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大自在(4月19日)無投票当選

 ここまで「なり手」が不足しているのか。有権者にとって、投票の機会が奪われてしまう事態は今後も続くのかと懸念を抱かざるを得ない。選挙制度を検証し、抜本的に見直す転機に差しかかっているのではないか。
 第20回統一地方選は前半戦の道府県知事・議員選や政令市長・議員選を終えて後半戦の一般市町村長選・議員選に移った。
 冒頭の思いに至ったのは、今回の静岡県議選(定数68)で、県内34選挙区のうち15選挙区計25人(現職24人、新人1人)が無投票当選し、比率が議員定数の37%と戦後最大に達したからだ。無投票選挙区の割合も戦後2番目に高かった。
 浜松市天竜区(定数1)では、旧天竜市・磐田郡北部当時を含め7回連続。天竜区は浜松市議選でも投票機会はなかった。県議選では御前崎市(定数1)が4回続けて無投票。吉田町では牧之原市までを含めた県議選、きのう告示された町長選と町議選でも有権者は意思を示せなかった。
 結果を前向きにとらえれば、当選者は「余人をもって代えがたい」のかもしれない。しかし、県議選天竜区で言えば30年近く本格的な選挙がない計算。有権者にとっては民意を示す「投票」行為を行使できていない。当選者にとっても有権者からの評価をどう受け止めるべきか戸惑うであろう。
 静岡新聞社加盟の日本世論調査会の調査で、無投票による当選を「問題がある」としたのは「どちらかといえば」を含め8割に達している。講じてきた兼業規制緩和や待遇改善策だけでは解決しそうにない。国、地方挙げて知恵を絞りたい。

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