テーマ : 長泉町

サクふわ本場クロワッサン LPガス残ガスで焼き上げ 長泉の業者

 LPガス容器をくず化する際に生じる残ガスでクロワッサンを焼く専門店が長泉町にある。LPガス容器くず化処理業大静テクノ(長泉町)の白砂伸之社長(47)が「地元のために残ガスを有効活用したい」と2020年夏に開店した。「やるからには本場と同じものを」とこだわり、町内外に根強いファンを持つ。

残ガスを利用してクロワッサンを焼き上げる専門店「27LAYERS」。昼過ぎには完売する商品もある=長泉町
残ガスを利用してクロワッサンを焼き上げる専門店「27LAYERS」。昼過ぎには完売する商品もある=長泉町

 店舗名は「27LAYERS(レイヤーズ)」。レイヤーズは「層」を意味し、生地は27層にこだわる。冷凍保存をせず、毎朝営業日に焼き上げるのも店のポリシーだ。残ガスを利用して高熱で焼き上げ、外はサクッと、中はふわっとした食感が特徴。電気代を削減できる分、国産の発酵バターや県内産の抹茶を使用するなど材料費にコストを充てる。クロワッサンロールやクロッフィン、余った生地で作るあんバターも販売する。
 同社は残ガスをコインランドリーに活用する事業を展開。残ガスのさらなる活用策を模索していた5年前、社員からクロワッサン専門店の提案を受けた。英国に留学経験がある白砂社長は「大きくて満足感のある本場のクロワッサンなら」と開店を決めた。
 「サクサクふわふわな食感を再現するのに苦労」(白砂社長)し、完成まで1年近く要した。生地のこね方や折り方など試行錯誤を重ね、27層のクロワッサンにたどり着いたという。
 店は今年6月に開店から4年を迎える。近隣商業施設などへのイベント出店が奏功してファンが増加し、開店後2時間で完売する商品もある。白砂社長は「『ここのクロワッサンは違う』と遠くから来てくれる客もいる。こだわって完成させて良かった」と笑顔を見せた。
 (東部総局・天羽桜子)

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