを本年度務める。三島市で開かれた関東ブロック大会では過去最多の3265人が登録し、成功に導いた。49歳。 ―大会を誘致した思いは。 「三島は地元に帰って来た人が多く、“温室育ち”とも言える。タクシーが24時間走り、深夜まで店が開いているのは当たり前ではない。他の地域を見れば、三島とは違う世界があらゆる所にある。学生時代や大手ゼネコン時代に海外へ行き、地元では得られない考え方を学んだ。発展するには、他の地域の考え方や血を取り入れないといけない。会員の視野を広げるためにも、全国や関東の会員とつながる必要があ
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静岡人インタビュー「この人」 日本女子ソフトボールリーグで初優勝した静甲女子ソフトボール部の監督 山崎奈美佳さん(静岡市清水区)
2013年から6年間、選手として静甲女子ソフトボール部に在籍した。退団後、県外の大学で学び、ソフトボール部を指導しながら小学校教員免許を取得。22年にコーチとしてチームに戻った。23年の監督就任1年目で日本女子ソフトボールリーグ初優勝に導いた。東京五輪ソフトボール金メダルの山崎早紀選手は妹。掛川市出身、33歳。 ―チームの特徴は。 「昨季の1~5番を担った主力5人が退団し、今年は平均年齢23歳の若いチームとなった。長打力のあるヒーローはいないが、その分全員に活躍のチャンスがあり、『つなぐ野球』で点を取るよう意識している。1点差でも競り勝つなど、勝負強さと粘り強さはあると思う」 ―今季を
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静岡人インタビュー「この人」 少林寺拳法世界大会の女子級拳士単独演武で最優秀賞を受賞した 松谷咲歩さん(浜松市西区)
有段者(黒帯)を除く選手が競う種目で世界1位に輝いた。11月中旬の県高校新人大会では、有段者も参加した「女子自由単独演武」で優勝し、来年3月の全国選抜大会の切符を手にした。聖隷クリストファー高(浜松市北区)2年。16歳。 ―世界大会を振り返って。 「国外の選手は演武の構成やスピードなどに個性があり、新鮮だった。予選は緊張で調子が上がらなかったが、大会の慣れや仲間、先輩の応援で肩の力が抜け、決勝では納得の演武ができた。一般の選手も出ていたので、普段の大会とは違う雰囲気が良い刺激になった」 ―競技を始めたきっかけは。 「小さい頃から体を動かすことが好きで、幼稚園の年長から中学2年まで空手
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静岡人インタビュー「この人」 空き店舗を活用して住民の交流拠点づくりを進める 藤井天汰郎さん(西伊豆町)
松崎町の空き店舗を活用し、地域の住民が集まる交流拠点づくりを行っている。取り組みを進める松崎高の生徒と静岡大の学生のまとめ役を務め、住民主体で運営できる仕組みの整備を目指している。松崎高3年。西伊豆町出身。18歳。 -活動のきっかけは。 「松崎町の住民や静大生がまちづくりに取り組む『2030松崎プロジェクト』への参加がきっかけで、自ら活動して地域の役に立ちたいと思うようになった。地域にはさまざまな課題がある。解決するには意見を述べるだけでなく、行動に移し、実現する力が必要だと感じた」 -取り組みについて。 「人口減少で増えている空き家を資源ととらえ、地域の活性化につなげる狙いがある。
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静岡人インタビュー「この人」 発達障害の子どもたちのスクールでコーチを務めるプロボクサー 細川弦汰さん(焼津市)
焼津市の駿河ボクシングジムで練習に励みながら、同ジムに開設する発達障害の子どもたちを療育する「子どもスポーツスクールするが」でコーチを務める。鬼ごっこなどの遊びやボクシングのトレーニングを通じて、子どもたちにあいさつや思いやりの大切さ、礼儀などを教えている。19歳。 ―スクールのコーチになったきっかけは。 「相手の変化を察知するというボクシングで重要な要素を体得するのに効果があると指導者に勧められた。ジムでは、ただ強いだけではなく思いやりの持てるようなボクサーになるようにとたたき込まれた。自ら率先して実践することでボクシングのトレーニングにも生かされると思った」 ―子どもたちと接するに
