経済部 駒木千尋
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秀英、Z会が小学生模試 6月、受験無料 顧客獲得・教材開発へ連携
秀英予備校は6月9日、Z会(三島市)と共同で、小学4~6年生を対象にした受験無料の模試「公開実力テスト」を、静岡など計10道県の秀英予備校の拠点校舎で開催する。両社の連携は初めて。少子化などで業界の競争が激化する中、顧客獲得と教材開発に向け、互いの強みを生かす。 Z会が問題を作成し、秀英予備校が模試の運営、採点、データ分析を担う。 秀英予備校は全国に校舎を展開するが、近年は少子化などで生徒の獲得に苦戦し、一部校舎の移転・閉鎖が続く。難関大への高い合格実績を持つZ会と連携して全国での知名度向上を図り、各校舎の生徒数増加を目指す。 Z会は長年のノウハウを生かした良問を提供し、非会員に教材作
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記者コラム「清流」 実家で「宝探し」
「実家に宝の山が眠っているかもしれない」。ホビー商材販売店「駿河屋」本店駿河屋ビル(静岡市葵区)にオープンしたトレーディングカード(トレカ)売り場を歩き、ふと考えた。 世界最大規模という売り場では、約180万種類1000万点超の現物をその場で確認、購入できる。驚かされたのは商材の豊富さだけでなく、数十万~100万円超にもなるレアカードの販売価格だ。少年時代に所有していたカードの名前を駿河屋のウェブページで検索すると、「22万円」と表示された。 運営するエーツー(同市駿河区)に聞けば、同様に販売価格に驚いてカード売却に訪れる来店客が増えているという。 トレカで遊ばなくなってから久しく、今
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静岡伊勢丹、常連顧客限定サロン開設 年間購入額100万円以上で利用可
静岡伊勢丹(静岡市葵区)は、来店客数を増やして販売額を伸ばす百貨店の従来スタイルから脱却を進めている。幅広い層に訴求力を持つ催事を継続する一方で、顧客個々へのきめ細かな販促活動に力を注いでいる。年間購入額が一定水準を超える常連客限定で専用サロンを開設し、商品の取り寄せサービスも始めるなど接遇面を強化し、満足度向上を図る。 同社は従来、商品や催事情報をチラシやテレビCMで広く発信していたが、ECサイト(電子商取引)の普及や新型コロナウイルス禍で多様化した消費への対応を模索。昨秋から顧客個々の購買履歴の分析に本腰を入れ、公式アプリを使ってお薦め商品を個別に提案し、購買機会の増加を図っている。
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シャンソン化粧品(静岡市) 紅こうじ使用の健康食品回収 被害確認されず
化粧品や食品の製造を手がけるシャンソン化粧品(静岡市駿河区)は、小林製薬の紅こうじを使った健康食品「特撰十六酢」の自主回収を進めている。賞味期限が4月24日以降の品が対象。原料の紅こうじは健康被害が報告されている製造ロットと異なるが、顧客の安全面を考慮して回収を決めた。シャンソン化粧品によると、現時点で健康被害は確認されていない。
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静岡県ワサビ、海外に照準 需要増、商機つかめ! 製品開発や現地生産へ
海外の和食人気や訪日客の増加を背景に、欧米やアジア圏でワサビの需要が伸びている。産出額日本一の静岡県でも、ワサビ加工品などを手がける事業者が商機をつかもうと、海外向けの製品開発を進める。国内市場は高齢化や人口減少で先細りが懸念される中、現地でのワサビ栽培を含めた海外戦略を打ち出し、静岡県特産品の振興を目指す。 カメヤ食品(清水町)は、欧米や中国を中心に製品を輸出する。レシピを工夫して賞味期限を延ばしたチューブ入りワサビや、EU(欧州連合)基準のHACCP(ハサップ)認証を得た工場で生産される原料を使ったふりかけなどを開発、販売している。 健康意識の高まりや円安を背景に一昨年ごろから注文
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静岡鉄道沿線の空き家再生 にぎわい創出へ 商業施設や社員寮新設
静岡鉄道(静岡市葵区)が、静岡清水線沿線の空き家や空き店舗の再生を通じた各停車駅付近のにぎわい創出に力を入れている。既存建物を商業施設やシェアハウスに改装し、今月下旬から順次稼働を始める。沿線各地の特色を分析した上で楽しさや満足感を高める仕掛けを施し、住民間の関係性強化や交流人口増加を促す。 同区鷹匠の日吉町駅近くで20日、県内企業で働く20~30代向けのシェアハウス「スバコ」を開設する。「シェア型社員寮」と銘打ち、施設内でセミナーやイベントを毎月開催し、自己啓発や入居者同士の交流の場を提供する。 鉄骨造り3階建ての住宅を全面改装し、10~15平方メートルの冷暖房付き居室計10部屋と、
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世界最大級のトレカ売り場 駿河屋本店、4階に22日オープン
ホビー商材販売店「駿河屋」を運営するエーツー(静岡市駿河区)は22日、本店駿河屋ビル(同市葵区)の4階にトレーディングカード(トレカ)売り場をオープンし、当初計画した売り場が全て出そろう。同社によると、トレカ販売店として世界最大級。世界的に人気が高い日本のトレカでホビー文化の発信を一層強化し、国内外からの誘客と中心市街地のにぎわい創出を目指す。 本社に保管していたトレカの全在庫を同ビルに移した。商材は人気アニメ「ポケットモンスター」や「遊戯王」のカードのほか、食玩のカードなど。来店客は商品検索用のタブレットを使い、約180万種類1千万点超の現物をその場で確認、購入できる。ボードゲームも取り
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中島屋グランドホテル、新装オープン 静岡の伝統工芸取り入れ刷新
静岡市葵区の中島屋グランドホテルが13日、昨年11月末から進めていた建物1、2階のリニューアル工事を終え、新装オープンした。改装部の随所に地元の伝統工芸技術を取り入れた。 1階のロビーには静岡ひき物、木工指物、駿河和染め、駿河竹千筋細工の技術を融合させたオブジェを複数配置した。アーツカウンシルしずおか(同市駿河区)のクリエーティブ人材派遣制度を活用し、デザイン事務所UO(浜松市中央区)が監修した。2階は喫茶スペースから、創作洋食を提供するダイニングバー「アーバー」に改めた。 ホテルを運営する中島屋ホテルズの鈴木健太郎社長は「静岡らしさをより発信できる仕上がりになった。ローカルホテルの象徴
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「事故物件」再生し販売 浜松、静岡に営業拠点 マークス不動産(東京)需要見込む
マークス不動産(東京)は、孤独死や自殺などで心理的な瑕疵(かし)が生じた住宅など事故物件の取り扱い強化に向け、浜松、静岡両市に相次いで営業拠点を開設した。全国平均を上回る高齢化が進む静岡県では他の地方と比べて事故物件の相談が多いという。今後も売買双方に高い需要を見込み、葬儀会社とも連携しながら適正価格での取引を提案する。 事故物件を扱う大手不動産業者はほとんどなく、流通市場に出回らず空き家として放置される例が珍しくない。物件を持て余し、やむを得ず安値で売却する所有者も多い。そこで同社は2019年、事故物件を「成仏不動産」として取り扱うビジネスに参入。買い取った物件に特殊清掃、供養、改装を施
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自慢の「おみや」開発経緯は 6事業者発表 静岡市清水区で20、21日販売
静岡市産学交流センターは6日、食品分野の商品開発支援事業「静岡おみやプロジェクト」の成果発表会を同市葵区の同センターで開いた。「ブランド力を高める新商品開発」をテーマに、菓子店や総菜店など6事業者が製品を披露した。 各事業者は昨年6月から、顧客目線に立った商品企画や販売戦略、包装デザインなどの作成に取り組んだ。あんこを挟んだ和風バターサンドや、スルガ甘夏をまるごと使用したゼリー、静岡おでん風味のうずらの卵などを開発した。 発表会では行政関係者や食品製造業者ら約40人に開発経過を報告するとともに、試食を通じて新製品をアピールした。各製品は20、21の両日にエスパルスドリームプラザ(同市清水
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静岡県内の宿泊者13%増 2023年、コロナ前水準は下回る
観光庁が29日発表した2023年の宿泊旅行統計調査(速報値)によると、静岡県内のホテルや旅館の宿泊者数は延べ2070万350人と前年から13・1%増えた。社会経済活動の正常化が客足の増加に寄与したが、増加率は全国平均(31・6%)に及ばず、コロナ前の2019年の水準から11・6%下回った。 新型コロナウイルス感染症の5類移行や政府の水際対策終了で、国内客に加え訪日客が回復し、宿泊者数の増加につながった。一方、コロナ前に外国人宿泊客の約7割を占めていた主力の中国人客の回復が遅れていて、東京や京都、大阪など代表的な周遊コース「ゴールデンルート」各都市並みの回復には至らなかった。 県内宿泊者数
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ユーコープの物流拠点完成 静岡、3月から順次稼働【迫る 24年問題】
生活協同組合ユーコープ(横浜市)の宅配事業「おうちCO-OP(コープ)」と、静岡県内と山梨県の店舗で取り扱う食料品の物流拠点を備えた施設「ユーコープ静岡ベース」(静岡市駿河区恩田原)が27日完成し、3月から順次稼働を始める。運転手の残業規制で輸送能力低下が懸念される2024年問題が迫る中、老朽化した沼津市の施設から物流拠点を移し、業務の効率化を図る。 約1万8千平方メートルの敷地に鉄骨造2階建て、延べ床面積約1万7千平方メートルの建物を新築した。1階は静岡、山梨両県の宅配拠点や各店舗に送る商品を詰める物流センターで、2階は静岡市内の宅配顧客向け配送拠点と組合県本部を置いた。 新型コロナウ
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静鉄、連節バス導入検討 需給両面の課題解決へ 運行環境検証で試走【迫る24年問題】
静岡鉄道グループのしずてつジャストライン(静岡市葵区)は、車体2台をつなげた連節バスの導入に向けた検討を始めた。残業規制強化で運転手不足が深刻化する「2024年問題」が懸念される中、一度に多くの乗客を運べる車両を活用し、地域交通を維持したい考え。同社によると、導入が実現すれば静岡県内初。 導入を検討する車両は、日野自動車製のハイブリッド車(HV)で、全長約18メートル。定員は通常バスの約1・5倍に相当する約120人。 しずてつジャストラインは、通勤通学で混雑する時間帯に便数を増やして運行しているが、大学や工場付近を走る路線の一部バス停では、到着した車両に乗るのを諦め、次の便を待つ利用客が
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静岡人インタビュー「この人」 自動車関係功労者国土交通大臣表彰を受けた 飯塚俊治さん(焼津市)
1987年静岡鉄道(静岡市葵区)入社。大型2種免許を取得後、92年にバス運転士として勤務を開始し、路線バスと貸し切りバスを担当。しずてつジャストライン(同区)を経て、2006年に貸し切り観光バスの静鉄ジョイステップバス(焼津市)に移った。長年の無事故無違反や勤務態度が評価された。55歳。 -受賞の感想を。 「これまでも県バス協会長表彰や中部運輸局功労者等局長表彰を受けてきたが、今回は運転士にとって最高峰の表彰。目標にしていたので、とてもうれしい。過去に受賞した先輩の多くが60歳以上で、これほど早く頂けるとは思っていなかったので驚いた」 -業務で心がけていることは。 「心の安定が安全運
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静岡駅前に「XR水族館」 スマホかざすとクジラ出現 松坂屋、3月末まで
松坂屋静岡店(静岡市葵区)は7日、現実世界と仮想世界を融合させて新しい体験を生み出す技術「XR(クロスリアリティー)」を活用したデジタルサービス「XR水族館」を始めた。店内外でスマートフォンをかざすと、海洋生物が空間を泳ぐ姿を画面上で楽しめる。3月31日まで。利用無料。 店舗入り口に掲示したポスターのQRコードをスマートフォンで読み取り、同店とJR静岡駅の間の空間にかざすと、巨大なクジラやイルカ、魚の映像が映し出される。同店の都市型水族館「スマートアクアリウム静岡」の一部エリアでも、同様の企画を展開中。 専用アプリ「STYLY(スタイリー)」を活用する。同水族館でステッカーを受け取れるク
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記者コラム「清流」 「送料無料」の表記
「EC(電子商取引)サイトで送料無料の表示が目立つが、消費者は運送コストの存在に考えを巡らせてほしい」。物流の停滞が懸念される2024年問題が間近に迫る中、県内のある物流企業トップは取材にこう答えた。 「無料」の響きは消費者にとって魅力的だが、モノの移動には当然、輸送費や配送料が発生していて、決してタダではない。無料表記は、物流に対する意識の低下を招くとの指摘もある。消費者庁は昨年末、こうした文言に説明を付けることを通販事業者らに要請した。 県トラック協会の佐野寛会長は、24年問題を「われわれの努力だけでは越えられないハードル」と表現する。物流の危機は全国民に関わる問題。誰もが当事者とし
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防災用品の需要、静岡県内伸長 能登地震で関心 共助型商品問い合わせ多く
能登半島地震を受け、静岡県内の消費者や企業の間で防災用品への関心が改めて高まっている。被災地では避難所トイレの衛生環境が悪化したり、陸路の寸断により救援物資搬送が難航したりする事態が浮き彫りになった。南海トラフ巨大地震で広範囲の被災が想定される静岡県でも、こうした課題に備える顧客の需要を踏まえ、小売やメーカーの各事業者が対応を強化する。 ハンズ静岡店(静岡市葵区)では初売りの2日から、防災グッズを買い求める客が後を絶たない。缶詰食品や水を使わない洗髪料、簡易トイレの需要が高く、第1週の売上高は前年の約8倍に上った。 一部で在庫の少ない商品はあるが、1月上旬時点で入荷状況に混乱はないという
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駿河屋、ホビーのまちの象徴に 本店開店3カ月 静岡市中心街で高い集客力
静岡市葵区の中心市街地に進出したホビー商材販売店「駿河屋」本店が6日、開店から3カ月を迎える。約1千万点の品ぞろえに加え、鉄道模型のジオラマやラジコンの試走コースといった体験スペースも備え、高い集客力を保つ。中心街の地盤沈下や消費の停滞が懸念される中、「ホビーのまち静岡」の新たなシンボルとして地域活性化を目指す。 本店は旧静岡マルイ跡の駿河屋ビルと旧静岡本店の駿河屋紺屋町の2棟で構成する。駿河屋ビルは今月下旬に売り場が全て整う予定で、さらなる集客が期待されている。 運営会社エーツー(同市駿河区)によると、昨年10~12月下旬の累計来店客数は約30万人。半数は市外在住者で、訪日客は約10
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景気回復へ力強さ欠く 2023年の静岡県内経済
2023年の県内経済は、新型コロナウイルス禍から正常化へと向かい、輸出型企業を中心に経営環境が上向いた。製造業の多くは円安進行や半導体など部品不足の緩和が業績回復に寄与した。個人消費は持ち直し傾向が続いたが、物価高に賃上げが追い付かない状況が影を落とした。人手不足や海外経済の減速など下振れ材料も多く、景気回復の足取りは力強さを欠いた。 株価 円安追い風 製造業堅調 日経平均株価は新型コロナが5類に移行した5月を境に上昇傾向が強まり、7月3日に23年最高値の3万3753円を付けた。日米金利差を背景に進む円安の基調は変わらず、輸出型企業を中心に業績が伸び、23年後半は常に3万円台を維持する
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静岡県内百貨店で福袋商戦へ準備本格化 静岡空港内アナウンス体験などプラン拡充 来店増へ店頭販売も
来年1月2日の初売りを控え、静岡県内の百貨店が福袋の準備を本格化させている。各店は新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う来店客増と消費行動の多様化を踏まえ、コロナ下でかなわなかった体験を提供する「コト消費型」の福袋を強化。物価高で購買意欲の停滞が指摘される中、店舗限定品を用意するほか、過去3年間で定着したウェブ予約分を減らして店頭販売分を補充するなど、「リアルの買い物」提案で店内の買い回り促進を図る。 静岡伊勢丹(静岡市葵区)は、住宅など高額品や体験型プランの企画を拡充した。輸入車の品数を増やしたほか、静岡空港内のアナウンス業務などを体験できる小学生向けの「ANA 空のお仕事体験」(税込
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静岡県内観光、誘客へ奮闘 コロナ5類後初の年末年始 中国人回復は鈍く 顧客利便性向上に力
年末年始の観光シーズンを目前に控え、県内の宿泊・観光事業者が準備を進めている。新型コロナウイルス感染症の5類移行など社会経済活動の正常化や政府の水際対策終了で、国内の外国人延べ宿泊者数がコロナ下前の2019年を上回る状況が続くなど、全国の観光地は活気を取り戻しつつある。一方、本県はコロナ前の主力である中国人客の回復が鈍く、苦戦する宿泊施設も。各事業者は顧客利便性の向上などを図り、誘客を強化している。 静岡鉄道(静岡市葵区)は、静鉄ホテルプレジオの県内外7施設で、朝食の食材表示に、外国人にも分かりやすいピクトグラム(絵文字)を採用した。訪日客増加に応じた顧客サービスの一環で、牛肉や豚肉、小
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レント インドネシア進出 丸紅などと合弁会社 建設機械 貸し出し開始
総合レンタル業のレント(静岡市駿河区)は、大手商社丸紅やインドネシアで中古建機の販売貸し出しなどを手がけるエクサキャピタルと合弁会社「マックス・レント・インドネシア」を同国に設立した。外資に対する規制緩和で日系企業の進出増加が見込まれる中、安全で高品質な建設・産業用機械の貸し出しを今月始めた。 出資比率はレント47%、丸紅46%、エクサ7%。出資額は非公表。設立は9月27日付で、社長にはレントの長谷川文明常務が就いた。同国で幅広い事業を展開する丸紅の知見を活用しつつ、レントは豊富な商材品目や品質管理といったレンタル業のノウハウを駆使し、現地で多様なニーズに応じる。 インドネシアでは2020年
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物価高下のボーナス商戦 節約モノ推し 静岡県内小売業者、コロナ5類後「消費活性化を」
官公庁や多くの企業で9日までに、冬のボーナスが支給され、県内小売事業者が歳末商戦の顧客需要の取り込みに注力している。物価上昇のペースに賃上げが追いつかず、実質賃金は19カ月連続で前年同月比マイナスを記録するなど消費者の懐事情は厳しさが増す。各店は集客イベントを相次ぎ企画するほか、長期的な節約につながる商品を提案するなど消費者の購買意欲を刺激しようと懸命だ。 コジマ×ビックカメラ静岡店(静岡市駿河区)は食材の鮮度維持機能を備えた冷蔵庫を推す。冷蔵室全体をチルドとして使えたり、冷凍室の霜を抑制したりする機種をそろえた。買い替えを検討中の男性(61)=同市清水区=は「食費が上がって
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赤米入りおはぎ、いかが? 城南静岡中・高生と天神屋が共同開発、地域資源発信
