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理事長、園の継続強調 遺族は廃園要求、「思い理解」も否定 牧之原バス置き去り事件1年

 牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で園児の河本千奈ちゃん=当時(3)=が送迎バスに置き去りにされて亡くなった事件から5日で1年が経過するのを前に、同園の運営法人「榛原学園」の増田多朗理事長(43)が4日、牧之原市静波の同園で報道陣の代表取材に応じた。同園の今後について「入園希望者がいる以上は園の継続をしなければならない」と強調し、廃園を求める遺族との隔たりが改めて鮮明になった。

報道陣の代表取材に応じる榛原学園の増田多朗理事長=4日午後、牧之原市静波の川崎幼稚園(代表撮影)
報道陣の代表取材に応じる榛原学園の増田多朗理事長=4日午後、牧之原市静波の川崎幼稚園(代表撮影)

 遺族は事件直後に増田理事長の父で前理事長兼園長らと廃園に関する念書を交わしたとして、約束を守るよう園側に再三訴えてきた。増田理事長は「遺族の悲痛な思いは十分理解している」としつつ廃園は否定し、約束については言及しなかった。
 事件当日にバスを運転していた前理事長兼園長については、「毎朝現場に赴いて手を合わせていると聞いている」と説明。事件後の園では外部の専門家を招いて安全対策に関する講習を受け、「安全管理についてみんなで話し合う風土ができた」と語った。
 同学園は取材について代表社による30分間とし、質問を事前に通告することを条件に応じた。

 牧之原市長が献花
 牧之原市の杉本基久雄市長は4日夕、千奈ちゃんの両親と面会し、遺影に花を手向けた。記者の囲み取材に応じ、「彼女の生きる権利が奪われたことは本当に残念。行政としてできることをしていく」と話した。

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