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静岡人インタビュー「この人」 生理をテーマにした放送作品の制作代表を務めた 戸田涼太さん(浜松市北区)
今年の夏に行われた「第70回NHK杯全国高校放送コンテスト」のテレビドキュメント部門に浜松市立高(同市中区)放送部として「生理は、僕にはないけれど」と題した作品を出し、優良賞に選ばれた。9月下旬には、市と、市の委託を受けて生理用ナプキンのディスペンサーを市内の図書館などに設置した電機大手「シャープ」の担当者との座談会にも出席した。市立高3年。18歳。 ―作品の内容は。 「自分が生理について知識がなく、女子生徒に無神経な言葉をかけて傷つけてしまった反省から始まり、高校の生徒や生理について普及啓発する団体代表にインタビューした。生理用ナプキンをつけて勉強してみたり、県外の大学で生理痛を体験で
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静岡人インタビュー「この人」 ICT教育支援システムを開発した「ロイロ」代表取締役 杉山浩二さん(神奈川県)
2007年、兄の杉山竜太郎代表取締役(48)とソフトウエア開発会社を共同創業した。20年春のコロナ禍に伴う全国一斉休校を機に、同社が開発したICT教育用システム「ロイロノート・スクール」が全国の小中高校で一気に普及した。伊豆の国市出身。46歳。 -システム開発の経緯は。 「学生時代からCGを使った映像を兄弟で制作し、ともにゲーム会社に就職した。2000年代は動画編集の難易度が高かったため、パソコン初心者も扱える動画編集プログラムを開発し、独立した。その後、動画編集ソフト『ロイロスコープ』がヒット。このソフトを応用し、教員の意見を取り入れてクラウド式の教育版システム『ロイロノート・スクール
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静岡人インタビュー「この人」 第60回現代俳句全国大会賞を受賞した 伊藤孝一さん(清水町)
現代俳句協会が主催する全国大会で、応募1万2515句の中から最高賞に選ばれた。受賞句「暗がりを遠き夜汽車のやうに蛇」は、ことしの初夏、自宅の庭に迷い込んだ蛇を、夜汽車に重ねて詠んだ。俳句はJR東海を定年退職したの機に趣味として始めた。73歳。 ―受賞の喜びを。 「3度目の挑戦だった。俳句歴は浅く協会員でもないため、いただけるなんてと驚いた。長年、夜間に電気設備の検査や修理に携わることが多かった。夜汽車を見送るときもあり、蛇が遠ざかっていく姿が重なった」 ―大会を振り返って。 「選者による入賞句のディスカッションで、私の句の〈遠き〉という言葉について、『効いている』という評価があれば『
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静岡人インタビュー「この人」 ハンセン病療養所でボランティア活動する 伊東郁乃さん(三島市)
7年前に動物介在活動団体「ぷらす」を設立。仲間とともに犬を連れて御殿場市のハンセン病療養施設「国立駿河療養所」と「私立神山復生病院」を訪問し、入所者が動物と触れ合える場を提供している。今年は御前崎市出身の元患者石山春平さん(87)の卒業証書授与式と母校訪問を支援した。65歳。 -活動を始めた経緯は。 「ハンセン病患者の強制隔離を憲法違反と断じ、国の非を認めた2001年5月の熊本地裁判決がきっかけ。人権を無視した国策問題を学ぶ中で、入所者に笑顔の時間を過ごしてほしいと当時から高齢者施設などで行っていた動物訪問活動を療養所でもやりたいと考えた」 -なぜ、石山さんのサポートを思いついたのか。
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静岡人インタビュー「この人」 インクルーシブ自転車の普及に取り組む 高田二郎さん(伊豆市)
形や仕組みがユニークな「おもしろ自転車」を製造販売するオートクラフト・IZUの専務。同社が開発し、年齢や障害の有無などにかかわらず誰でも乗れる「インクルーシブ自転車」のPRに奔走する。38歳。 ―開発した車両は。 「車椅子のまま荷台に乗れるペリカンサイクルやボートのオールのようにこぐオールサイクルをはじめ4種類。おもしろ自転車として開発した車両も含めて10車種がインクルーシブ自転車と言える。安全性と面白さを重視する。一部車両はベルトや足を入れる輪を付けた。左右のハンドルが独立し、どちらかを回せば何かしら動く車両は重い障害のある人でも使える」 ―開発の経緯は。 「障害のある方も楽しめる
