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沼津東高サッカー部「部活の在り方変える」 選手権県大会で旋風 初の決勝T進出

 自主性を重んじる沼津東高サッカー部が全国高校サッカー選手権静岡県大会で旋風を巻き起こしている。県内指折りの進学校は創部76年目で初めて、29日から始まる決勝トーナメント(T)進出を決めた。「部活動の在り方を変えたい」。同校OBで選手として国体成年で県代表の経験がある増山大介監督(50)から試合先発メンバーの決定まで託された選手たちは自ら考え、自らの足で目標を達成しようと奮闘している。

自分たちで考えた練習メニューに取り組む沼津東高サッカー部員=19日夜、沼津市岡宮の同校グラウンド
自分たちで考えた練習メニューに取り組む沼津東高サッカー部員=19日夜、沼津市岡宮の同校グラウンド

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 既に3年生が大学受験のため引退し、1、2年生で臨んだ今大会。1次Tでは格上の第4シード科学技術高、第5シード静清高を続けて破った。決勝T切符を懸けた静清高戦は3―1で完勝。低い守備ブロックからカウンターを狙う戦術が成功した。増山監督は「試合中、もっと守備ラインを高くすべきだと思ったが、チームをサポートするのが自分の役割。生徒の判断を尊重した」と振り返る。
 試合を反省し、課題を克服するための練習メニューは全て生徒が決める。増山監督が示唆を与えることはあるが、対戦相手を分析してどう戦うかは基本的に生徒任せ。戦術のまとめ役を務めるボランチの山崎優輝選手(2年)は「常にお互いのプレーを見て、各自の長所短所を理解している。練習で調子の良かった選手をスタメンに選び、不満は出ていない」と胸を張る。
 毎日の全体練習は90~120分間。効率よく時間を使うため、戦術中心で一つの練習に攻守両方の要素が入る。新しいメニューがうまくいかなければ、その場で意見を出し合って改良する。1年生でチーム得点王のFW斉藤有哉選手は「練習中は学年関係なく対等に議論できる」とチームワークの良さを強調する。
 就任5年目の増山監督は「自ら考える力を身に付け、自分の行動に責任を持つことを学ばないと、社会に出て通用しない」という信念を持つ。卒業生を含めた生徒の成長に手応えを感じ、「みんなサッカーが好き。好きなことは目標が立てやすく、打ち込める。学習面につながる大きな伸び代が生まれる」と指導方針の効果を説明する。
 決勝Tでは初戦から強豪校との対戦が予想されるが、勝つためのプランを用意するつもり。海野翔南斗主将(2年)は「固い守備と攻守の切り替えの速さが自分たちの強み。泥くさく点を取り、必ず勝利をつかみたい」と決意を固める。
 (運動部・寺田拓馬)

 <メモ>第102回を数える今大会には県内112校110チームが参加した。沼津東高をはじめ1次Tを勝ち抜いた11チームと、プレミアリーグの静岡学園、プリンスリーグ東海の藤枝明誠、浜松開誠館、藤枝東、富士市立の5校を合わせた16チームで決勝Tを行う。沼津東高は今季県東部地区Aリーグで、もし静岡学園高との対戦が決まれば、五つ上のカテゴリーのチームと戦うことになる。注目の決勝T組み合わせ抽選会は23日に行われる。

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