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記者コラム「清流」 彫刻にふれて“超克”

 休館中のヴァンジ彫刻庭園美術館(長泉町)は6月上旬、年齢や障害の有無にかかわらず誰もが気兼ねなく楽しめる「ユニバーサル」の観点で、同館の観光活用法を考える講演会を三島市内で開いた。
 ユニバーサルは「バリアフリー」に近い意味で解釈されやすい。だが「ユニバーサル・ミュージアム」を提唱する広瀬浩二郎・国立民族学博物館教授は「対象を高齢者や障害者に限定すべきでない」と訴える。美術鑑賞や観光において視覚の優先順位は圧倒的に高い。だからこそ、五感の感覚を呼び覚ますことが「ユニバーサル」なのだという。
 同館は庭園にある彫刻作品を全て触ることができる特異な施設。広瀬氏が提示した「彫刻を触ることで社会観念も“超克”する美術館」というコンセプトが強烈に心に残った。
(東部総局・菊地真生)

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