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静岡人インタビュー「この人」 第77回全国茶品評会の普通煎茶4キロの部で農林水産大臣賞を受賞した 小沢晃さん(静岡市葵区)
本山茶の産地として知られる静岡市葵区有東木で、茶栽培に取り組み約半世紀。8月に福岡県で開かれた全国茶品評会(全品)で、最高賞の農林水産大臣賞を初受賞した。69歳。 -受賞の喜びを。 「茶を作るものとして、一度は取ってみたい賞だった。これまで普通煎茶4キロの部では、1等5席が最高順位だったが、念願がかなった。また、地元JAの職員も摘採や製茶で非常に熱心に協力してくれた。彼らの後押しがあり、まさに『ワンチーム』で手にした賞だと思っている」 -栽培の工夫は。 「出品茶は7年前に放任茶園になりそうだった畑を借り受けて作ったもの。この茶園が放置されていくのはもったいないと思い、栽培に乗り出した
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静岡人インタビュー「この人」 新所原を元気にする会の会長 山下菊大さん(湖西市)
湖西市西部のJR新所原駅周辺で活動する住民有志のグループ「新所原を元気にする会」で4代目の会長を務める。地元の建設会社社長。49歳。 ―団体発足の経緯は。 「新所原駅の橋上化を機に、“遠州西の玄関口”の地域を盛り上げようと、2012年に地元の商店主や自治会関係者などが参加して発足した。初年度から秋に開催している『ねんど祭』は、市内に古墳時代から鎌倉時代にかけての窯跡が点在する歴史をものづくりのまちの原点と捉えたイベント。市内の粘土を使った泥団子遊びなどは、子どもたちの人気を集めている」 ―これまでの活動は。 「発足以降、夏の『浴衣de夕涼み』、春のウオークラリ
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静岡人インタビュー「この人」 アームレスリング世界大会で優勝した 市川志津子さん(御殿場市)
9月25日から10月1日にマレーシアで開かれた「第4回IFA世界アームレスリング選手権大会」の女子60歳以上の部63キロ級で右腕優勝、左腕準優勝を果たした。日本アームレスリング連盟県支部の理事長を務める。北海道出身。64歳。 -始めたきっかけは。 「脳の神経の病気で倒れて一時寝たきりの状態になり、その後も走ったりジャンプしたりすることが困難になった。そんな中でも体を動かせる競技として2006年にアームレスリングを始めた。北海道で雪遊びや雪かきをして育ち、基礎的な筋力が養われていたのではないかと思う。22年の全日本選手権では女子65キロ級で左腕準優勝、右腕3位を達成することができた」 -
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静岡人インタビュー「この人」 全国パーキンソン病友の会県支部長を務める 丸山美重さん(藤枝市)
神経伝達物質の減少で震えやこわばりなどが現れるパーキンソン病のうち、40歳以下で発症する若年性パーキンソン病であると37歳の時に診断された。40歳で県支部に入り、2年前に若年性や現役の就労世代を中心とするグループを支部内につくった。4月から現職。51歳。 ―診断を聞いた時の心境は。 「昔から歩き方がおかしいとよく注意された。大きく体調が悪化したのは2人目の子を産んだ30歳の時。全身に痛みが出て、どんな痛み止めも効かなかった。さまざまな病院に行ったが検査結果に異常はなく、病気と思い込んでいるだけなどと言われてつらかった。診断名が付くまで7年。ようやく自分が生きる道が見えてきた一方で、現実を
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静岡人インタビュー「この人」 19日に開催する「和の祭典 着物フェスティバル」実行委員長 武田則子さん(浜松市中区)
プロの美容師が、一般から公募したモデルにヘアメークや着付けをし、技術を披露する。4年ぶりの開催となる今年は、浜松城公園の浜松出世パーク葵広場(浜松市中区)で午後1時から開く。県美容業生活衛生同業組合理事長。72歳。 ―イベント開催の経緯は。 「組合員のモチベーションを上げることや、互いに技術を勉強しようと、2018、19年の11月に油山寺(袋井市)で開催した。当時は静岡版創作舞妓(まいこ)という名のイベントだった。その後、コロナの影響で中止になった。4年ぶりの開催に、組合員は張り切って練習している」 ―どんな内容のイベントか。 「モデルは一般から募集した県内外の約50人。花魁(おいら
