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「誰でも自転車」 爽快感味わう 沼津視覚特支児童ら体験

 形や仕組みがユニークな「おもしろ自転車」を製造するオートクラフト・IZU(伊豆市)は8日、属性や障害に関わらず乗ることができる「インクルーシブ自転車」の体験会を沼津市の県立沼津視覚特別支援学校で開いた。自転車に乗り慣れない子どもたちが、自力で乗り物を動かす喜びや風を切って走る爽快感を味わった。

自転車に乗る子どもたち=沼津市の県立沼津視覚特別支援学校
自転車に乗る子どもたち=沼津市の県立沼津視覚特別支援学校


 インクルーシブ自転車の本格展開の可能性を探ろうと企画した。手でこぐ「オールサイクル」や車いすのまま荷台に乗れる「ペリカンサイクル」、特別仕様の「おもしろ自転車」を含む9種類を用意した。
 子どもたちはすぐに運転のこつをつかみ、「速い」と歓声を上げた。初めて自転車に乗った小学部6年の田代健大郎君は「風が想像以上に気持ち良かった」。同3年の深津歩花さんは「友だちと力いっぱいこいだら速く走れた」と笑顔を見せた。一部の車両はハンドル固定の運転席があり、操作が不安な子どももペダルをこぐことができた。
 遊園地や公園で子どもに楽しんでもらおうと40年以上前から作る「おもしろ自転車」は安全性などが評価され、特別支援学校からの注文が増えている。高齢者にも人気と聞き、「インクルーシブ自転車」の展開を始めた。大学と連携し、新車種の開発も進めている。
 体験会で同社の高田二郎専務(38)は「自転車の新たな可能性を感じた」と手応えを語った。今後も開催し、子どもや教員の声を開発などに生かす。
 (東部総局・矢嶋宏行)

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