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山腹で最後の神事 伊豆・大下三峯神社移設へ 1月、公民館近くに

 伊豆市修善寺の大下(おおしも)町内会はこのほど、地域を一望できる城山(向山)の山腹にあり、住民の信仰を集める「大下三峯(みつみね)神社」で遷座祭りを行った。同神社は急峻(きゅうしゅん)な山道を登った場所にある。近年、地域の高齢化が進み参拝や管理が困難になっていたことから、町内会が住民の要望を受け足を運びやすい大下公民館付近へ神社の移設を決めた。

遷座祭りで玉串をささげて手を合わせる大下町内会の小川内会長=伊豆市の大下三峯神社
遷座祭りで玉串をささげて手を合わせる大下町内会の小川内会長=伊豆市の大下三峯神社

 山腹で行われた最後の神事では、住民ら約30人が山を登り参列した。広瀬神社(伊豆の国市)の西島善正宮司が神事を執り行い、ご神体を一時的に埼玉県秩父市の本社に戻した。法被姿の小川内利光会長ら代表者が石造りのほこらに、玉串をささげて手を合わせた。
 小川内会長は「移設後も地域の心のよりどころとして大切に守っていきたい」と力を込めた。
 同神社の創建は明治時代と伝わる。幕末から明治にかけコレラが全国で流行し、大下地区でも多くの住民が犠牲になった。当時の住民が疫病退散を切望し山腹にほこらを建てたという。以来「みつみねさん」の愛称で親しまれ、毎年4月には例大祭が開かれてきた。
 新しい神社となる場所は公民館の近くにある市有地で、年内にも町内会が委託した専門業者がほこらを移設する。来年1月21日には新神社にご神体を迎え、再度の遷座祭りが催される。
 (大仁支局・小西龍也)

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