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静岡人インタビュー「この人」 熱川温泉の活性化に努める 斉藤欣邦さん(東伊豆町)
今春に町職員から温泉管理会社「八大偕楽園」の4代目社長に就任。熱川温泉旅館組合と連携しながら、イベントや商品開発で魅力発信に努める。静岡市清水区出身。24歳。 -普段の仕事内容は。 「熱川温泉には自噴する大量の温泉を受け止め、源泉を掃除するための『温泉櫓(やぐら)』がいくつか立ち並んでいる。噴き出る湯煙が名物となっていて、この一つの管理が主な仕事」 ―その源泉の掃除の様子を公開するイベントを9月に開催した。狙いは。 「源泉温度がおよそ100度と全国トップクラスに高く、機械が耐えられないため多くの作業を人力で行う必要がある。期間を通じて約50人に参加してもらい、『温泉を身近に感じた』と
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静岡人インタビュー「この人」 新たな働き方、学び方を発信する 池田僚介さん(富士市)
「人生100年時代」と言われる中で、富士市を拠点に新たな働き方、学び方、生き方について発信する合同会社「未来志向Labo(ラボ)」の代表。地域交流スペース「ふじくらす@瓜島町」も運営する。42歳、静岡市清水区出身。 ―未来志向Laboが取り組むことは。 「性別や年齢、家庭の事情など問わず、挑戦するきっかけと場を提供し、新たなキャリアを創造するサポートをしている。例えば、子育て世代のリスキリング(学び直し)支援や、スキルを身につけた人がリモートで働ける場の開拓など。都内のスタートアップ(新興企業)を支援して収益を上げながら、多様な視点や新たな仕事の形態を生み出すヒントを得ている」 ―ふじ
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静岡人インタビュー「この人」 浜松市副市長に就任した 朝月雅則さん(浜松市東区)
1982年に浜松市職員となり、東区長や政策補佐官、健康福祉部長などを歴任。定年退職後は再任用でデジタル・スマートシティ推進事業本部長を務めた。前任は市水道事業・下水道事業管理者。64歳。 ―3副市長の中での役割は。 「2024年1月の行政区再編に合わせて新設された区政担当を担う。3区移行後は天竜区役所に常駐し、中山間地振興も担当する。区役所の業務は防災や福祉、まちづくりと幅広く、“ミニ市役所”的な機能を持っている。本庁各部局との連携をしっかりと取っていきたい」 ―区政担当の意気込みを。 「当時の市長が『環浜名湖政令指定都市構想』を掲げた直後の02年9月に企画課
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静岡人インタビュー「この人」 獣害対策や耕作放棄地解消に取り組む 内田秀明さん(西伊豆町)
西伊豆町宇久須地区の住民ボランティア団体「宇久須美農里(みのり)プロジェクト」の代表を務める。過疎地の農村部で獣害対策や耕作放棄地の解消を目指し、2019年に設立。堤防の草刈りや耕作放棄地を活用して花畑を整備し、景観保全や地域の人が過ごしやすい環境づくりを行う。元教員。67歳。 -活動の狙いは。 「県が進める『ふじのくに美農里プロジェクト』の一環で、農村環境の保全を行う。活動は主に堤防のり面の整備と耕作放棄地を活用した花畑づくり、水路や農道の清掃。昔は地域の人が共同で手入れをしていたが、高齢化や人口減少でやぶが増え、イノシシなどが畑を荒らしてしまうようになった。これらを何とかしようと活動
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静岡人インタビュー「この人」 静岡市清水区のカトリック清水教会聖堂の移築に取り組む 塩見寛さん(沼津市)
築90年近くが経過し、12月に解体予定の静岡市清水区のカトリック清水教会移築のため一般社団法人「聖堂を活かす会」理事長に5月に就任。解体前に魅力を伝えようと、催しを行う。県ヘリテージセンター長も兼ねる。1級建築士。71歳。 ―聖堂の建物の魅力は。 「本来ゴシック様式の教会聖堂は石造りが多いのに、日本の気候などに合わせて木造となっている。聖堂の尖塔(せんとう)は一つのことが多いが二つあるなど、設計にもこだわりが随所に感じられる。天井の薄いブルーのしっくいも港町にぴったりだし、ステンドグラスから差す光もよく考えられている」 ―解体の12月までどんなイベントをしているのか。 「聖堂内部でさ
