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子どもの頃から「適塩」慣れよう 静岡県の高血圧対策 給食試食会で保護者にも働きかけ

 静岡県は高血圧対策の一環で、子どもの頃から適切な塩分量の食事に慣れてもらう「適塩キッズ育成事業」に乗り出した。家庭での取り組みが重要として、児童だけでなく保護者に対しても減塩や野菜摂取を働きかけるのが特徴だ。薄味の食事を意識付けることで、将来の生活習慣病予防につなげる。

保護者が適塩について理解を深めた学校給食試食会=牧之原市立地頭方小
保護者が適塩について理解を深めた学校給食試食会=牧之原市立地頭方小

 静岡県の健康寿命は男女とも都道府県別で5位と「全国トップクラス」(県健康増進課)だが、脳血管疾患による死亡率の高さが健康課題となっている。県民健康基礎調査によると、1日当たりの食塩摂取量は男性が10・6グラム、女性が9・2グラム。いずれも国の目標(男性7・5グラム未満、女性6・5グラム未満)を上回り、日頃の食生活の適切な塩分摂取が重要とされる。
 適塩キッズの取り組みの一つが保護者に適塩を助言する学校給食試食会だ。今月1日にはモデル校の牧之原市立地頭方小に1年生の保護者21人を招き、鶏肉と大豆のかりん揚げ、大根やゴボウ、レンコンが入った具だくさん汁などを食べた。栄養教諭は1食につき100グラム程度の野菜を使用していると説明。「汁物は、だしを効かせて具だくさんにすることで、減塩と野菜摂取を両立している」などと工夫しているポイントを紹介した。
 子どもたちに野菜に関心を持ってもらおうと、オリジナル絵本の作成にも取り組んでいる。県産野菜の産地や摂取の必要性などを分かりやすく紹介する内容で、来年1月に完成予定。2024年度に県内小学校に入学する児童に配布し、食育に関する授業などで活用を見込む。
 塩分の取り過ぎは高血圧の原因となり、脳血管疾患になるリスクを高める。大人になってから食習慣を変えるのは難しいとされ、健康増進課の担当者は「子どもの頃から薄味に慣れることが大切」と家庭での減塩の取り組みに期待する。
 野菜に多く含まれるカリウムは余分な食塩を排出できるとして、県は県民に摂取を促す「野菜マシマシプロジェクト」にも力を入れている。
 (政治部・森田憲吾)

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