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静岡人インタビュー「この人」 アクリル板をアート作品に転用する取り組みを進める 山田敏江さん(伊豆の国市)

 使わなくなったアクリル製パーティションを、昨年から子どもたち向けのアート作品に転用する取り組みを始めた。伊豆の国市古奈のすし割烹(かっぽう)「だるま」の女将(おかみ)。同市古奈出身。62歳。

山田敏江さん
山田敏江さん

 ―作品の特徴は。
 「娘でイラストレーターのやまだゆきえが描いたかわいらしい動物たちの絵が中心。ゆきえの絵本から抜粋した作品と子ども向けのオリジナル作品をフィルムに加工してアクリル板に貼り付けた。簡単に拭けてアルコール消毒もできる。子どもたちが乗ったり汚したりしても問題ないので思う存分楽しめる」
 ―これまでの経緯は。
 「県東部の保育園やリハビリ施設への貸し出しを皮切りに、昨年11、12月には伊豆市内の全こども園・保育園8カ所で巡回展示した。子どもたちが気ままに絵に触れる中で、美しさを感じたり感性を高めたりできる。『触れる・子供目線の移動式・ハッピーカラーのイラスト展』として事業化している」
 ―取り組みの意義は。
 「こども家庭庁が昨年4月に発足したが、文化芸術を体験して感性を高める機会が限られていると指摘した。最近では『体験型』の意義が認識され、展示物に直接触れる美術館や博物館も増えてきたが、まだ少ないのが現状だ。子どもたちはかわいい作品が大好きだが、遠くでわずかな時間しか見られず、触ることができないのが現実。子どもたちに長時間アートを身近に感じてもらう企画」
 ―今後の展開は。
 「新たにアクリル板を購入し、作品数も増やした上で、50の園で巡回展示を行う予定。静岡から全国へ、全国から世界の子どもたちへ作品を届ける活動を進める」
 (大仁支局・小西龍也)

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