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静岡人インタビュー「この人」 日越の交流促進を目指す ドアン・ソン・トゥンさん(袋井市)
静岡県西部を中心に活動するベトナム人の団体「在県ベトナム人会(VN静岡)」代表を務め、日越の相互理解促進を進める。2005年に来日し、21年に人材紹介会社を起業した。38歳。 -これまでのVN静岡の活動とは。 「技能実習や留学など静岡で暮らすベトナム人が増える中で、サッカーや音楽などを通じて交流する機会を増やそうと立ち上げた。新型コロナウイルス禍で県内のベトナム人が解雇されたり収入が減ったりした時は、生活が苦しい人に食料を配布する支援活動を展開した。ベトナム人のネットワークの形成を進めるとともに、日本人社会とも交流を深めたい」 -静岡に来て18年が経過した。変化を感じる点は。 「県内
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静岡人インタビュー「この人」 全国高校総体で優勝した富士高山岳部の天気図担当 山田純怜さん(富士市)
北海道の十勝岳や大雪山系で8月に開かれた全国高校総体登山女子で、部として4年ぶり3度目の頂点に立った。4人のチームでは、天気図の作成やコース上の目印を確認する読図で貢献した。富士高2年。17歳。 -全国優勝の感想を。 「初日の筆記で予想以上の減点があったが、4人で励まし合えたことが残り3日での逆転につながった。弱音もはいたが、遠慮せずに声をかけ合えるところがこのチームの強みだったと思う。自分が主担当だった天気図は、県大会での失点を反省してたくさん準備したほか、男子の県代表になった沼津東高との合宿でアドバイスをもらえたのも大きかった」 -登山を始めたきっかけは。 「小学生の頃から家族で
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静岡人インタビュー「この人」 JICA海外協力隊でベトナムに派遣された 佐藤慶子さん(富士市)
JICA(国際協力機構)海外協力隊の一員として、2021年8月から約2年間、ベトナム・ハノイへ派遣され、現地の大学生に日本語を教えた。帰国後は富士宮市の「A.C.C.国際交流学園」で日本語教師を務める。滞在時に現地の日本人らの合唱団に参加し、その楽しさに魅了された。59歳。 -協力隊に参加した理由は。 「デザインの仕事をしていた時に、カンボジアの子どもたちに画材を送る啓発ポスターを作ったことがきっかけで、国際協力の意図や意義を知った。自分に何ができるかを考え、日本語教師の資格を習得した。中国で3年間日本語を教えた後、富士市の国際交流ラウンジに勤務し在住外国人を支援したことで、他国の生活や
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静岡人インタビュー「この人」 日本茶プロデューサーとして静岡茶のPRに力を注ぐ 岡部宇洋さん(東京都)
「日本茶プロデューサー」の肩書で活動し、国内外で茶のPRに力を注ぐ。日本文化への関心から茶道を習い始め、静岡県内自治体と連携した静岡茶のプロデュースや茶関連のイベント企画などに取り組んできた。浜松市出身。38歳。 ―茶との出合いは。 「学生時代にデンマークの美しい街並みに魅了され、まちづくりに関心を抱き、建設会社に入社した。スリランカに駐在して高速道路の建設事業に携わったが、年を重ねるにつれて、その土地の文化を世界に発信する仕事に興味がわいた。帰国後に同世代の茶道家と出会ったことで茶道を始め、フランスのエッフェル塔の前で茶会を開いたこともあった」 ―その後、どのような活動をしてきたのか
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静岡人インタビュー「この人」 メダカの高校生ブリーダー 山口奏汰さん(沼津市)
