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出店の不安解消や開業後押し 三島で支援プログラム 長期継続ビジネス目指す

 出店や開業時の不安や怖さを抱える人の事業開始を後押しする支援プログラムが三島市で始まる。市街地の空き物件での事業化に向け、事業計画から物件の活用法、集客、運営まで一連の課題解決をサポート。近隣で事業を始めた“先輩起業家”や金融機関もサポーターとして携わり、市街地で長く続くビジネスの立ち上げにつなげる。

プログラムの内容や先輩起業家らの体験談を聞いた説明会参加者=三島市
プログラムの内容や先輩起業家らの体験談を聞いた説明会参加者=三島市


 プログラムは、交流人口創出やテナント誘致などに取り組む加和太建設(同市)が、全国で同様のプログラムを展開するエンジョイワークス(神奈川県)と実施する。参加希望者向けの物件ツアーや相談会などを数回経て、8日までアイデアを募集。書類審査と面談で参加者を絞り込み、開業を支援する。
 物件は三島駅前の複合ビルの1フロアと築100年の古民家、飲み屋街の居抜き物件の3カ所を用意。市内のゲストハウスやコミュニティースペースの経営者らの助言を受けながら、出店先をイメージして事業アイデアを磨き上げていく。年明けをめどに最終選考会を開き、物件の優先交渉権を与える。
 加和太建設によると、同社で物件見学した人の9割強が契約に至らず、その内の半数以上が事業開始に至っていない。希望に合わない場合もあるが「知識や経験不足による漠然とした不安」で踏み出せない人が多いという。良いアイデアを持ちながら諦める人を見てきた同社まちづくり課の勝岡裕貴課長代理が「伴走することで何とか思いを実現させたい」と企画した。
 8月初旬に同社で行われた応募希望者向け説明会には、学生やUターン移住を考える人など約20人が参加した。ヴァンジ彫刻庭園美術館(長泉町)内の書店店員だった岩村知子さん(55)は、書店の閉店に伴って買い取ったアート関連本の在庫を元手に本屋の開店を目指している。ただ「本屋はもうけが少ない。継続は無理だと感じる」と不安を吐露。他の業態と合わせ、採算が取れる店舗経営を目指し、プログラム参加を検討している。
 プログラム名は、まち中での挑戦で三島を好きな人を増やそうとの思いを込めた「みしますきー」。河田亮一社長は「不動産屋として物件を見せて貸すだけではコトが生まれない。プログラムを通し、町を好きな人を増やしたい」と語る。
 (三島支局・岡田拓也)

 

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