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静岡人インタビュー「この人」 熱川温泉の活性化に努める 斉藤欣邦さん(東伊豆町)

 今春に町職員から温泉管理会社「八大偕楽園」の4代目社長に就任。熱川温泉旅館組合と連携しながら、イベントや商品開発で魅力発信に努める。静岡市清水区出身。24歳。

斉藤欣邦さん
斉藤欣邦さん

 -普段の仕事内容は。
 「熱川温泉には自噴する大量の温泉を受け止め、源泉を掃除するための『温泉櫓(やぐら)』がいくつか立ち並んでいる。噴き出る湯煙が名物となっていて、この一つの管理が主な仕事」
 ―その源泉の掃除の様子を公開するイベントを9月に開催した。狙いは。
 「源泉温度がおよそ100度と全国トップクラスに高く、機械が耐えられないため多くの作業を人力で行う必要がある。期間を通じて約50人に参加してもらい、『温泉を身近に感じた』といった意見をいただいた。普段は触れることのない温泉の新たな魅力を示すことができた。温泉管理をはじめとした熱川の『湯守り』文化の発信につながった」
 -温泉の結晶の商品化も始めた。背景は。
 「源泉に溶け込む成分が豊富なため、源泉の管の内部や周辺に白い結晶がこびりつく。この除去が仕事の一つだが、何かに生かせないかと思い商品化した。保湿成分の『メタケイ酸』が豊富に含まれている。観光客に購入してもらい、再訪につなげる狙いだ」
 -抱負を。
 「熱川温泉の泉質は全国でもトップクラス。ただ、バブル前のピーク時に比べれば周辺の元気がなく、知名度もまだまだ不足している。温泉街としてだけでなく、企業としても、まずは“穴場”として県外から注目してもらえるようさまざまな取り組みをまた考えたい」
 (下田支局・伊藤龍太)

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