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新興企業支援 牧之原市内、高まる機運 シェアオフィスやビジコン...着実に成果

 牧之原市内でスタートアップ(新興企業)を支援する機運が高まっている。9月上旬には、サテライトシェアオフィス「まきのはらインキュベーションセンター」が開設したほか、スタートアップの誘致を狙いに市が実施するビジネスプランコンテストには約130件のエントリーがあった。事業者の受け皿の確保が進む中、地域資源を活用した新たなビジネス創出とともに、市内経済の活性化が期待される。

新たなビジネス創出を多方面から支援する施設を紹介する出縄良人代表=9月上旬、牧之原市布引原
新たなビジネス創出を多方面から支援する施設を紹介する出縄良人代表=9月上旬、牧之原市布引原


 日本有数の茶どころとして知られる牧之原台地に位置する布引原地区。広大な茶畑の一角に新設されたオフィスには日本や海外から集まった企業関係者らの姿があった。電子回路基板製造を手掛ける丸和製作所(宮城県)の柴田豊社長は「この地域は自動車関連の企業が多く、アプローチするには最適な場所」と期待する。
 施設内には12の専用デスクのほか、異なる職業を持った利用者が自由に利用できるコワーキングスペースや会議室、リモート業務にも対応した個室などを完備。運営母体を会計事務所が担っているため財務関係でのサポートも充実している。加えて金融機関や司法書士、社会保険労務士への相談コーナーを設け、事業者の新産業創出を多方面から支援する。
 運営を担うのは25年にわたりベンチャー企業の支援に携わってきた出縄良人代表(同市出身)だ。コンサルティング業を経て証券会社を立ち上げるなどしたこれまでのノウハウを生かし2020年に帰郷して以来、地域経済の活性化に尽力してきた。
 昨年は市と連携して地域の産業や観光の活性化を目指したビジネスプランを競う「牧之原市チャレンジビジネスコンテスト」を初開催した。コンテスト後には地元茶業者と連携し、新たな包装材の開発に着手するスタートアップもあり、着実な成果が生まれつつある。2回目の開催となる今年は前回の91件を超える応募があるなど大きな盛り上がりを見せている。出縄代表は「世界から集まったスタートアップが牧之原から県や全国に事業を拡大することで、起業、創業を目指す力が市内からも生まれてくれたら」と話す。
 (榛原支局・足立健太郎)

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