ボランティア活動などに取り組む城南静岡中・高(静岡市駿河区)地域貢献部の生徒が、弥生時代に登呂遺跡(同区)で栽培されていたとされる赤米を使ったおはぎを、地元企業と共同開発した。赤米の知名度を向上させるとともに、地域資源として発信することで地元の活性化を図る。 同部は2018年から、同遺跡で赤米の栽培に取り組んでいる。毎年11月に収穫し、朝市などに出店していたが、調理法が分からない客も多く、販売に苦戦していた。 今年は多くの人に気軽に手に取ってもらおうと、おはぎの開発を決めた。弁当・総菜販売の天神屋(同区)と共に、赤米ともち米の配合比率などを研究し、試食を重ねて完成させた。 26日
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価格転嫁「実施」7割超 原材料高受け 静岡商議所調査
静岡商工会議所は22日、会員事業所に対する原材料高を受けた価格転嫁の実施状況の調査結果を発表した。回答事業所の7割超が、価格転嫁を実施できたと答えた。 全体的なコスト増加分に対し、実際に価格転嫁ができた割合は「1~3割」の27・8%が最多で、「4~6割」22・8%、「7~9割」18・4%、「10割」6・5%が続いた。「0割」も16・6%あった。 脱炭素に向けた自社のエネルギー使用状況や二酸化炭素(CO2)排出量は「把握している」が24・0%、「把握していない(今後も予定なし)」が56・4%だった。 岸田裕之会頭は「供給網全体で価格交渉がしやすい雰囲気を醸成していく。脱炭素についても、まずは省
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コストコ再販店 静岡県中東部で拡大 タカラ・エムシー 「買い物の楽しさ」提供
食品スーパーのフードマーケットマムを運営するタカラ・エムシー(静岡市駿河区)が、会員制大型スーパー「コストコ」の再販店プライムフーズマーケットを静岡県中東部に相次ぎオープンしている。会費不要で県内唯一のコストコ浜松倉庫店(浜松市東区)とは商圏が異なるとし、非会員のファミリー層の需要を見込む。店内の雰囲気づくりにも注力し、「買い物自体の楽しさ」を提供している。 プライムフーズマーケットは2021年2月、高級ワインやチーズなどの食材をそろえた高価格帯店舗として、タカラ・エムシーが静岡市駿河区にオープン。昨年から顧客の要望を受けてコストコ商材の取り扱いを拡充し、昨秋に再販店に転換した。今年9月に
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記者コラム「清流」 駿河屋の意気込み
静岡市葵区の旧静岡マルイ跡に10月、駿河屋新本店がオープンした。初日は平日にもかかわらず、県内外から集まった300人ほどが早朝から列を作る盛況ぶり。老若男女がホビーの世界に浸る様子が見られた。 豊富な品ぞろえに加え、鉄道模型ジオラマやラジコンカーの走行を試せるスペースなどの体験スペースが話題になった。来店客同士が商品情報を交換するといった交流も生まれているという。同社が目指す「新しい観光地化」への船出は、ひとまず順調のようだ。 地元に向けても、商店街のハロウィーンイベントに参加して子どもを楽しませたり、全国の店舗で大道芸ワールドカップを周知したりと中心街活性化への意欲が伝わる。人を呼び込
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社会課題解決にも貢献 静鉄ストア(静岡市)/森下登志美社長【キーパーソン・最前線】
トップ就任以降、新業態店舗やネットスーパーの出店、海外進出などに積極的に取り組む。10月には、静岡、焼津の両市に分散していた物流拠点を藤枝市に集約した。多様化する消費者ニーズと自社の現状を分析し、売り上げを確保するとともに、社会課題解決にも資する施策を重ねる。 -多彩な事業に着手し続ける理由は。 「世の中の動きと企業施策間のギャップを埋め、100年後も顧客が食事を楽しめることを目指す自社の『百年構想』を実現するため。2月時点の本県人口は4年前比で約10万人減少し、業界の統計調査を加味すると、食の市場は385億円縮んだことになる。経済的貧困だけでなく、買い物難民や、社会的に孤立する『関係の
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おせち商戦、多彩な提案 静岡県内百貨店、コロナ下で伸長した需要維持へ 「大人数」「若者」照準/「小サイズ」依然人気
新年用おせち料理の商戦が県内百貨店で追い込み期を迎えている。新型コロナウイルス感染症の5類移行後に初めて迎える正月で、家族や友人で集まる機会の増加を見込んで大人数用の商品を強化する一方、コロナ下で伸長した小サイズ品を引き続き展開する店も。原材料高で販売価格が5~10%上昇する中、各店は販売方法を見直したり、若年層に人気の商材を拡充したりして、顧客の獲得とつなぎ止めに工夫を凝らす。 松坂屋静岡店(静岡市葵区)は、親族などで集まるだんらんの機会が本格的に回復するとみて、4~5人用の4段重(税込み3万7800円)計3点を初めて用意した。京都の料亭などが監修し、イセエビやカニといった高級食材をふ
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静岡県内初の水素バス導入 しずてつジャストライン 11月中旬から2台運行
静岡鉄道グループのしずてつジャストライン(静岡市葵区)は10日、静岡県内で初めて導入した、水素で走るFC(燃料電池)バス2台を関係者にお披露目する式典を同区で行った。 トヨタ自動車製で、定員は78人。1回30分の水素充塡(じゅうてん)で約220キロを走行できる。11月中旬に運行を始め、路線バスとして主に市中心部で使用する。外部給電機能を備え、4人世帯の20日分の電力を供給可能という。 式典では関係者らがテープカットに臨んだ。三浦孝文社長は「スムーズな加減速や静かな走りが特徴。快適な乗り心地を顧客に提供でき、運転手の負荷軽減にもつながる」と述べた。 同グループの脱炭素社会実現に向けた取り
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6年ぶり、静岡市街地にスケートリンク I Love しずおか協議会
静岡市葵区の中心市街地活性化を目指す「I Love しずおか協議会」は7日、青葉シンボルロードのイルミネーションをはじめとした冬季イベント「冬しず2023~24 おまちワンダーランド」の詳細を発表した。期間は17日から来年2月12日まで。スケートリンクを葵スクエア(同区)に6年ぶりに開設するなど、中心街への誘客策を本格的に展開する。 17日午後5時からのイルミネーション点灯式を皮切りに、多彩なイベントを開催する。スケートリンクは12月23日から来年1月8日まで(大みそかと元日は休業)。利用料は大人千円、高校生以下700円。 11月~来年1月の第3土曜日は「おまちステージ」と題し、複合型エ
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労働力確保、組合発足へ 島田・川根地区 特定地域づくり制度活用
過疎地での人手不足解消を目指し、国が2020年に制定した「特定地域づくり事業協同組合制度」を活用した静岡県内初の組織が、島田市川根地区で年内に発足する。地元企業が出資してつくる組織「茶のまち川根事業協同組合」が、20~30代の移住者を県内外から募集・雇用し、24年度から季節や繁忙期に応じ、企業間で労働力として共有する。 県中小企業団体中央会が一昨年に同地区で開いた制度周知の懇談会を契機に、組合発足に向けた準備が進んでいた。 組合は林業や茶業、電気工事業など10社で構成し、県と自治体の財政支援を受けて移住者を雇用する。事業者は労働力を必要とする時期にのみ得ることで人件費を削減し、移住者は複
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静岡県内最大級 バンダイ公式カプセル玩具売り場11月1日開店 静岡の駿河屋本店、700台設置
ホビー商材販売の駿河屋を運営するエーツー(静岡市駿河区)は1日、同市葵区の駿河屋本店「駿河屋ビル」1階に、バンダイ(東京都)公式のカプセル玩具売り場をオープンする。近年人気が高まる品を売り場に加えて商材の多角化を進め、誘客を図る。 他メーカーの商品と合わせて約700台を設置し、フィギュアやアニメキャラクターのキーホルダーなどを扱う。価格は300~500円程度。 エーツーの担当者は「県内でも最大級の品ぞろえになっている。通常の買い物と合わせて楽しんでほしい」と話す。
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ハロウィーンの仮装と買い物でくじ引き 静岡市中心街、29日まで
静岡市葵区の中心市街地活性化を目指す「I Love しずおか協議会」と同市は28日、小学生以下を対象に、ハロウィーンに合わせたくじ引きイベントを静岡伊勢丹1階の特設カウンターで始めた。29日まで。 市内で買い物をした500円以上のレシートを仮装姿でカウンターで提示すると、くじ引きが1回できる。買い物エリアは市内であれば中心地、郊外問わない。知育玩具や映画のチケット、菓子などが当たる。 同協議会の担当者は「くじ引きをきっかけに、消費者の購買意欲を刺激できれば」と話した。
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「御伝鷹(みてた)」合言葉にお菓子ゲット! 静岡市葵区でハロウィーンイベント
静岡市葵区の御幸町、伝馬町、鷹匠1丁目商業の3発展会などは28日、ハロウィーンイベントを同区中心市街地で開いた。魔法使いやアニメキャラクターに扮(ふん)した小学生以下の子どもたちが、周辺店舗を巡り歩いた。 参加者は各発展会の加盟店や大型商業施設で「御伝鷹(みてた)」の合言葉を口にし、菓子とスタンプを集めたり、風船を受け取ったりして楽しんだ。 同イベントは新型コロナウイルス禍を挟んで4年ぶりに通常規模で開催した。
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「中心街にぎわってきた」 静岡商議所 岸田会頭 駿河屋新本店効果に
静岡商工会議所の岸田裕之会頭は26日の定例記者懇談会で、今月上旬に静岡市中心街にホビー商材販売の駿河屋新本店が開業した効果について「若者を中心に街中がにぎわってきたのでは」との認識を示した。 岸田会頭は「静岡マルイ閉館以降、周辺の地盤沈下を感じていた」と駿河屋開店を歓迎した。その上で「一つの事象として終わらせることなく、商議所としても、街全体での連携イベントを仕掛け、若者に魅力のあるまちづくりをしていきたい」と語った。 一時1ドル=150円台まで進行した円安やエネルギー・原材料の価格高騰には「消費者が購買量を減らす動きも出てくるのでは」と懸念。極端な円安は「国力の衰退を示す。現状は非常に厳し
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民間学童保育、独自色で勝負 静岡県内企業、参入増加 保護者の教育熱刺激
共働きやひとり親家庭の子どもを預かる学童保育事業を手がける静岡県内企業が増えている。公立の放課後児童クラブにはない独自の指導内容が、教育熱心な保護者から支持を集める。待機児童は前年比で減少したが解消までには至らず、利用がかなわない家庭もある。各事業者はサービスや魅力に磨きをかけ、放課後の居場所を望む家庭に受け皿として存在価値を高めて収益へとつなげる。 待機児童の受け皿に 放課後児童クラブは、国の放課後児童健全育成事業に基づいて運営され、一定の要件を満たして、各自治体に届け出たクラブ。県こども未来課によると、2022年5月現在の県内の民立民営の放課後児童クラブは64クラブで、15年同月比で
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商工会女性部、静岡に集結 県内で全国大会初開催
「商工会女性部全国大会inしずおか」(全国商工会女性部連合会、県商工会女性部連合会主催)が18日、静岡市駿河区のグランシップで始まった。県内開催は初めて。全国から集まった女性部員約2200人が19日まで、地域商工業の振興と発展に向けて交流を図る。初日に実施された主張発表大会で九州ブロック(長崎県・対馬市商工会女性部)の小川博子さんが最優秀賞に輝いた。 主張発表大会には各ブロックの代表者計6人が参加した。小川さんは、観光客が減少する中、ひな壇飾りを集めたり、観光名所付近にヒマワリを植えたりするなど独自の地域活性化事業について発表した。 東京大薬学部の池谷裕二教授(藤枝市出身)が「脳から考え
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駿河屋新本店オープン 静岡・旧マルイ跡に国内最大級の旗艦店 朝からファンが列
ホビー商材販売の駿河屋を運営するエーツー(静岡市駿河区)は6日、同市葵区の旧静岡マルイ跡に整備していた駿河屋新本店をオープンした。国内約120店舗を展開する駿河屋の旗艦店で、商品約1千万点をそろえ、体験スペースを複数備えるなど、国内ホビー商材販売店として最大規模。訪日客の回復や社会経済活動の正常化を好機と捉え、国内外のホビーファンを市中心市街地に呼び込み、交流人口増加を図る。 同社によると、同日午前7時ごろからファンが店先に列を作った。午前9時の開店と同時に約300人が続々と入店した。列の先頭に並んだ埼玉県の男性会社員(49)は前夜に付近のホテルに宿泊。「開店を心待ちにしていた。好きなゲー
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静岡・クーポール会館が再開 貸し会議室や宴会利用、CSA不動産が運営
新型コロナウイルスの影響で2021年8月末から閉館していた宴会場クーポール会館(静岡市葵区)が2日、営業を再開した。CSA不動産(同区)が貸し会議室などとして運営し、社会経済活動の正常化に伴う団体利用の需要拡大に対応する。 建物は8階建てで、1階を新聞や飲料を備えた会員制ラウンジ、2階以上の9室を貸し会議室や宴会場として提供する。最大収容人数が25~157人と異なる規模の空間を提供し、一般の個人やグループ、企業、自治体の利用を見込む。 ウェブ予約が可能で、1室の使用料は平日午前9時~午後6時で税込み3万1900円から。 同社の小島孝仁社長は「再開への反響が大きく、運営に責任を感じている
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ビール減税、販促強化 静岡県内小売店、コスト増で下げ幅苦慮 10月酒税法改正
10月の酒税法改正によるビール系飲料などの税額変更を受け、県内小売店でも新ジャンル(第三のビール)の駆け込み需要がみられるほか、新ジャンルとの価格差縮小に伴うビールの消費拡大が予想されている。各店が法改正前後の販促に力を注ぐ中、コスト増加を理由に10月以降の値付けを悩む様子も散見された。自社の利益確保と消費喚起の両立が可能な対応を模索している。 県中部で食品スーパー8店舗を展開する富士屋(焼津市)は、いずれの商品も、税額の変動に合わせた売値を設定する方針で、新ジャンルの酒税増額を知らせるポップを売り場に設置している。10月以降はビールの価格低下を周知し、売り場を拡充する。 谷口豊彦バイヤ
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けやきプラザにダイソー関連ブランド 静岡県内初出店 10月27日オープン
7月閉館した静岡東急スクエアの後継施設「けやきプラザ」(静岡市葵区伝馬町)は28日、同施設1階に100円ショップ「ダイソー」関連3ブランドが出店し、10月27日にオープンすると発表した。 ダイソーに加え、品質やデザイン性の高さを追求した日用品を扱う「スタンダードプロダクツ」と、女性に人気のかわいらしい雑貨をそろえる「スリーピー」の両ブランドが静岡県内に初進出する。 売り場面積は合計約1200平方メートル。3ブランドの複合店は国内外で16カ所目となる。
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静岡空港上海線 3年7カ月ぶり定期便再開 集客に苦戦、処理水で一変
新型コロナウイルスの影響で運休していた静岡空港の中国・上海線が24日、運航を再開する。訪日旅行需要の本格回復を期待し、静岡県内の観光・宿泊事業者が中国人客の受け入れ態勢を整えている。3年7カ月ぶりの定期便再開で、中国からの団体客が各地を訪れることが期待される一方、8月下旬に始まった東京電力福島第1原発の処理水放出による対日感情の悪化から予約がキャンセルされる事例も見られる。関係事業者は中国の動向に気をもみながら、集客策を練る。 茶文化発信施設「玉露の里」(藤枝市)では、中国政府が停止していた日本への団体旅行を解禁した8月から茶室での茶道体験目当ての中国人客が増え始めた。静岡発着の上海線再開
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カット野菜のヤマセイ(磐田)冷食製造販売に参入 規格外活用、自社キャベツで「ギョーザ」
業務用カット野菜製造のヤマセイ(磐田市)は、自社で栽培する野菜を使った冷凍食品の製造販売事業に乗り出した。品質に問題はないが、カット野菜に利用できない規格外品も活用する。食品ロス削減や循環型製造などストーリー性のある商品で発信力を強化するとともに、光熱費や原材料が高騰する中で利益率を引き上げ、経営基盤安定化につなげる。 同社は創業以来約30年手がけるカット野菜製造や食肉加工のノウハウを生かした新商品づくりを模索。市内で栽培しているキャベツを活用しやすいギョーザから手がけることにした。 約1億円を投じ、1日最大8万個のギョーザを製造できる工場と直売所を自社敷地内に設けた。キャベツの切り方を
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駿河屋新本店 10月6日オープン ホビー販売、体験型スペースも
ホビー商材販売の「駿河屋」を運営するエーツー(静岡市駿河区)は21日、同市葵区の旧静岡マルイ跡に整備していた駿河屋新本店の開業日を10月6日に決めたと発表した。 地上9階建て、延べ床面積約1万6千平方メートル。1~4階をプラモデルやフィギュアなどを扱う店舗として使用する。ホビー商材販売店として国内最大級の規模という。来店客が自前の鉄道模型を走らせるジオラマやモデルガンの試し撃ちスペースも用意する。5~9階には本社機能を移す。 同区紺屋町の現本店を新本店の一部として存続させ、合計の売り場面積を現本店の約6倍に広げる。10月6日以降も、商材を増やしながら売り場を段階的に拡張し、年内の完全オー
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上海線再開を歓迎 静岡商議所会頭 新興企業連携継続を
静岡商工会議所の岸田裕之会頭は14日の定例記者懇談会で、新型コロナウイルスの影響で運休していた静岡空港の中国・上海線が24日に運航を再開することについて「1人でも多くの観光客に良い思い出を国に持ち帰ってもらい、(本県への観光の)輪を広げてほしい」と期待した。 岸田会頭は、東京電力福島第1原発の処理水放出を巡る中国からの不審電話について、会員事業所では大きな影響は見られないとしつつ「現地を観光し、交流することが、現状の理解につながる。国は科学的根拠を示しながらの説明継続を」と求めた。 首都圏などのスタートアップ(新興企業)と県内企業をつなぐ県のマッチング事業に関しては、「首都圏などと比べて
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ラグビーW杯開幕 桜戦士、商戦熱く 静岡県内、盛り上がり期待
ラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会は8日(日本時間9日)開幕。日本代表の初戦(チリ戦)が10日に迫り、静岡県内でユニホームや書籍など関連商戦が盛り上がってきた。本県が試合会場の一つとなり、日本が強豪国相手に勝利するなど躍進した前回の日本大会と比べて「盛り上がりに欠ける」との指摘もあるが、各店は新型コロナウイルスの5類移行で上向く個人消費に期待し、喚起策を講じて4年に一度の商機に照準を合わせる。 着て レプリカユニホームなど応援グッズ売り場を特設したSPOPIAシラトリ静岡ジャンボ店(静岡市葵区)には、7月下旬から消費者の問い合わせが増えている。9月初旬時点の中心購買層は40~5
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静岡・クーポール会館 10月2日営業再開 貸し会議室や宴会場整備
