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水質、日当たり良し 長泉町北部に花き栽培者 静岡県内外から集まる 口コミ広がりも

 長泉町北部に近年、静岡県内外から観賞用の花や観葉植物を出荷する花き栽培者が集まり、生産や販売を手がけている。水質や日当たりの良さ、温度変化の少なさに加え、新東名高速道長泉沼津インターチェンジ(IC)が近く、出荷に適する場所として口コミで広がった。栽培者は「植物を育てるにはもってこいの場所」と口をそろえる。

シダ植物を生産する飯田さん(手前)。生産者が集まり、困りごとなど情報共有をする=長泉町
シダ植物を生産する飯田さん(手前)。生産者が集まり、困りごとなど情報共有をする=長泉町

 富士山南部の愛鷹山系の水は、アルカリ性の軟水が特徴。千葉県から同町に昨年移住し、熱帯のシダを生産・販売する飯田史よさん(40)は、植物の管理のしやすさが同町を選ぶ決め手になったという。「ここの農業用水は葉に白い水あかが出ない。スペースに余裕があり日の向きに合わせてハウスを建てられたから、葉がまっすぐ育つようになった」と声を弾ませた。
 飯田さんにこの地を紹介した大場文雄さん(43)も東京から移った。自ら観葉植物を育てたい人向けに、通販などでラン科植物を販売する。「雪は降らないし、温度変化も少ない。見た目が重視される観葉植物を育てるには本当に良い場所」と太鼓判を押す。
 「ICが近く関東圏に出荷しやすい」と話すのは、河津町から移住して花壇苗などを育てる後藤直也さん(53)。「生産者同士の集まりもあり、生産方法を共有できる。場所も適し、周りの生産者の人柄も良い」と笑顔を見せた。
 地元では新たな産地の誕生を歓迎する。土地の所有者と交渉して確保に尽くすとともに、自らも栽培する町議の井出春彦さん(64)は「こんないい場所を利用しないわけにはいかない。いろんなハウスが建ってくると活気が生まれる」と話す。
 (東部総局・天羽桜子)

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