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伊豆、愛好者に人気のキャンプ場 火おこしや楽しみ方学ぶ【しずおかアウトドアファン】

 秋も深まり、朝晩はぐっと冷え込むようになってきた。こうした季節にキャンプの主役となるのが暖かなたき火だ。 伊豆市大平の山中にあり、「じか火OK」のテントサイトが人気のキャンプ場「CAMPBEAN(キャンプビーン)」代表の斉藤勇介さん(45)に、火おこしのこつや炎の楽しみ方を聞いた。 photo03 たき火の燃え方を確認する斉藤勇介さん=10月下旬、伊豆市の「CAMP BEAN」
 まずは準備から。薪はキャンプ場やホームセンターなどに行けば1束数百円程度で購入できる。テントサイト周辺で拾い集めることが可能な場合もある。「針葉樹は火つきがよく、広葉樹は長時間火持ちする。特徴に応じて使い分けて」と斉藤さん。たき付け用に火がつきやすいマツやヒノキ、クヌギの樹皮、枯れ草などを集めておく。ナイフで棒状の木を薄く削って先端部分を毛玉のようにした「フェザースティック」や、ほぐした麻縄を用いてもよい。 photo03 たき火に使う主な道具
 薪を組んで安定させるためには、太さや長さをそろえる作業が欠かせない。長い木の枝はのこぎりで切っておく。市販品に多い太めの薪はおので割る。薪になたやナイフを当て、木づちなどでたたいて食い込ませながら割っていく「バトニング」の手法もある。 photo03 [1]ナイフで木の棒を薄く削る[2]なたと木づちを使い、薪を半分に割る
 一通りの準備を終えたらいよいよ着火だ。斉藤さんは「マッチやライターを使えば簡単だが、金属をこすり合わせて燃えさしに火花を飛ばすメタルマッチ、原始的な摩擦熱での火おこしにこだわる人もいる」と話す。じか火の場合は樹皮や落ち葉、枯れ草などを火床に敷いた後、細めの薪を立てるように置くか、井桁に組む。燃えさしに火を付け、静かに薪の下部へ投入すれば徐々に炎が立ち上がる。様子を見ながら太い薪を投入し、炎を育てていく。 photo03 [3]火がつきやすいよう樹皮などの上に細い枝を組む[4]メタルマッチで燃えさしに着火する
 会社員時代にたき火の魅力に目覚め、山林を開拓して2020年にキャンプ場を開設したという斉藤さんは「火をおこすことは人の営みの原点で、現代人のたき火好きは昔の記憶が引き継がれているからでは。それぞれの方法で自由にたき火を楽しんでほしい」と言葉に力を込める。
 (文/生活報道部・草茅出、写真/東部総局・田中秀樹)  じか火禁止なら台、シート 現地のルール確認して photo03 じか火禁止のキャンプ場などで活躍するたき火台とたき火シート
 たき火をする際は、テント設営場所の火の扱いに関するルールを確認する必要がある。キャンプ場は、芝生が傷むなどの理由でじか火禁止のケースが多い。たき火台と耐熱性の高いたき火シートを用意すれば、安全にたき火を楽しめる。
 近年のアウトドアブームで各メーカーのたき火台の種類も大幅に増え、デザイン、収納のしやすさなど多彩な選択肢ができた。サイズは大小さまざまなため、薪の太さや組み方は台の安定性を損なわないよう工夫したい。台の上に燃えさしを置き、薪を乗せて着火するまでの作業は基本的にじか火と同様となる。
 たき火の間は難燃性の素材の衣服、手袋を着用すると安心だ。火の粉が舞ってテントに穴が開くこともあるので、風向きや周囲の状況に気を配る。終了後の片付けも確実に。薪を割る際におのやナイフを扱うのが不安な場合、台座に上向きで固定された刃と安全リングなどが一体となった器具「キンドリングクラッカー」を使えば、ハンマーで薪をたたくだけで簡単に割れる。

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