静岡市中心街で閉館中の宴会場クーポール会館(同市葵区)が10月2日から、貸し会議室などとして営業を再開することが、5日までに分かった。新型コロナウイルスの5類移行など社会経済活動の正常化に伴う貸し会議室の需要増加に対応する。 同区のCSA不動産が運営し、会館名を継続使用する。8階建て建物を一部改装し、1階に新聞や飲料を備えた会員制ラウンジ、2階以上に9室を用意し、貸し会議室や宴会場として提供する。個人や企業、自治体などの利用を見込む。 従来は対応していなかったウェブ予約システムを整え、利便性を高める。午前9時~午後6時の1室使用料は税込み3万1900円から。 同社の中心事業である貸し会
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エーツー“目利き”の採用推進 専門人材「ジョブ型雇用」、1年でトレカ売り上げ伸長
ホビー商材販売の「駿河屋」を運営するエーツー(静岡市駿河区)は、専門的な知識や能力、経験を持つ人材を雇用する「ジョブ型雇用」を推進している。主力商品のトレーディングカード(トレカ)の価値判断ができる専門人材を採用した結果、約1年でトレカの売り上げが大幅に伸長した。適正な値付けができる人材を配置して収益性と顧客満足度を同時に高め、従業員の待遇改善につなげる好循環も生まれている。 同社は2022年8月以降、市場動向を分析した上で商品価値を判断し、自社の売買価格を決める「商品部」にトレカショップでの勤務経験者ら4人をトレカスペシャリストとして採用した。 高額な品もあるトレカは、豊富な知識と高
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猛暑に「熱い」サングラス市場 外出機会増加、個性アピールで需要
新型コロナウイルスの5類移行に伴い、静岡県内の小売店でサングラスの販売が伸びている。外出機会が増える中、強い日差しや紫外線から目を保護する目的だけでなく、個性を表すための装身具としての需要も増加。各事業者は独自商品を用意したり、使用状況の聞き取りや提案を強化したりして、コロナ禍で低迷した売り上げの挽回に尽力する。 浜松市中区の眼鏡店「エフェクト」では、7月のサングラスの売り上げが前年同月比2割増加した。定番の濃い色のレンズが回復傾向にあるが、コロナ下でマスクと合わせて身に着けやすいと人気だった淡い色のレンズも堅調という。 同店は独自開発した緑や青、ピンク系など15色のレンズを用意。濃淡も
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記者コラム「清流」 ウナギと生物多様性
夏の商戦を取材した静岡市葵区の静岡伊勢丹では、土用の丑(うし)の日を前に、ウナギのかば焼きの予約販売が好調だった。身近な食材だが、ニホンウナギは絶滅危惧種。いつか食卓から消える可能性もある。 絶滅回避へ人間ができることの一つが、水辺の環境保護。餌となる他の魚や虫が豊富に存在する「生物多様性」の保全が鍵だ。 水辺の環境整備では、アメリカザリガニなど外来種の駆除がよく知られるが、在来種であっても、別地域から導入されれば、「国内外来種」として地域特有の遺伝子を汚染するなど生態系への脅威となる。 遠方から持ち込んだホタルや川魚を善意で放流する様子を見る度に、複雑な気持ちを抱く。ウナギや他の生物
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個人消費 5割超が「拡大」傾向 制限緩和で期待高まる【景気ウオッチ’23夏 ~トップアンケートから㊦】
新型コロナウイルスの5類移行で、コロナ前の2019年並みへの回復が期待される個人消費。各社の経営トップに23年下期の見通しを尋ねたところ、行動制限の解除による交流再開などを背景に、過半数が現状から消費はさらに上向くとの見通しを示した。 「拡大」との回答は2・2%で、「緩やかに拡大」は54・4%。「コロナ下の制限が緩和され、人の行動範囲が広がったため」(製造業)など、多くの企業トップがコロナの感染法上の位置付け変更を理由に挙げた。「給与と賞与の大幅増により、リベンジ消費がしばらく続く」(遠藤一秀遠藤科学会長)と、所得拡大が購買意欲の増進に寄与するとの見方もある。 ただ「横ばい」との回答も3
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駿河屋新本店 買い取り開始 静岡・旧静岡マルイ跡 全面開業は秋以降
ホビー商材販売の「駿河屋」を運営するエーツー(静岡市駿河区)は22日、同市葵区の旧静岡マルイ跡に開業予定の駿河屋新本店で、中古品の買い取り業務を開始した。物品販売を伴う全面開業は10月以降を予定する。買い取りを先行させて商材の充実を図りつつ、新本店の周知を図る。 駿河屋ビルと名付けた建物は地上9階建て、延べ床面積約1万6千平方メートル。1~4階をプラモデルやトレーディングカード(トレカ)、フィギュアなどを扱う店舗として使用し、5~9階には本社機能を移す。 同区紺屋町の現本店は新本店の一部として存続させ、合計売り場面積を現本店の約6倍に広げる。年内に全ての売り場をオープンさせる。 同日、
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日本生物学五輪の入賞者表彰 本選、静岡県初開催 24年夏世界大会代表も決定
全国の中高生が生物学の知識を競う日本生物学オリンピック2023本選大会(国際生物学オリンピック日本委員会など主催)は最終日の20日、結果発表を兼ねた表彰式を静岡市駿河区の静岡大静岡キャンパスで行った。 本選大会の静岡県内開催は初めて。金、銀、銅賞計40人などが賞状とメダルを受け取った。来年7月にカザフスタンで開かれる世界大会の日本代表候補12人も決めた。 全国104会場で行われた予選を突破した80人が出場し、3泊4日の合宿形式で植物学や動物学に関する実験を行い、観察眼や考察力を競った。 (経済部・駒木千尋)
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静岡県内運送・バス事業者 若手の育成充実に力 指導者採用や訓練施設【迫る 24年問題】
静岡県内の運送・バス事業者が、運転手の残業時間に上限が設けられる「2024年問題」への対応の一環として、若手従業員の教育に注力している。大型車両の運転経験が浅い若手の技術を円滑に引き上げる環境を充実させることで、現場で長期にわたって主力となり得る人材の確保や増強につなげる。 島田市の運送業「山岸運送」は19年ごろから、自動車教習所の教官経験者が新入社員らを指導している。同社幹部が教習所関係者との雑談をきっかけに紹介を受け、添乗指導員として採用した。 若手のトラックに同乗し、ハンドルの回し方やブレーキの踏み方といった基本的な実技を指導する。事故を起こすなどして再教育の対象となった社員には、
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静岡にホテルウィング開業 プラモなど発信 七間町「ワシントンプラザ」跡地
静岡市葵区七間町のビジネスホテル「ホテルウィングインターナショナル静岡」が10日、オープンした。プラモデルを活用して地域活性化を図る市に賛同し、館内に模型作り専用スペースを設けるなど、平日のビジネス需要に加え、愛好家らの週末利用を見込む。 昨春に営業を終えた静岡北ワシントンホテルプラザの後継施設。鉄骨・鉄筋コンクリート造の11階建てに、シングルとダブルなどの客室計186室を備えた。青色の天井クロスや緑色のカーペットで、富士山や茶畑をイメージした。 模型専用スペースに塗装で使うエアブラシや排気設備を、ホテル前に模型の部品群をイメージした「プラモニュメント」を設けた。 ホテルを運営するミナ
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スーツケース販売好調 コロナ5類後の夏休み 久々の旅行、高め売れ筋
新型コロナウイルスの5類移行後初の夏休みシーズンを迎え、県内小売店でスーツケースの販売が伸びている。コロナ禍後の“リベンジ消費”の追い風が吹く中、使わずにしまい込んでいた数年間で部品が劣化して買い替える需要も多い。海外旅行を間近に控えた消費者からの問い合わせも増え、各店は「積極的な商品提案で、近年低迷していた売り上げを挽回したい」と意気込む。 「学校のアメリカ研修旅行のためにスーツケースを買った。将来の夢に向けて海外で学ぶ機会が楽しみ」。静岡市葵区の男子中学生(14)は声を弾ませた。こうした生徒・学生をはじめ、ビジネス関係者や旅行愛好家らのニーズがじわりと増え始めた
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CMグランプリ入賞16作品表彰 静岡県広告協会
静岡県広告協会(会長=大須賀紳晃静岡新聞社・静岡放送社長)は9日、静岡県CMグランプリの表彰式を静岡市駿河区で行った。テレビ、ラジオの両部門で入賞した16作品の広告主や広告会社、制作会社をたたえた。 テレビ部門の最優秀賞は、静岡銀行の企業CM「相続 とりわけ」編。食事を取り分ける様子を相続に見立て、コミカルに仕上げた。同行の小杉伊知郎ライフプランサポート部長は「CMを通じて顧客に話題を提供し、相続の悩み解決につなげたい」と述べた。 ラジオ部門の最優秀賞は三幸コーポレーションの企業CM「アジェンダ」編と「ピアノ」編。同社の斎藤哲一社長は「選出され喜んでいる。受賞を今後の糧にしたい」と語った
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マークイズ静岡にふれあい動物園 11月、伊豆シャボテン公園出店
伊豆シャボテン公園(伊東市)は11月、静岡市葵区の大型商業施設「マークイズ静岡」に国内5カ所目、県内初の出店となる屋内型ふれあい動物園「アニタッチ」をオープンする。 約480平方メートルの区画に約30種300匹以上の動物を展示する。湯に入るカピバラや、柵が無い空間で木に登るイグアナなどの生態を間近で観察できる。ジャコウネコ科の希少動物ビントロングへの餌やり体験も可能にする。 担当者は「身近な場所で動物に親しんでもらい、伊豆シャボテン公園への誘客につなげたい」と話す。
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静岡県内観光「逃せぬ夏の商機」 コロナ5類移行後 初の長期休暇シーズン 挽回に全力、被災地域は勢い欠く
新型コロナウイルスの5類移行後初の夏休みシーズンに入り、静岡県内の観光・宿泊事業者が商機を逃すまいと誘客対策を強化している。社会経済活動の正常化に伴い国内レジャー需要は回復基調で、訪日外国人客も急増。全国の観光地との激しい競争の中、各事業者はコロナ禍からの挽回に全力を挙げる。一方、昨年の台風15号の影響で客足が完全に戻らない観光地もあり、復調度合いに地域格差も見られる。 西伊豆町の宿泊施設ロッジ・モンドには、政府の水際対策が終了した4月末以降、海外からの予約が集中し、7月の客数は前年同月比4割増に。山林を走るマウンテンバイクのツアーや、駿河湾でのカヤックフィッシングといった独自の体験型企
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静岡人インタビュー「この人」 静岡県商工会青年部連合会の会長に就いた 吉村隆さん(静岡市清水区)
今春から静岡県内34商工会青年部の会員約1100人を束ねる。静岡市清水区で金属スクラップの回収や分別を担う東海金属の専務。静岡市清水商工会青年部所属。40歳。 -連合会の課題は。 「会員が減少し続けていることだ。親が会員でもその子どもが入会しなかったり、廃業が増えたりしていることが原因。45歳で定年を迎える退会者を上回る入会者を集める必要がある。事業サポートのほか、異業種交流で得られる知見などの利点をアピールし、今まで以上に若手経営者に声をかけていく」 -任期中の目標を。 「新型コロナウイルス禍で鈍っていたイベント活動を再び活性化させる。複数の青年部による合同企画で、各地の魅力や会員
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生活防衛に知恵絞る 進化する省エネ家電 バテ防止スタミナ食 続く酷暑、夏商戦も過熱
酷暑が連日続く中、静岡県内小売店で暑さ対策の商戦が活発化している。電気代高騰に伴い消費者が節電や生活防衛の意識を高めているのに応じ、各事業者は省エネ型の家電、夏バテ対策に役立つスタミナ食材を積極的に発信。新型コロナウイルスの5類移行後初の夏休みを迎え、帰省で家族が集まる機会は増えるとみて、需要喚起に知恵を絞る。 コジマ×ビックカメラ静岡店(静岡市駿河区)では、電圧が一定で一方向のみに電流が流れる「DC(直流)モーター」を搭載した扇風機が注目を集める。消費電力がAC(交流)モーター型の約半分と高い節電効果が特長で、標準使用期間も2倍と長い。 中心価格帯は1万円強とAC型の約2倍
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イケア限定店舗 JR静岡駅ビル「パルシェ」に 8月27日まで
スウェーデン発祥の家具大手イケアの日本法人イケア・ジャパン(千葉県)の期間限定店舗が14日、JR静岡駅ビル「パルシェ」にオープンした。8月27日まで。 チャック付きポリ袋や収納家具、ぬいぐるみなど約230種を取り扱う。各店舗の飲食スペースで人気の高いホットドッグの冷凍商品も用意する。8月は家具の組み立てを体験するワークショップも開く。 限定店舗は昨年に続き2回目。担当者は「県内にはEC(電子商取引)サイトの利用者が多い。実際に商品を目で見て、買い物を楽しんでほしい」と話す。
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成長施策巡り意見交換 静岡で中部地方整備局、県商議所連
中部地方整備局と県商工会議所連合会は12日、県内経済の成長施策などに関する意見交換会を静岡市葵区のホテルで開いた。県内15商議所の会頭らが、地域振興やインフラ面の課題、要望を説明した。 冒頭以外は非公開。会終了後の取材に応じた同局担当者によると、水害予防のための河川整備に関する質問に加え、観光誘客促進や渋滞緩和を目的とした道路整備の要望があったという。同連合会の岸田裕之会長は「多くの意見が出た有意義な会合だった。今後も地元の経済団体として、地域の課題を正確に伝えていきたい」と語った。 同市清水区の国道1号静清バイパス「清水立体工事」現場で発生した橋桁落下事故について、同局の佐藤寿延局長は冒頭
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5月新車販売34.1%増 9カ月連続 軽は11.5%増
日本自動車販売協会連合会県支部が発表した5月の県内新車販売台数(登録ベース、軽自動車を除く)は前年同月比34・1%増の6152台だった。半導体など部品不足の緩和傾向が続き、9カ月連続で前年同月を上回った。 乗用は36・6%増の5396台、貨物17・0%増の660台、特種・特殊28・6%増の90台、バス50・0%増の6台だった。同支部の担当者は「2ケタ増が続くが、部品不足がより深刻だった前年の反動。前年を割ったメーカーも一部あり、依然として本格的な回復は見通せない」と語る。 県軽自動車協会によると、軽自動車の販売台数は11・5%増の5303台で、9カ月連続で前年同月を上回った。内訳は乗用が
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静鉄ストア、物流拠点藤枝に集約 24年問題に対応
静鉄ストア(静岡市葵区)は、同区と焼津市に分散する物流拠点を集約した「藤枝統合センター」を藤枝市水上に立ち上げ、10月から稼働する。1日当たりトラック約15台分の配送効率化を見込み、運転手不足が懸念される「2024年問題」に対応する。来年10月には精肉加工を一括して担うプロセスセンターを同市内で稼働する予定で、原材料・エネルギー高が続く中、コスト低減による収益力強化を図る。 新拠点は国道1号谷稲葉インターチェンジから約2キロ南に位置し、施設の建設を山岸運送(島田市)、運営をストーク(焼津市)が担う。建物は鉄骨造り2階建て、延べ床面積約8800平方メートルと、現状の2倍強の空間を確保し、1
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「山の洲」静岡、山梨、長野、新潟から特産品やグルメ集合 静岡伊勢丹
静岡、山梨、長野、新潟4県の特産品を発信する「バイ・山の洲(やまのくに)」物産展が5日、静岡市葵区の静岡伊勢丹で始まった。10日まで、各県の果物や加工食品を販売する。 地域経済交流事業の一環で、今年で2回目。約30の事業者がブースを並べ、静岡のチーズや浜松ギョーザのほか、山梨の桃、新潟のかまぼこ、長野のソースカツ丼などを扱っている。各県の観光地や食文化を紹介するパンフレットも用意した。 静岡伊勢丹の秋野孝三社長は新型コロナウイルスの5類移行を踏まえ、「昨年はできなかった試食や試飲をしながら買い物を楽しんでほしい。今後も全館を挙げて4県の衣食住の魅力を発掘、発信していく」と述べた。
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最新ロボット技術、静岡県内外70社が紹介 TOKUDEN展示会
産業用機械製造・卸売りの特電(沼津市)の「TOKUDEN展示会」が29日、静岡市駿河区のツインメッセ静岡で始まった。原材料費や光熱費の高騰、人手不足を背景に需要の高まりが想定される「ロボット技術」や「カーボンニュートラル」、「スマート工場」をテーマに、県内外70社が最新技術を紹介している。30日まで。入場無料。 アイエイアイ(同市清水区)は、製造現場で広く使用されるエアシリンダー(エアー式駆動装置)よりも動作のぶれが少なく、節電が期待できる電動アクチュエーター(電動式駆動装置)を展示した。表示灯メーカーのパトライト(東京都)が手がける、設備の稼働状況を一括で監視できるシステムも注目を集めた
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スーパー販売2.4%増 百貨店は4.4%増 4月の静岡県内
関東経済産業局が発表した4月の静岡県内百貨店・スーパーの販売額は、既存店ベースで前年同月比2・7%増の356億3千万円だった。スーパー155店の販売額は2・4%増の303億1400万円で、3カ月ぶりに前年実績を上回った。 飲食料品は2・2%増の243億7300万円だった。県中部のスーパー関係者は「社会経済活動の正常化に伴う行楽需要の高まりで、総菜やバーベキュー用の精肉販売が堅調に推移した。物価高の影響で客単価も上昇した」と語った。 百貨店3店は4・4%増の53億1500万円と、4カ月連続で前年同月を上回った。主力の衣料品は5・4%増の17億1600万円。宝飾や化粧品などのその他の商品は3
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「とらや」全店順次閉店 静岡県内で衣料・日用雑貨販売 コロナ禍で経営悪化
衣料品・日用雑貨販売店を展開する「とらや」(静岡市清水区)は26日までに、県内全26店舗を9月下旬までに順次閉店すると発表した。新型コロナウイルス禍や光熱費上昇などで経営環境が悪化し、創業70年の節目に合わせて営業終了を決めた。 1953年に創業し、静岡、沼津、富士、焼津、藤枝の5市と長泉町に店舗を展開する。肌着や靴下、タオルなどを手ごろな価格で提供し、ファミリー層の支持を集めてきた。新システム導入にも積極的で、70年代に業界でいち早くPOS(販売時点情報管理)システムを採用したほか、2019年には自社の物流倉庫に自走式搬送用ロボットを導入し、省人・省力化に対応した。 ただ近年は、新型コ
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お中元商戦 手渡し・常温品に注目 節電の夏想定し冷菓も 静岡県内百貨店
静岡県内の各百貨店で中元の注文受け付けが始まった。新型コロナウイルスの5類移行後初の商戦で、各店は品物を対面で渡す需要増に応える持ち運びしやすい常温商品をそろえるほか、光熱費上昇で節電が広がるとみて、冷菓など暑さを乗り切る商材を用意する。関係者は「実質賃金の目減りなど賃上げ効果は感じられず、贈答市場も収縮傾向。消費者の生活実感に合わせた商品提案で状況を打開したい」と策を練る。 「社会経済活動の正常化に伴い、品物を対面で贈る機会が増える。外気温に左右されない商品の需要が高まるのでは」と予測するのは、静岡伊勢丹(静岡市葵区)営業統括部の小籏大祐バイヤー。同店は地場産品約120点を集めた恒例企画
