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静岡がんセンター 従業員の体験受け入れ 患者の声 製薬に生かせ 副作用対策推進も期待

 静岡県立静岡がんセンター(長泉町)は医薬品を研究開発する企業の従業員を対象に、医療現場体験プログラムの提供を始めた。抗がん剤治療の現場などに受け入れる。患者の様子を知ってもらうことで、効果的な創薬や副作用対策につなげたい考え。共同での製品開発を視野に入れ、企業との相互理解を深める。

カンファレンスに立ち会う中外製薬社員の斉藤さん(右から2人目)=長泉町の県立静岡がんセンター
カンファレンスに立ち会う中外製薬社員の斉藤さん(右から2人目)=長泉町の県立静岡がんセンター


 第1弾として中外製薬の社員5人が2日まで、治療や手術、外来診療現場に立ち会っている。普段は病院を通じて知る患者の声や薬の評価を直接聞き、医師らが薬の情報をどのように伝えているか把握している。
 医師らの問い合わせに対応する部署で勤務する斉藤周平さん(41)は、希望に合わせて病室の環境を変えるなど、患者視点を重視する病院の姿勢に刺激を受けた。「薬中心から患者中心に考え方が変わってきた。一人一人に合わせた案内ができるようにしたい」と話した。
 近年開発された抗がん剤は治療効果が高い一方、副作用が多様化。同センターは製薬会社と共同で対処法を発信するなど、予防とケアに注力している。その取り組みを進化しようと、プログラムの提供に乗り出した。現場ニーズを把握した製薬会社からの効率的な情報提供も期待している。
 同センターによると、他にも複数の製薬会社から問い合わせがある。プログラムの期間や内容は協議して決める。
 (東部総局・矢嶋宏行)

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