沼津市大諏訪の自宅でメダカ屋「奏メダカ」として飼育販売をする日大三島高2年生。5千匹以上のメダカを飼育し、希少価値が高い模様の改良メダカ作りに取り組んでいる。17歳。 -なぜメダカを。 「小学生の時に親戚からメダカをもらい興味を持ち始めた。メダカショップなどでさまざまな模様の品種を目にして驚いた。自分でも作りたいと思い、高校進学と同時期に本格的にのめり込んだ。どんどん飼育数が増えて一番多い時で約2万匹になり、地域の夏祭りなどで販売してきた。今では自宅の庭と車庫を飼育場として使い、30品種を扱っている」 -飼育や品種作りで大変なことは。 「メダカの稚魚の成育で、エサを食べてくれない時は
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静岡人インタビュー「この人」 県危機対策課危機調整官に就任した陸上自衛隊OB 梶恒一郎さん(静岡市葵区)
1990年に陸上自衛隊に入隊。イラク復興支援や東日本大震災対応に携わり、第20普通科連隊長、自衛隊栃木地方協力本部長を務めた。最終階級は陸将補。静岡県内の勤務は3回目。広島県出身。56歳。 ―8月に就任。抱負を。 「連隊長時代、部下に訓練でできないことは実戦では絶対にできない、と指導してきた。危機管理の要諦は備え。あらゆる事態を想定し訓練することが大事だ。東日本大震災などの経験を生かし、微力ながらも県民の安心安全に寄与したい」 ―印象に残っている仕事は。 「イラクの復興支援で班長として8カ月、バグダッドで勤務した。現地の多国籍軍司令部入り口の銘板に、支援に携わる各国の人数が載っていた
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静岡人インタビュー「この人」 浜松商業高の卒業生就活支援事業「鮭の会」の幹事長を務める 佐口丈夫司さん(浜松市東区)
浜松商業高(浜松市中区)出身の学生や生徒の就職活動を支援する「鮭の会」の幹事長。学生と企業を結ぶ懇談会などを企画し、地元企業への就職をサポートしている。浜松市中区出身。69歳。 ―団体の名前の由来は。 「鮭のように一度外へ出ても地元に『Uターン』して活躍してほしいという思いを込め、2010年に発足した。就活中の大学や専門学生、高校生などを集め、企業懇談会やインターンシップ、OB・OG自らが教壇に立つキャリア教育などを開催している。受け入れ側の企業は浜松市を中心に約100社が会員登録している」 ―発足のきっかけは。 「リーマン・ショック後、卒業生が仕事に就くことが難しくなり、当時の校長
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静岡人インタビュー「この人」 玄米おにぎりを開発した米農家 湯山直文さん(小山町)
農業振興に力を注ぐ都内の元商社社員とタッグを組み、自身が小山町内で育てた米を使った冷凍玄米おにぎり「玄米deむすび」を同町の道の駅ふじおやまで販売し始めた。地域農業の発展や名産の「水かけ菜」の食文化を守りたいと願う。75歳。 -開発のきっかけは。 「農と食の事業を展開する『3181Farm』(さいわいファーム、東京都)の亀山剛太郎さん(49)と出会い、農業振興の思いに共感した。亀山さんたちが持つ独自の熟成技術で玄米本来の柔らかさ、香ばしさ、白米に近い甘みや食感を実現した冷凍おにぎりを完成させることができた。小山町の米の魅力を強く感じてもらえると思う」 -米の特徴は。 「おにぎりに使用して
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静岡人インタビュー「この人」 二科会写真部展で全国知事会賞を受賞した 塚本久雄さん(吉田町)
第71回二科会写真部展で全国1万153点に上る応募総数の中から全国知事会賞を受賞した。観光地として知られる塩郷のつり橋(川根本町)の造形美を最大限に引き出した。吉田町を拠点に活動する榛南写真クラブの代表を務める。77歳。 ―受賞作への思いは。 「日々、人々が行き交うつり橋が一直線にどこまでも延びるかのように表現するため、全体をモノクロ風に仕上げた。自分の中で作品のイメージはできていたが、周囲の景色や撮影環境は季節によっても異なる。最終的には3年という期間を要したが、自分が納得できる作品が完成した」 ―写真との出合いは。 「20代の頃に趣味で始めたものの長続きはせず、改めてカメラを手に
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静岡人インタビュー「この人」 遠州横須賀カンパイビアフェスタを企画した 山下浩章さん (掛川市)