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ヴィノスやまざき 事業基盤強化へ サントリー傘下に 全株譲渡
酒類販売のヴィノスやまざき(静岡市葵区)は21日までに、サントリー(東京都)に全株式を譲渡し、連結子会社として同社傘下に入ることで合意した。ヴィノスやまざきの種本祐子社長はサントリーの経営資源を活用して事業基盤を強化し、デジタル化や人材育成を進める方針を明らかにした。 契約は6月20日付で、株式の譲渡額は非公表。社名や経営陣を含めた雇用は維持する。 ヴィノスは1913年に酒販店として創業し、90年代にワインの直輸入を開始した。商社を通さず消費者の声を生産者に伝えながら、商品を調達する仕組みを構築した。 売り上げは店頭とウェブが9割以上を占める。新型コロナウイルス下でも在宅需要が堅調に推
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平屋住宅に若い世帯関心 リモート勤務普及し郊外需要増 静岡県内追い風 育児、防災でも利点
静岡県内で新築一戸建ての購入を検討する若い世代で、平屋住宅への関心が高まっている。一般的に2階建て住宅よりも広い土地が必要とされるが、新型コロナウイルス下のリモートワークの普及で郊外に住むニーズが増加したことが追い風に。各住宅メーカーは提案力を高めて顧客獲得を図る。物価上昇で実質賃金が減少する中、購入しやすい低価格商品を打ち出す業者もあり、需要を喚起している。 富士市のハウスメーカー「nattoku住宅」ではこの2~3年、「平屋」での検索を経た同社ウェブページの閲覧が増えた。市街地付近に住む必要性が薄れ、郊外の広い土地を割安で購入できたことから平屋の建設を決めた顧客もいる。「階段がなく、子
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アスティ静岡 7月から順次新装開店 11月グランドオープン
ジェイアール東海静岡開発(静岡市葵区)は7月12日から、JR静岡駅構内の商業施設「アスティ静岡」を順次改装オープンする。新型コロナウイルス下で高まった“プチぜいたく”需要に応じる食料品店や雑貨店、旅行需要の回復に応じた関連商品・サービスの取扱店などを加えた。 同日は第1期として旅行かばんの「エース バッグスアンドラゲージ」や外貨両替の「トラベレックス」、県内初出店の中華料理店「台湾小籠包」など計10店が営業を始める。 グランドオープンとなる第2期は11月下旬を予定する。県内初出店の雑貨店「無印良品500」や、出店交渉中の高級食材販売店など、第1期と合わせ計22店舗
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エーツー海外初進出 日本のホビー文化発信 「駿河屋」店舗、台湾開設へ
ホビー商材販売の「駿河屋」を運営するエーツー(静岡市駿河区)は12日までに、本年度内をめどに台湾に進出する方針を固めた。関係者への取材で分かった。同社として海外初の実店舗を開設するほか、現地に物流倉庫と台湾専用のEC(電子商取引)サイトを立ち上げ、収益拡大とホビー文化の発信を図る。杉山綱重社長は「日本のアニメやゲームの人気が高い台湾の消費者に、ホビー商材を素早く広く届けていく」と意気込む。 若者文化の発信地として知られる台北市西門町の商業ビルに出店する。店舗面積は約千平方メートルで、プラモデルやフィギュア、アニメ関連雑貨など新品・中古合わせて約40万点を取り扱う。初年度の売上高目標は約7億
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アクリルをファッションに 静岡の企業がブランド立ち上げ
アクリル樹脂加工・販売業のゼロミッション(静岡市駿河区)が、アクリル製装飾品ブランド「A+(エープラス)」を立ち上げた。新型コロナウイルス下で身近になった素材の軽さや強度、透明度の高さに着目。脱コロナを契機に、デザイン性を追求した商品のファッションへの活用を提案する。 これまでもアクリル製の耳飾りなどを展開してきたが、近年の「魅力的な商品に惜しみなく金を払う人が増えている」(天野久輝社長)という消費傾向を踏まえ、洗練された意匠が特長の高価格帯ブランド創設を決めた。 第1弾としてブレスレットを開発し、販売を開始した。多面体に削ったパイプの内側にサンドブラスト加工を施し、光の乱反射で輝く水面
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農業法人誘致へ新組織 静岡県が市町、JAと 耕作放棄に歯止め
静岡県は31日、規模拡大に意欲的な農業の担い手確保に取り組む組織「静岡県農業法人誘致推進連絡会」を発足し、初会合を静岡市駿河区で開いた。全35市町や県内のJAが参画し、担い手急減に伴う耕作放棄地の増大に歯止めをかけるため、誘致活動を全県的に展開する。 県は市町別にアクションプランを策定し、農業法人誘致を進めていく基本方針を示した。プランには気候や主要消費地へのアクセスといった市町ごとに異なる営農の利点を盛り込むほか、誘致の対象とする法人を絞り込んで作物や販売形態などで異なるニーズに即した農地をより迅速に提供できる態勢を敷く。 県は各市町のプランを基に、誘致候補となる農業法人を洗い出す。情
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静岡ホビーショーに多くのファン 久々の「静岡交流」 海外模型愛好家も
静岡市駿河区のツインメッセ静岡で開かれている静岡ホビーショー(静岡模型教材協同組合主催)は4日目の13日、新型コロナウイルス流行前の2019年以来4年ぶりの来場となる外国人を含め、一般客を招待した。愛好家が力作を持ち寄る「モデラーズクラブ合同作品展」には、国内外の約300団体が参加し、交流を深めた。14日まで。 飛行機や車の模型、姫路城や小田原城をはじめとした古城のジオラマなど計1万点以上が並んだ。多くのファンが詰めかけ、作品をルーペで観察したり、写真撮影したりして楽しんだ。国内の出展者と、欧米や東南アジアといった海外勢が、作品の製作方法について語り合い、交流する場面も見られた。 初参加
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小中高生4000人、模型の魅力体感 静岡ホビーショー招待日
静岡市駿河区のツインメッセ静岡で開かれている静岡ホビーショー(静岡模型教材協同組合主催)は3日目の12日、県内の小中高校生を招待した。約4000人が、プラモデル国内出荷額で8割超を誇る地場産業の魅力を体感した。 各社は模型の組立教室やラジコンカーの操縦体験を開催した。青島文化教材社(同市葵区)は、ひな人形のプラモデル製作教室を企画。児童らはニッパーなど道具の使い方を教わった後、部品を外枠から切り離したり、眉や目のシールを顔部分に貼り付けたりして組み立てを楽しんだ。 静岡市立長田西小3年の橋本佳音さん(8)は「切り取った部品同士がはまるところが楽しかった」と声を弾ませた。同社の青嶋大輔社長
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静岡ホビーショーが開幕 模型の魅力、世界に発信 4年ぶりに海外バイヤーも【動画あり】
国内最大級の模型メーカーの見本市「静岡ホビーショー」(静岡模型教材協同組合主催)が10日、静岡市駿河区のツインメッセ静岡で開幕した。新型コロナウイルス流行前の2019年以来4年ぶりに、海外のバイヤーや愛好家を迎える。過去最多の約90社が14日まで、プラモデルやラジコンなどの最新作を発表する。 会場内の各ブースには海外需要の獲得を強く意識した新作が目立つ。タミヤ(同区)は、駆動方式を選べるラジコンカー「フィアットアバルト1000TCRベルリーナコルサ」やミニ四駆が注目を集めた。 同組合の田宮俊作理事長は記者会見で「イベントに飢えていた海外バイヤーは来場を喜んでいる。今後、世界中に市場がさら
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静岡ホビーショー開幕 各社対面商談に注力 海外市場開拓へ本腰
静岡市駿河区で10日開幕した静岡ホビーショー。新型コロナウイルス流行前の2019年以来、4年ぶりに海外のバイヤーが訪れ、熱心に商談を重ねた。模型業界はコロナ下の巣ごもり需要で一時追い風が吹いたものの、足元では外出機会の増加に伴う需要減や原材料高騰など懸念も残る。各社は細分化した顧客ニーズに応える高い技術力や、環境に配慮した製造手法をアピールし、海外市場開拓に本腰を入れる。 ハセガワ(焼津市)は、1980年代に人気を博したホンダのバイク「VT250F」のプラモデルを出展。3Dスキャナーで実車の形状を正確に把握し、外側から見えないシート裏面の凹凸の細部まで再現するなど、約1年を費やした。バイク
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マスク外す日へ、素顔の準備 コロナ5類移行控え商戦活気 化粧品、ひげそり、口腔ケア…
新型コロナウイルス感染症の5類移行を目前に控え、静岡県内の化粧品販売店やドラッグストアなどが「脱マスク消費」で活気づいている。相手への印象を少しでも良くしようと、口紅などの化粧品やひげそり、口腔(こうくう)ケアなど、性別を問わず関連用品が売り上げを伸ばす。この3年、コロナ下で苦しんできた各事業者は「この時を待っていた。ニーズにきめ細かく対応し、落ち込んだ売り上げを取り戻したい」と挽回を図る。 化粧品販売のフルーツギャザリング新静岡セノバ店(静岡市葵区)では、マスクの着用が個人に委ねられた3月半ばからの1カ月間で口紅の売り上げが前年同期比2割超、ファンデーションが1割超それぞれ伸びた。コロナ
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訪日客対応、静岡県内急ピッチ 接客や発信強化 いよいよ大型連休
政府の新型コロナウイルスの水際対策が緩和され、首都圏を中心に海外からの観光需要が急回復する中、静岡県内の宿泊、観光施設にも訪日外国人客が着実に戻り始めている。新型コロナ感染症の5類移行を目前に控えた5月の大型連休は国内旅行も書き入れ時。人手不足などの慢性的な課題を抱えつつ、県内事業者は待ちわびた好機を逃すまいと準備を急ぐ。 富士宮市の富士宮富士急ホテルは、3月に訪日客が全118室の5~6割を占めた日があり、ホテル全体の売上高、利用客数ともに19年同月比2割増と単月で過去最高を記録した。大半を占めるタイやマレーシアなど東南アジア圏客の富士山人気は根強く、田中篤支配人は「富士山が見える客室への
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お待ちかねビアガーデン 静岡駅ビルパルシェ コロナ禍前規模に
静岡市葵区のJR静岡駅ビル「パルシェ」屋上で28日、期間限定のビアガーデン「アオイ・ザ・バンケット」が始まる。2時間半の時間制で飲食し放題のビュッフェ形式。9月18日まで。 新型コロナウイルス感染拡大前の2019年並みとなる最大約330席を用意。バーベキューや焼きそば、カレーといった約120種類の料理と、ビールやカクテル、ソフトドリンクなど約50種類の飲み物を提供する。期間中無休で、各日午後5時~同10時。 27日のプレイベントでは、関係者らが冷えたビールで乾杯し、夏の雰囲気を一足早く満喫した。 パルシェを運営する静岡ターミナル開発(同区)の担当者は「新型コロナの沈静化で5月の大型連休
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静岡に新ホテル ウィングインターナショナル、8月開業 ワシントン後継
静岡市葵区七間町で2022年3月に営業を終了したビジネスホテル「静岡北ワシントンホテルプラザ」の後継施設が25日までに、決まった。ホテル運営のミナシア(東京都)が8月10日に「ホテルウィングインターナショナル静岡」を開業する。同施設の閉鎖中は周辺店舗の集客力低下が懸念されていたため、地元商業者は「宿泊客に周辺で飲食したり観光したりしてほしい」と歓迎する。 客室数はダブルを中心に全186室。「とことん静岡」をコンセプトに、青色の天井クロスや緑色のカーペットなどを採用し、富士山や茶畑をイメージした客室をそろえる。 プラモデルを活用して地域活性化を図る市の「プラモデル化計画」に賛同し、客室表示
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小中生が和太鼓楽しむ 静岡市葵区
静岡市葵区の足久保地区を拠点に活動する団体「足久保太鼓」は23日、同区の旧足久保小校舎で和太鼓の演奏体験会を開いた。市内の小中学生15人が、同団体メンバーの指導を受けながら、演奏を楽しんだ。 バチの持ち方や正しい姿勢を確認した参加者は、音に強弱を付けながら、さまざまなリズムで打ち鳴らした。和太鼓の仕組みや原材料についても学んだ。 体験会は、児童生徒が和太鼓に触れる機会を増やそうと企画した。
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酒瓶足りない 需要回復に追いつかず 静岡県内日本酒業界苦慮
新型コロナウイルス下での全国的なガラス瓶メーカーの生産調整や一部工場の稼働停止を受け、静岡県内の日本酒関連業界が容器の酒瓶不足に悩まされている。社会経済活動の正常化に伴い酒の需要が回復に向かう中、注文に応じきれない異例の事態も生じ、関係者は「春の行楽シーズンで反転攻勢を図ろうとしているだけに大打撃だ」と苦慮している。 神沢川酒造場(静岡市清水区)では昨年冬、愛知県のガラス瓶メーカーが一部工場の操業を終了した影響で、商社から欠品が出るとの連絡が入った。早期対応で欠品分を補えたため、計画した酒製品の全量を生産、出荷できているが、従来と異なる色の瓶を使って急場をしのいだ場面もあった。望月正隆社長
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大規模改装から1年 魅力高め中心街活性化 上西征直/松坂屋静岡店店長【聞きたい】
本社のデジタル担当部署から3月に赴任した。約1年前に大規模改装を実施した静岡店の新たなてこ入れ策を練りつつ、新型コロナウイルス後を見据えた静岡市中心市街地のさらなる活性化を目指す。 -具体的な集客策は。 「昨春の改装で、高額商品を強化して売り場をテーマ別に再編し、広域から集客できる施設に変えた。高級宝飾店や地下食材売り場は新規顧客の獲得など一定の成果が出ているが、(常設では国内百貨店初の)都市型水族館などのフロアは目標に届いていない。SNSの活用などで発信力をさらに高め、顧客との接点を増やしたい。5月のコロナの5類移行で社会経済活動は一気に正常化に向かうとみている。整備が遅れている『美と
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「駿河屋」運営のエーツー 鉄道模型老舗「カツミ」買収 新旗艦店の集客強化へ
ホビー商材販売の「駿河屋」を運営するエーツー(静岡市駿河区)は5日までに、老舗鉄道模型メーカー「カツミ」(東京都)の全株式を取得し、子会社化した。同市中心街で今夏オープン予定の駿河屋新旗艦店をはじめ、店舗やEC(電子商取引)サイトで販売する自社商材のラインアップを拡充し、国内外からの集客増を目指す。 エーツーの杉山綱重社長は取材に「本格的に鉄道模型の取り扱いを始める。新旗艦店にはジオラマを設置するなど、鉄道ファンが楽しめる空間を作っていく」と方針を示した。 取得は3月31日付。取得額は非公表。1947年創業のカツミは、旧国鉄やJR、私鉄の車両など、実物を忠実に再現した金属製の鉄道模型で特
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家康を描いた電車出発! 静岡鉄道「ゆかりの地」PR 24年2月まで
徳川家康ゆかりの地である静岡市をPRする静岡鉄道(同市葵区)のラッピングトレインの出発式が31日、静岡市葵区の静岡鉄道新静岡駅で行われた。 車体に家康が青年期に着用したとされる重要文化財の甲冑(かっちゅう)「金陀美具足(きんだみぐそく)」や、同甲冑をイメージしたガンダムのプラモデルなどがデザインされている。新静岡-新清水間を、来年2月まで運行する予定。 川井敏行社長は「電車を利用し、家康公を入り口とした静岡の歴史に触れてほしい」とあいさつし、久能山東照宮(同市駿河区)の姫岡恭彦宮司らと共にテープカットに臨んだ。
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沿線に再エネ送電検討 静岡鉄道 架線活用、脱炭素促進へ
静岡鉄道(静岡市葵区)は2023年度、同社の静岡清水線沿線で発電された再生可能エネルギーを軌道上の架線を活用して沿線一帯に供給する「清水静岡レイルグリッド構想」の検討を始める。実現すれば国内鉄道事業者で初の取り組みになる。鉄道架線を再生可能エネルギーと地域をつなぐ新たなインフラと位置付け、再生エネの利用促進と脱炭素の両立を目指す。 鉄軌道事業者の脱炭素化推進関連の調査などを助成する国土交通省の補助事業に採択された。 太陽光発電施設の整備が盛んな同市清水区の清水港周辺エリアで発電された電力を、同区から駿河、葵区までの総延長約11キロの架線で沿線の公共施設や静岡鉄道の関連施設などに送る。脱炭
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ホテルで人気、パン店の味 朝食提供、販路多様化 「ピーターパン」運営ウィンウィン
食品水産事業のいちまる(焼津市)の関連企業で、パン店「ピーターパン」を運営するウィンウィン(静岡市駿河区)が4月1日から、食事提供を一時休止していた静鉄ホテルプレジオ静岡駅北(同市葵区)で、朝食の提供を始める。店外での継続的な販売は初めて。原材料価格が高騰する中、販路を拡大して売り上げ増を図る。 最寄り店舗で当日朝に焼き上げた食パンやカレーパンなど約10種類をビュッフェ形式で提供する。焼きたてを重視して店舗のみで販売してきたが、販路の多様化が不可欠と判断した。甲賀照之社長は「生地から作る自慢の味を多くの人に知ってもらい、店舗への誘客につなげたい」と期待する。 同ホテルは2008年の開業以
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事業承継支援で協定 静岡商議所と障害者支援法人
静岡商工会議所は24日、事業承継を検討する中小企業の支援と障害者の職域拡大を目的とした連携協定を、NPO法人「オールしずおかベストコミュニティ」(静岡市葵区)と締結した。 同法人は、買収による障害者の職域拡大に意欲的な就労継続支援事業者を、同商議所内の公的な事業承継の支援機関「県事業承継・引継ぎ支援センター」に紹介する。同センターは後継者不在の中小企業と就労継続支援事業者の情報を総合的に判断し、両者のマッチングにつなげる。 同センターによると、行政から公費助成を受けている就労継続支援事業者は、経営状態悪化で後継者探しが難航している中小企業の損益分岐点を下げ、事業承継を実現できる可能性があ
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「DX前に問題意識を」 吉田前厚労事務次官が講演 静岡市葵区
医療DX(デジタルトランスフォーメーション)をテーマにしたセミナー(県病院協会、SBS情報システムなど主催)が18日、静岡市葵区のホテルで開かれた。厚生労働省前事務次官の吉田学氏が「当面する医療DXの推進と課題」と題し、会場とオンラインの医療関係者約60人を前に講演した。 吉田氏は、2040年の生産年齢人口が15年比で20%以上減少するとのデータを示し、「医師は地域や診療科別に偏在していて、今後確保が困難になる」と課題を指摘した。 解決手段として期待される医療DXの利点について、「オンライン診療などの医療提供体制の改革や、データ収集・分析といった付加価値を生み出せる」と強調した。 一方
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酷暑や干ばつ対策 植物活性剤 静岡商議所外郭団体と静岡大開発 インドで販売へ
静岡商工会議所の外郭団体「新産業開発振興機構」と静岡大で開発した高機能植物活性剤サーモザイムが、インドで酷暑や干ばつによる作物の生育不良に頭を悩ます農家向けに発売される方向で準備が進んでいる。同商議所の担当者は「機構の成果を世界に売り込む第一歩。農業の持続可能性向上に寄与できれば」と期待する。 サーモザイムはケシ科の野草タケニグサから抽出したエキスで、植物のストレス耐性を高める特殊なタンパク質生成を促す効果がある。土や苗に散布すると、高温や少雨などの環境下でも植物栽培が可能になるという。最適な生育環境を整える設備投資や、耐暑性を高める品種改良よりも手軽な手段とされる。 2014年の開発以
