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静岡空港 中国・上海線が定期便再開 国際線復便は2路線目

 静岡空港で24日、新型コロナウイルスの影響で運休していた中国・上海線の定期運航が3年7カ月ぶりに再開した。国際線定期便の復便は韓国・ソウル線に続く2路線目。東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に対する懸念が中国国内で残る中、同空港では関係者が乗客を温かく出迎え、今後のインバウンド(訪日客)拡大に期待した。

富士山を背に放水アーチによるおもてなしを受ける機体=24日午後、静岡空港
富士山を背に放水アーチによるおもてなしを受ける機体=24日午後、静岡空港
国際線到着口で空港関係者から歓迎を受ける乗客ら=24日午後、静岡空港
国際線到着口で空港関係者から歓迎を受ける乗客ら=24日午後、静岡空港
記念式典で上海線の再開を祝したくす玉を割った関係者=24日午後、静岡空港
記念式典で上海線の再開を祝したくす玉を割った関係者=24日午後、静岡空港
富士山を背に放水アーチによるおもてなしを受ける機体=24日午後、静岡空港
国際線到着口で空港関係者から歓迎を受ける乗客ら=24日午後、静岡空港
記念式典で上海線の再開を祝したくす玉を割った関係者=24日午後、静岡空港

 午後2時過ぎ、運航再開1便目となる中国東方航空の機体が乗客69人を乗せて同空港に降り立った。取り付け誘導路内では放水アーチで機体の到着を歓迎。到着ロビーで空港関係者らが横断幕を掲げ、乗客にエコバッグなどの記念品を手渡した。
 コロナ禍以来、初の海外旅行という張思依さん(31)は「静岡に来るのは初めて。温泉や富士山など楽しみがたくさん」と笑顔を見せた。一方で、処理水の海洋放出に対しては「心配な気持ちはあるが、自分で日本国内を見てみないと分からないこともある」と複雑な心境をのぞかせた。
 空港内で開かれた記念式典には県や空港関係者、周辺市町の首長が出席し、くす玉を割った。同空港の中国路線は2019年度に5社8路線が運航していて、残りの路線についても早期再開を目指す。富士山静岡空港株式会社の西村等社長は「さまざまな問題がある中で主力路線の再開が決まったことを非常にうれしく思う。一日でも早く19年度並の数字に回復していきたい」と強調した。
訪日客拡大のけん引役に期待  24日に運航を再開した静岡空港の中国・上海線は、コロナ前に最も多くの搭乗者数を誇った国際線定期便で、落ち込みが続くインバウンド(訪日客)のけん引役として期待される。ただ、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡る反発もあり、影響が長期化すれば中国客の回復ペースが鈍るとの懸念が出ている。
 2019年度の上海線の搭乗者数は約6万3千人で、国際線全体の2割強を占める「主力路線」だった。従来の毎日運航から再開後は週2往復となり、県は「現地での旅行需要とともに、県内から中国に向かう観光やビジネス需要も喚起したい」(空港振興課)として、県上海事務所とも連携しながら路線の安定化を図る。本県の訪日客がコロナ前の水準に戻るかどうかは中国客の動向が鍵を握るとされ、大型連休となる国慶節(10月1日)前後の旅行客数が注目される。
 一方、3月に定期便の運航を再開した韓国・ソウル線は搭乗率が8割を超えるなど好調に推移し、10月29日の冬ダイヤから毎日運航に増便される。県内では中国を除く外国人宿泊者数がコロナ前を上回る水準となっていて、中国以外の訪日客を取り込む観光戦略も重要となる。

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