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社会課題解決にも貢献 静鉄ストア(静岡市)/森下登志美社長【キーパーソン・最前線】

 トップ就任以降、新業態店舗やネットスーパーの出店、海外進出などに積極的に取り組む。10月には、静岡、焼津の両市に分散していた物流拠点を藤枝市に集約した。多様化する消費者ニーズと自社の現状を分析し、売り上げを確保するとともに、社会課題解決にも資する施策を重ねる。

森下登志美社長
森下登志美社長

 -多彩な事業に着手し続ける理由は。
 「世の中の動きと企業施策間のギャップを埋め、100年後も顧客が食事を楽しめることを目指す自社の『百年構想』を実現するため。2月時点の本県人口は4年前比で約10万人減少し、業界の統計調査を加味すると、食の市場は385億円縮んだことになる。経済的貧困だけでなく、買い物難民や、社会的に孤立する『関係の貧困』といった社会課題の解決にビジネスを通じて貢献していく」
 -具体策は。
 「移動販売車やネットスーパー、小型店など販売チャネルの多角化を進め、誰もが買い物を楽しめる場所を用意してきた。多忙な人も満足できるよう、県内の有名店とコラボした本格的な冷凍食品『富士山グルメディッシュ』など、新たなプライベートブランド(PB)も充実させ、生活スタイルの多様化が進む顧客の満足度向上を図っている」
 -今後の課題と展望を。
 「人口減少や高齢化には歯止めがかからず、国内市場の縮小は続く。新型コロナウイルス禍などで環境が激変する中、従来型店舗は新規出店に加え、店舗配置の見直しも重要になる。昨年始めたPB商品の海外販売も、台湾に続いてアジアや北米各国に広げたい」
 (経済部・駒木千尋)

 もりした・としみ 1987年静岡鉄道入社。同社常務や静鉄観光サービス社長などを経て、2021年から現職。牧之原市出身。59歳。

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