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静岡県内中小食品業界 消費者と直接取引拡大 収益性向上、商品開発に“声”活用も
EC(電子商取引)サイトなどを通じて消費者と直接取引する「D2C」に取り組む動きが、静岡県内の中小食品製造業界で広がっている。卸業者を介さずに収益性を高めつつ、消費者目線に立った商品開発で競争力を高める。食品業界は製造業の中でも原材料高騰に伴う価格転嫁が遅れているとされ、各社はD2Cの手法で開発、販売の腕を磨き、苦境からの脱却を図る。 和菓子原料製造の「小沼製餡」(静岡市駿河区)は、家庭で使いやすいパウチ式や小容量のかのこ豆など、消費者の要望を取り入れた商品を次々に開発し、ECサイトで販売する。直売所と合計した2022年の売上高は、19年比で倍増した。 ECサイト開設当初は新型コロナウイ
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中心街活性化へアイデア 静岡市葵区 大学生が授業の成果披露
大学生が静岡市葵区の中心市街地活性化の方策を探る「地域課題解決型授業」の成果発表会が16日、オンラインで開かれた。市街地活性化に取り組む「I Love しずおか協議会」と静岡大、静岡英和学院大の連携事業。学生や協議会スタッフ、企業関係者ら計約40人が参加した。 静岡英和学院大の学生グループは七間町名店街と協力し、来街者へのアンケートを実施した。月に1度以上訪れる固定客が大半を占める一方、若者の来訪が少ない点を課題に挙げ、「おしゃれな写真や動画の発信に力を入れてみては」などと意見を述べた。 静岡大のグループは企業や組織と連携し、にぎわい創出や顧客獲得に向けたアイデアを披露した。
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瓦素材の女性向け小物 長沢瓦商店(静岡市清水区) 和の質感で生活豊かに【静岡ものづくり最前線】
瓦屋根の施工業者が、瓦と同じ素材と製法でアクセサリーとアロマストーンを開発した。自社で製造販売する初の一般小売り向け商材で、和の風合いを生かして女性をターゲットに瓦の新たな魅力を発信する。 アクセサリーは屋根瓦をモチーフにしたイヤリングやピアスなど約30点。窯を密閉して焼き上げる際に付く「いぶし銀」の色合いが特徴。アロマストーンは、鬼瓦に使われるキクとボタンの計2種類の形を用意。瓦自体が吸水性に優れることから、アロマがゆっくりと染み込み、香りが長時間持続するという。 素材は地元の静岡市清水区を流れる巴川流域の土を使用する。金属のヘラで表面を繰り返しなでて磨くことで、光沢を出した。自社のE
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余剰食材の消費促進 静岡でフードフェス 3月12日まで
静岡市内の飲食店25店が、余剰食材や規格外の原材料を活用した限定メニューを提供する「静岡まかないフードフェス」(静岡新聞社・静岡放送主催)が3月12日まで、同市内で開かれている。 利用客は、通信アプリLINE(ライン)の専用アカウント「まかないフードフェス」を友達登録して参加する。複数店舗を利用してスタンプを三つ獲得すると、抽選で生花が当たる。 同市葵区の「地鶏料理 椛(もみじ)」は、大きさや形がふぞろいで市場に出回らない卵や、精肉時に出る鶏肉の切れ端を使ったそぼろ丼(税込み935円)を用意する。 店主の芳賀裕久さん(63)は「普段使わない食材でも味は良い。コスト削減にもつながる」と説
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記者コラム「清流」 地域への言葉 顔上げ発信を
式典であいさつする経済団体のトップや講演会の講師など、毎年、特に年始には壇上の人物に注目して発言をメモしたり、撮影したりする機会が多い。 記者が苦戦するのは、登壇者が原稿や台本を終始読み続けるケースだ。顔が上がらないため、シャッターチャンスが限られるばかりか、発言内容も聞き取りにくい。演台まで近づき、下からあおるように撮影することで、なんとか写真に収めることも。 新型コロナウイルス禍や物価高の継続で地域経済が疲弊する中、経済界のリーダーや有識者がどんな表情で何を語るのか-。記者だけでなく、来場者も興味深く見ているはずだ。下を向いていては景気は上向かない。登壇者は顔を上げ、自分の言葉で地域
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どうする観光業 「大河」人気取り込みへ企画続々 家康イメージ客室/「ドラマ予習」バスの旅
徳川家康を主人公にした大河ドラマの放送に合わせ、県内の観光・宿泊事業者らが家康関連の歴史文化資源を生かした商品・サービスを次々に投入している。新型コロナウイルス禍で落ち込んだ観光業界。放映開始を待ちわびていた各事業者は「まさに観光復活の起爆剤。絶好機を逃さず、経済活性化と経営改善を果たす」と訪日客を含めた誘客促進に創意工夫を凝らす。 静岡鉄道グループの静鉄ホテルプレジオ静岡駅南(静岡市駿河区)は、最上階の13階に限定客室「家康公コンセプトルーム」1室(1泊税込み1万6500円~)を用意した。壁面に葵の紋や駿府城を大きくデザインし、主役を演じる松本潤さんの所属グループ「嵐」でのメンバーカラー
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静岡市中心市街地 通行量2年連続で増加 パルシェ前地下道1位 2022年11月調査、コロナ禍前には及ばず
静岡商工会議所がまとめた2022年度静岡市中心市街地の通行量調査によると、総通行量は前年度比0・7%増の38万9800人と2年連続で前年度を上回った。社会経済活動の正常化に伴う人出の大幅回復が期待されたが、44万人超を記録したコロナ禍前(19年度)に及ばなかった。 調査は22年11月27日、同市葵区の中心市街地の計78地点で実施した。2年連続の通行量トップは「パルシェ前中央地下道」の2万7841人(前年比14・8%増)。次点は「新静岡セノバ前南口モール」の2万2710人(1・8%減)、「スターバックスコーヒー呉服町通り店前・サンカメラ前」の1万8854人(4・8%増)が続いた。 同商議所
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PB三ケ日ミカン 台湾の百貨店で販売 静鉄ストア
静鉄ストア(静岡市葵区)がプライベートブランド(PB)として展開する三ケ日ミカンが1月下旬から、台湾の百貨店「新光三越」の店頭に並ぶ。海外での販売は初めて。現地では贈答用として日本産果物の人気が高く、販路拡大を目指す。 1ケース10キロ入りの「天与の味覚 三ケ日マルナみかん」を30ケース限定で販売する。静鉄ストアが生産者を指定するなど品質の高さを追求したPB「生産者の声を聞きました。」の一つ。 担当者は「ミカンを足がかりに、今後も米やジャムといったPB商品の販売を進めたい」と話す。
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静岡トヨタ 西部整備センター 移転拡大オープン
静岡トヨタ自動車(静岡市駿河区)は28日、タクシーやバスなど法人車両の整備点検を担う西部整備センターを浜松市南区から同市東区に移転開業する。施設規模を大幅に広げ、顧客の利便性や業務効率の向上につなげる。 新施設は鉄骨造平屋建て。延べ床面積約890平方メートルを確保し、検査場を従来の4台分から8台分に増やした。受注台数が多いタクシーの専用スペースでは、料金メーターや自動ドアの動作確認を行える。新施設では旧施設比2倍の受注獲得を目指す。
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中小企業の賃上げ「重要だが難しい」 静岡商議所会頭
静岡商工会議所の岸田裕之会頭は26日の定例記者懇談会で、地域企業の賃上げ動向について、「賃上げは重要という認識はあるが、企業の経営体力を考えた際に、しっかり価格転嫁をしながら進めるべきだ」と述べた。 岸田会頭は、賃上げによる購買力の向上が経済成長に必要だとしながらも「原材料価格が高騰する中、中小企業にとって賃上げは難しい問題」と指摘。その上で「一律に賃上げしてほしいとまでは言えないが、企業として最大限の努力をしてほしい」と期待した。 4月の静岡市長選に向け、岸田会頭は同商議所として改めて「中立」の姿勢を示した。立候補予定者に対し、「新型コロナウイルス禍から経済を動かし、景気が上向くような
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新産業創出へ産学官連携 開発振興機構 20年間の成果発表
静岡商工会議所の外郭団体「新産業開発振興機構」(理事長・藤田綾子同商議所副会頭)はこのほど、創立20周年記念式典を静岡市駿河区で行った。 会員企業や大学関係者らが、イチゴの炭疽(たんそ)病予防堆肥や、三保半島の地下海水を利用した陸上養殖など20年間の事業成果を発表した。高温や乾燥に対する植物の耐性を向上させる野草抽出エキスの販売をインド向けに展開していく計画も披露した。 藤田理事長は「地域のノウハウや技術を活用した新しい産業の創出に向け、産学官の連携を推進していく」とあいさつした。
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変化に対応、飛躍の年に 静岡県広告協会と県広告業協会 新年の集い
静岡県広告協会(会長・大須賀紳晃静岡新聞社・静岡放送社長)と県広告業協会(理事長・波多野浩太郎アドコウ社長)は24日、合同で新年の集いを静岡市葵区で開いた。 大須賀会長は円安や物価高に伴う生活環境の変化のほか、拡大と沈静化を繰り返す新型コロナウイルスに言及。「これまでの経験を生かして対策しながら、経済活動を進めていかなければならない」と強調した上で、「大きく変化する時代の中でも、広告に携わる各社が協力し、飛躍の年にしたい」と言葉に力を込めた。 新年の集いは、2020年以来3年ぶりの開催。広告主や制作会社などの関係者約120人が出席した。
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海外経済動向「注視が必要」関東経済産業局長が講演 静岡県商議所連 新春懇談会
静岡県商工会議所連合会(会長・岸田裕之静岡商工会議所会頭)は23日、新春懇談会を静岡市駿河区で開いた。県内15商議所正副会頭らが、太田雄彦関東経済産業局長の講演「2023年の展望」を聴講した。 太田氏は日銀短観(22年12月)で悪化した製造業と改善傾向となった非製造業の業況判断指数に言及。「製造業はサプライチェーン(供給網)の混乱が影響した一方、新型コロナウイルス禍で苦戦していたサービス業は、政府の全国旅行支援などで徐々に改善している」と説明した。 今後については「輸出型製造業の収益に波及するため、欧米や中国など海外経済の動向に注視が必要。非製造業の国内需要持続には、賃上げをはじめとした
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企業の夢実現目指す 静岡県中央会賀詞交歓会
静岡県中小企業団体中央会は18日、賀詞交歓会を静岡市駿河区で開いた。山崎亨副会長は「人材不足や賃上げといった課題への対応だけでなく、中小企業の夢の実現に向け、多様な事業に取り組んでいく」とあいさつした。 組合の代表者ら約130人が出席し、新型コロナウイルス禍や原材料高など、厳しい経営環境下での事業発展を誓い合った。 来賓の川勝平太知事は「国全体が苦しい中でも先頭に立ち、一緒に日本を元気にしていこう」と呼びかけた。
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静岡鉄道の運賃改定認可 中部運輸局 初乗り4月から160円に
中部運輸局は10日、静岡鉄道が申請していた私鉄(静岡清水線)の運賃改定を認可したと発表した。改定は4月1日。平均改定率は12・0%で、初乗りは20円上げて160円になる。定期の改定率は通勤17・6%、通学は据え置く。定期外は10・8%。 静岡清水線の運賃改定は2019年10月以来で、新型コロナウイルス下の利用者減少などを受けた措置。21年度乗客数(951万2千人)は、過去最低だった20年度と比べ4・0%増えたが、人口減少や生活様式の変化でコロナ前水準への回復は困難とみている。 値上げで収益改善を図り、老朽化した車両の更新や駅のバリアフリー化にも対応する。
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マグロの絵本で郷土愛 静岡・清水区のフジ物産 幼稚園に寄贈
石油製品・漁業用餌料販売のフジ物産(静岡市清水区)が地域活性化事業「TUNA-GO!しみず」を展開している。清水港で水揚げされるマグロを題材に制作した絵本を、区内の幼稚園に寄贈するなどして子どもたちの郷土愛を育む。 同社のCSR(企業の社会的責任)活動の一環。絵本は「つなぐくん ひかりのじゅもん」。マグロのキャラクター「つなぐくん」が活躍し、きょうだいの絆を強める物語。今月中に、区内の幼稚園や保育園、こども園に計約1600冊を配布する。 同社は園児を対象に同絵本を読み聞かせたり、マグロを題材にしたクイズや食べ比べイベントなどを実施したりしている。担当者は「地元企業として、青少年育成に積極
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静岡市に43万円 台風15号義援金 静岡商議所青年部
静岡商工会議所青年部はこのほど、台風15号の災害義援金として全国9都市の商議所青年部などから寄せられた計43万円を静岡市に寄付した。 静岡市役所静岡庁舎を訪れた同青年部の金綺春会長が、田辺信宏市長に目録を手渡した。
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新社屋にガチャ店 トイズキャビン(静岡)、ファン集いブランド強化
カプセル玩具「ガチャガチャ」の製造・販売業トイズキャビン(静岡市葵区)は、業界で珍しいというガチャガチャ商品販売の直営店を併設した新社屋を開設し、自社商品のブランド強化策を進めている。 ガチャガチャの販売機は通常、本社から離れた商業施設などに並ぶ。県内外から顧客を自社に招く逆転の発想でニーズを素早くつかみ、原材料価格高騰で利益率が低下する中、自社のファンを拡大し、中長期的な目線で販売増を図る。 同区沓谷の新社屋は木造2階建て、延べ床面積約90平方メートル。1階に販売機約50種類を備えた。総投資額は約7千万円。 同社は2017年の創業以来、約150種の商品を販売。工事現場などで働くネコの
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うさぎ年初売り 百貨店、福袋で跳躍 円安、物価高の中一工夫 プチぜいたくいかが
新年1月2日の初売りを目前に控え、静岡県内百貨店が恒例の福袋商戦の最終調整を進めている。新型コロナウイルス禍に加え、歴史的な円安や物価高など消費者の生活防衛意識が高まった2022年。コロナとの共生が進む中、各店は自宅で少しぜいたくな気分を味わえる食品を詰め合わせたり、店内施設を貸し切りにできる権利を販売したりと工夫を凝らし、来店の喚起と売り上げ増を狙う。 静岡伊勢丹(静岡市葵区)は住宅や車といった恒例の高価格帯に加え、黒毛和牛(8888円)やフランスワインのセット(1万円)などの食品福袋を前年比2倍の約300点用意する。 22年の初売り初日の来店客数は前年比3割増の2万3千人で、コロナ禍
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報道写真の1年回顧、静岡伊勢丹で展示 鄭大世さん、オープニングセレモニーに出席
政治や社会、スポーツなどをテーマに、1年間の主要な出来事を捉えた写真約300点を紹介する「2022年報道写真展」(東京写真記者協会主催)が27日、静岡市葵区の静岡伊勢丹で始まった。23年1月3日まで。元日は店舗休業日。入場無料。 静岡新聞からは、9月の台風15号による記録的豪雨で崩落した浜松市天竜区の橋を写した1点が展示されている。ロシアの軍事侵攻で破壊されたウクライナの町並みや、サッカーワールドカップカタール大会で得点を喜ぶ日本代表チームの写真も並ぶ。 オープニングセレモニーでは、サッカーJリーグ清水エスパルスなどで活躍した鄭大世(チョンテセ)さんがテープカットを行い、自身の写真パネル
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廃棄一転“味な一品” 広がるアップサイクル 食材有効活用、収益向上にも
SDGs(持続可能な開発目標)を背景に、本来は廃棄されるはずだった食材を活用し、新たな付加価値を加えて商品化する「アップサイクル」の動きが静岡県内の食品業界で広がっている。原材料や光熱費の高騰が続く中、各事業者は利益率を向上させつつ、ストーリー性のある商品提供による発信力強化と経営基盤安定化を図る。 静岡市葵区の豆菓子製造販売の「豆豊商店」は、煮詰めた砂糖でコーティングしたアーモンドに、県内の酒蔵から提供される酒かすを絡めた菓子を販売している。酒かすを有効活用した新たな商品開発を望む酒蔵と意見を交わしたことがきっかけだった。 10月に全国旅行支援の実施に加え、訪日外国人客の個人旅行解禁な
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全国旅行支援1月再開へ準備 静岡県内観光業、追い風乗れるか
12月末で休止し、2023年1月10日に再開する政府の全国旅行支援。事業を追い風に、静岡県東部で観光客が増加した一方、台風15号の爪痕が残る県中部ではかつての活気が戻らない状況が続く。新型コロナウイルス感染者数が再び増える中、各事業者は感染防止に注意を払いながら、年明けの事業再開に向けて準備を進める。 観光庁が26日発表した宿泊旅行統計調査によると、本県の10月の延べ宿泊者数は前年同月比19・3%増の148万3960人。コロナ禍前の19年同月比は12・7%減と、全国(11・6%減)よりも回復の足取りが鈍い。 「年明けの事業継続はありがたい。支援を追い風に利用客をさらに獲得したい」。土肥
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静鉄 電車1日乗り放題券発売 小中高生対象、24日から
静岡鉄道(静岡市葵区)は24日、小中高生を対象にした一日乗り放題の乗車券「冬休み静鉄電車ワンデーパス」を発売する。2023年1月5日まで。 中高生は350円、小学生は200円。各駅の自動券売機で購入できる。大学生以上を対象にしたワンデーパス(500円)も1月1日~3日限定で販売する。 問い合わせは同社運転運輸営業所<電054(261)6981>へ。
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花束サブスク、受け取りやすく 静岡県中部6店、集客増へ連携
静岡市葵区の花卉(かき)店「花のあるくらし研究所」は、市内外の多様な事業者と連携した店舗横断型サブスクリプション(定額制、サブスク)サービスを始めた。同社以外の花卉店や飲食店で切り花を受け取れるようにし、利便性向上と各店の集客増につなげる。 新サービスは11月下旬に始めた「花のあるくらしのパスポート(花パス)」。月額1650円で月に4束のミニブーケを提供する。月8束(2970円)、1日1束(5500円)のコースも用意する。初月のみ3割程度割り引く。 同区の花卉店「スナゲリーフラワーズ」や藤枝市の「スズキ薔薇(バラ)園」、静岡市葵区と清水区に店舗を構える菓子とコーヒーの専門店「ジュプグーテ
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通信制高校生や不登校中学生の進学支援 秀英予備校、映像や個別授業提供へ 昼の教室を有効活用
秀英予備校は2023年4月から、通信制高校生や不登校の中学生の進学支援を始める。静岡市葵区の静岡本部校に事業本部を設け、映像や個別授業を提供する。通常使用しない昼間の教室を有効活用し、近年増加する通信制高校生らの進学ニーズを取り込む。 新規事業「秀英NEO(ネオ)高等学院」は、教室で映像授業を受けた生徒の質問に担任講師がその場で応じる「個別授業」と、講師1人が生徒2人を直接指導する「個別指導」を展開する。1日に1コマ50分の授業を4コマ用意する。生徒の生活リズムを考慮し、週5日(受講料月5万円)か週2日(同2万5千円)でコースが選べる。 23年度内に高校生と中学生合わせて20~30人の利
