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記者コラム「清流」 ビュフェ・リバイバル

 近年、フランスの画家ベルナール・ビュフェ(1928~99年)の再評価が進んでいる。11月25日に開館50周年を迎えた長泉町のベルナール・ビュフェ美術館で開幕した「偉才の行方」展も、リバイバルを意識した構成になっている。
 例えば、娼婦をモデルに黒く鋭い輪郭線で描いたとされる「狂女」は、派手な化粧と青白い顔で、やせこけている。以前は「なぜグロテスクに誇張するのか」と疑問だったが、自らの美容整形の過程を発信する若い女性の投稿がSNSで流れてくるようになった今見直すと、感覚的に理解できるようになっていた。
 ビュフェは、ピエロやサーカスも数多く描いたが、どこか哀愁を漂わせていた。SNSで自虐とユーモアを織り交ぜて発信する人が多い今、ビュフェの作品が響くのかもしれない。
(東部総局・菊地真生)

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