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次世代エネ貯蔵や電動化 港湾の脱炭素化加速 清水、御前崎 競争力強化へ

 静岡県内の港湾で脱炭素化に向けた取り組みが加速する。清水港は水素エネルギーの活用などを通じ温室効果ガス排出量ゼロを目指す「カーボンニュートラルポート」(CNP)形成に向けた目標を掲げ、御前崎港も今夏から官民が計画づくりに着手する。世界的に脱炭素化の流れが進む中、臨海部に集積する産業とも連携しながら競争力を強化する。
 CNPは国際物流の拠点となる港湾で、次世代エネルギーの輸入や貯蔵を可能とする受け入れ環境の整備、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化などを図る取り組み。国は各地で脱炭素化を目指す計画策定を支援している。
 県が3月に公表した清水港のCNP形成計画は、2030年度の二酸化炭素(CO2)排出量を13年度比47%、50年に同100%それぞれ削減するとした。水素や燃料アンモニアといった次世代エネルギーの活用、港湾で使われるクレーンの電動化を明記。港周辺に立地する企業へのエネルギー安定供給、環境に配慮した船舶に対するインセンティブ(動機づけ)制度導入、ターミナルに出入りする船舶やトレーラーの脱炭素化も盛り込んだ。
 県は23年度中に御前崎港の港湾脱炭素化推進計画を策定する。7月ごろに国や御前崎市、牧之原市、周辺企業などと協議会を発足させる。先行する清水港と同様に、温室効果ガス排出量の削減目標や工程表を盛り込んだ計画をつくる。御前崎港はバイオマス発電所の建設も進み、クリーンエネルギーの活用などが計画の柱になるとみられる。
 港湾は海上輸送網の拠点となる一方、製油所や発電所、鉄鋼、化学工業などの産業が集積していることからCO2削減の余地が大きい。船舶燃料を従来の重油から、水素やアンモニアなどの次世代燃料に転換することも求められる。
 県は田子の浦港でも24年度に計画を策定する方針で、「荷主や船社、企業から選ばれる港を目指す」(港湾企画課)としている。

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