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食品スーパー田子重 物価高で従業員に特別手当を支給
食品スーパーの田子重(焼津市)は2日、物価高騰対策として、従業員に特別手当を支給する。金額は正社員に1人当たり5万円、パート・アルバイトに同1万円。 15日に創業50周年を迎える同社は記念手当の意味も込め、正社員272人とパート・アルバイトの1300人への交付を決めた。物価高で負担感が増す従業員の家計支援につなげる。 同社によると、日本人従業員だけでなく、母国に仕送りする外国人従業員からも「円安で送金額が現地通貨建てで目減りして困っている」と苦慮する声が出ていたという。 小長井和生取締役は「従業員のモチベーションアップにつなげたい」と話した。
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静岡市長選 静岡商議所・岸田会頭 現時点で「中立の立場」
2023年春に予定される静岡市長選について、静岡商工会議所の岸田裕之会頭は24日の定例記者会見で、同商議所として、現時点で「中立の立場」との認識を示した。 岸田会頭は「商議所としてだけでなく、個人としてもニュートラルというスタンスだ」と強調した。 歴史的な円安や原材料高騰が続く現状を念頭に、立候補者に望むこととして「地域経済の発展に尽力してくれる方が一番。発言したことを実行できるかどうかも大事」と指摘。今後、経済政策の論戦活発化を望んだ。
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静岡産チーズに熱視線 県内の工房、生産開発を強化 円安追い風に需要開拓
国内各地のこだわりの加工食品が人気を集める中、静岡県内のチーズ工房が開発、生産態勢の強化に乗り出すなど、事業活動を活発化させている。急激な円安で国産チーズの価格競争力が高まっていることも追い風に、新規需要を開拓する。 2017年創業のうしづまチーズ工場(静岡市葵区)は、風味が強い掛川産ジャージー牛乳を使った製品を手がける。21年の売り上げは17年比で4割増えた。松下正明社長は「チーズに詳しい客が増えている」と関心の高まりを肌で感じる。 全国109工房が参加した10月のナチュラルチーズの全国大会「ジャパンチーズアワード」に出場し、モッツァレラ部門で県内初となる金賞を獲得。乳清の量や練り方を
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W杯商戦 静岡県内も熱気 コロナ下で初、物価高の逆風も… 日本の躍進と需要増願う
サッカーワールドカップ(W杯)カタール大会の日本代表初戦(23日)を前に、県内でユニホームやガイド本など関連商戦が盛り上がってきた。新型コロナウイルス下で迎える初のW杯商戦は、テレビ視聴者の減少、歴史的な円安、物価高とやや厳しい“アウェー”の様相。各事業者は代表チームの躍進を願いつつ、W杯を好機に個人消費を年末年始につなごうと知恵を絞る。 レプリカユニホームの専用売り場を特設したSPOPIAシラトリ静岡ジャンボ店(静岡市葵区)。浜松市出身の伊藤洋輝のユニホームを軸に注文が徐々に増えている。多人数のパブリックビューイングが各地で開かれた過去の大会と比べると着用機会は減
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11月19日 静岡市内の電車とバス終日無料 脱炭素へ静鉄企画
静岡鉄道(静岡市葵区)としずてつジャストライン(同区)は11月19日、二酸化炭素(CO2)排出量が少ない公共交通機関の利用を促し、脱炭素への市民意識向上を図るイベント「クールチョイス2022 in しずおか」を実施する。静鉄電車と同市内の路線バスの運賃を終日無料にする。 電車では全15駅で乗り降りできる「1日フリー乗車券」を配布する。バスは乗車券不要とする。駿府城公園(同区)をはじめ、市内各地で環境啓発イベントを展開し、にぎわい創出も図る。 当日の乗降客数や移動距離、交通量のデータを収集し、CO2削減効果などを分析する。静岡鉄道の川井敏行社長は「鉄道とバスが脱炭素に有効な乗り物であること
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会員企業の優良従業員を表彰 静岡商議所
静岡商工会議所は16日、会員企業の優良従業員らを対象にした表彰式を静岡市葵区の同商議所静岡事務所で行った。 商議所運営に長年貢献した役員や議員の他、勤続5~50年の会員事業所従業員ら計約260人をたたえた。 感性リサーチの黒川伊保子社長による記念講演もあった。 主な優良従業員は次の通り。 勤続50年 奥津嘉之(丸山販売)▽勤続40年 山地清志(花菱建設)片野義信(同)大橋定(丸善製茶)佐野太加夫(丸山販売)望月勲(渡辺産業)
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静岡鉄道 12月1日から増便 静岡清水線、夜間の利便性向上
静岡鉄道(静岡市葵区)はこのほど、静岡清水線の運行ダイヤを12月1日から変更し、上下線で午後9時半以降に計4本増便すると発表した。夜間の利便性向上を図る。 利用客の乗降に要する時間が長くなる傾向を踏まえ、各駅での停車時間を5~10秒程度延ばす。
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“マツケン”松平健さん 水族館の一日館長に 松坂屋静岡店・スマートアクアリウム
俳優、歌手の松平健さん(68)が12日、松坂屋静岡店(静岡市葵区)内の都市型水族館スマートアクアリウム静岡の一日館長に就任し、来館者と交流した。 松平さんは約40年前、時代劇の撮影で同市清水区の三保松原を訪れていて、同水族館が同所をイメージした水槽を館内に設置したことがきっかけで就任が実現した。 松平さんは入り口付近で来館者を出迎え、自身のフィギュアと松を追加配置した水槽を披露。真野光晃館長から任命状を受け取り、「水槽を見て当時の記憶を思い出した。館長として盛り上げたい」とあいさつした。
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ラジコン操作 親子で楽しむ 静岡・呉服町通り
静岡呉服町名店街青年部会による地域活性化イベント「親子で楽しむ呉服町」が12日、静岡市葵区の呉服町通りで始まった。13日まで(雨天中止)。 多くの家族連れが訪れ、同市駿河区の模型メーカー、タミヤのラジコンや、樹脂粘土などを使った本物そっくりのお菓子作り「スイーツデコレーション」の体験などを楽しんだ。商店街25店舗の商品が当たる抽選会も実施している。 同部会の川辺悠会長は「子どもたちが街中を好きになり、将来、買い物に来てもらうきっかけにしたい」と話す。
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記者コラム「清流」 企業の説明責任
政府の全国旅行支援事業が始まった10月、宿泊業者向けの予約・販売管理システムの稼働に支障が出た。予約サイトに客室残数などを表示する機能が正常に作動しなくなった。予約集中が原因とみられる。システムは業界で一定のシェアがあり、県内業者もトラブル回避のため、予約受け付け停止を迫られた。 運営元の企業は「システムを利用する全業者と意思疎通が取れている」と、記事を掲載しないよう求めてきた。ただ取材の端緒は地元宿泊業者の訴えで、影響の大きさから記事化した。運営元の説明が行き届いていれば、顧客から問題提起はなかったはずだ。 政府による支援事業の開始表明は唐突で、対応は困難だったかもしれないが、説明責任
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朝鮮半島情勢、行方は 辺真一氏が講演 しずおか経営戦略セミナー
しずおか経営戦略セミナー(静岡新聞社・静岡放送、中部未来懇話会主催)の第4回講座が8日、静岡市葵区で開かれた。ジャーナリストの辺真一氏が「朝鮮半島と日韓関係の行方」と題して講演した。 北朝鮮による連日のミサイル発射と米韓の軍事演習で緊張が高まる半島情勢を、南西諸島を除いて金正恩[キムジョンウン]体制下で初めてミサイルが日本列島を飛び越えるなどした2017年以来だと評価した。 17年はトランプ米大統領のけん制で軍事衝突を回避できたとしたが、「19年の米朝首脳会談が決裂して以降、北朝鮮は米国を信用できないという結論を出した。今は聞く耳を持たない状態」と指摘した。 日韓両国が、北朝鮮のミサイ
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職人を支援 工芸品販売ECサイトを開設 静岡特産工業協会
静岡特産工業協会はこのほど、静岡市の伝統工芸品を販売するEC(電子商取引)サイト「駿河トラッド」を開設した。地元の伝統文化をPRするとともに、職人の事業継続を支援する。 駿河竹千筋細工と静岡挽物(ひきもの)、駿河和染、駿河漆器の4カテゴリーの商品を計約40点扱う。各工芸品の歴史を説明するとともに、製造工程や職人からのメッセージも掲載している。同協会の担当者は「伝統工芸品は丈夫で、修理も可能。毎日使いたくなる日用品のようなイメージに変えていきたい」と話している。
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DX、ベンチャー誘致促進 中小企業と中心街活性へ 岸田裕之/静岡商工会議所新会頭【聞きたい】
静岡商工会議所の4代目会頭に1日、就任した。エネルギー業界から初の同商議所トップとして、デジタル化による生産性向上やカーボンニュートラル推進を重点戦略に掲げ、歴史的な円安と物価高に苦慮する地元企業と静岡市中心街の活性化を目指す。 -地域の中小企業が抱える課題と対応策は。 「少子高齢化が続く中、今後も人口減少に伴う人手不足は避けられない。デジタル化に対応できた企業が最終的に伸びていくだろう。一方で、本来の目的である事業拡大や新規ビジネスの立ち上げも欠かせない。会員企業が置かれた状況は千差万別。個々の経営課題を吸い上げられるよう、静岡商議所の職員のスキルアップを図り対応していく」 -静岡
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ガチャで楽しく食品ロス削減 値引き商品の購入促進 ヒバリヤ
食品スーパーのヒバリヤ(静岡市清水区)は28日までに、カプセル玩具販売機「ガチャガチャ」を使い、来店客に食品ロス削減への協力を求める企画を静岡県内3店舗で始めた。 消費・賞味期限間近で値引きした商品に貼られた専用シールを10枚集めると、ガチャガチャを回してカプセルに入った菓子や食品の引換券と交換できる。楽しみながら積極的に購入してもらう。 ヒバリヤ高部店(同区)と小土店(焼津市)、同社グループのスーパー「よどばしデイズ」万野原店(富士宮市)で実施中。 シールは引換券と交換せず、店舗内に掲示したポスターに貼って寄付することもできる。ポスターに100枚集まると、同社が社会貢献活動で支援する
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おせち受注に工夫 会員優遇や単品強化 百貨店、物価高で値上げ
新年用おせち料理の受注が静岡県内百貨店で始まった。ロシアのウクライナ侵攻に伴う海産物の調達難や、円安による物価高の影響で、各店のおせちの商品価格は昨年比で1~2割上昇した。値上げしても顧客をつなぎ留められるよう、先行予約など会員対象の優遇措置を講じるほか、予算・人数に応じた組み合わせメニューの提供、単品の強化などで訴求力を高める。 静岡伊勢丹(静岡市葵区)は今年から、有料会員の先行予約を可能にした。イクラやアワビ、ローストビーフを詰めた三段重が人気を集める。売れ筋は2万円台後半から3万円台後半。物価高の中でも、華やかな新年を迎えようと出費を惜しまない客も多く、客単価は上昇傾向という。一般受
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歴史的円安、家計に逆風 高まる倹約志向 食品価格に鋭い視線
外国為替市場の円相場が約32年ぶりに1ドル=150円を突破するなど歴史的円安が続き、為替の影響による物価上昇で家計への逆風が強まっている。10月には価格転嫁で多くの食品が一斉に値上げされ、消費者の財布のひもは固くなるばかり。光熱費が増える冬を控え、消費者は生活費への影響を少しでも抑えようと、小売店での個々の商品価格に鋭い視線を注ぐ。 静岡市清水区のスーパーのヒバリヤ高部店では、円安などでフィリピン産バナナやブラジル産鶏肉などの価格が約1・5倍に上昇し、10月には食用油や小麦粉、練り製品などが一斉に値上げされた。 21日に発表された9月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比3・
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北海道産食品で旅気分を 静鉄ストア7店舗に専用売り場
静鉄ストア(静岡市葵区)は、チョコレートや羊肉など北海道産の食品の品ぞろえを強化している。道内企業と連携し、県内7店舗に専用売り場を常設。新型コロナウイルス下の巣ごもり需要が一服する中、県民に人気が高い北海道産品で需要喚起を図る。 バーやジンギスカン専門店を運営するAPRグループ(札幌市)が開発したウイスキー入りアイスクリームやタレ漬けの厚切り羊肉などが店頭に並ぶ。アイスは道外店舗での販売は初という。 40~50歳代をターゲットに据え、旅行気分を味わえる商材をそろえた。クラフトビールなど高級感のある商品の拡充を検討しているほか、県産抹茶や北海道産の牛乳、小豆を使ったスイーツを共同開発する
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古民家改修「人宿町マート」開業 街中に生鮮など6店、静岡市葵区
建築設計業の創造舎(静岡市葵区)は1日、同区人宿町に複合商業施設「人宿町マート」を開業する。古民家を改修した建屋内に八百屋や精肉店といった周辺から姿を消していた生鮮品を扱う専門店が入居する。近隣住民は利便性向上とにぎわい創出を期待する。 同区の七間町・人宿町エリアでビルを改装し、個店を誘致する同社の再開発事業「OMACHI創造計画」の一環。木造2階建て、延べ床面積約147平方メートルに6テナントを備え、鮮魚店や酒屋、カフェも営業する。1階の中庭は買い物客の交流の場に活用する。 同社によると、人宿町エリアは昨年に地場スーパーが閉店するなど生鮮品を扱う店が乏しくなり、地域住民の暮らしに支障が
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限定 ハロウィーン色の「ぴよりん」 アソシア静岡、24日から
ホテルアソシア静岡(静岡市葵区)は10月24日から、名古屋発祥のひよこ型スイーツ「ぴよりん」をアレンジした「ハロウィンうちっちぴよりん」=写真=を発売する。同31日まで。 ぴよりんはプリンをババロアとスポンジ生地で包んだ洋菓子。ハロウィーン版は三島産カボチャのムースを使った。1個700円で各日45個限定。 県産ミカンや抹茶を使った「うちっちぴよりん」も10月20~23日に販売する。 ホテルのウェブページで予約する。
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芸術家2人が作品解説 静岡市葵区、造形や絵画テーマ
静岡市文化・クリエイティブ産業振興センター(CCC)の公募展に入選した造形作家の池田ひとみさん(39)=掛川市=と画家の笹埜八郎さん(64)=焼津市=がこのほど、自身の作品について語るギャラリートークを同市葵区の同センターで繰り広げた。2人の作品展が10月10日まで同所で開催中。 池田さんは、ミロのヴィーナス像の頭部などをかたどった毛糸の編み物を石こうに浸して制作した立体作品「毛糸模写」を手掛けた。集まった市民に「既存の芸術作品を引用することでも新たな現代アートになり得る」と強調した。 笹埜さんは無人販売所の野菜を擬人化した人形を制作。人形を大井川河口や静岡市中心市街地などに置いて撮影し
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事業承継推進の方策は 経済団体トップが鼎談 静岡
行政や金融機関、商工団体などでつくる県事業承継ネットワークと県は22日、事業承継啓発フォーラムを静岡市葵区で開いた。県産業振興財団の中西勝則理事長、県商工会議所連合会の酒井公夫会長、県商工会連合会の前沢侑会長が鼎談(ていだん)形式で事業承継推進の方策について意見交換した。 酒井氏は2021年度に国内で廃業した5万件超のうち、過半が黒字経営だったと説明。サプライチェーン(供給網)における黒字企業の存在感に触れ、「立派な役割を果たしていた事業者が消えないよう策を講じることが必要」と述べた。 円滑な事業承継の実現に向けた企業価値向上の必要性を説いたのは中西氏。「投資で魅力を上げるとともに、事業
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B3静岡の村越選手 「お茶親善大使」に任命 静岡茶商工業協組
静岡茶商工業協同組合は19日、静岡市を拠点とする男子バスケットボールB3ベルテックス静岡の村越圭佑選手(28)=葵区出身=とチームの公式マスコットキャラクター「ベルティ」を、「お茶親善大使」に任命した。 同市葵区で行った任命式で、岩崎正樹理事長が委嘱状を手渡した。全国の遠征先で静岡茶のPR活動を行う。 村越選手は「子どもの頃から毎日飲んでいる地元のお茶を、全国にアピールしていきたい」と意気込んだ。
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時計、アート拡充で富裕層確保 松坂屋静岡店北館1、2階新装
松坂屋静岡店(静岡市葵区)が北館1、2階の新装を15日に完了した。新型コロナウイルス禍による巣ごもりの反動で富裕層の消費行動が活発化する中、北館と本館に分かれていた宝飾・時計売り場を集約し、高額品の品ぞろえを強化した。シニア層だけでなく若年層も視野に需要の掘り起こしを狙う。 宝石、時計の安心堂(同区)と協業した「ウォッチブティック」では、ゼニスやブライトリングといった高級時計をそろえた。各ブランドのイメージに合わせ、区画ごとに床や壁、什器(じゅうき)の材質や色を変え、路面店のような高級感ある雰囲気を演出した。 全国的に20~30代のブランド志向が高まっていることを背景に、近未来的な芸術品
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5年で売上高倍増 特産振興、販路拡大に成果 静岡伊勢丹内「アレモキッチン コレモストア」
静岡県商工会連合会が静岡伊勢丹(静岡市葵区)内に構える県内特産品のアンテナショップ「アレモキッチン コレモストア」が、開業5年で売り上げを倍増させるなど業績を順調に伸ばし、地域の1次産業や商業振興に寄与している。出店者の中には販路拡大や賞獲得につなげた事例もあり、小規模事業者の経営改善の場としても成果を挙げつつある。 アンテナ店は、県内各地の商店や食品加工業者の販売の場として2017年開設。水産加工品や菓子、農産物など約1100点を販売する。新型コロナウイルス下でも品ぞろえを強化し、21年度売上高は8281万円と17年度の2・2倍に上った。22年度も7月時点で過去最高水準だ。 県内事業者
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モバイルバッテリースタンド活用 防災情報発信の実験 静鉄など
静岡鉄道(静岡市葵区)と法政大学(東京都)、静岡市などは7日、静鉄電車の駅などのモバイルバッテリースタンドに付属した液晶画面から防災情報を発信する実証実験を始めた。日常生活や被災時の電源として重宝されるモバイルバッテリー利用者への情報伝達度を検証する。期間は約1年間。 画面に最寄りの避難所やハザードマップ、水害予測映像などを繰り返し流し、利用者らの防災意識を高める効果をアンケートなどで測る。災害時に自治体が発する緊急情報の取り扱いも検討している。 新静岡、草薙、新清水の3駅の他、市内の静鉄ホテルプレジオなどに、有料で貸し出すモバイルバッテリー6個を搭載したスタンドを2台ずつ設置した。同社
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秋の味覚 国産マツタケ初入荷 サンマも販売本格化 静岡伊勢丹
