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建設発生土活用へ仮置き場 長泉、静岡、浜松に整備 県方針 年内に運用開始

 静岡県は12日までに、ストックヤードと呼ばれる土砂の仮置き場を長泉町と静岡市、浜松市にそれぞれ整備する方針を固めた。工事現場などで生じる建設発生土の利活用を促す狙いで、年内の運用開始に向けて調整している。運営効果を検証し、2024年度以降はさらに複数の地域に整備することを目指す。

 ストックヤードは建設工事やトンネル工事で発生した土砂を一時的に仮置きし、別の工事現場へ搬出して再利用するための施設。22年7月の県盛り土規制条例施行に伴い最終処分場の受け入れ費用が高騰する中、処分される発生土の全体量を減らし、環境負荷低減につなげようと、地域バランスを考慮しながら候補地の選定を進めていた。
 県技術調査課によると、3カ所のうち2カ所は長泉町と浜松市南区の県有地に整備する。いずれも最大1万立方メートルの土砂を受け入れられる御殿場市の県営ストックヤードを上回る規模となる見通し。騒音・振動調査や土の搬入工程の調整などを行っている。残る1カ所は静岡市内の民有地で公募手続きを進めている。
 県は3カ所のストックヤードを年内に稼働させ、整備効果や課題、コストなどを検証する。他県の事例なども踏まえて運営方法などをまとめた手引書をつくる。民間事業者や市町と共有し、同様の処理施設を設置する際の参考にしてもらう。
 県発注の建設工事で生じる建設発生土は年間約190万立方メートル。このうち現場内利用や工事間流用、中間処理などで有効利用されている割合は70%にとどまる。県は今年3月に策定した建設発生土処理に関する基本方針で、発生抑制、利活用促進、適正処分を柱に据え、27年度末までに有効利用率を80%へ引き上げる目標を掲げた。
 全国各地で問題となっている違法な盛り土造成は処分場不足が一因との指摘もあり、ストックヤードの整備によって土砂の不適切な処分を抑制する。
 (政治部・森田憲吾)

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