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企業目標達成で高校生の夢応援 「生徒との約束守る」 山一金属(長泉) 寄贈型PIF

 アルミのリサイクルを手がける山一金属(長泉町)は、環境や社会、経済の各分野における地域貢献を後押しする静岡銀行の「ポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)」を通じ、高校生の自主性を養う教育支援に乗り出す。二酸化炭素(CO2)削減などPIFで定める目標達成状況に応じ、高校生の主体的なイベントに出資する。自ら課した条件を生徒との「約束」とし、自社の課題解決力に磨きをかける。

寄贈型のPIFについて思いを語る大賀丈久専務(中央)=清水町の山一金属
寄贈型のPIFについて思いを語る大賀丈久専務(中央)=清水町の山一金属

 同社は運転資金として3億円の融資を受けるPIFの契約で、CO2排出量の2019年比28%減、25年までにリサイクルの新技術を開発―など7項目の重要業績評価指標(KPI)を設定。同行が毎年実施する審査で4項目以上を達成できれば、高校生の教育を支援する資金提供を行う。同行によると、KPI達成に応じた「寄贈型」PIFは県内で初めてという。
 同社が支援するのは、高校生が憧れる人物を講師に招く講演会。地元の高校から企画を募り、プレゼンで理由や思いを審査する。優勝した生徒は同社から100万円の提供を受け、講師への出演交渉や会場設定などに取り組む。初回は来年の夏から冬を予定し、翌年以降も継続しながら県中、西部へと開催エリアを拡大する考え。
 寄贈型PIFは自主性が希薄化する若者に成功体験を提供しようと、同社の大賀丈久専務(33)を中心に企画した。大賀専務は「将来の成功を夢見る高校生が増えてほしい」と思いを語り、そのためにも「まずは自分たちがKPIをしっかりと達成し、生徒との約束を守る」としている。
 (経済部・金野真仁)

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