掛川市大須賀地域の夏祭り「ちっちゃな盆踊り」をリニューアルし同市西大渕の三熊野神社で、若者が参加しやすい交流イベントを初開催した。市内で自動車美装業を営みながら、遠州の春の風物詩である三熊野神社大祭の役員を務めたり、掛川観光協会大須賀支部の一員として活動したりと地元を盛り上げるために奔走する。48歳。 -どんなイベントか。 「地元で人気のビールやハムなど13店を呼んだ。子どもも楽しめるようアイスやかき氷店にも声をかけた。クラウドファンディングで募った資金で花火も打ち上げた。独自に企画していたが、踊り手不足で開催が難しかった盆踊りのリニューアルという形で開くことができた」 -開催を振り返
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静岡人インタビュー「この人」 「みなとまちづくりマイスター」に選ばれた 安田和彦さん(熱海市)
熱海市営の熱海港海釣り施設の管理業務に当たるNPO法人SEA WEBの理事長。港の環境美化や釣り人へのマナー啓発などに取り組む。一般社団法人ウオーターフロント協会から県内2人目のマイスターに認定された。東京都出身。64歳。 ―マイスター認定の所感は。 「海釣り施設のオープン当初から管理業務を受託し、今年で18年目。多くの自治体の視察を受け入れている。また、海釣り施設の新設を計画する全国の自治体を訪ね、適地選定や運営方法、安全管理の仕方を助言してきた。長年の取り組みが今回の認定につながったと思う」 ―熱海との関わりは。 「子どもの頃から釣りが趣味で、熱海には30歳の頃から通い始めた。首
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静岡人インタビュー「この人」 医療機関に手作り人形の寄贈を続ける 滝宰枝さん(静岡市葵区)
世界各国に約25万人の会員がいる「キワニスクラブ」の県内組織「国際キワニスクラブ静岡」の最古参として活躍し、小児医療機関に手作りの人形を寄贈するなど、19年間、子どもへの奉仕活動を続けている。9月まで県内組織の会長職も務めた。83歳。 ―キワニスクラブとは。 「ロータリークラブ、ライオンズクラブと並ぶ世界三大奉仕団体の一つで、1915年に米国で設立された。国内には41カ所あり、静岡は2004年に発足した。会員は50人いて、このうち女性は9人。手作りの人形『キワニスドール』の寄贈のほか、高校生サミットの支援、子ども食堂の支援など幅広く活動している」 ―キワニスドールとは。 「体長40セ
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静岡人インタビュー「この人」 浜松市スタートアップ推進担当部長に就任した 川路勝也さん(浜松市中区)
2007年に経済産業省に入省。中小企業支援や東京電力福島第1原発事故の被災者支援などを担当し、同省大臣官房秘書課を経て7月から現職。2代目部長として市のスタートアップ(新興企業)支援施策を統括する。地方自治体勤務は初めて。群馬県出身。39歳。 ―市の振興策の現状は。 「産学官金の機関が一体で取り組み、全国的にも『熱量が高い』と評価されている。特に認定ベンチャーキャピタル(VC)と協調して有望な企業に交付金を出すファンドサポート制度は支援効果も注目度も高い。首都圏から有望な企業の拠点を誘致し、浜松発の企業も資金調達額を伸ばす成果が出ている」 ―現在重点を置く施策は。 「市の目標は既存の
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静岡人インタビュー「この人」 NFTアーティスト NAKANO yasuhiroさん(沼津市)
コピーされやすいデジタルアートに、「非代替性トークン(NFT)」の仕組みを使って複製を不可能にする「NFTアート」の作家として活動する。墨で描いた絵にコンピューターグラフィックス(CG)で動きを加える「動く墨絵」で注目を集める。11月に沼津市で開かれる「ぬまづ未来博」で基調講演する。長泉町出身。 -NFTアートの作家として活動を始めた経緯は。 「元々、個人や映像制作会社に所属してCMやアニメ制作に携わり、平行して2011年からデジタルアート作家として活動を始めた。20年からNFTアートを始め、21年からは専業作家になった。「動く墨絵」は、実写の映像とグラフィックスを重ねた映像制作をしてき
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静岡人インタビュー「この人」 電話応対コンクール県大会で優勝した 本杉綾乃さん(焼津市)