静岡市葵区の静岡伊勢丹に6日、国産マツタケが初入荷した。サンマの販売も本格化していて、秋の味覚が地下食品売り場をもり立てている。 国産マツタケは北海道や岩手、長野県産で、1パック2万5000~5万4000円。各地で生育時期に十分な雨が降り、傘が引き締まっていて品質良好という。仕入れ担当者は「今年は表年。土瓶蒸しにして、素材本来の味と香りを楽しんで」と語る。 サンマは、原油高やロシアのウクライナ侵攻に伴う日ロ関係の悪化を受けて北海道近海への出漁を控える動きがあり、今年は不漁が予測されている。6日は北海道で水揚げされた約60匹が入荷し、1匹299円で販売した。9月下旬以降に入荷のピークを迎え
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「心の核心部分、理解を」 静岡で広告研究会 CM制作の鹿毛氏講演
静岡県広告協会(会長・大須賀紳晃静岡新聞社・静岡放送社長)は6日、本年度の広告研究会を静岡市葵区で開いた。テレビCMなどを手掛けるクリエイティブディレクターの鹿毛康司氏が「心がわかるとモノが売れる」と題して講演した。 鹿毛氏は自身が制作したCMに、若者で人気の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」を活用した結果、同アプリのユーザー層から大きな反響があったと説明。「若者文化は分からないと敬遠するのではなく、おじさんおばさんでも取り組まないといけない」と指摘した。 人間の深層心理に接近する重要性も言及。「(人の消費行動を促すには)商品の機能紹介や相手の困り事に対応するだけでなく、本
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静岡人インタビュー「この人」 放置竹林を使った竹灯籠を制作する 大村大輔さん(静岡市葵区)
静岡市葵区の麻機地区を拠点に活動する自然環境保全団体「アカリノワ」の代表として、放置竹林問題の解決に取り組む。竹林から切り出した竹で制作した竹灯籠の展示イベントを開いたり、使用済みの竹灯籠を竹炭など土壌改良材に活用したりしていて、2020年に国土交通省の「地域づくり表彰」で、全国地域づくり推進協議会会長賞を受賞した。46歳。 -活動のきっかけは。 「09年ごろに、地元の子ども向けに実施する自然体験教室で竹灯籠を作り始めた。当初は町内の小規模な祭りで展示していたが、評判が口コミで広がり、活動範囲が拡大した。現在は久能山東照宮(同市駿河区)や都内のホテルなど県内外で実施している」 -制作時
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故人の思い出 ウェブ上で共有 出版のススメ研究会(浜松)開発
社史や自分史の制作を手掛ける「出版のススメ研究会」(浜松市北区)が、故人にまつわる思い出や歴史をウェブ上で共有できる終活用の新サービス「あの日コレクション」を開発した。9月から取り扱いを始める。 特設ウェブサイトに、家族や友人が写真やメッセージを寄せると共有できる。新型コロナウイルス下に対応し、葬儀に参列できない人向けに中継動画を配信するプランも用意する。 写真やメッセージは1冊の本にまとめ、スライドショーに仕上げた動画も付属する。税込み5万5千円から。前田浩社長は「思い出を共有しながら故人を見送ってほしい」と話す。
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静鉄ストア 小型店、静岡に2店舗 PBや冷食充実 高齢者、単身世帯向けに出店加速
静鉄ストア(静岡市葵区)は高齢者や単身世帯の需要開拓に向け、小規模スーパーの出店を加速させる。10、11月に同区内に2店舗を相次いで開店する。県内では郊外型の大型量販店が人気を集める中、店舗面積、商品単価ともに抑えた小型店を住宅街に展開し、「ちょっとした買い物」をしたい顧客ニーズに対応する。 新規2店舗は高齢者が多く住む同区音羽町と駒形通に出店する。店舗面積は既存の「しずてつストア」の半分から3分の1程度の約180平方メートルで、「スーパーとコンビニの中間サイズ」(同社)。 自社のプライベートブランド(PB)商品を中心に、日用雑貨や総菜、新型コロナウイルス禍で需要が高まった冷凍食品を充実
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記者コラム「清流」 現場に寄り添うリーダー
「経費節減のため、揚げ物に使う油を繰り返し使うと、完成品の色が悪くなり苦情が来る」と、静岡市内の食品製造業の男性経営者はうなだれた。 円相場が130円以上で推移する歴史的な円安が、中小企業を直撃している。この経営者によると、菜種油の価格は年初比2倍以上に膨張。従来の頻度で油の更新が難しく「ジレンマに陥っている」と肩を落とす。 静岡商工会議所次期会頭の岸田裕之氏は会見で「会員企業に寄り添い、きめ細やかに対応したい」と抱負を語った。中小は円安に加え、新型コロナウイルス禍と物価高の三重苦に見舞われ、価格転嫁も進まずにあえいでいる。現状打破と地元経済活性化に向け、新リーダーの手腕に期待が集まる。
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岸田次期会頭が抱負 静岡商議所 デジタル化・脱炭素に意欲
静岡商工会議所は25日、臨時議員総会を同商議所静岡事務所で開き、次期会頭に静岡ガスの岸田裕之社長(63)が就くことを正式決定した。11月から任期が始まる岸田氏は同日の会見で、人口減少問題と脱炭素化を喫緊の地域課題に挙げ、デジタル化による企業の生産性向上、カーボンニュートラルや再生可能エネルギー導入の推進などに注力する方針を示した。 岸田氏は人口減少に伴う商工業者の担い手減少に強い危機感を示し、「デジタルを駆使して地域企業の効率化を図りつつ、静岡の自然や文化の魅力を外部に発信する必要がある」と指摘。その上で「コロナ禍で首都圏重視の働き方は変化している。関係団体と協力し、交流人口や定住人口の
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JU静岡とカーシェア協会協定 被災地に中古車貸し出し
業者向けの中古自動車オークションなどを手掛けるJU静岡(静岡市葵区)は23日、日本カーシェアリング協会(宮城県)と災害現場の支援に関する協力協定を締結した。被災地への中古車貸し出しで連携し、早期復興に寄与する。 同協会は全国の企業や団体と協力して集めた中古車を、熱海市など災害に見舞われた被災地に貸し出している。協定書にはJU静岡加盟の中古車販売店約300社に協力を呼び掛け、県内での支援を円滑に進めることなどを盛り込んだ。 JU静岡の小野田泰祐理事長と、同協会の吉沢武彦代表理事が同日、同区のJU静岡事務所で協定書を交わした。小野田理事長は「会員一丸で被災地に貢献していく」と決意を述べ、吉沢
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観光誘客など18項目要望 静岡商議所、静岡市と連絡会
静岡商工会議所と静岡市はこのほど、行政連絡会を同市葵区で開いた。酒井公夫会頭が、観光誘客促進や地域企業・社会のデジタル化推進など18項目を盛った要望書を田辺信宏市長に手渡した。 基幹道路整備のほか、歴史的遺構の観光活用、企業が脱炭素に取り組むための情報発信なども求めた。 酒井会頭は「物価高でコストが上昇する中で、中小企業では価格転嫁が進んでいない。最低賃金の引き上げもあり、各社の経営は厳しい」と訴えた。その上で「2023年は市歴史博物館の開館など静岡を全国にPRする絶好の機会。市との緊密な連携で、にぎわい創出につなげたい」と述べた。
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学生が経営課題に解決策 商議所指導員の仕事体験 静岡
静岡市と静岡商工会議所は17~22日、市内企業の協力を得て、県内外の学生を対象にしたインターンシップを実施した。大学生と短大生計19人が企業の経営課題の解決策を練るなど、商議所の経営指導員の仕事を体験した。 参加企業は総菜販売や料理教室を手掛ける「おかずやmaspi」(葵区)と豆菓子製造販売の「豆豊商店」(同区)の2社。 最終日の22日に同商議所静岡事務所(同区)で行われた発表会で、学生は企業側から聞き取った経営課題を元に、広報や販売戦略のアイデアを披露した。 「子育て中の母親向け料理教室を企画しては」「パッケージを新装し、どの店の商品か一目で分かるようにして」といった意見が出た。企業
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模擬競り体験、流通仕組み理解 静岡市中央卸売市場で親子7組参加
流通の仕組みや市場の役割を知ってもらおうと、静岡市と市中央卸売市場協力会は20日、市内の小学生を対象にした模擬競り体験を同市葵区の同市場で開いた。 親子7組14人が参加した。競り人が品目の書かれた板を掲げると、児童は手を挙げながら入札額を提示し、ニンジンやピーマン、メロンといった青果物を競り落とした。 西豊田小5年の谷内透真君(10)=駿河区=は「欲しい野菜を買うために値段を言うのが楽しかった」と感想を語った。
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集客に知恵絞るビアガーデン 豊富なノンアルに本格肉料理…期待の夏 3年ぶり営業も
猛暑が続く中、静岡市中心街のビアガーデンが書き入れ時を迎えて集客に励んでいる。新型コロナウイルス禍で過去2年は規模縮小や中止を強いられ、今夏が3年ぶりの営業となる施設もある。ビールに合う本格的な肉料理の提供やノンアルコール飲料を多く用意するなど、顧客のつなぎ留めと新規開拓の両面で知恵を絞る。 ホテルアソシア静岡(静岡市葵区)は、施設内のレストラン3店のサービスをビアガーデンにそろえ、客の目前でしゃぶしゃぶやステーキなどを調理する。過去2年はまん延防止等重点措置などの影響で客数が落ち込んだが、行動制限のない今夏は需要が戻り、売り上げがコロナ前に近づきつつあるという。吉沢大輔シニアマネージャー
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ツイン客室新装 伝統工芸品配置 中島屋グランドホテル
ホテル・レストラン運営の中島屋ホテルズ(静岡市葵区)は10日、中島屋グランドホテル(同区)のツイン客室計4室を改装オープンした。 新型コロナウイルス下でビジネス需要の回復が鈍い中、総工費7千万円を投じ、従来のシングル12室を全面改修。「静岡の贅沢(ぜいたく)時間に住む」をテーマに、駿河竹千筋細工のランプシェードや賤機焼の小物入れなど地元の伝統工芸品を室内に採用し、滞在自体を楽しめる空間に整えた。各室の床面積は44平方メートル。1室料金は1泊2万2千円で、主に旅行者の利用を見込む。10月末までは半額で提供する。 担当者は「客室にいながら静岡の伝統を感じ、関心を持ってほしい」と話す。
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集客力強化にSNS活用学ぶ 24日にセミナー
日本政策金融公庫静岡支店と静岡商工会議所は24日午後2時から、飲食店経営者などを対象に、SNSを活用したマーケティング戦略について学ぶセミナーを静岡市葵区の同商議所静岡事務所で開く。参加無料。 経営コンサルティング業などのADU(神戸市)の宇田名保美社長が「SNSを活用して売上増加を目指そう」と題し、集客力強化の手法を説く。 会場の定員は15人、オンラインは50人まで参加できる。同商議所ウェブページなどから申し込む。問い合わせは同商議所<電054(253)5113>へ。
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CMグランプリ 入賞16作品表彰 静岡県広告協会
静岡県広告協会(会長・大須賀紳晃静岡新聞社・静岡放送社長)は5日、第26回県CMグランプリの表彰式を静岡市葵区で行った。テレビ、ラジオの両部門で入賞した16作品の広告主や広告会社、制作会社をたたえた。 テレビ部門の最優秀賞はJA静岡青壮年連盟の企業CM「THE SOUND OF FARMER’S」編。農作業の重機音や野菜の調理音を使い、リズミカルな作品に仕上げた。同連盟の中村雅俊顧問は「県内農業の発展につなげ、魅力をさらに発信していきたい」と意気込んだ。 ラジオ部門の最優秀賞は京昌園の企業CM「どのようなお部屋が」編。企画制作したリップスの相川香マネージャーは「オール静岡のス
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キクラゲ栽培 遠隔監視で効率化 静岡ラボ(湖西)収量・質向上
菌茸類のキクラゲを生産、販売する静岡ラボ(湖西市)が栽培施設内に遠隔監視システムを導入し、事業効率化と生産拡大の両面で成果を挙げている。キクラゲは国内流通の9割超を中国など海外に依存するため、同社は「より多くの消費者に国産キクラゲを届けたい」と展望する。 同社によると、キクラゲの生育最適温度は22~23度で、シイタケやエノキなど一般的な菌茸類(15~18度)よりも高い。同社は保温・保湿性の高い鉄筋コンクリート造りの建屋内に菌床を置き、蒸気を発生させて栽培している。 キクラゲ生産は温度と湿度の管理が最も重要だが、従来は機器トラブルなどが生じても外部から状況が分からず、品質が低下したこともあ
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新潟、長野、山梨の特産品販売 あすまでマム若松店(静岡)
新潟、長野、山梨各県の特産品販売会が5日、食品スーパーのフードマーケットマム若松店(静岡市葵区)で始まった。7日まで。 上越、上田、甲府の各商工会議所が「三国同盟 甲信越三国物産展」と銘打って主催し、本県との経済交流活性化を図る。 笹(ささ)だんごパンやりんごジュース、ほうとうなど約600品目が並ぶ。対象商品を2点以上購入するなどの条件を満たすと、特産品が当たる抽選会も実施している。 甲府商議所の担当者は「販売会をきっかけに、各県を実際に訪れ、現地で旅行や食事を楽しんでほしい」と話す。
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清水みなと祭りで電車増便 静岡鉄道
3年ぶりに開催する清水みなと祭りに合わせ、静岡鉄道(静岡市葵区)は5~7日、静鉄電車(静岡清水線)を増便し、混雑緩和を図る。 「港かっぽれ総おどり」が開催される5、6の両日は午後7時以降に7~9本増やす。7日は海上花火大会に対応し、午後5時以降に17本増便する。
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静岡の「勢水」 承天寺(福岡)で奉納 聖一国師顕彰会
静岡茶の始祖とされる聖一国師をたたえる顕彰会(会長・酒井公夫静岡商工会議所会頭)のメンバーら約50人がこのほど、福岡市博多区の承天寺を訪れ、静岡市葵区栃沢の聖一国師の生家とされる米沢家の泉でくみ上げた「勢水」を奉納した。 酒井会長や生家当主の米沢緑さんらが、同寺の平井雅教住職らに手渡した。酒井会長は「800年の時を越え、博多と静岡をつないでくれている聖一国師に感謝したい」とあいさつした。 一行は3年ぶりに開催された福岡市の夏祭り「博多祇園山笠」にも参加。山笠を担ぐ男衆が登場すると、奉納した水をひしゃくで浴びせ、祭りを盛り上げた。
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声優とコラボ「君と巡るシズオカ」 静鉄が周遊促進企画スタート
静岡鉄道(静岡市葵区)は22日から、県内出身の声優が出演した市内の周遊観光企画「君と巡るシズオカ」を実施する。5カ所に特設パネルなどを設置し、観光地や静鉄電車内を舞台にしたオリジナル音声ドラマを無料配信する。8月末まで。 出演する声優は山下大輝さん、梅原裕一郎さん、南條愛乃さんの3人。ファンや若者らに周遊を促す。 日本平夢テラス(清水区)や久能山東照宮(駿河区)など5カ所で掲示するQRコードを読み取ると音声ドラマが視聴できる。同社担当者は「登場人物と一緒に観光気分を味わってほしい」と話す。 全スポットを巡ると、抽選で声優のサイン入りグッズなどが当たる。問い合わせは同社運転運輸営業所<電
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育児施設の利用易しく ここみ(浜松市中区)【DX最前線】
浜松市の委託を受け、市内で子育て支援拠点を運営する一般社団法人ここみ(大村美智代代表)が、利用者情報をクラウド上で集計・管理するシステムを導入した。利用者が申込書を記入する手間を省くほか、集計作業の軽減にもつなげた。 市内では複数の保育園やNPO法人が、計約50の常設・出張拠点を設けている。利用者は各拠点の初回利用時と年度初めに、氏名や生年月日、住所、電話番号といった個人情報を登録し、その後も利用ごとに受付簿に記入する。スタッフは拠点別に利用人数などを手集計し、市に毎月報告していた。 両者の負担軽減を目指し、ここみは2021年8月、香川県のIT企業と共同で開発した同システムを、6拠点に導
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静岡商議所など3者連携 事業承継支援へ覚書
静岡商工会議所は13日、事業承継を検討する中小・小規模事業者への支援拡充に向け、県商工会連合会、日本政策金融公庫と覚書を締結した。3者連携で事業承継の支援ニーズを掘り起こし、第三者への承継を強化する。 同連合会と日本公庫は、会員事業者や取引先を対象に、事業承継に関する聞き取りを累計2千件以上行っている。同商議所が設置した事業承継の公的支援機関「県事業承継・引継ぎ支援センター」と情報を共有し、小規模事業者へのきめ細かな対応を図る。 同センターは9月を事業承継推進月間と定め、3者連携のセミナーを開くほか、事業譲受を希望する企業をつなぐマッチングイベントなどを計画する。 静岡市葵区の同商議所
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「うっかりドーピング」防ごう 漫画入りお薬手帳で啓発 島田市の薬剤師が制作
医薬品やサプリメントに禁止成分が含有しているのを知らずに摂取してしまう「うっかりドーピング」を防ごうと、みどりや薬局(島田市)の薬剤師清水雅之さん(38)が、お薬手帳と医療漫画を一冊にまとめた「漫画お薬手帳」を制作した。学生をはじめ、スポーツに励む若年層に薬の適正使用を周知するため活用する。 清水さんは薬局薬剤師の業務の他に、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)の認定を受けたドーピング防止の専門薬剤師「スポーツファーマシスト」として、アスリートらに服薬指導している。「誰もがドーピングの当事者になり得ることを伝えたい」と、手帳を制作した。 A6版で約40ページ。漫画では、学生やアスリート
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コロナ退散へ「清い水」 聖一国師の故事にちなみ 静岡で顕彰会
静岡商工会議所の聖一国師顕彰会(会長・酒井公夫静岡商議所会頭)は7日、静岡茶の始祖とされる聖一国師が鎌倉時代に疫病を封じた故事にちなんだ行事「清い水(きよいみず)の水撒(ま)き」を静岡市役所静岡庁舎前で行い、新型コロナウイルスの早期収束を願った。 聖一国師は1241年ごろ、現在の福岡県で清めの水をまいて疾病を鎮めたとされる。生家と伝えられる米沢家(同市葵区栃沢)の泉でくんだ「清い水」を、酒井会長や生家の当主米沢緑さんらが、願いを込めながらひしゃくでまいた。 清い水は例年、福岡県に届け、夏祭り「博多祇園山笠」で男衆に向けてまくのが恒例。新型コロナの影響で2年連続で中止されていたが、今年は3
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微生物で害虫駆除 環境配慮、応用に期待 静岡大田上准教授グループ
静岡大農学部(静岡市駿河区)の田上陽介准教授(応用昆虫学)の研究グループはこのほど、農業害虫「マメハモグリバエ」の体内微生物の性質を利用した新たな防除法を開発した。環境に負荷をかけにくい駆除の手法として、今後の応用に期待がかかる。 マメハモグリバエは北米原産で体長約2ミリ。トマトや温室メロンなどの葉に産み付けられた幼虫が葉を食害し、作物の生育を妨げるとして世界的に知られる。対応する農薬は開発されているが、田上准教授は安全性や生態系への影響を懸念し、別手法の駆除を模索していた。 着目した微生物は、マメハモグリバエなど多くの昆虫の体内に存在する「ボルバキア」。ボルバキアに感染したオスと非感染
