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遠隔接客ロボでお出迎え 外出困難者 自宅から操作 静岡ガス 就労支援へ試験導入

 静岡ガスは障害者など外出困難者が遠隔操作で接客業務をできる就労支援ロボット「オリヒメ」を静岡市駿河区のエネリアショールーム静岡に設置し、来場者の接客に活用を始めた。12月下旬までの試験導入だが、オリヒメの開発会社「オリィ研究所」(東京都)によると、単発イベント以外で同ロボットの県内での継続的設置は初めて。

就労支援ロボット「オリヒメ」と同じポーズを取りながら会話を楽しむ親子=10月下旬、静岡市駿河区のエネリアショールーム静岡
就労支援ロボット「オリヒメ」と同じポーズを取りながら会話を楽しむ親子=10月下旬、静岡市駿河区のエネリアショールーム静岡


 同ショールームで開いたイベント「つなぐアート展」に合わせ、入り口付近に高さ23センチのオリヒメを設置した。操作する「パイロット」として同研究所に雇用されている県外の障害者2人が自宅から接客。来場者に「いらっしゃいませ、ようこそ」と声をかけ、障害者作品展やハロウィーン工作などの催しを案内した。
 パイロットで重症心不全の松島尚樹さん(54)=東京都新宿区=は来場者に障害者の絵画を紹介し、「どの絵が好きですか」と質問。静岡市葵区の安東小1年森一史君(7)は「ネコの絵が好きだけどイヌも好き」「どこに住んでるの」と会話を楽しんだ。母の梢さん(43)は「人と人がつながる手段として新しく、こういうコミュニケーションは新鮮」と興味を示した。
 同ショールームのオリヒメは今後、11月12、19両日のイベントと、同7日~12月19日の通常営業日(水曜休館)のうち火曜午前は同研究所のパイロットが交代で接客する。イベント以外の日は来場者の用件を聞いて静岡ガスのショールーム担当者に取り次ぐ業務を担う。オリヒメは12月26日まで設置予定で、パイロット不在時は静岡市、富士市、清水町の同社ショールーム担当者が遠隔で接客する。
 エネリアショールーム静岡の渡辺滋子館長は「外出困難な方々が社会とつながり、活躍できる場づくりの契機になれば」と語った。
 (社会部・瀬畠義孝)

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