日本電信電話ユーザ協会静岡支部が主催する大会で頂点に立った。準優勝の望月優花さんとともに、20日に札幌市で開かれる全国大会に出場する。ハルソラ合同会社(藤枝市)勤務。40歳。1児の母。 -優勝の感想は。 「初めて出場した昨年は地区予選敗退だったので、まさかという感じ。勉強会に出てスキルを高めた成果が出たのかなと感じる。同僚のサポートがあり、(会社の)地口伊智子代表の指導もありがたかった。恩返しできたという気持ちが強い」 -力を入れた点、苦労したところは。 「練習段階で競技時間の3分以内になかなか収められず、心配だった。大会2日前にようやく『何とかなりそう』と手応えを持てた。本番は持ち
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静岡人インタビュー「この人」 佐久間駅伝舞台の小説を執筆した 奈女田功さん(浜松市中区)
浜松市天竜区で長年開催され、このほど廃止が決まった「佐久間駅伝」を舞台に、中年ランナーの苦悩や友情を描いた小説「RUNNER―おっさんたちの駅伝―」を執筆した。年度内に出版予定。37年間、教員として勤務し、竜禅寺小(同市中区)や佐久間小(同市天竜区)などで校長を歴任した。67歳。 ―作品への思いは。 「生まれ故郷の一大イベントを大勢の方に知ってほしいと思って執筆した。登場人物が挫折や不幸を乗り越え、たすきをつなぐ熱い物語。走っている場面は特に魂を込めて書いた。ランナーをはじめ、大会に携わる全ての人々の情熱に触れられる」 ―佐久間駅伝をテーマにした理由は。 「佐久間といえば駅伝。地域が
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静岡人インタビュー「この人」 サーフィン・アジア選手権の団体戦で優勝した 足立海世さん(伊豆市)
父光洋さん(43)の影響で3歳からサーフィンを始めた。伊豆市立天城小6年の時には全日本サーフィン選手権キッズの部で優勝した。モルディブで7月に開かれた「サーフィン・アジア選手権」で、日本代表チームのメンバーとして出場。団体戦で優勝、アロハカップ(男女各2選手によるチーム戦)で2位、個人戦(18歳以下)で4位に入る活躍を見せた。週5日程度、下田、伊東市など伊豆半島の海岸で練習に励む。伊豆市月ケ瀬在住。天城中卒業。通信制の明聖高(千葉市)1年。15歳。 ―選手権の感想は。 「日本代表としてアジアの人たちと肩を並べて良い経験になった。特に団体戦優勝はうれしかった。ただ3部門それぞれで優勝を狙っ
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静岡人インタビュー「この人」 全国高校ARDF競技大会のクラシック144MHz帯競技女子個人の部で準優勝した 池谷仁美さん(静岡市駿河区)
アマチュア無線の電波を使って、山野などのフィールド内のポイントを探査するARDF競技を4月に始め、7月の全国大会で好成績を収めた。科学技術高ロボット工学科3年生。この夏まで機械工作研究と電子物質工学研究無線班の2部活に所属した。17歳。 ―全国大会を振り返って。 「県大会は制限時間に悔しい思いをしたのでとにかく時間を気にした。猛暑の中での大会だったので体力が心配だった。部活動として競技に打ち込んでいる人たちの中で記録が残せたので、信じられない気持ちだった」 ―無線との出合いは。 「ボーイスカウトに所属していた縁で中学生の時から無線に興味があり、高校2年の時に3級アマチュア無線技士の資
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静岡人インタビュー「この人」 「闘う陶芸家」として活動するプロボクサー 川合絢也さん(磐田市)
2015年にプロボクサーとして1戦して引退。21年に復帰し、22年には中日本スーパーバンタム級新人王になった。西遠ボクシングジム所属。22年には陶芸家としても活動を始め、自宅に工房を構える。32歳。 -なぜプロボクサーを目指したのか。 「大学でボクシングを始めたが、最後の大会で思うような結果を残せず不完全燃焼だった。そんな時、通っていたジムの会長に勧められ、1戦だけプロとして戦った。勝って燃え尽きることができた。その後、就職したが、体調を崩し、退社して地元に戻ってきた。療養のつもりで通ったジムの人たちが後押ししてくれて、もう一度チャレンジしてみようと思った」 -陶芸家になった理由は。