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地域課題を市民が解決 静岡市の人材養成講座開講
静岡市が主催する人材養成講座「地域デザインカレッジ2022」が2日、市役所静岡庁舎で開講した。12月までの計5講座を通じ、地元自治会の代表者らが地域課題の解決策を検討・実践する。 約20人が参加した初回講座では、全国の市民活動を支援する団体「人と組織と地球のための国際研究所」の川北秀人代表が講師を務め、社会変化に伴う自治体活動のあり方について語った。 川北氏によると、2025年には同市の後期高齢者の割合が10年比で55%増加する一方で、生産人口は14%減少するという。 後期高齢者の独居率が増加傾向にあることも紹介し、「地域活動の負担は増す一方。行事の日程を見直し、福祉や防災、生活支援は
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家康公検定 挑戦者募る 10月、静岡や浜松など
徳川家康に関する知識を問う「家康公検定」が10月15日、家康ゆかりの地である静岡、浜松、愛知県岡崎の3市などで実施される。県内では7年ぶり。8月12日まで受験者を募集している。 3市の地元商議所と徳川みらい学会の共催。テーマは「家康公の平和外交-世界との出会い、日本の大航海時代」。選択式で100問出題する。70点以上で合格。結果は11月に発送予定で、合格者には証書を贈る。 試験会場は静岡商議所静岡事務所(静岡市葵区)、浜松商議所(浜松市中区)、岡崎商議所(愛知県岡崎市)など計5カ所。受験料2千円(中学生以下千円)。同検定のウェブページなどから申し込む。 問い合わせは静岡商議所商工観光課
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脱炭素支援など総会で計画承認 静岡県中小企業中央会
静岡県中小企業団体中央会は29日、総会を静岡市駿河区で開き、中小企業の情報発信力の強化や脱炭素に向けた取り組み支援などを盛り込んだ本年度の事業計画案を承認した。 企業のデジタル化推進を担う人材育成講座を開催するほか、デジタル化サポートセンターの機能を強化し、会員組合からの個別相談に対応する。自然災害や感染症流行を想定したBCP(事業継続計画)の策定・見直しを支援する。 山内致雄会長は「原材料価格の高騰や円安といった深刻な課題が生じる中、中小企業の振興と発展に尽力していく」とあいさつした。
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雨の日に買い物を150店が特典用意 アイラブしずおか協
静岡市葵区の中心市街地活性化を目指す「I Love しずおか協議会」は7月末まで、雨天時に対象店舗で購入者に多彩なサービスを提供する「おまち雨の日キャンペーン」を実施している。 商店街の個店や大型商業施設など計約150店がクーポン券、粗品といった特典を用意している。同協議会の担当者は「雨の日の来街者が少しでも増えるきっかけにしたい」と話している。
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22年度計画案を承認 アイラブしずおか協総会
静岡市葵区の中心市街地活性化を目指す「I Love しずおか協議会」は27日、2022年度の通常総会を同区の静岡商工会議所静岡事務所で開いた。市民参加型イベントの実施などを盛り込んだ事業計画案を承認した。 青葉シンボルロードのイルミネーション事業のほか、学生が中心街の歴史を調査・発信するインターンシップの実施を決めた。多彩な事業展開に向け、正会員に加え、賛助会員も事業運営に参加できるように規約を改定した。 同協議会の沼田千晴会長は「中心街活性化に向け、会員のアイデアを具現化していきたい」と述べた。
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静岡空襲の犠牲者を追悼 葵区・賤機山山頂で日米合同慰霊祭
1945年6月の静岡空襲で犠牲になった市民約2千人と、空中で衝突、墜落した米軍B29爆撃機の搭乗員23人を追悼する日米合同慰霊祭が11日、静岡市葵区の賤機山山頂で行われた。遺族のほか、在日米軍横田基地や自衛隊の関係者ら計約80人が参列した。 焼香した参列者は祭壇に花を手向け、米兵の遺品の水筒に入れたバーボンウイスキーを慰霊碑に注ぐなどして冥福を祈った。 式典を主催した同区の医師菅野寛也さん(88)はロシアのウクライナ侵攻に触れつつ、「慰霊祭が世界平和に向けた第一歩になることを祈っている」とあいさつした。 同基地のジュリー・ガウリン副司令官は「過去の犠牲に思いをはせ、敬意を払うとともに、
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オクシズでメロン栽培 中山間地の寒暖差生かす 静岡の栗田さん
静岡市葵区の中山間地域「オクシズ」で花卉[かき]を生産する栗田久さん(69)が、既存の温室でのメロン栽培に力を入れている。気温が低く、入り組んだ地形で作業効率が悪い中山間地域での栽培は、県内で珍しいという。栗田さんは「県西部のような本格的な管理はできないが、地元の人に気軽に手に取ってほしい」と話す。 同区飯間でトルコギキョウやラナンキュラスなどを手掛ける。ラナンキュラスの収穫を終える3月ごろから夏場にかけて空く温室を有効活用しようと、2017年ごろから藁科川流域に設けた約530平方メートルのハウス内でアールスメロンの一種「グラシア」約千株を育てている。 メロンの生育には、温暖な気候や長い
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高まる値上げ圧力 静岡県内スーパー各社、知恵絞る
4月の全国消費者物価指数が13年ぶりの高水準を記録するなど家計の負担が増す中、県内スーパー各社が主力の食料品の価格対応に知恵を絞っている。原油や小麦、油脂類の価格高騰でメーカー側からの値上げ圧力は高まる一方で、各社はプライベートブランド(PB)導入や商材の産地変更など工夫を凝らしながら、顧客満足度の維持と収益確保に全力を挙げる。 「これだけのコスト増はリーマン・ショック(2008年)以来」。静鉄ストア(静岡市葵区)商品部の山口悟副部長はため息をつく。主産地の天候不順などを受け、ジャガイモやタマネギの他、うどんやパスタといった小麦関連品を昨春ごろから1~2割程度値上げした。買い物に訪れた同区
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お茶テーマに「祭」 新静岡セノバ各店舗で販売、19日まで
静岡市葵区の商業施設「新静岡セノバ」で30日、お茶をテーマにしたイベント「茶祭」が始まった。施設内の各店舗がお茶を使った飲食料品などを販売する。6月19日まで。 県内の茶専門店は特設ブースを設け、市内産の新茶を使ったティーバッグ「セノバティー」などを販売している。4、5の両日には人工知能(AI)を使って来店者の脳波や表情を分析し、お勧めの茶を提案するサービス「テクノロティー」を実施する。 7日は休館。問い合わせは新静岡セノバ<電054(266)7500>へ。
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3県の特産マルシェで発信 静岡/山梨/長野
しずおか焼津信用金庫は28日、静岡、山梨、長野の3県の特産品を発信する「SUMPU(駿府)マルシェ」を静岡市葵区の青葉シンボルロードで開いた。 同信金が甲府、山梨、諏訪の各信金と締結した連携協定「しんきん中部横断道コネクト」を基に、それぞれの取引先である食品加工業者らの販路拡大を図ろうと実施した。 焼き菓子やワイン、ジャムなどを扱う41ブースが並び、多くの来場者でにぎわった。 同信金の担当者は「マルシェを機に各県との交流が進み、地域経済の発展につながれば」と話した。 (経済部・駒木千尋)
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全席ブース型の個室美容室開店 静岡「フォルテ ステラ」
静岡県内外で美容室を展開するフォルテ(静岡市葵区)は26日、全席ブース型個室美容室「フォルテ ステラ」を同区紺屋町にオープンした。 個室は五つ。1日あたりの入店客数の上限を16人とし、回転率を下げることで慌ただしさを抑え、顧客がリラックスできる環境を創出する。頭部全体を湯で包んで洗う「頭浸浴(とうしんよく)」を県内で初めて導入したほか、人工知能(AI)を活用し、顧客個々に似合う髪形を提案する。月、火曜定休。
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前年度事業を報告 静岡県商工会連合会
静岡県商工会連合会(前沢侑会長)は26日、2022年度の通常総会を静岡市駿河区のホテルで開いた。会員企業のデジタル化支援を担う人材育成事業、各商工会の組織力強化支援など21年度事業を報告した。 新型コロナウイルス下の資金繰り相談対応窓口の取り組み成果なども説明した。前沢会長は「コロナ禍やウクライナ情勢に伴う原材料費高騰など、中小企業を取り巻く環境は依然厳しい。各商工会と連携し、会員の期待に沿えるよう尽力する」とあいさつした。
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再開発ビル起工式「新ランドマークに」 静岡駅北口、地上15階
JR静岡駅北口前の地下1階、地上15階建て再開発ビルの起工式が17日、静岡市葵区で行われた。再開発組合の植田聞滋理事長や田辺信宏市長、建設、設計関係者ら約40人が工事の無事を祈った。完成は2024年2月の予定。 建設地は御幸町通り沿いで、施工地区面積は約3千平方メートル。延べ床面積約1・8ヘクタールで、商業施設や専門学校などが入る。総事業費は約88億円。 植田理事長は「北口の新たなランドマークとして、にぎわいの創出と交流の拠点になることを目指す」とあいさつした。
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静岡ホビーショー一般公開 全国愛好家の力作ずらり モデラーズクラブ合同作品展
静岡市駿河区のツインメッセ静岡で開かれている静岡ホビーショー(静岡模型教材協同組合主催)は4日目の14日、事前予約制ながら3年ぶりに一般客を会場へ招いた。全国の愛好家が力作を持ち寄る「モデラーズクラブ合同作品展」は約260クラブが力作を披露した。15日まで。 飛行機や車の模型のほか、夏祭りや農作業の一場面を表現したジオラマ作品など計約8600点が並んだ。開場と同時に多くのファンが詰め掛け、作品をルーペで詳細に観察したり、写真を撮影したりしていた。 1990年の初回から毎回出展している静岡市の「静岡デルタクラブ艦船研究会」は、戦艦の模型やビンの中で帆船を組み立てる「ボトルシップ」を公開。池
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「プラモニュメント」5基巡り 静岡市中心街でスタンプラリー ホビーショー合わせ
静岡市の中心市街地活性化を目指す「I Love しずおか協議会」は14日、静岡ホビーショーの一般公開に合わせ、中心街に設置された「プラモニュメント」を巡るスタンプラリーを開催した。15日まで。ホビーショー来場者向けの企画で、会場から市街地へ回遊を促し、にぎわい創出を図る。 プラモニュメントは組み立て前のプラモデルの部品群(ランナー)をモチーフにした構造物で、市役所静岡庁舎前やJR静岡駅付近などに計5基設置されている。ホビーショー会場で台紙を入手し、各地点の判をそろえると、札の辻クロス(葵区呉服町)でプラモデルなどと交換できる。 千葉県から家族で訪れた北村寛人君(8)は、「モニュメントで写
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記者コラム「清流」 電力浪費を反省
自宅用に遮光カーテンを購入した。異動で静岡市内に引っ越して約1年。間取りが変わり、手持ち品で全ての窓を網羅できなかったが買い足しが面倒で、寝室など一部の窓はレースカーテンのみを取り付けていた。 市内は街灯などで夜も明るく、就寝時に気になっていたため、遮光カーテン導入で悩み解消と思った。ただ暗闇の部屋に目が慣れると、今度はパソコンをはじめとした家電製品の電源ランプをまぶしく感じるようになった。 これまで目立たなかった電力浪費に気付いた。カーボンニュートラル(CN)などSDGs(持続可能な開発目標)達成に向けた取り組みが励行される中で、それに逆らう暮らしぶりだったと反省し、待機不要な家電のプ
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静岡ホビーショー開幕 模型の国内最大級見本市
国内最大級の模型メーカーの見本市「静岡ホビーショー」(静岡模型教材協同組合主催)が11日、静岡市駿河区のツインメッセ静岡で開幕した。約80社が15日まで、プラモデルやラジコンなどの最新作を発表する。過去2年は新型コロナウイルス禍で中止や規模縮小を余儀なくされたが、今回は3年ぶりに一般公開と小中高校生招待を再開する。 11、12の両日は業者向け。東日本、西日本のエリアごとに来場日を分けて密集を回避するなど、前回と同様の感染対策を施した。13日以降は県内の児童生徒や全国の愛好家ら一般向けに公開する。 会場内のタミヤブースでは、F1史上唯一の6輪レーシングカー「タイレルP34 シックスホイーラ
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静岡ホビーショー開幕 田宮俊作氏に聞く 静岡模型教材協組理事長
国内最大級の模型メーカーの見本市「静岡ホビーショー」が11日、開幕した。新型コロナウイルス禍で過去2年は中止・規模縮小したが、3年ぶりに一般公開日と小中高校生招待日を設ける。模型の趣味を持つファンや業者同士の再会の場と位置付け、プラモデル出荷額で国内シェア8割を誇る「模型の世界首都・静岡」をアピールする。 -フルメニュー開催に至った経緯を。 「昨年の閉幕直後から、今年は完全な形式で実施すると決めていた。中止や縮小は簡単だが、収穫は得られない。来場者を地域ごとに分散し、同時入場数を減らすなどの感染対策を徹底したことで、昨年も大きな問題は起きなかった。主催者の組合が業界をリードし、誰もが喜
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高糖度トマト「アメーラ」欧州最高賞 川勝知事に報告
高糖度トマト「アメーラ」生産販売のサンファームイベリカ(スペイン、稲吉洸太社長)が現地で栽培したアメーラが、4月にドイツで開かれたヨーロッパ最大級の農業展示商談会「フルーツロジスティカ」で最高賞の金賞を獲得した。稲吉社長らがこのほど県庁に川勝平太知事を訪ね、喜びを語った。 同商談会には農産物約100点が寄せられた。甘味や酸味のバランスが評価され、頂点に輝いた。稲吉社長は「アメーラの名前をヨーロッパに浸透させられるよう、今後も品質向上を続けたい」と述べた。 同社は、サンファーマーズ(静岡市駿河区、稲吉正博社長)とスペインの大手農業協同組合が出資して設立した合弁会社。同国内で2018年からア
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「電動車椅子」販売拡大 免許返納の高齢者サポート 車に代わる移動手段提案
高齢者の運転免許証返納が増加傾向にある中、新たな移動手段の確保を支援しようと、静岡県内の自動車販売店で操作性の高い次世代型電動車椅子の取り扱いが広がりだした。店側から車以外の選択肢を積極的に提示することで、これまで車に乗ってきた高齢顧客の生活を支えつつ、商材の多様化で販売店としての競争力強化も図る。 導入が広がるのは、都内メーカーのWHILL(ウィル)が手掛ける電動車椅子「ウィル」。静岡スバル自動車(静岡市清水区)は3月下旬、県内13店で取り扱いを始めた。最大5センチの段差を乗り越える高い走破力と、手でレバーを操作するだけで動く扱いやすさが特長。黒を基調にした近未来的な外観も併せ、アクテ
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収穫量予測で安定供給 ブロッコリー生産「アイファーム」 浜松
浜松市南区のブロッコリー生産販売「アイファーム」(池谷伸二社長)が、独自で開発した収穫予測や長期貯蔵のシステムを用いて、年間を通じて作物を安定供給している。生産性を向上させた取り組みが、2021年度の農林水産省「全国優良経営体表彰」生産技術革新部門で、最高賞(農林水産大臣賞)を受賞した。 建設業を営んでいた池谷社長は08年に就農した。ノウハウを持たない中、台風の被害状況調査をきっかけに、畑の面積や個数、収穫時期など詳細を記録し始めた。不作の年のデータを見直すことで栽培管理の改善を進めた。 データを8年間蓄積し、30日先までの収穫量を予測できるようにした。池谷社長によると、ブロッコリーは通
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静岡市中心街誘客、リアルで攻勢 松坂屋など各商業施設が新常態へ戦略
25年ぶりの大型改修を経て27日に新装開店した松坂屋静岡店(静岡市葵区)は、都市型水族館を構えるなど滞在型・体験型の店舗運営に大きくかじを切り、新型コロナウイルス禍で集客が鈍る市中心市街地に一定の衝撃を与えた。ウェブなどを通じた非接触の買い物が普及して消費行動が様変わりする中、中心街の各商業施設は客足を戻すためのリアル重視の戦略を練り、反転攻勢を図る。 「百貨店が顧客の『目的地』になっていない。ビジネスモデルを変え、風穴をあけたかった」。松坂屋静岡店の落合功男店長は、今回の大胆な戦略の背景に強い危機感があったと明かした。 狙ったのは、モノを売るだけでなく体験とともに消費する「コト消費」の
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記者コラム「清流」 おせちの販売動向
新型コロナウイルス禍の自粛疲れのせいか、「プチぜいたく」のおせち料理の予約が県内百貨店で好調だ。 前年比で「客単価の上昇が見られる」「売上高が大幅に増加した」と、各店の担当者の声は一様に明るい。 静岡伊勢丹(静岡市葵区)では、自宅用に複数のおせちを注文する来店客も珍しくないという。担当者は「感染状況が落ち着き、離れて暮らす家族が集まる場面が増えそう」と分析する。 コロナを機におせち販売を始めた飲食店も地域に密着し、好みの量や予算に応じたメニューで順調に販売を伸ばす。 コロナ禍で消費が抑制され、増えたという見方もある貯蓄。消費が少しずつ上向くことが経済活動正常化への鍵となる。
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水中ドローン港湾点検 事業化に期待【解説・主張しずおか】
静岡商工会議所の外郭団体「新産業開発振興機構」(理事長・藤田綾子同商議所副会頭)が、水中ドローンを使って人手が足りない港湾設備などの点検作業を行う新ビジネスの創出を目指すプロジェクトを進めている。実験を通じてドローンによる点検の有効性を実証し、事業化につなげてほしい。 同機構が9月、清水港の港湾設備の点検作業実験を本格的にスタートさせた。国土交通省の「海の次世代モビリティの利活用に関する実証事業」に採択され、交付された補助金約500万円を活用する。 ドローン製造販売「フルデプス」(東京都)の遠隔操作型無人潜水機(ROV)と呼ばれる水中ドローンで、潜水士の作業の一部である目視検査や撮影を
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記者コラム「清流」 外国人店員の気配り
仕事からの帰り道に、コンビニ店で夕食を調達するのが習慣だ。今春から4年ぶりに勤務している静岡市内では2~3店を利用しているが、各店の外国人店員比率の高さに驚いている。以前よりも外国人に接客される機会が多く、市内の外国人の人口が近年増加傾向にあることを実感した。 特に感服しているのは彼らの周囲への気配りだ。こちらがレジ付近の棚に近づいただけで、品出しの手を止めてカウンターに走るなど、申し訳なくなることも多々ある。仕事へのひたむきな姿勢に頭が下がる思いがする。 マニュアル通りと言えばそれまでかもしれないが、基本を確実に実行することは意外に難しい一面もある。自らの日頃の業務を振り返りたい。 &